2020/10/23

オンライン診療と親和性の高いビデオ通話。IT活用で患者にとってより良い医療の提供を

2018年の診療報酬改定によって、新しく「オンライン診療科」が開設されました。スマートフォンやパソコンを利用してビデオ通話することで、通院せずに診察を受けるというものです。ビデオ通話を利用することから、対面による応対が難しい場合の診察方法としても注目を浴びています。季節性の感染症対策や通院負荷の軽減策として、オンライン診療は有効な手立てのひとつでしょう。本記事では、情報技術の革新と診療報酬改定で普及が進むオンライン診療について詳しく解説します。

政府が推進するビデオ通話を使ったオンライン診療とは

医師は自ら診察しないで治療や診断書・処方箋を交付してはならない、と医師法第20条で定められています。そのためかつては離島・へき地に住む患者や在宅難病・がん・糖尿病患者など特定の疾患をもつ患者に限り、遠隔診療は認められていました。今では診療報酬の改定やガイドラインが策定されるなど、政府がオンライン診療を推進しています。

対面による接触規制時の診療方法として求められるオンライン診療

季節性の感染症が流行している場合に、リスク因子を抱える人が感染源に接触すると重症化することが知られています。高齢者や血液疾患、糖尿病、悪性腫瘍、慢性呼吸器疾患といった基礎疾患を抱えている人は、なるべく感染源に接触しないよう注意しなければなりません。

感染源に接触する機会を減らすために、リスク因子を抱える人は対面での診療を避ける必要があります。このような対面による接触規制時の診療方法として注目されているのが、ビデオ通話を使ったオンライン診療です。

既往症を持つ患者が、在宅しながらビデオ通話を使ってオンライン診療を受けることができれば、治療を中断することなく必要な医薬品を届けることができます。厚生労働省は、適切なオンライン診療が実施されるようガイドラインを設けており、徐々に利用者が増えることが期待されています。

オンライン診療科の新設と規制緩和の動き

オンライン診療の歴史は、1997年に厚生労働省が通知した「情報通信機器を用いた診療について」からスタート。初診は原則対面、離島・へき地に住む患者や特定の遠隔診療患者を対象として明記していました。

2015年に大きな動きがあり、1997年に示された対象患者は、制限ではなく例示だと明確にした事務連絡が出されたのです。その後2016年、2017年と事務連絡が続き規制緩和が進みました。2018年のガイドライン策定と診療報酬改定で、ついに「オンライン診療科」が誕生したのです。

オンライン診療のガイドラインでは、「最低限遵守する事項」を示し、医師、患者とその関係者が安心して受診できるよう目指しています。初診は原則直接の対面による診療、患者の合意のほか「リアルタイムの視覚及び聴覚の情報を含む情報通信手段を採用すること」を規定。つまりオンライン診療はビデオ通話を基本としており、チャットなどのテキストメッセージを交わすだけの診療は認められていません。

新型ウイルス感染症が急激な拡がりをみせるなか、政府は原則対面としていた初診でも時限的、特例的な対応としてオンライン診療を導入する方針を固めました。このようにオンライン診療を取りまく状況は著しく変化しており、今後もさまざまな規制緩和が実施されることが予想されるでしょう。

オンライン診療は、なぜ注目されているのか?

オンライン診療のガイドラインでは、医療を必要とする患者が容易に医療にアクセスできる「アクセシビリティ」の確保を基本理念としています。

医師側からすると、ビデオ通話を通じて得られる患者家族や自宅の様子などの情報をもとに、提供する医療の質をさらに高められるメリットもあります。対面と比べてオンライン診療では、患者がより能動的に治療にかかわるため治療効果を向上できるとも期待されているのです。

ガイドラインでは医師の所在について「必ずしも医療機関においてオンライン診療を行う必要はない」とされています。出産や子育て、あるいは介護などの理由で離職せざるを得ない医師も、オンライン診療であれば継続して仕事を続けることができるかもしれません。

高速インターネット回線の普及や、幅広い年齢層がスマートフォンやタブレット端末を使いこなす時代になったことが、2015年の事務連絡につながりました。ビデオ通話を使うオンライン診療は今後さらに注目され、「普通のこと」になる日がくるかもしれません。

技術の進歩でオンライン診療は広がりを見せる

2018年のガイドライン策定と診療報酬改定後に、異なる性質をもつ4つの地域で実施された調査結果が「総務省の遠隔医療に関する取組(2019)」にまとめられています。

この調査結果では、オンライン診療を実施した際の画質や音声などの精度は十分だ、との評価が医療機関側から得られました。患者の通信状況によって一部映像の不具合が生じるケースもあったようですが、情報技術の進歩はすでにオンライン診療を十分実施できるレベルだということがわかります。

かつてはADSLだったインターネット回線も、今は光回線の時代です。
家庭内での高速インターネットの普及も進み、患者側のオンライン診療への理解が浸透すればさらに広がっていくことでしょう。

ビデオ通話を使ったオンライン診療の活用が期待されるシーンとは

日本オンライン診療研究会が実施した、オンライン診療を実施している医師を対象にしたアンケート結果をみてみましょう。

実際にオンライン診療で治療している疾患は、多い順に高血圧症、AGA、アレルギー性鼻炎、ED、睡眠時無呼吸症候群、月経困難症、脂質異常症、糖尿病などです。またパニック障害、うつ病やPTSDといったメンタルヘルスでもオンライン診療が用いられています。
(出典:「オンライン診療に関するアンケート集計結果」日本オンライン診療研究会)

オンライン禁煙外来

治療のリスクが少ない禁煙外来では、例外的に対面診療を組み合わせなくてもよいとされています。つまりビデオ通話を使ったオンライン診療のみで、禁煙治療を受けることが可能なのです。

すでにいくつかの企業では、健康保険組合が完全オンラインでの禁煙外来を社員に勧めています。対面診療と比べても効果が見劣りしないという臨床試験結果が発表されており、禁煙外来を勧める企業が増えればオンライン診療は大きく飛躍するでしょう。

アフターピルの処方

オンライン診療はまだ始まったばかりの制度ということもあり、実情に合うよう2019年にガイドラインの改訂がなされました。改訂のなかで注目を浴びた点が、アフターピルのオンライン診療での処方が例外的に認められた点です。女性が相談しやすい環境が整うことが期待されています。

医療機関が少ない地域

2019年のガイドラインの改訂で、医師や医療機関が少ない地域の実情に合わせた内容が盛り込まれました。離島やへき地では、常勤の医師が一人だけあったり非常勤医師が交代で診療にあたっていたりすることもあります。

医師が急病などやむを得ない事情で診療できず代診もたてられない状況では、2次医療圏内で初診からオンライン診療を受けられるようになりました。この改訂で、医療資源の少ない地域でのオンライン診療はさらに広がることでしょう。

また地域医療を確保し医師不足への対応策として、遠隔地にいる専門医が診療医を助けるDoctor to Doctor(DtoD)と呼ばれる遠隔医療についても改訂版に明記されました。これによりビデオ通話を使った、医師が医師をサポートする遠隔コンサルテーションの整備がさらに進むことが期待できます。

在宅医療

高齢患者の場合は看護師などの補助を必要とするケースが多いという実情が報告されていました。2019年の改訂では訪問看護と在宅診療の連携(DtoPwithNモデル:Doctor to Patient with Nurse)がガイドラインに明記されたことで、在宅医療でもオンライン診療の割合が伸びていくことでしょう。

患者と医師のコミュニケーションを実現する「ビデオトーク」

オンライン診療では、リアルタイムの視覚・聴覚の情報が得られる情報通信手段=ビデオ通話を採用する必要があります。ここでは患者と医師のすぐれたコミュニケーションを実現する「ビデオトーク」について紹介します。

ビデオ通話サービス「ビデオトーク」の特長

ビデオトークは医師と患者の間など、1対1のビデオ通話を簡単・手軽に始められる法人向けビデオ通話サービスです。ビデオ通話を開始するには、医師側から患者の携帯電話番号宛にSMSでビデオ通話用のURLを患者に送るだけ。患者側の操作は、URLをタップするだけ。アプリのインストールなど煩わしい手間がないためスムーズにビデオ通話を開始できます。

ビデオトークでできること

複雑な管理画面の運用とは無縁のビデオトークなら、ビデオ通話履歴をサービス管理画面上で簡単にチェックできます。通話中に撮影した写真や動画を記録用として医師側のパソコンに保存したり、APIを介して利用中の顧客管理システム(CRM)とビデオ通話履歴を自動連携させたりすることも可能です。

患者と簡単につながるビデオトークで、患者にとってより良い医療の提供をはじめてみませんか。

しかし、接続状態が不安定な場所からのアクセスや、会話が中断されそうな騒音の中では、相手に不快感を与えることがあります。また、マナー違反にならないように、基本的な営業時間外や一般的に多忙な時間帯を避けるなどの配慮は必要です。