
2021/06/11
オンライン接客とは?4種類の方法やメリット・デメリットと企業事例
コロナ禍により店舗での対面接客が困難になり、代替方法としてのオンライン接客を導入する企業が増えています。本記事ではオンライン接客の概要や種類、導入するメリット・デメリット、導入企業の事例、導入時のポイントについて解説します。
オンライン接客について知っておきたい3つの基礎知識
実店舗における対面での接客に対し、インターネットを利用した接客がオンライン接客です。ここでは、オンライン接客の概要や多くの企業から注目されている理由、重要性について、それぞれ説明します。
オンライン接客とは
スタッフがZoomなどのWeb会議サービス・ビデオ通話サービスを使用してインターネット経由で接客することを「オンライン接客」といいます。リアルタイムで双方向のコミュニケーションを取れる点が特徴です。
一方、Webサイトやモバイルアプリに訪問したユーザーに対して、チャットボットやポップアップでお客さまに情報提供することをWeb接客といいます。
とはいえ、「オンライン接客」と「Web接客」は明確に区別されていません。インターネット経由の接客全般を「オンライン接客」と呼ぶのが一般的です。
オンライン接客が注目される理由
2020年以降は新型コロナウイルス感染症の拡大により、不要不急の外出や他人との接触をできるだけ控えるなど、「新しい生活様式」が一般的になりました。結果として対面での接客が困難になり、販売機会の減少や売上ダウンなどの問題が起きています。
withコロナ時代の販売戦略として、対面サービスの代替手段となるオンライン接客が注目されるようになりました。また、「店舗に行かなければ買い物ができない」という物理的なハードルを取り除くことによって、バリアフリーへの対応も推進できます。
オンライン接客の重要性
上記のような経緯から、オンライン接客によるサービスを提供する業種や企業のジャンルは拡大しています。現在では、低コストでありながらも多彩なサービスが提供されており、多くの企業がオンライン接客の導入や運用に注力しています。
オンライン接客への対策を講じなければ、今後、接客対応において競合他社から取り残される可能性もあり、早期にオンライン接客の導入を検討する必要があるといえるでしょう。
オンライン接客の4種類の方法とそれぞれの特徴

オンライン接客といっても、さまざまな種類があります。主な4種類について、以下でそれぞれを解説します。
Web会議サービス・ビデオ通話サービス
オンライン接客には、ZoomやMicrosoft Teams、Google Meet、Skypeなど、Web会議サービスやビデオ通話サービスを経由して接客するやり方があります。上記の4ツールが主に用いられていますが、他にもSlackやChatwork、ベルフェイスやV-CUBE ミーティングなど、Web会議ツールは多数あります。
この方法ならリアルタイムのやり取りが可能なうえに双方向性があるため、店舗での対面接客と同様に、きめ細かいやり取りもできます。
SNS
オンライン接客にLINEやInstagram、X (旧Twitter)といったSNSのチャット機能やライブ動画配信機能などを使用する方法もあります。
お客さまが日常的に使用しているツールなだけに、親しみを感じてもらいやすい点がこの方法のメリットです。特に、チャットでは文章でやり取りができるため、気軽に利用してもらえるでしょう。
さらに、動画配信機能を使うことによって、ライブコマースなど臨場感のある販売も可能になります。
チャット・メール
自社のWebサイト上でスタッフによるチャット対応をしたり、電子メールで問い合わせなどに対応したりといった方法もオンライン接客の1つです。以前から使用されてきたオンライン接客のツールとして多くのお客さまに馴染みがあるほか、双方向性もある点がメリットといえます。
ただし、原則として文字や静止画像しか使用できないため、やり取りできる情報に限りがあり、きめ細かい対応は難しい点が、チャット・メール対応のデメリットです。
チャットボット・ポップアップ
チャットボットやポップアップをWebサイトやアプリ上に設置し、無人でオンライン接客を行う方法もあります。
チャットボットとは、Webサイトやアプリ上にチャットスペースを実装し、AI知能が自動で最適な提案・回答を行うツールです。
ポップアップとは、お客さまのWebサイト閲覧状況や行動などのデータに基づき、最適なタイミングで最適なポップアップを表示することで、CV(会員登録、問い合わせや購入)を促すツールをいいます。
オンライン接客の3つのメリット

オンライン接客には「コミュニケーションの質が高まる」、「集客力が上がる」、「感染症対策になる」といったメリットがあります。それぞれについて、以下で解説します。
コミュニケーションの質が高まる
Web会議サービスやビデオ通話ツールをオンライン接客に使用すれば、お客さまとリアルタイムかつ、双方向のやり取りが可能になります。
企業担当者からお客さまへ伝えられる情報量が増えることによって購買意欲を促進するだけでなく、お客さまの表情や発言、トラブルなどの状況を映像で観察して、要望を把握することが可能です。対面接客と変わらない、きめ細かなコミュニケーションを、Web会議サービスやビデオ通話サービスによって実現できます。
集客力が上がる
コロナ禍によって不要不急の外出をできるだけ控える「新しい行動様式」の普及により、実店舗での集客が困難になっています。オンライン接客を導入すれば、お客さまに実店舗まで来ていただかなくてもオンライン上での集客が可能になり、集客力アップにつなげることが可能です。
また、平常時でも来店が難しい高齢者や遠方のお客さまも、オンライン接客によって獲得できる機会が増加します。オンライン接客は新たなターゲット開拓や商圏拡大にも有効です。
感染症対策になる
オンライン接客であれば、スタッフとお客さまが直接、対面しなくてもコミュニケーションが取れます。対面での接触を減らすことによって、感染症対策が可能です。お客さまが安心して購入やサービス利用ができる対応を提供可能になるほか、接客業務に従事するスタッフの安全を守ることにもつながります。
オンライン接客のデメリットと課題
オンライン接客には、運用の手間や費用の削減、きめ細かい対応が困難といったデメリットや課題もあります。それぞれについて、以下で解説します。
運用する手間や導入費用の削減
たとえば、チャットを導入するとして、有人チャットなら対応する担当者を確保しなければなりません。チャットボットなどで自動化するにしても、一定のコストがかかります。
Web会議サービスを導入する場合は、担当者tがツールの操作に慣れるための教育にかかる時間や費用、サービスやツールの利用料金などが負担となるケースもあります。
よって、運用の効率化や手間・費用の削減がオンライン接客における課題といえるでしょう。
店舗や対面のようなきめ細かい対応
オンライン接客の質は、どの手段を使用するかによっても異なります。チャットやメールなどテキストだけのコミュニケーションの場合、商品やサービスの特徴がお客さまに伝わりにくかったり、お客さまの状況が見えづらかったりすることがあるでしょう。そのため、きめ細かい対応は困難です。
店舗での対面接客と変わらない質の高い対応をできるようにすることが、オンライン接客の課題といえます。
オンライン接客が適している業種と企業事例
オンライン接客は不動産や百貨店・アパレル・ファッション、化粧品やコスメ、家具・インテリア・家電などの業種に適しています。それぞれの事例について、以下で紹介します。
不動産
不動産業界では内見やモデルルーム見学、重要事項説明などのオンライン化にビデオ通話を活用しています。
モデルルームを見学したいと思いながら、心理的・物理的な困難により来場しにくいお客さまは少なくありません。その場合でも、オンライン接客であれば気軽に利用してもらえる傾向があります。
オンラインでのモデルルーム見学にビデオ通話サービスを採用した大手不動産会社では、成約率が約1.5~2倍に増加しています。
百貨店・アパレル・ファッション
オンラインショップで商品の色やデザイン、質感などを写真や言葉だけでお客さまへ十分に伝えるのには限りがあります。オンライン接客サービスを使ってリアルタイムの映像やスタッフによる説明を提供すれば、実店舗での接客と同様の伝達が可能です。
実際に、女性向けアパレルブランドの通販サイトは、スタイリストによる商品説明をビデオ通話で提供しています。
化粧品・コスメ
化粧品やコスメ商品の販売において重要な色や質感、使い方なども、オンライン接客サービスやライブコマースによってお客さまに伝えることが可能です。事前に予約してもらうことによって、個別のお客さまに合わせた提案もしやすくなるでしょう。
大手化粧品メーカーでは首都圏を中心とする約250店舗に30分間無料のオンラインカウンセリングサービスを、Web会議サービスを使って提供しています。
家具・インテリア・家電
家具・インテリア・家電などを取り扱う店舗でも、オンラインでの商品説明や購入相談をサービスに取り入れることが可能です。インテリアショップを運営する会社ではオンラインインテリア相談を、お客さまに予約してもらった日時に、3Dシミュレーターを活用しながら実施しています。
オンライン接客で成功するポイント

費用対効果の高い方法を選ぶこと、接客の質を維持できる方法を選ぶことが、オンライン接客を成功させるポイントです。それぞれについて、以下でくわしく解説します。
費用対効果の高い方法を選ぶ
オンライン接客には、Web会議サービス、有人チャットやSNS、チャットボット・ポップアップなど、さまざまな方法があります。いずれの方法でも、導入にあたって初期費用や月々の運用料金がかかるほか、ツールの管理やスタッフへの教育など、さまざまな工数的・経済的なコストが発生することに注意が必要です。
オンライン接客を導入する際は、それによって集客数や販売数などの増加を見込めるかなど、費用対効果について慎重に検討することが重要といえるでしょう。
接客の質を維持できる方法を選ぶ
接客の質とは、対応の的確さやスピードなど、お客さまに安心感や利便性を提供できることです。お客さまが企業や店舗、ブランドに対して抱く印象は接客の質によって大きく変わり、それが売上やリピート率にも重大な影響を及ぼします。
オンライン接客を長期的な成果につなげるためには、対面サービスと同レベルに接客の質を保てる方法を選ぶことが重要です。特に、ツールの使いやすさや通信の安定性などは念入りにチェックすべき要素といえます。
最適な方法で質の高いオンライン接客の実現を
オンライン接客には多くのメリットがあるため、多くの業種で導入が進められています。
NTTコム オンラインが提供するビデオ通話サービス「ビデオトーク」はBtoCのオンライン接客に最適なツールです。利用時にアプリのインストールやアカウント登録が不要のため、お客さまを煩わせることがありません。携帯電話番号宛てに会議URLをSMS送信できるため、お客様さまはSMSに記載されたURLをクリックするだけでビデオ通話を開始できます。お客さまのスマートフォンのカメラによってお客さまの状況が把握しやすいため、質の高いオンライン接客を可能にします。
オンライン接客の導入を検討中の方はぜひ、ビデオトークをご検討ください。