2017/7/19
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、自動車所有者を対象に、顧客ロイヤルティを図る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は4,616件でした。
自動車メーカー・ブランド10社のうち、NPSのトップはLEXUS(-0.4ポイント)。最下位の企業との差は78.8ポイントであり、10社の平均は-25.4ポイントとなった。
全体の26.2%の回答者が推奨度として「5(どちらともいえない)」を選択しており、「5」への集中度が高い企業ほどNPSが低い傾向がみられた。
「信頼性・安全性」「乗り心地のよさ」など16の要因別に重要度および満足度をきいたところ、重要度が高いにもかかわらず、満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップがもっとも大きかった)項目は「燃費のよさ」。次いで、「メーカーのアフターサービス」、「車本体のコストパフォーマンス」となった。
また、同様の傾向は、「改善してほしい点」(自由記述)でも見られ、「燃費の悪さを改善して欲しい」といった燃費に関するコメントや、「必要のない機能をつけて値段を上げないでほしい」といった価格に関するコメントが多数見られた。
所有している自動車の購入価格が、平均4百万円を超える“高級車”メーカーと、平均4百万円未満の“大衆車”メーカーとをわけて分析したところ、高級車の平均NPSは-4.0ポイント、大衆車の平均NPSは-34.6ポイントと、高級車のほうが高い結果となった。
高級車と大衆車にわけて「推奨理由」を分析したところ、高級車では、「上質」や「ステータス」が、大衆車では、「燃費がよい」、「故障が少ない」、「性能がよい」といった機能面での高評価が推奨理由となっていた。
批判者の推奨しない理由としては、高級車では「価格や維持費が高い」、「燃費が悪い」といった費用や機能面での理由が見られた。一方、大衆車では、「不祥事があった」といった特殊なケース以外は、個別の不満よりも、積極的に薦める理由がないことが、推奨しない理由としてあがった。
購入の決め手となった情報源を調査したところ、1位は「販売店での展示・販売員のアドバイス」(34.3%)、2位は「家族や友人・知人からのお薦め」(口コミ)(32.0%)、3位は「イベント・展示会・ショー・試乗会」(15.5%)となった。
高級車と大衆車をわけて分析すると、「イベント・展示会・ショー・試乗会」で大きな差が見られ、高級車は25.1%、大衆車は13.3%となった。
メディアでは、「車専門誌の記事・広告」や「専門家やジャーナリストによるブログや雑誌記事」では高級車が高かった一方、「価格比較サイトでの口コミ」や「テレビやラジオの番組や広告」では大衆車の方が高くなった。
自動車メーカー・ブランド10社のNPS(ネットプロモータースコア)およびロイヤルティ要因についての分析レポートです。
NPSを活用する上で重要なロイヤルティ要因の分析や、「高級車」メーカーと「大衆車」メーカーにわけての分析などを掲載しています。