2021/08/20

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは|CX向上のステップと成功事例

インターネットの普及により、企業が提供する商品やサービスと顧客との接点が増大しています。それぞれの接点で顧客にとって価値ある体験を提供することが、顧客満足度や商品のロイヤルティ向上につながるとして、近年「CX(カスタマーエクスペリエンス)」が注目されています。しかし、CXという言葉は聞いたことがあっても、今ひとつ理解できていないという人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、CXの基本、メリット、CXを向上させるためのアプローチ、成功事例などを紹介します。

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは、商品やサービスの利用における顧客視点での体験のことです。日本語では、「顧客体験」もしくは「顧客体験価値」と訳されます。CXは、商品やサービスを購入した際の体験だけでなく、購入前の段階から購入後のサポートにいたるまで、顧客が商品やサービスに触れることで得られた一連の体験を指します。

たとえば、ある商品を購入する際、まずはSNSで商品を認知して興味を持ち、口コミや価格を調べます。その後、実際に店舗に訪れて接客を受け、レジに並んで商品を購入します。購入後商品を使用し、使用上の不明点について問い合わせてアウターフォローを受ける。これらすべてのフェーズが、CXです。

UXとの違い

CXとよく似た言葉に「UX(ユーザーエクスペリエンス)」があります。UXとは、ユーザーの体験や感情を指す言葉です。一見すると同じものを指しているようにも見える2つの言葉ですが、明確な違いがあります。

CXはカスタマー(顧客)を対象としており、おもにマーケティングやセールスにおいて登場する言葉であるのに対し、UXはサイトやサービスを作る場面で多く使われる言葉で、対象は顧客に限らず、サイトやサービスを使用するユーザー全体です。

また、CXが購入前・購入後も含めた一連の顧客体験を指すのに対して、UXが指すのはサイト閲覧時、オンライン決済時といった、個々の体験です。したがって、CXはUXが積み重なったものということもできます。

CXが重要視されている背景

CXが重要視されている背景のひとつは、インターネットとスマートフォンの急速な普及によってメディアが多様化し、顧客接点も多様化したことです。SNSを通じた顧客との接点は、この一例と言えるでしょう。

次に、技術の成熟化によって、商品やサービス自体を差別化するのが難しくなっていることが挙げられます。自社の商品やサービスが優位に立つためには、商品やサービスを取り巻くすべての要素で顧客の満足度を高めることが重要になっているのです。

さらに、顧客の詳細なデータを取得、分析できるようになったことと、多様化する顧客の価値観を背景に、顧客一人ひとりのニーズや嗜好に合わせたアプローチは必要不可欠になっています。

CX向上によるメリット

CXを向上させると、さまざまなメリットがあります。ここでは3つのポイントを紹介します。

ロイヤルカスタマー・リピーターの獲得

CXの向上によって顧客の満足度を高めることは、そのブランドや商品、サービスに対して信頼や愛着を持つ「ロイヤルカスタマー」や、繰り返し購入してくれるリピーターの獲得へと繋がります。これは顧客がある商品やサービスによって満足感を得ると、同じように満足する体験を求めて同一商品やサービスを利用するからです。

逆に言えば、顧客が「満足する体験を受けられなかった」と感じたとき、顧客はブランドや商品、サービスを利用しなくなってしまいます。顧客を損失する機会をなくすためにも、CXを向上させることは重要です。

ロイヤルカスタマーやリピーターは、新規に顧客を獲得する際と違い、コストをかけて積極的な販促を行なわなくても繰り返し商品やサービスを購入してくれる貴重な存在です。長期的に見て効率的に売上を上げるためにも、新規顧客の獲得よりリピーターの確保が重要です。

ブランドイメージの向上

顧客にとって価値あるCXを提供し続けることができれば、顧客はリピーターになるだけでなく、商品や企業に対して好感と信頼を持つようになります。好感と信頼は、ブランドイメージの向上につながっていきます。

ブランドイメージが向上すると、顧客は一度購入した商品だけでなく、そのブランドの他の商品も購入するようになり、自社商品全体の価値が高まります。また、社会的な評価の向上や競合他社との差別化にもつながります。

ブランドイメージが向上することで、マーケティングの効率化も期待できます。ブランド力に乏しい場合、新商品や新サービスをリリースするたびに、莫大な費用をかけてマーケティングを行う必要がありますが、ブランド力がある場合、割高の商品やサービスでも購入してもらいやすくなります。

口コミによる宣伝効果

CXの向上によってブランドや商品、サービスに多大な信頼と愛着を持つ顧客を得ることができれば、口コミによる宣伝効果も期待できます。ロイヤルティが高い顧客は、ブランドや商品、サービスに関する好意的な情報を発信してくれるからです。

SNSの普及により、口コミは知り合い同士の間で交わされるものにとどまらなくなりました。インターネット上で、顧客個人が広く情報発信を行うことも増えてきました。ポジティブな口コミは、マスメディアからの一方的な広告より信憑性が高いと感じられることが多く、マーケティング効果が大きいと言われています。

価値ある顧客体験を提供することが口コミによる宣伝効果を生み、新規顧客への獲得にもつながります。

CX向上のステップ

CXを向上させるにはどのようなプロセスを踏めばよいのか、4つのステップを説明します。

カスタマージャーニーを描く

まずは、自社の現状の顧客体験を把握する必要があります。カスタマージャーニーマップを作成して、顧客との接点を一つひとつ洗い出しましょう。

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知してから購入した後までの一連の体験を図に落とし込み、見える化したものです。顧客接点(CM、SNSなど)、顧客行動(TVで見て認知する、スマホで検索するなど)だけでなく、ペルソナを設定したうえで、顧客の考えていることや感情も図に落とし込み整理します。

現状把握におけるポイントは、定性的なデータだけでなく、定量的なデータからも自社の状態を知ることです。顧客へのアプローチの費用対効果や時間対効果など、数値を把握することが重要です。

各顧客接点における課題を可視化する

次に、改善すべき課題を特定します。そのために、作成したカスタマージャーニーマップにもとづいて、各顧客接点における顧客の評価を調べ、分析します。

調査、分析の手法はさまざまです。定性的な調査では、インタビューやユーザーレビュー、カスタマーサポートに寄せられた声などを収集、分析します。定量的な調査では、「 NPS (ネットプロモータースコア)」という手法を活用します。NPSは、未来の顧客の行動を計測する手法で、継続購入率や収益性を予測するのに役立ちます。

分析の結果から、目標と現実とのギャップを埋めていくための課題を明確にできたら、次のステップに移行します。

仮説をたて検証する

続いては、課題に対して仮説を立てます。仮説を立てることによって具体的な施策をとることが可能になります。

たとえば、ある顧客層でのアフターサービスへの不満を解消する課題があると仮定し、この課題に対して、各々の顧客層に適した情報発信ができていないという仮説を立てます。この場合、「顧客に合わせて個別に情報を発信する」という改善施策を立案、実行し、CXが向上するかどうか検証することができます。

施策を実行に移す過程で、予算やシステムの導入、人員が必要になることもあります。それらをしっかりと整理し、場合によっては他部署への根回しをしたり、スケジュールを計画したりすることも必要です。

改善を繰り返す

CXの向上は、改善のための施策を繰り返し行うことが重要です。顧客に価値ある体験を提供し続けてこそ、顧客からの信頼や愛着も、CX改善によるメリットも蓄積されます。

課題に対して立てた仮説が、正しくないことも多いでしょう。現状を把握し、何度も仮説の立案と改善施策の実行、検証を繰り返し、正しいアプローチを行うことが大切です。

そして、CX向上が結果としてあらわれてもなお、さらなる分析・見直しを繰り返す必要があります。

CX向上を成功させた企業事例

CXを向上させることに成功した、2つの企業事例を紹介します。

スターバックス

スターバックスは、CXを重視することで顧客獲得につなげている企業のひとつです。スターバックスの店舗のコンセプトは「サードプレイス(第三の場所)」で、コーヒーという商品そのものだけでなく、接客やBGM、くつろいで過ごす時間まで、来店することで顧客が得られるすべての体験を「スターバックス体験」として提供しています。

顧客が感動するような、価値ある体験を提供するという姿勢は、スタッフ一人ひとりに対しても訓練されています。CXを重視する取り組みのもと、スターバックスはブランドイメージの確立、リピーターの確保、口コミによる宣伝効果を実現しました。

星野リゾート

「リゾート運営の達人」をコンセプトに、「星のや」「リゾナーレ」など数々のリゾート施設を運営している星野リゾートは、1990年代から継続して綿密な顧客満足度調査を実施。顧客の満足度を重視した戦略でサービス改善を繰り返し行ない、多くのリピーターの獲得とブランドイメージの向上に成功しています。

アンケートと並行して行なっているのが、お客様個人のちょっとした行動や嗜好を、従業員が顧客管理システムへデータ入力することです。次回宿泊時には入力されたデータをもとに、好みの食事を用意したり多めに配膳したりするなど、優れた顧客体験を提供するためのきめ細やかなサービスを行なっています。

顧客体験価値を高め、サービスの向上を

顧客接点の増大や価値観の多様化が進むなか、CXの価値を高め、サービスの向上をはかることは、今後さらに重要となるでしょう。CXを向上させるには、顧客視点で具体的に考え、共感することが大切です。

CX向上のひとつの方法として、「ビデオトーク」のようなツールも活用できます。ビデオトークとは、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が提供するビデオ通話ツールです。

たとえば、カスタマーサポートにおいて、通常電話やメールでは伝わりづらい故障状況などを映像で伝えることができるため、スムーズな顧客対応ができます。また、住宅設備や引っ越し、リフォームなどの見積りを訪問・対面ではなくビデオ通話で行うことで、スピード感ある対応が可能になります。対面や電話、メール以外の新たなチャネルとして活用することで顧客体験を高めることができるツール「ビデオトーク」をぜひご検討ください。

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