2019年6月20日開催 炎上による企業の被害を最小化するソーシャルリスク対策最前線 ~自社がソーシャルで炎上!その時どうしますか?~ セミナーレポート

年々増加し、且つ被害が大型化しているソーシャル炎上。
炎上対策には、炎上の火種をいち早く発見する「検知、早期発見」、炎上に至ってしまった場合の「対応・鎮静化」、炎上させないための「予防」の3つが大切ですが、今回のセミナーは、「対応・鎮静化」にスポットをあて、多くの企業でのリスクコンサルティング経験を持つソーシャル事業責任者の中村より、企業が炎上対応するときに気をつけるべきポイントと、最適な「炎上鎮静化」のありかたを、ケーススタディをもとにご紹介しました。

1.炎上による企業のダメージを大きくする「対応の誤り」

ソーシャル炎上に見舞われたときに企業に起こる3つの事象があります。

  • 批判や苦情が企業に直接寄せられる
  • Web上の評判が悪化
  • 経営・事業への影響

企業はこれらに対して対応しなければなりませんが、対応を誤ると更に炎上が大きくなり、長期化を招いてしまうことがあります。
これらの例として、セミナーでは、批判が集まった自社のPRツイートを削除したことにより、更に批判が集中し、炎上が拡大する結果になった事例や、炎上後にWeb上に残る悪評への対応ができなかったために、炎上自体が沈静化しても売り上げ不振や株価低迷という悪影響が続いている企業の事例、アルバイト従業員の不適切投稿が原因で炎上が発生した、”バイトテロ“として知られる事例などをご紹介しました。
バイトテロの事例では、再発防止策を発表したものの、その件も含めて批判が集中し、売上や株価への悪影響だけでなく採用にも影響が残っている例をご紹介しました。

このように、対応如何で企業に悪影響を残してしまう炎上リスクですが、そこまで影響を大きくしてしまうきっかけとして、以下の3つが挙げられます。

  • 炎上への対応を誤る
  • メディアへの飛び火
  • 批判がひとり歩きする

この中で、特に重要なトリガーとなるのが「対応を誤る」ことです。
最近の炎上トレンドは、炎上そのものより、対応の誤りによるダメージのほうが大きい事例が多くなっています。

また、「対応の誤り」の例として、以下の3つがあります。

  • 投稿を削除する
  • 批判に対して感情的に反論する
  • 責任を消費者や従業員へ転嫁する

このような対応は先に挙げた「メディア」に注目されやすく、更に炎上を長期化させる結果を招いてしまいます。

2.炎上時の対応を誤らないための準備を

このような事態を引き起こす前にいかに間違った対応をしないかが、企業が炎上を鎮静化する第一歩となります。
炎上時に行ってしまう誤った対応のほとんどが「準備不足のためである」、と中村は言います。
実際の火事と同じように、事前に炎上を想定して、マニュアル作成や、避難訓練を実施することが、炎上対応力を身に着ける手段の一つになるのです。

3.炎上時こそ重要なソーシャル分析

炎上が起こると、一刻も早く火を消さなくては、と対応を急ぐあまり、状況を深く分析せずに対応してしまいがちです。そして、そのことがよくない結果を招いてしまうことを、セミナーの冒頭でご紹介しました。
このような結果にならないために必要なのが、先にご紹介した事前の準備と、炎上時のソーシャルメディア上の投稿者や論調の分析、把握です。特に、炎上時のソーシャルリスニングを怠ることで炎上対応を誤ることが多いです。
炎上対応を急ぐ、時間がない、などの意見もあると思われますが、時間をかけずに何を分析するか、ということもあらかじめ決めておけばよいのです。
炎上時にX (旧Twitter)上の炎上している投稿の周りをよく見まわしてみると、実は自社の大きな力となるような冷静な論調や、投稿者の状況が見えてくることがあります。そして、状況を把握したうえで炎上に対処することが、炎上を大きくするか、鎮静化するかの分かれ道となるのです。

4.炎上時に強みを発揮する外部コンサルタントの支援

炎上時の対策は大変難しく、過去の対応事例やWebの知識、広報対応など様々な領域があります。そうした場合に最も信頼がおけるのは、数多くの炎上と向き合い成果を出してきた外部コンサルタントの存在です。
バイトテロなどの対処が難しいケースでも、その時の背景や世の中の関心事、社会的な影響などを考慮に入れ、ソーシャルメディア以外の部分も視野に入れた対策を検討することができます。
また、炎上が鎮静化されたあとのWebの悪評化を最小化するような対応や、事前に予防するなどの対策も効果を発揮します。

以上から、炎上時の対応では、「SNS分析をしっかり実施」「対策方針と戦略を確実に実行」「外部コンサルタントの起用」を基に、炎上の影響を最小化させるように取り組むことが重要であると、中村は結論づけました。

5.NTTコムオンラインが提供するリスク対策ソリューション

素早い検知が可能なテクノロジー+炎上保険

24h265日体制の監視で、炎上が発生しやすい夜間・休日のリスク確認を行います。リスク時の検知スピードが素早いツールを導入することで炎上対応の成功率があがります。
また、炎上時の対応費用が補てんされる「炎上保険」との組み合わせが可能です。

ソーシャルリスニング

リスクの予兆を把握するリスク対策モデル。
通常より、マクロリスクの検知や分析を行い、予防に強いモデルです。
24h265日対応により、発生時のスピーディーなご支援や分析が可能です。
企業内の体制整備やエスカレーション、意思決定などの課題にも経験豊富なコンサルタントがアドバイスします。

炎上鎮静化

炎上は起きてから対応するより、事前より予防の鎮静化をしていたほうが効果があります。
「対応型」「予防型」の2種をご用意しています。

NTTコムオンラインでは、ツールなどのテクノロジーによるサポートや体制の見直しなど、ソーシャル炎上リスクに対するあらゆる側面からのご支援を行っています。
上記にご紹介したソリューション以外にも、お客様の必要やご相談に応じてご提案が可能です。
ソーシャルリスクに対するご質問やご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。
また、「炎上対策」以外に、「炎上予防」に関するセミナーも行っていますので、ご興味のある方はぜひご出席ください。