「Spotfireのおかげで、私たちは顧客に最適なソリューションを提案し、元々の問題の原因を理解することができました。」
Senior Data Scientist / Paul Jones氏
Keysight Technologies社は、通信や産業エコシステム、航空宇宙・防衛、自動車、エネルギー、半導体、
一般電子機器など、幅広い業界に電子計測機器を提供する世界的なリーディングカンパニーです。
80年にわたり世界のトップテクノロジー企業にサービスを提供してきたKeysight社は、顧客データや製品データの管理と抽出に課題を抱えていました。既存のシステムでは、多様かつ大量のデータに対応できなくなっていたのです。データの読込に数時間かかり、不要な詳細情報も含まれているため、異種で柔軟性のないデータソースからのフィルタリングや処理が必要でした。この状況により、レポート作成と分析に支障をきたし、業務の生産性に影響を与えていました。
この状況を改善するため、同社は効率的なデータの読込と前処理機能を備え、社内のあらゆるユーザーが、より迅速に洞察を得られるセルフサービス型のレポート・分析ソリューションを探し求めました。このソリューションは、同社のSnowflakeデータウェアハウスを補完し、強化する必要がありました。またユーザーは、製品品質の監視、カスタマーケアのエスカレーション調査、販売トレンドと顧客満足度の測定、修理・校正サービスのサポート、ソフトウェアプロセスの監視など、重要なビジネスシナリオをサポートできる分析プラットフォームを必要としていました。さらに、製品品質をより良く予測・測定できれば、改善策を講じることが可能になります。これは、極めて高い精度が求められる計測機器にとって、非常に重要な機能です。
Keysight Technologies社は、Spotfireを活用して顧客の課題や製品の使用状況を分析するための新しい分析プラットフォームを実装しました。Spotfirer®アナリティクスにより、同社は顧客から報告された問題を分析し、重要な根本原因と寄与要因を特定できるようになりました。Spotfireプラットフォームは、データをKeysight社のSnowflakeデータウェアハウスに複製し、さまざまなSQLクエリを実行して、すべてのユーザーが活用できる実用的なレポートを作成します。SpotfireのデータカラムはSnowflakeのソースとリンクしているため、ユーザーはリアルタイムでデータを簡単に修正できます。
さらに、Spotfireは製品データを分析し、故障のメカニズムを説明するのに役立つ、詳細な履歴タイムラインのビューを提供します。ユーザーは、製品ファミリーごとの信頼性のトレンドを可視化し、特定の顧客による使用状況を比較し、出荷、修理、校正の包括的なビューを時系列で生成できます。これらの分析から得られる洞察は、製品ファミリーのアップデートが必要なタイミングや、長時間の稼働により特定の製品が急速に劣化している時期を検知するのに役立ちます。これらすべての知識により、同社は将来の製品を改善し、顧客のニーズを予測し、より高い顧客満足度を達成することが可能になります。
Keysight Technologies社は現在、目的に合ったデータに簡単かつタイムリーにアクセスできるようになりました 。以前は読込に数時間かかっていたものが、現在は数秒から数分で完了します。新しいプラットフォームは、データの容易なフィルタリング、高速なダウンロード、複数ソースからのデータ統合といった多くのメリットも提供しています。Spotfireは、アラートや定期的なジョブといった反復作業を自動化し、ユーザーがレポート分析により多くの時間を割けるようにしています。
さらに、SpotfireはSnowflakeのタイムトラベル機能と連携し、新規課題の発生数に対する解決率の進捗状況をレポートできます。この機能により、ユーザーは課題解決に必要なリソースを把握でき、経営層は最新の進捗状況と解決策を簡単に確認できます。最も重要なのは、SpotfireとSnowflakeの統合により、数百万件に及ぶ資産とライセンスに関する情報が、すべてのKeysight社の顧客と正しく対応付けられるようになったことです。
最近の成功事例は、Spotfireのタイムリーで的確かつ使いやすい分析機能を示すものです。Keysight社のチームは、現場での製品故障を分析し、ある特定の顧客の機器が、通常の7年に対しわずか3年で故障していることを特定しました。Spotfireの箱ひげ図を使って顧客データをドリルダウンしたところ、機器の半数が1日17時間以上稼働していることを発見しました。他の顧客では、通常そこまで連続稼働するケースは少なく、これが早期故障の原因であると説明がつきました。
チームは、この問題につながった要因として、3点を結論づけました。初期モデルの信頼性が低かったこと、高稼働が早期故障を招いたこと、そして厳格なコンプライアンス基準により、機器が要求通りの性能を発揮できなかったことです。最終的な解決策として、顧客が古い機器や高負荷の機器を、信頼性の向上した新しいユニットと交換できる下取りプログラムを導入しました。
Keysight社のシニアデータサイエンティストであるPaul Jones氏は、「Spotfireのおかげで、私たちは顧客に最適なソリューションを提案し、元々の問題の原因を理解することができました」と述べています。
Spotfireの分析機能を活用することで、Keysight社は根本原因までドリルダウンし、報告された問題に寄与する要因を把握することができます。こうした新しい分析能力により、同社は機器の信頼性と性能を向上させることができ、これがより良い顧客サービスと顧客満足度につながっています。
