
更新日:2025/01/24(公開日:2021/07/28)
TeamsとZoomを徹底比較|リモートワークやWeb会議に適しているのはどっち?
リモートワークへの取り組みが加速するなか、多くの企業が日々のコミュニケーションやweb会議、ウェビナー配信のためにオンラインツールの導入を進めています。しかし、ツール選びに苦戦している担当者様も多いのではないでしょうか。
オンラインツールのなかでも特によく知られているのが、TeamsとZoomです。2つのツールはビジネスだけでなく、オンライン飲み会などでもたくさんの人に利用されています。そこで今回は、TeamsとZoomについて、両者にはどんな違いがあるのか、特徴やメリットを比較して紹介します。
- TeamsとZoomは、機能や特徴、メリットなどさまざまな違いがあり、無料版・有料版でもできることがそれぞれ異なる
- 企業の用途によって、TeamsとZoomのどちらが適しているかを判断できる
- TeamsとZoomは連携させて利用することも可能で、用途や相手方に合わせて使い分けられる
- 1対1のオンライン接客やオンライン商談なら、アプリのダウンロード・アカウント登録不要の「ビデオトーク」もおすすめ
Microsoft Teamsとは
Microsoft Teamsとは、Microsoft(マイクロソフト)社が提供しているコラボレーションプラットフォームです。無料版と有料版があります。有料版には3つの種類があり、 OfficeアプリのサブスクリプションサービスであるMicrosoft 365 の 1 つとして提供されています。
チャットやWeb会議、予定管理など、チームワークに便利なさまざまな機能が集約されています。
Zoomとは
Zoomとは、Zoom Video Communications(ズームビデオコミュニケーションズ)が提供するオンライン(Web)会議ツールです。無料プランと3つの有料プランがあります。
Zoomの特徴は、アカウントを持っていない人もURLをクリックするだけでWeb会議に参加できることです。パソコン、スマートフォン、タブレットなどのさまざまなデバイスから、場所を問わずに利用でき、テレワークにも最適です。
【比較表】TeamsとZoomの機能の違い

TeamsとZoomの機能には、さまざまな違いがあります。それぞれの主要機能にどんな違いがあるのか、比較表で紹介します。どちらのツールにも無料版と有料版があるため、無料版と有料版に分けて、見ていきましょう。
無料版
Teams | Zoom | |
---|---|---|
Web会議 | ○ | ○ |
Web会議の時間制限 | 最大60分 | 3名以上の場合:最大40分 1対1の場合:無制限 |
Web会議の参加人数 | 最大100人 | 最大100人 |
チャット | ○ | ○ |
ファイルの送受信 | ○ | ○ |
画面共有 | ○ | ○ |
背景のカスタマイズ | ○ | ○ |
録画 | × | ローカル:○ クラウド:× |
TeamsとZoomの無料版には、チャット、ファイルの送受信、画面共有など、Web会議ツールに必要な最低限の機能が揃っています。
Zoomは3人以上のグループでWeb会議を行う場合、最大40分までという時間制限があります。Teamsは、新型コロナウイルス感染症を考慮し、期間限定で無料版で行うWeb会議の時間制限と人数上限を引き上げています(2021年6月現在)。本来であれば最大60分、100人までです。
有料版
TeamsとZoom、それぞれの一番安価なプランを比較します。
Teams | Zoom | |
---|---|---|
プラン | Microsoft 365 Business Basic | プロ |
月額料金 | 899円 ※年間契約の月相当 |
月ごと支払い:2,399円 年間契約:1,999円 |
Web会議 | ○ | ○ |
Web会議の時間制限 | 30時間 | 30時間 |
Web会議の参加人数 | 最大300人 | 最大100人 |
チャット | ○ | ○ |
ファイルの送受信 | ○ | ○ |
画面共有 | ○ | ○ |
背景のカスタマイズ | ○ | ○ |
録画 | ○ | ○ |
Teamsの有料版でできること
「Microsoft 365 Business Basic」に含まれるTeamsでは、最大300人の参加者と30時間Web会議が行えます。さらに、会議をOutlookと連携させたり、事前にスケジュールを設定したりすることが可能です。
無料版では対応していなかった、会議の録画もできます。Web会議を録画できれば、トラブルやすれ違いも防ぎやすく、議事録の作成にも役立ちます。また、有料版では1人あたり1TBのファイルストレージが使用できます(無料版では2GB)。
このほか、多要素認証や監査ログといったセキュリティとコンプライアンスに関する機能も利用できます。
Zoomの有料版でできること
Zoomのもっとも安価な有料プラン「プロ」では、最大100人の参加者と最大30時間のWeb会議が行えます。重要な議題や商談の途中でWeb会議が終了してしまう心配がありません。
会議の録画も、ローカルに加えて1GBのクラウドに保存できるため、ブラウザから録画したファイルをダウンロードしたり、ストリーミングしたりできます。また、Web会議中に起こったことをリアルタイムで書き起こす「ライブ文字起こし」の機能も利用できます。
さらに、「共同ホスト」の設定も可能です。共同ホストとは、会議を主催する「ホスト」のサポートをする人のことで、Web会議に関する設定を一緒に行えます。特に大きな会議で、ホストに集中する負担を軽減することができます。
Teamsの特徴・メリット

Teams は、チームとしてプロジェクトを進めるときに便利な機能を多く備えています。Microsoft 365のサービスを利用している企業で、ビデオ会議だけでなく、チャットや予定表などのプロジェクト管理ツールも日常的に使いたい場合におすすめです。
メリット
Teamsには、Word、Excel、PowerPointといったOfficeアプリケーションと連携し、共同編集できるというメリットがあります。
無料版でも、Web 版の Word、Excel、PowerPointが利用でき、アプリでのリアルタイムの共同作業も可能です。有料版なら、TeamsにアップロードしたWordやExcelなどのファイルを、他の人と共同編集することもできます。
また、Teamsは会議中以外にもチャットやファイル共有が可能で、組織外のユーザーを招待してやりとりできます。これにより、会議中に限らず、プロジェクトの進捗状況や業務に関する情報をスムーズに共有することが可能です。一方でZoomは会議を中心としたツールであり、会議中以外の場面ではこれらの機能が利用できないため、Teamsならではのメリットといえるでしょう。Teamsは継続的なプロジェクト管理やグループでの情報共有に適しています。
注意点
Teamsは、アカウントを持っていることが前提のツールです。このためアカウントを持っていない人の場合、ゲストとしてWeb会議に招待することはできるものの、利用できる機能に制限があります。
たとえば、ファイル内で検索したり、チャットファイルを共有したりすることができません。ただし、チャネルと呼ばれる小さいグループ内でのファイル共有や添付は可能です。ゲストユーザーを招待してTeamsを利用する際には、使い方を工夫しましょう。
通信量
Teamsのビデオ通話でWeb会議を行った場合、通信量は10分間で約216MB、1時間で約1,300MBです。YouTubeを中画質で閲覧する場合、通信量の目安は1時間で約500MBなので、消費する通信量は多いと言えます。利用環境の回線速度によっては、音声や画質の安定性に欠けたり、品質が下がったりする可能性があります。
ウェビナー機能
Teamsでは、最大1,000人が参加できるインタラクティブなウェビナーを開催できます。視聴のみであれば、最大10,000人まで参加可能です。
ウェビナーの設定は、イベントごとに微調整することができます。主催者側で、ウェビナー参加者のチャットや動画を無効にすることも可能です。そのほか、登録フォームのカスタマイズや参加者への招待メールの送信、ウェビナー後のレポート作成機能など、Webでのセミナーをスムーズに開催するためのさまざまな機能を備えています。
Zoomの特徴・メリット
Zoomは、Web会議に特化したツールで、ユーザーインターフェースが見やすい点も人気です。社内、もしくは社外の人とのWeb会議を簡単に開催したいという場合におすすめです。
メリット
Zoomには、アカウントを持っていないユーザーとのWeb会議も簡単で、招待しやすいというメリットがあります。Web会議の参加者は、主催者から知らされた招待URLをクリックするか、ミーティングIDを入力してミーティングルームにアクセスするだけで、会議に参加できます。
また、通話に安定性があるため、ストレスを感じずに使うことができます。
さらに、Zoomは無料版でも録画機能が提供されており、会議を記録して後から見返すことができます。一方で、Teamsの無料版では録画機能は提供されず、会議を録画したい場合は有料版へのアップグレードが必要です。この点はZoomならではのメリットといえるでしょう。
無料版でも録画機能を活用したい場合は、Zoomが適しています。ただし、無料版では録画データの保存先がローカル(自分のパソコン)のみになります。クラウドへ保存して共有やバックアップを行いたい場合は、有料版へのアップグレードが必要です。録画データの活用方法によって、どちらを選ぶかを検討しましょう。
注意点
Zoomの注意点は、チャットやファイルの共有がWeb会議の最中にしか行えないことです。Web会議中以外に連絡したい場合、電話やChatwork、Slackなど、別のツールを利用する必要があります。
また、Zoomは以前、セキュリティの脆弱性が指摘されていました。しかし、2020年5月にミーティングパスワードやホストのみの画面共有制限など、セキュリティ対策が強化されています。
通信量
Zoomのビデオ通話でWeb会議を行った場合、通信量は10分間で約100MB、1時間で約600MBです。YouTubeを中画質で閲覧する場合の通信量の目安(1時間で約500MB)とほぼ変わらず、Teamsと比較すると通信量の消費は抑えられていると言えます。
ウェビナー機能
Zoomのウェビナー機能「Zoomビデオウェビナー」は、Zoomの有料版を利用しているアカウントが、アドオンを追加する形で契約できます。費用は、参加者人数によって異なります。最大100人とのインタラクティブなウェビナーを開催でき、視聴のみであれば、最大10,000人まで参加可能です。
参加者の登録簿から連絡先情報を集め、リードとしてCRMに送信するなど、ウェビナーの出席者管理が行えます。また、ウェビナー後に自動アンケートで参加者のフィードバックを集められる機能や、参加者が挙手して投票に回答できる機能など、つながりを深めるための機能も豊富です。
TeamsとZoomはどちらがおすすめ?

ここまでTeamsとZoomそれぞれの機能や、有料版でできること、特徴やメリット、注意点などについて解説しました。両者は異なる点があるため、企業の用途によってどちらが適しているか判断できます。ここでは、具体的にTeamsがおすすめな企業、Zoomがおすすめな企業について紹介します。
Teamsがおすすめな企業
Teamsは、共同作業が必要なプロジェクトなどを効率的に進めるために適したツールです。WordやExcel、PowerPointといったMicrosoft 365アプリとの連携が魅力で、リアルタイムでの共同編集や進捗の可視化ができることが大きな特徴といえます。
また、会議メンバーをチームとして登録できるため、チームの定例会議に活用することもできます。そのため、以下のような用途を考えている企業におすすめです。
- チーム内での会議に利用したい場合
- Microsoft 365製品を多く利用しており、Teamsと連携させたい場合
- 進捗管理が必要なプロジェクトで利用する場合
- 定例会議の記録や資料の一元管理、効率化を実現したい場合
- リモートワーク中のチーム間の円滑なコミュニケーションを実現したい場合
Zoomがおすすめな企業
Zoomは、シンプルで高品質な会議機能が特徴で、オープンな交流やイベント運営に適したツールです。特に音声や映像の安定性に優れており、大人数での会議やウェビナーも円滑に進められます。
また、利用者も多く直感的に操作できるため、特別なトレーニングなしで誰でも簡単に利用できることも特徴です。そのため、以下のような用途を考えている企業におすすめです。
- 外部参加者を交えたセミナーやウェビナーを開催したい場合
- 大人数での会議や研修を行いたい場合
- 音声・映像の品質を重視して、遠隔地とスムーズにコミュニケーションを取りたい場合
- 操作が簡単で、幅広い従業員が使いやすいツールを求めている場合
TeamsとZoomの連携も可能
異なるメリットを持つTeamsとZoomは、連携させて使用することもできます。連携させると、Teams内でZoomのWeb会議やチャット機能を利用できるようになります。
連携のための条件は2つ。TeamsのAdmin/owner権限があること、Zoomで「プロ」以上のプランを契約していることです。
連携するにはまず、Teamsのアプリ検索でZoomを検索し、インストールしましょう。続いて、ダウンロードしたZoomにZoomアカウントでログインしたら、アプリの指示にしたがってMicrosoft365のアカウントでもログインすれば完了です。
2つのツールを連携させれば、用途や相手方に合わせて使い分けることが容易になります。
アプリのダウンロード・アカウント登録不要のビデオトークもおすすめ
会議を行う機能だけを求めるならZoom、Office製品との連携を重視するならMicrosoft Teamsがおすすめです。どちらのツールも優秀で、どちらが優れているとは一概に言えません。まずは無料版で試してみるのもよいでしょう。
1対1のオンライン接客やオンライン商談なら、NTTコム オンラインが提供する「ビデオトーク」を活用できます。「ビデオトーク」は、アプリダウンロードやアカウントが不要で、相手の携帯電話番号にSMSで会議URLを送り、クリックするだけで繋がるため、相手を選ばずにオンライン接客や商談ができるツールです。
ツールは、目的に沿って使い分けることが大切です。自社の目的と用途に沿ったツールを選びましょう。