2021/07/16

遠隔授業の種類・方法とメリット・デメリットやツールの選び方

コロナ禍により、登校せずにインターネットを介して受講する遠隔授業が脚光を浴びています。また、時間や場所を問わずに学べる学習方法としても、ビデオ通話機能を使用したオンライン授業の需要は高まる傾向です。

本記事では、遠隔授業の種類や方法など概要から、遠隔授業のメリットやデメリット、注意点まで総合的に解説します。遠隔授業の実施事例も取り上げるので、導入時の参考にしてください。

遠隔授業の3つの基礎知識

遠隔授業とは、そもそも、どのようなものでしょうか。遠隔授業とは何か、遠隔授業の種類、接続の方法などについて以下でそれぞれ解説します。

遠隔授業とは

インターネットに接続したデバイスを利用して教育学習を行うことを遠隔授業といいます。具体的には、パソコンやタブレット、スマートフォンといった電子デバイスを使用し、インターネットを経由したビデオ通話サービスなどを使って授業を行います。

主な遠隔授業には次で述べる3種類があり、授業の目的や対象となる生徒の特性、講師側の対応可否などによって分類が異なります。

遠隔授業の種類

遠隔授業は主に以下の3種類があります。

1.共同型
2.専門型
3.個別型

「1.共同型」は、離れたエリアにいる児童・生徒たちに交流の機会を設けたり、合同授業などを実施したりするものです。

「2.専門型」では、ALT(外国語指導助手)や外部講師といった専門家とつなぐことによって、学校だけでは学べないような専門性の高い教育を提供できます。

「3.個別型」は、不登校や病気で登校できないなど個別の配慮が必要な生徒を対象に、オンライン上でマンツーマンに近い授業を実施するものです。

また、授業内容や学習者の需要によっては、対面授業を含む複数種類の授業を組み合わせた「ブレンド型」「ハイブリッド型」や、オンライン上で講義ビデオなどを配布して受講者が好きなときに受講できる「オンデマンド型」を実施する場合もあります。

遠隔授業の接続方法

遠隔授業ではインターネットを介して講師と学習者を接続します。その接続方法は主に3種類です。

「1.共同型」の遠隔授業では主に、教室(多人数)と教室(多人数)を接続する方法を用います。「2.専門型」の遠隔授業で一般的に使用するのは、講師(少人数)と教室(多人数)を接続する方法です。「3.個別型」の遠隔授業においては、講師(少人数)と学習者(少人数)を接続する方法を使用します。

つまり、授業の種類によって、適した接続方法を使用するのが普通です。

遠隔授業の4つのメリット

遠隔授業の主なメリットとは、場所にとらわれずに専門的な教育を受けられる、通学や移動の負担軽減などが挙げられます。いくつかあるメリットについて、以下で解説します。

専門的な教育

上で述べた「2.専門型」のように、遠隔授業では専門的で高度な教育を広範囲に提供できる点がメリットです。インターネットに接続できる環境さえ整えれば、受講生はどこに居住していようとも専門性の高い講義や教室にアクセスでき、遠隔授業を受講できます。

また、「教えたいが、時間や場所の条件が合わない」という専門家にとっても、遠隔授業なら参加が可能になるケースもあるでしょう。通学できる範囲に専門的な学校がないといった「教育の地域格差」を、遠隔授業によって解決できる可能性があります。

多様な教育形態

遠隔授業にはさまざまな実施方法があるため、教育形態に多様化をもたらします。

たとえば、風土や生活習慣が大きく異なる北海道と沖縄の生徒が交流するとしましょう。そういった機会を提供すれば、生徒は多様な価値観に触れて学べるなどのメリットを得られますが、リアルで実施するには費用や準備が必要です。

しかし、オンラインで遠隔地を接続すれば、移動にかかる金銭的・時間的なコストや大勢の生徒を移動させるリスクもなく、容易に実現できます。

通学や移動の負担軽減

遠隔授業であれば、児童や生徒、学生や受講生は自宅からでも授業に参加できるため、通学や移動にかかる時間的・金銭的・体力的な負担などを減らすことができます。

病気などで通学が難しい場合も、遠隔授業であれば自宅や病院などから参加できる場合があるでしょう。また、海外など遠隔地に居住する外部講師が遠隔授業に参加する場合にも、同様のメリットがあります。

機能の活用

遠隔授業に使用するツールによっては、アンケートや集計を取ったり、板書した内容や画面共有をしたりできるなど、さまざまな機能が搭載されています。テーマごとにコミュニケーションを取れる機能を利用すれば、ディスカッションや共同学習も可能です。

リアルの授業ではスペースやコストなどの問題により共有が難しかったことも、遠隔授業のシステムを使えば共有が手軽にできるようになり、教育手法の拡大につなげることができます。

遠隔授業のデメリット・注意点

遠隔授業の主なデメリットとしては、「新しい教育格差」「機器・通信環境・システムのトラブル」「教育効果の減少」「身体的・肉体的疲労」などが挙げられます。それぞれのデメリットについて、以下で解説します。

教育の格差

遠隔授業で学習効果を上げるためには、遠隔授業に適した端末や通信環境が必要です。また、端末やツールの操作を問題なくできるか、児童や生徒にとって操作が難しい場合に保護者がサポートできるかなどによっても、学習効果に差が出てくる可能性があります。場合によっては遠隔授業への適応が難しく、新しい教育格差の原因となるかもしれません。

機器・通信環境・システムのトラブル

遠隔授業をスムーズに実施するためには、通信環境や使用機器に一定以上の質を維持する必要があります。遠隔授業に使用する機器やシステムの故障・不具合によって、授業が中断されたり、参加者が授業に集中できなかったりする可能性があるためです。

また、通信環境によっては授業中に接続が途切れたり、音声や映像にタイムラグが発生したりすることも、授業内容への集中を妨げる原因となります。

教育効果の減少

遠隔授業では、授業を受ける児童や生徒、学生がリアルの授業と同程度の緊張感を保つことが難しい点が問題です。そのため、リアルの教室で行う授業と比較して、遠隔授業では教育効果が薄れる可能性があります。授業に集中できていない受講生に対して講師の目が行き届きにくいこともあり、受講生が自主的に授業に参加する意欲を維持できない場合は授業内容についていけなくなるかもしれません。

身体的・肉体的疲労

遠隔授業では、学習者と講師の双方が長時間、端末の画面を見続けたり、イヤホンなどを装着したりしなければならないケースも少なくありません。それは目の酷使や耳の痛みなど肉体的な疲労につながります。また、使い慣れない端末やツールを長時間扱うことから、精神的な疲労を招く場合もあるでしょう。

遠隔授業のアプリ・ツールの選び方

遠隔授業に使用するアプリやツールを選ぶ際にはどのような点に気を付ければよいでしょうか。ポイントとなる点を以下で、それぞれ解説します。

参加人数

遠隔授業では一般的にWeb会議ツールを使用します。Web会議ツールによって同時に参加できる最大人数は50~300人程度とかなり差があるため、遠隔授業に最適なWeb会議ツールも参加人数によって異なります。

個別型のようにマンツーマンの授業がメインであればWeb会議ツールの最大参加人数を気にする必要はありません。しかし、参加人数が複数になる授業がメインとなる場合は、ツールの対応人数を考慮する必要があります。

授業方法

遠隔授業の実施方法に合わせてツールを選択することも重要です。教室の講師と生徒の自宅をつないで実施する授業なら、パソコンに対応しているツールでも問題ありません。

一方、バーチャル社会見学などのように専門家と教室を接続する授業の場合、講義する専門家が端末を持ちながら移動したり、端末を持ち上げて撮影したりしながら映像を配信するケースも多いでしょう。その場合はパソコンでは扱いにくいため、スマートフォンやタブレットなどに対応しているツールを使用するほうが便利です。

通信の安定性

授業が途中で中断することにならないように、通信の安定性を確認しましょう。無料のWeb会議ツールの場合アクセス負荷がかかると通信が安定しない場合があるため、注意が必要です。また、Web会議ツールによっては1回あたりの通信時間が制限される場合もあるため、事前にチェックしましょう。

遠隔授業を実施している事例

ここでは、遠隔授業の実施事例として、歴史資料館と教室をつないだバーチャル社会見学や、海外の講師と生徒をマンツーマンでつないだ英会話授業を紹介します。

専門家によるバーチャル社会見学

大分県佐伯市の小学校では、教室と歴史資料館を接続したバーチャル社会見学を実施しています。

教室側にはモニターと音響設備を用意します。歴史資料館では、学芸員がオンラインに接続する端末を使って資料館の展示物を配信しながら解説を行い、児童からの質問に対応します。機器の調整や学芸員の説明に対する補足などを行うのは教師の役割です。

児童はリアルの館内見学に近いバーチャル体験を通して学習できます。また、学芸員によって説明対象が絞り込まれているため、リアルの見学よりも要点を押さえた系統的な知識・経験の獲得が可能です。

英語授業で講師と一対一での会話

高知県土佐町の中学校では、中学校の教室とフィリピンの英会話教師を接続して実践的な遠隔英会話授業を実施しています。これは、英語のネイティブスピーカーに対し、生徒が自分の考えを伝える訓練として提供するものです。

学校側は生徒1人ずつに端末を用意し、生徒と同じ人数の英会話講師を手配します。英会話講師が生徒1人ひとりに対応し、インターネットを経由してマンツーマンでの英会話授業を15分間、実施します。

マンツーマンの英会話実施によって生徒の発話量増加やリスニング・スピーキングスキルの向上を目指しており、生徒も事前学習や事後の復習を含めて意欲的に取り組んでいるそうです。

遠隔授業では用途・品質・機能で最適なツールを活用しよう

遠隔授業は通学にかかる時間や費用、労力などのコスト削減につながり、教育格差の解消を期待できます。同時に、遠隔授業に必要なインターネット環境や機器、ツールへの対応が行き届かなければ、新たな教育格差をもたらす可能性もあります。

遠隔授業をスムーズに実施して教育効果を上げるためには、通信の安定性や操作性に優れ、多くの人が所有している機器で使用できるツール選びが重要です。

NTTコム オンラインが提供するビデオ通話サービス「ビデオトーク」なら、アプリのインストールやアカウント登録の必要はありません。スマートフォンと携帯電話番号さえあれば、誰とでも簡単にビデオ通話ができます。スマートフォンのカメラによって相手の状況がわかりやすいため、リアルの授業に近い双方向のコミュニケーションが可能です。

1対1通話に適したツールなので、個人面談や個別補習などのオンライン化にぜひご検討ください。

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