2022/04/04

損害調査日数の削減と、調査件数倍増を実現するためのビデオ通話活用法とは

損害保険会社では、保険契約者からの保険金請求があった場合、フローに沿って保険金支払いを実行しています。大手損害保険会社では、かつては保険金支払いまで数十日かかっていました。多くの取り組み、特にITを活用することで近年では数日までに短縮したそうです。更には「48時間以内」まで縮めようとする取り組みも進んでいます。

今回は、損害保険会社がビデオ通話を活用することにより、「損害調査日数削減」「調査件数倍増」を実現した事例を紹介します。

かつての保険金支払いまでの所要日数について

損害保険会社は各種多様な損害保険を取り扱っていますが、保険契約者からの保険金の請求がなされた場合、概ね下記のようなフローで実行されています。
1.事故受付・初期対応
2.立会い調査予約/調整
3.損害査定
4.損害金支払い

大手損害保険会社が被災者に保険金を支払うのに要する時間は、かつては数十日掛かっていました。2011年3月11日に発生した東日本大震災では地震に関する保険金支払業務の多くは紙や手作業、電話、郵便に依存しており、ほとんどシステム化できていなかったようです。そのため作業にあたる人員を全国から1カ所に集める必要がありました。

被災者からの連絡はまず電話で受け、保険金の申請に必要となる書類を郵便で送ります。そのため、事故受付から事故登録、顧客に必要書類を送るまでの過程の「初期対応」が終わるまでに1週間はかかります。
数日から1週間後、被災者からの申請書類が郵便で戻ってくると、ようやく被災状況の確認となります。立ち会い調査の日程を調整するために、被災者に電話する必要があるのですが、被災者が留守だと後から電話をかけ直す手間が発生します。

対策室の壁面には日程調整用の大きな紙が貼ってあり、鑑定人のスケジュールや顧客対応情報を付箋で管理していました。もちろん立ち会い調査の結果も紙で管理しています。総務部門は東京に応援に来る数百人の社員のために、宿泊場所や交通手段の手配に追われる・・・というように業務をアナログな対応で何とかこなす状況だったため、保険金を支払うまでにかつては数十日の時間が掛かっていたのはうなずけますね。

IT活用による業務効率化について

こうした作業が現在では、ITを活用することで激変しました。
事故受付から保険金支払いまでの顧客対応をクラウド上のデータベースで管理することによってどこでも作業ができるようになりました。これによって全国の拠点から人員を1カ所に集める必要がなくなり、人が集まる必要がないため会議室の広さといった制約もなくなりました。また、災害規模に応じて全国から社員を動員できるようにもなったのです。

電話や郵便に依存していた事故受付は、Webサイトやスマートフォンでも対応できるようになり、顧客側から被災調査の予約ができる管理システムの導入も進みました。顧客の予約情報をもとにシステムが自動で立ち会い担当者を割り当て、顧客宅を訪問する最適なルートを自動で算出することができるようにもなっています。損害査定業務では、ビデオチャットなどを使って遠隔立会い調査を行うことで現場への駆け付け時間を効率化しました。

各業務にてIT活用による効率化によって近年では保険金支払いまでの期間が数日に短縮したのです。さらにIT活用を加速することによって保険金支払いまでの期間を「48時間以内」まで縮めようとする取り組みも進めているようです。

損害業務フローの中で現地訪問が必要なため、最も時間を要する損害査定業務にフォーカスしてみましょう。

大規模災害時の損害査定業務

2018年は、6月下旬から7月上旬にかけて大規模な台風および梅雨前線の影響により、西日本を中心に北海道や中部地方を含む全国的に広い範囲で集中豪雨が発生し、大きな被害となりました。また、同じ年の6月18日に大阪府北部を震源とした大きな地震も発生するなど大規模災害が重なる年となりました。

あいおいニッセイ同和損害保険様では、この年の保険金請求件数が合計約25万件にもおよんだそうですが、東日本大震災時は約11万件の請求件数だったことから考えても倍以上の請求が殺到したまさに災害の当たり年になってしまったとのことです。

災害調査業務として建物の損害調査は鑑定人が、豪雨災害における水没車両の損害調査はアジャスターが立会調査を実施していますが、大規模災害時には被災物件が多数ありますので高い専門知識を持った鑑定人、アジャスターだけでは要員が不足します。そのため、支援社員を全国から被災地に派遣して対応していました。

ですが、支援社員ですと鑑定人・アジャスターに比べて判断に時間が掛かるなどの問題や、調査報告書を現地災害対策本部から保険金支払い処理を行うバックアップセンターへの回送に時間を要するケースもあり、迅速な保険金支払いが出来ず課題になっていました。

そこで、前述したIT活用の取り組みによって保険金請求に必要な紙の書類をデータ化し、どこからでもリモートで見られるようにしました。各地の社員が自らの職場や在宅勤務時にもすぐデータを参照できるようになったことで全国各地の社員を1カ所に集めずに災害対応を行えるようになりました。2018年の災害時はこの取り組みによって効率化を図ったそうです。

2020年7月3日から7月31日にかけて、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨である「令和2年7月豪雨」が発生します。その際も書類のデータ化、ペーパーレス化によって現地駆け付けを削減していましたが、令和2年7月豪雨では家屋が水に浸かる水害被害が多く発生したため、リモート環境だけでの業務遂行が困難な状況でした。水害被害時は「何cmくらい家屋が浸かったか」を現物で確認することが保険金の支払い条件になっているためです。

さらに新型コロナ感染症が蔓延するという問題が追い打ちを掛けます。コロナ禍では、お客様も他人との対面接触は避けたい、特に全国の他地域からやってきた鑑定人と対面するとなると感染リスクが大きくなると思われたようです。

そこで近隣の現地社員が被災現場に赴き、鑑定人はバックオフィスに待機し、ビデオ通話を使って鑑定人からリモートで適切な指示をもらうことで家屋調査を行う取り組みを開始しました。
現地に駆け付ける人員の移動時間が短縮できると共に、鑑定人は移動がないため鑑定を受け持つ件数を増やすことができ、結果的に保険金支払いまでの時間短縮につながります。さらにそこからもう一歩進んで、近隣社員がお客様宅に訪問することなくお客様と鑑定人が直接ビデオ通話をし、損害調査を遂行することで新型コロナ感染症の課題である「非接触」対策につなげます。

この「非接触」を実現するために、あいおいニッセイ同和損害保険様にてご採用頂いたのが当社が提供するビデオ通話サービス「ビデオトーク」でした。

ビデオ通話サービス「ビデオトーク」の採用ポイント

あいおいニッセイ同和損保様は、先進的な取り組みをされており、複数のビデオ通話サービスを実際の損害調査業務にて試用されていますが、「ビデオトーク」の以下の点を評価いただき、採用に至りました。

  • ビデオ通話専用のアプリのインストールが不要のためビデオ通話を説明する時間が不要だった
  • 携帯電話番号のみをヒアリングすればビデオ通話可能だったため鑑定人側の応対時間も少なくて済んだ
  • エンドユーザーである現地調査員や顧客からも分かりやすくて使いやすいと好評価

これらの取り組みよって、

  • 保険金支払いに要する時間は10年前と比べて大きく短縮された
  • 全国から被災地に駆けつける移動時間がなくなり効率的な業務遂行と保険金支払いまでの所要日数短縮に貢献した
  • 非対面・非接触で損害調査が出来るため新型コロナの感染リスクもなくなる

といった効果も確認できたとのことです。

あいおいニッセイ同和損害保険様導入事例

ビデオトークはコロナ禍への対応策としてだけでなく、業務効率化ツールとして今後欠かせない

このように、かつては対面で実施していた業務を映像を用いてオンラインかつリモートで実施することが可能となります。現場のスマートフォンを活用して「リモートの目」になることで損害調査業務が効率化できコスト削減効果が見込めると同時に保険契約者への迅速な保険金支払いが可能となり、顧客満足度の向上が期待できるのではないでしょうか。
「ビデオトーク」が、損害保険業務における業務効率化をお手伝いいたします。

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