2021/08/24

eKYCとは?実施メリットや導入方法・サービス事例と成功ポイント

スマートフォンの普及や本人確認の厳格化が進んだことに伴ってオンラインで本人確認が完了するeKYCが注目されており、導入する企業が増えています。本記事ではeKYCの意味やeKYCを実施するメリット、eKYCの主な導入方法4つについて解説します。記事後半ではeKYCを導入した企業の事例2件やeKYCソリューションの提供例、eKYC導入に役立つサービスなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

eKYCとは

ここでは、eKYCの概要や、eKYCが注目されている背景・関連法の改正について解説します。

eKYCの意味・読み方

eKYC(イーケイワイシー)とは「electronic Know Your Customer」の略語で、電子上で本人の顔写真や本人確認書類をチェックできるようにする仕組みのことです。また、オンライン上で完結する本人確認手続き全体を意味します。eKYCは主に、銀行口座やクレジットカード申込み、オンラインサービス利用時などの本人確認手続きに活用されています。

eKYC注目の背景と法改正

日本においては以前から、金融機関やクレジットカード事業者などが顧客の本人確認が必要な「特定事業者」と規定されています。2018年11月に「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(犯罪収益移転防止法)が改正されたことによって、本人確認手続きをオンラインで完結できるようになりました。また、2020年4月には本人確認方法の一部が厳格化されています。

上記の流れを受けて、顧客の安全性や利便性を確保するための方法としてeKYCが注目され、eKYCを提供するための各種サービスやソリューションが生み出されるようになりました。

eKYCを実施する3つのメリット

eKYCの実施には主に3つのメリットがあります。

・スムーズな本人確認
・事務コストの削減
・離脱の防止

それぞれのメリットについて、以下で解説します。

1.スムーズな本人確認

eKYCでは、従来の本人確認手続きのように顧客に来店してもらったり、本人確認書類を郵送してもらったりする必要が一切ありません。また、サービスを提供する企業が転送不要郵便で手続き完了を通知する必要もなくなります。オンラインだけで本人確認がすべて完了するため、口座開設やクレジットカード発行などが迅速になる他、スマートフォンの通信プランなど各種オンラインサービスの契約手続きもスムーズになるでしょう。

2.事務コストの削減

eKYCではオンラインで顧客が自らすべての手続きを完了するため、店頭でスタッフが対応する必要がなくなります。手続き完了を通知する転送不要郵便の送付も不要となるため、紙の書類を扱う際の手間や保管スペース、コストなども削減可能です。内容を確認する作業についても、紙の書類で行うより画面上でまとめて確認するほうが、より効率的に行えます。また、事務的作業が減ることによってスタッフ業務の負担が軽減される他、人件費削減の効果も期待できるでしょう。

3.離脱の防止

紙の書類を郵送でやりとりする従来の本人確認方法は手間がかかるため、顧客が手続きの途中でサービスから離脱するおそれがありました。eKYC実施によって本人確認手続きがスピーディかつスムーズにできるようになれば、顧客の利便性が高まることによって会員登録や口座開設、購入などの途中で離脱される事態を防止できます。

eKYCを実施する4つの方法

改正された「犯罪収益移転防止法」によると、想定されている本人確認要件には以下の4つの方法があります。
・本人確認書類の画像+本人の容貌の画像送信
・ICチップ情報+顧客の容貌の画像送信
・銀行等への照会
・顧客名義口座への少額振込

それぞれの方法について、解説します。

1.本人確認書類の画像+本人の容貌の画像送信

本人確認書類と本人の容貌が確認できる画像を、サービスを提供する企業に送信する方法です。不正防止のため事前に撮影した画像は使用できず、eKYCで手続きをする過程において企業が提供するソフトウェアなどを使用して、その場で撮影します。

この方法においては、本人確認書類と本人の容貌画像を別々に撮影する方法と、本人確認書類を持った状態で顔写真を同時に撮影する方法があります。両者を同時に撮影する方法のほうが、なりすましを防止する効果が高いとされています。

この方法における本人の容貌画像送信には、インターネットを介するビデオ通話サービスを利用することも可能です。また、本人確認書類が本物であるかどうかについては、企業が目視で書類の厚みなどをチェックする必要があります。

2.ICチップ情報+顧客の容貌の画像送信

運転免許証やマイナンバーカード、パスポートや在留カード、特別永住者証明書といった本人確認書類にはICチップが付いています。それを顧客がICカードリーダー端末やスマートフォン(※)のNFC機能(端末をかざすだけで通信ができる技術)で読み込んでサービス提供者に送信することにより、本人確認手続きが可能です。この方法にはLibJeID(リブジェイド)というライブラリを使用します。追加で顔写真などの画像を送信することも可能です。

※2021年7月現在、iOS版は運転免許証とマイナンバーカードのみに対応

3.銀行等への照会

顧客から本人確認書類の画像、あるいはICチップ情報の送信を受けるのと並行して、銀行やクレジットカード会社など金融機関に対し、本人確認情報の内容に間違いがないかを照会する方法です。ただし、この方法で本人確認を完了するためには金融機関との連携が必要となるため、実用化するにはややハードルが高いかもしれません。

4.顧客名義口座への少額振込

顧客から本人確認書類の画像、あるいはICチップ情報の送信を受けるとともに、顧客名義の預貯金口座にサービス提供者が少額を振込み、顧客からインターネットバンキングなどの処理画面を送信してもらうことで本人確認を行う方法です。他の方法と比較して振込やインターネットバンキング処理画面の送信などの手間が多く煩雑なため、実用化するにはハードルが高い方法といえるでしょう。

eKYCの導入事例

ここではeKYCを導入した事例として、LINEと楽天モバイルについて照会します。

LINE:自社開発ソリューションを活用

LINEは、自社で開発した電子本人確認ソリューション「LINE eKYC」を外部へ提供するとともに、自社サービス「LINE Pay」の「スマホでかんたん本人確認」にも活用しています。「LINE eKYC」は従来の郵送による手続きよりも迅速かつ低コストで、簡単かつ安全なeKYCを実現できました。また、「LINE eKYC」によってサービス提供開始までの期間を大幅に短縮できるなどの効果が出ています。

楽天モバイル:日本国内キャリア初のeKYC導入

楽天モバイルは公式アプリ内で本人確認が完結しスマートフォン契約ができるサービス「AIかんたん本人確認(eKYC)」を提供しています。通信契約に向けてeKYCを導入した例では国内キャリア初として注目されました。公式アプリ内で本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカード)と顔写真を撮影し提出することで、スマートフォン申込みと本人確認手続きが完結します。顧客は実店舗への来店や書類を郵送することもなく、スピーディに審査・開通の手続きが可能です。

eKYCのソリューション提供例

ここでは、eKYCのソリューション提供例として2つのツール形式を紹介します。自社でeKYCを実現するツールを選ぶ際の参考になるでしょう。

AIが書類写真を自動判定

スマートフォンやPCのカメラ機能を利用して、本人確認書類の撮影やICチップ情報の読み取り、本人確認用の容貌撮影を行う形式です。前掲「eKYCを実施する4つの方法」の1と2に該当します。撮影・送信された文字情報がOCRまたはIC読み取りで抽出されると同時に、AI(人工知能)で顔写真の同一判定を自動で実行するため、目視確認は不要です。顧客の手間を減らせると同時に、サービス提供側が確認作業をする際の労力や時間的コストを削減できます。

法人確認にも対応

法人取引を行う際は法人確認が必要です。法人代表者個人の本人確認ができるのはもちろん、法人番号や履歴事項全部証明書などを活用することによって法人確認にも対応しているツールもあります。そういったツールではeKYC対応のデジタル身分証アプリなどと本人確認API基盤などを自由に組み合わせて連携させることも可能です。取引用途などに合わせて必要書類をアップロードすることにより、柔軟にカスタマイズできます。

eKYC導入で成功するためのポイント・選び方

eKYC導入に成功するためには、導入・運用コストを考慮するとともに、顧客の利便性向上を重視した上で方法を選ぶことが大切です。以下でそれぞれについて解説します。

導入・運用コスト

「犯罪収益移転防止法」改正により、eKYCのサービスやソリューションは増加しています。AIがテキスト情報や顔写真を自動判定したり、金融機関など外部データベースとAPI連携ができたりするなど、さまざまな高機能サービスもありますが、導入・運用コストが高くなりがちです。eKYCの方法を選ぶ際は、費用対効果の見極めをしっかりと行うべきでしょう。

顧客の利便性

顧客の利便性を優先してeKYCのサービスやソリューションを選ぶことも大切です。「eKYCを実施する4つの方法」でも説明した通り、eKYCの方法の中には金融機関への照合など、顧客にとって負担が大きいものも存在します。本人確認を厳密に行うなどセキュリティ対策は重要ですが、顧客の負担を少なくしスムーズに本人確認できる方法を採用することによって、顧客満足度の向上や離脱防止が期待できるでしょう。

eKYC導入時は安全性・費用対効果を両立するサービス選びが重要

オンラインで本人確認手続きが完了するeKYCの需要は今後も高まると予想されます。eKYCを導入する際は顧客の利便性や安全性、費用対効果などを両立できるサービスを選びましょう。

NTTコム オンラインが提供するビデオ通話サービス「ビデオトーク」なら、スマーフォンのカメラによって顧客の顔や本人確認書類などを鮮明に確認できます。アプリのインストールもアカウント作成も不要、携帯電話番号だけで簡単につながります。eKYCにも役立つツールなので、ぜひ利用を検討してみてください。

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