2023/04/14

オンラインによる重要事項説明とは?実施の流れと必要な準備

重要事項説明(重説)とは、買主・借主が物件の内見を終えて申し込みをし、審査を通過した後に実施される手続きです。宅地建物取引業者が契約上の重要な事項を買主・借主に説明するために必ず行われます。

重説は対面で行うことが一般的ですが、ITを活用してオンラインで実施することもでき、「オンライン重説(IT重説)」と呼ばれて導入が進んでいます。この記事では、オンライン重説についての概要やメリットから、必要な準備、流れ、おすすめのツールまで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

オンラインによる重要事項説明(IT重説)とは?

オンラインによる重要事項説明(IT重説)とは、不動産の取引において、対面ではなくビデオ通話などのITを活用してオンラインで実施する重要事項説明(宅建業法第35条)のことです。
2017年から賃貸取引のみで導入されていましたが、2021年より売買取引においても認められ、国土交通省からマニュアルが発表されています。

IT重説でオンライン化される範囲や条件などについて詳しく解説していきます。

IT重説(オンライン重説)でオンライン化される範囲

物件の契約には、「重要事項説明」と「賃貸借契約」もしくは「売買契約」の2つの手続きを行う必要があります。IT重説が導入された当初はどちらもオンラインで実施できるものの、紙の契約書は事前に郵送し、押印を行った上で返送する必要がありました。

しかし、2022年の宅建業法改正により、不動産取引で義務付けられていた書面での交付が不要となりました。これにより現在はすべての工程をオンラインで完結させることが可能となっています。

IT重説(オンライン重説)が認められる条件

IT重説が認められる条件は以下のとおりです。

  1. 宅地建物取引士が行うこと
  2. 双方向でやりとりできるIT環境において実施すること
  3. 重要事項説明書などを事前に送付すること(電子書面でも可能)
  4. 説明の開始前に相手方の重要事項説明書などの準備とIT環境を確認すること
  5. 宅地建物取引士証を相手方が視認できたことを画面上で確認すること

IT重説を行うには、これらの条件を満たしているか確認しましょう。

関連記事:賃貸不動産業事業に変化の兆し!「IT重説」解禁でビデオ通話の有効活用がすすむ

IT重説(オンライン重説)導入の背景

不動産契約における重説は必ず行わなければならない重要な手続きです。そのため宅建業法によって「宅地建物取引士が対面で行わなければならない」と義務付けられていました。しかし、遠隔地での手続きができないことは利便性が低く、特に遠方に住んでいる場合や本人の外出が難しい場合は課題となっていました。

そこで、ビデオ通話を活用したIT重説が登場したのです。まずは社会実験が行われ、一定の条件下であればITを活用して重説をしても支障がないと認められました。さらにコロナ禍において非接触で手続きできる有用性も認められ、導入が拡大しています。

IT重説(オンライン重説)導入のメリット

実際にIT重説を導入することで得られるさまざまなメリットについて詳しく解説していきます。

お客様の負担を軽減できる

IT重説を実施することによって、対面での重説と比較してお客様の負担を大幅に軽減することができます。例えば、遠隔地に住んでいる場合や外出が難しい場合でも、オンラインであれば場所を問わないため重説のための移動時間やコストが不要になります。また、仕事や家庭の都合で十分な時間が取れない場合でも、オンラインなら日程を調整しやすいでしょう。

さらに、不動産取引に不慣れである場合、説明を受ける際に緊張してしまい十分に内容を理解できないというケースも多いです。その点、自宅などお客様がリラックスしやすい環境で重説を受けられることもメリットとなります。

お客様とのやりとりを記録に残せる

対面での重説の場合、口頭でのやりとりになりますが、オンラインではビデオ通話を録画・録音しておくことも可能です。もちろんお客様の許可を得る必要はありますが、やりとりを残しておけることは大きなメリットでしょう。

後から確認したい事柄が出てきた場合や、トラブルが発生した場合などでも、やりとりを振り返って対応することができます。また実際に行ったIT重説のフローを後から見直し、よりお客様にわかりやすいプロセスへと改善するためにも活用できます。

感染症対策につながる

オンラインでのやりとりになるため、感染症対策にも有効です。新型コロナウイルスなどの感染症はいつ流行するか予測ができません。そのため、緊急事態となっても安定して業務を続けるためにIT重説の環境を整えておくことは有効な対策です。

また、感染症以外にも突然の病気や怪我に見舞われるお客様もいるでしょう。外出を控えたいと考えるお客様にとって、対面ではなくオンラインで重説を受けられることは大きなメリットとなります。

IT重説(オンライン重説)導入に必要な準備

IT重説を導入するには、準備が必要です。ここでは、IT重説の実施にあたって用意すべきものについて解説します。

ネットワーク環境

オンラインでやりとりをするため、インターネットに接続できるネットワーク環境が必要です。もし接続が不安定であったり、通信速度が極端に遅かったりする場合は、途中で音声や映像が乱れてIT重説がスムーズに進行しない場合があります。

事前に必ずネットワークのテストを行い、必要があればインターネットのプランや回線の整備を行うなど、対策を取りましょう。

ビデオ通話ツール

ビデオ通話ツールとは、インターネットを介して映像と音声のやりとりができるツールです。IT重説では宅地建物取引士証をお客様に見せ、お客様がきちんと見たことを確認する必要があります。そのため必ず音声だけでなく映像も双方向にやりとりできる環境でなければなりません。

ビデオ通話ツールにはさまざまな種類が存在しますが、機能や特徴を理解して適したものを選択する必要があります。不動産取引はさまざまなお客様が行うため、誰にでも使いやすいツールを選びましょう。ITツールに慣れていない人でも直感的に使用できるような、シンプルな操作性の製品がおすすめです。

IT重説(オンライン重説)の流れ

実際にIT重説を行う具体的な流れについて解説します。一般的な流れを理解した上で、正しく行いましょう。

IT重説の同意を得る

まずは、IT重説を行うお客様からIT重説の同意を得ます。書面の同意書を作成して記名押印してもらう、もしくは書面を電子化してオンラインで署名を行ってもらうことも可能です。また、同意書の内容を記載したメールを送信する方法でも問題ありません。

お客様のIT環境の確認

お客様のIT環境の確認を行います。具体的には以下のポイントを必ず確認します。

  • PCやスマートフォン、タブレットなどの通信機器が用意できるか
  • カメラ・マイク・スピーカー機能は問題なく正常に使用できるか
  • ネットワークの通信速度が十分で、安定した接続ができるか
  • ビデオ通話ツールを問題なく使用できるか

接続テストの実施

IT環境に問題がないことが確認できたら、実際にIT重説を行うツールを使用した接続テストを行います。IT重説の実施日の前にテストの日時を決め、実際に接続してやりとりができるか確認しましょう。音声や映像に乱れはないか、ツールの操作方法、画面上で写真や文字をはっきりと確認できるか、などを重点的にチェックします。

必要書類の送付

お客様に重要事項説明書や必要な資料、契約書類などを送付します。書面で郵送する場合はIT重説実施後に一部返送してもらうため、控え用を含めて二部送付します。電子書面で送付する場合でも、お客様が事前に内容を確認できるようIT重説実施日の前日までに必ず送っておきましょう。

IT重説の実施

ここまでのステップを踏んだ上で、IT重説を実施します。事前に設定した日時に接続をスタートしましょう。まずお客様には画面越しに身分証明書を提示してもらって本人確認を行い、宅地建物取引士は取引士証を提示して確認してもらいます。双方に確認が取れた上で、重要事項説明を開始します。

お客様に書類を返送してもらう

重要事項説明を終えたら、お客様からの質疑などを受け付けます。疑問点などを解消した上で内容を改めて確認してもらい、記名押印を行った書類を返送してもらいましょう。郵送もしくはオンラインで返送された書類を確認し、問題がなければIT重説は完了です。

IT重説(オンライン重説)はアプリ登録不要で利用できるビデオトークがおすすめ

ビデオ通話ツールの中でも、IT重説におすすめなのがNTTコム オンラインが提供する「ビデオトーク」です。

ビデオトークの特徴は、専用アプリのインストールやアカウント登録をする必要がなく、Webブラウザで利用できることです。事前の準備が不要なため、気軽に使い始めることができます。操作方法も簡単で、お客様はSMSに届いたビデオ通話URLをワンタップするだけですぐにビデオ通話が開始されます。

シンプルな接続手順でITツールに慣れていない方でも直感的に操作ができるため、IT重説だけでなくオンライン内見やオンライン商談など、不動産業務においてさまざまな活用方法があります。下記ページでは、ビデオトークを活用したオンライン内見/入居前審査についてご紹介しておりますので、ご参考ください。

ビデオトーク > 活用シーン > オンライン内見 / 入居前審査

IT重説(オンライン重説)を活用して契約業務を効率化

IT重説(オンライン重説)とは、不動産契約において必要な重要事項説明を対面ではなくオンラインで実施することです。遠方に住んでいたり忙しくて時間が取れなかったりするお客様の負担を大きく軽減できるなど、さまざまなメリットがあることから導入が進んでいます。

IT重説に必要となるビデオ通話ツールは、NTTコム オンラインが提供する「ビデオトーク」がおすすめです。アプリのインストールやアカウント登録が不要で、操作も簡単にできることから、お客様の利便性が高くあらゆる場面で活用されています。ぜひIT重説を実施する際には、ビデオトークの導入をご検討ください。

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