2021/04/05

請求書の電子化

請求書の発行業務が月末・月初に多い理由とは

月末や月初に忙しくなる請求書の発行業務。「もっと効率的に作業するにはどうするべきなのか」と悩んでいる企業も多いようです。請求書は取引先との信頼関係にも関わる重要なものであり、発行・送付が遅れることは避けなければなりません。そこで、この記事では請求書の「月末や月初に発行する理由」「発行を効率化するためのポイント」について紹介します。

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請求書が月末や月初に発行されやすい3つの理由

請求書の発行日は入金する際に重要な情報の1つで、月末や月初になることが多いです。その理由に注目してみましょう。

請求書が「掛売形式」で発行されているのが一般的であるため

請求書の発行は「都度形式」「掛売形式」のいずれかで行われています。一般的なのは掛売形式で、月に取引を複数回行う企業に取り入れられていることが多いです。その月の取引分すべての請求を1度に行う方法であり、取引の締め日から支払い期日の間に発行し、送付します。通常、請求書の処理が行われるのは締め日から10日以内です。支払い期日を考慮し、月初に送付されることも多いですが、必ずしもそうとは限りません。取引先によっては20日締めで月末に発行・送付し、翌月の10日や末払いを希望される場合もあります。掛売形式は請求書を毎回作成・送付する手間が省けるので、都度形式より業務を効率的に行いやすいです。

取引先の計上月に合わせるため

すべての企業の締め日が同じであれば良いのですが、実際には各社で違います。締め日によって計上月が変化する場合もあるため、請求書に関しては取引先の計上月に合わせて発行することが少なくありません。初めての取引をする際に発行日をいつにするのが良いか、確認をとっておくとトラブル防止になります。

月末に振込してもらうため

前月の取引分は月初に請求書の発行と送付をすれば、月末に振込などで入金をしてもらうことができます。これによって、利益の把握がしやすくなるのがメリットです。また、送付が遅くなれば取引先での処理のタイミングに合わず、1カ月遅れの入金となってしまう可能性もあります。請求書を月初に発行するのは、取引先からの入金が遅れないように防止することにもつながるのです。月初であれば、取引先で何らかのトラブルが起きたり、処理が行われるまでに時間がかかったりしても、月末の支払日まで十分に日程の余裕があります。

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都度形式で請求をする場合のポイント

一般的には掛売方式による請求が多いとはいえ、「都度形式」による請求書の発行を希望する企業もあります。掛売形式が1カ月分をまとめて請求するのに対し、都度形式は取引完了直後に毎回請求書の発行・送付をする方法です。自社の資金を管理しやすくなるメリットがある反面、取引ごとに請求をしなければならないため、手間がかかる点がデメリットです。新規企業や継続的取引がないと予想される場合に、こちらの方法で請求が行われる傾向があります。

都度形式の請求書に記載すべきこと

請求書をわかりやすく作成するためには、「取引先名」「取引した日付」「請求番号」「取引内容」「請求金額」のほか、支払期日と振込先を記載するほうが良いです。請求金額は税込で記載しましょう。消費税法では、消費税を経費として計上するためには請求書が必要となっています。より丁寧に作成する場合は税込金額に加え、消費税の金額の記載をすることも可能です。また、振込による入金をする場合は手数料がかかる場合もあるので、どちらが負担をするのかについても記載しておくほうが手続きをスムーズにしやすくなります。

請求書在中のスタンプや送付状を忘れずに

封筒には「請求書在中」のスタンプを押し忘れないようにしましょう。赤色のスタンプのほうが良いですが、黒色や手書きでも問題はありません。請求書には送付状を同封するのがマナーです。こちらに関しては掛売形式も都度形式も同じなので、あらかじめ書式テンプレートなどを活用して作成しておくとスムーズに送付できます。

請求書の発行に時間がかかる原因

請求書の発行や送付は時間がかかる業務の1つといわれています。主にどのような作業に時間がかかってしまうのでしょうか。

請求データの作成・入力に時間がかかる

請求書の発行をする前に、請求データを正確に作成しなければなりません。ミスがあると請求書の内容に影響がでるので、特に間違うことが許されない作業です。そのため、慎重なデータ入力や作成後の見直しなどで時間がかかることも珍しくありません。自社で作成する場合も、外部に依頼する場合もこの作業は必ずしなければならないものであり、重要です。

請求書作成時にしなければならない細かな作業が多い

必要となるデータはすでに入力済みなので、請求書の作成自体はそちらを基に専用フォーマットに打ち込んだり、ソフトで自動作成したりと、比較的短時間で作業を終わらせることができます。しかし、請求書に電子署名や角印を押印する作業や必要部数を印刷するのは手作業で行う分、時間が必要となるのです。電子署名や角印は請求書に必ず押さなければならないというルールはありません。しかし、請求書が自社で作成されたものであるという証明になるので、できるだけ押しておくほうが良いです。

印刷後の封入作業は最も手間がかかる作業

作成した請求書の印刷が終わると、次は取引先それぞれに送付する準備を行います。封入の際には「請求書の内容に間違いがないか」「宛先は正しく記載されているか」を確認しましょう。封筒に入れて切手を貼るという単調作業は、つい油断をしてしまいがちです。請求書を封筒に入れ忘れたり、宛先間違いをしていたりと手作業によるミスが起きやすいので注意が必要となります。

もし、取引先に届いた請求書にミスがあった場合は再発行し、お詫び状を添えて送付しなければなりません。その際、「請求書(再発行)」というタイトルに変更するなど、先に送付したものを訂正し、発行し直したものであることがわかるようにします。「どの請求書を再発行したものなのか」「再発行をした理由」も明記しましょう。再発行をする時点で支払期日が過ぎている場合は、新たに設定した日付で作成する必要があります。

請求書の発行を効率的に行うために

請求書の発行業務は時間と手間がかかりやすいため、効率的に行うためのポイントを紹介します。

封入封緘機を利用する

請求書の発行・送付作業で時間がかかる原因の1つが、封筒の中に請求書を入れて封をする作業です。手作業であれば、「請求書を封筒に入れる」「封をする」「切手を貼る」などを1つ1つ行わなければなりません。封入封緘機を利用すれば、請求書を封筒のサイズに合わせて折り畳み、封筒に入れて糊付けするまでの作業すべてを自動で行ってくれます。手作業で行うのは切手を貼ることだけなので請求書の入れ忘れといったミスが起きにくく、効率的に請求書の送付ができる点がメリットです。初期費用はかかりますが、長い目で見て導入をするのも良いでしょう。いきなり導入するのが不安という場合はまずレンタルで試し、自社にとって効率的であれば購入することもできます。無料レンタルサービスを行っている業者のものを利用すれば、お試し期間に料金が発生することもありません。

専門業者に依頼する

自社で請求書の発行・送付作業すべてを行うのではなく、部分的に専門業者に依頼する方法もあります。専門業者では請求書の印刷から送付までを行ってくれるので、自社ですべきことは請求書の作成のみです。封入作業は時間と手間が最もかかるため、業務を大幅に効率化できます。専門業者への依頼は、封入封緘機を導入するより安価で利用できる点も良いところでしょう。請求書の発行を依頼する場合には、月中までに行うようにするとスケジュール面でも安心です。

請求書の発行は日付に注意を

請求書を発行する際には、日付に注意をすることが重要です。発行日は取引先の計上月に合わせることを基本とし、請求書を月末に作成します。翌月5日頃までに取引先に届くことを目安にしましょう。また、月末に発行をすると決めておけば、それまではほかの業務に集中できます。通常、送付は普通郵便で問題ありませんが、急いでいる場合はレターパックや速達の利用も可能です。ただし、請求書は信書であるため、宅配便、メール便で送付することはできません。

請求書を電子化して発行する

請求書を郵送する場合は作成、封入、送付などやらなければならない作業がさまざまです。そこで、請求書の発行業務を効率的に行うために、電子化をするのも有効といえます。請求書をPDFで発行し、メールに添付して送付するのです。あるいは、請求書の専用ページを作成し、そこから取引先に直接ダウンロードをしてもらいます。それまで紙で発行していた請求書を電子化すれば印刷や封入、送付作業が不要となり、手作業によるミスも減ります。印刷や郵送に必要な費用の節約になる点もメリットです。電子化した請求書は紙の請求書のように保管スペースが必要ないため、空いたスペースをほかの業務に使用することもできます。

請求書を電子化して送付する際のコツ

費用削減や業務の効率化など、メリットも多い請求書の電子化。こちらでは「請求書を電子化するためにしなければならないこと」について紹介しましょう。

請求書を電子化する旨を取引先に事前に知らせる

請求書の電子化は自社のみで完結するものではなく、取引先にも対応してもらわなければなりません。電子化した請求書を送付する側は特に届出は不要ですが、受け取る側は税務署に申請し、認定される必要があります。そのためには、「電子帳簿保存法」と「e-文書法」に従った対応が必須です。このような条件があることから取引先に通知してもすぐに対応するのは難しいため、実際に電子化をする3カ月前までには伝えておきましょう。その際、担当者の名前や部署名、連絡先を記載しておくと、わからない点や詳しく問い合わせしたいときなどにスムーズにやりとりができます。紙の請求書でなければ困るという取引先がある可能性も考慮し、郵送・電子化どちらでも発行できるようにしておくと安心です。

情報漏洩対策で電子化したファイルにはパスワードの設定を

請求書は、取引した内容がすべて記載されたものです。情報漏洩やファイルの内容が書き換えられてしまうことを防止するために、パスワードの設定をするのも1つの方法です。たとえば、「権限」「文章を開くとき」「添付ファイルを開くとき」などに専用パスワードの入力が必須というルールを決めておきます。このパスワードは取引先に通知する必要があるため、請求書ファイルを添付したメールとは別に、パスワードを伝えるメールも送らなければなりません。

請求書を電子保存する場合は目的別に管理ができるようにしよう

取引先が複数ある場合、すべての請求書を1カ所にまとめて管理すると、必要なものを探し出すのが大変です。必要なときにすぐデータを出せるように、「請求時期別」「宛先別」などわかりやすいように保存しましょう。分類しておかなければ、請求書の長い保存期間でデータを紛失する可能性もあります。また、確実にデータが保存できている状態を保つには、定期的なバックアップも有効です。

請求書ファイルにアクセスできる社員を制限する

情報漏洩防止につながることですが、自社の社員が誰でも請求書ファイルにアクセスできる状態は避けなければなりません。自社の社員が他社に請求書の内容を漏洩する可能性が100%ないとは言い切れないからです。請求書ファイルに関してはIDやパスワードの設定をしたうえで、自社の社員の利用履歴を常にチェックする必要があります。社員1人のみに任せることは難しいため、人数制限を行い、ファイル管理をしやすい状態にすることが有効となります。

保存も電子化する場合は「電子帳簿保存法」対応の帳票発行システムを導入する

請求書は税法によって7~10年の保管義務があります。そのため、電子化した請求書を送付した場合も、基本的に紙の請求書を作成して保管しなければなりません。完全に電子化したもののみで請求書の保存を行う場合は、「電子帳簿保存法」対応の帳票発行システムを導入する必要があります。

請求書の電子化で業務効率向上を

請求書は取引先の計上月に合わせたり、掛売形式が多かったりといった理由で月末や月初に発行される傾向があります。しかし、作成時にミスをすればスムーズに送付できません。紙の請求書は作業に時間と手間、印刷や郵送の費用がかかり、手作業なのでミスも起きやすいです。請求書を電子化して送付することでミスが減り、管理しやすくなるメリットがあるため、取引先に事前通知をしたうえで切り替えるのも良いでしょう。

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