2021/10/15

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コスト削減はなぜ必要?基礎知識から削減方法まで徹底解説

売上アップを目指す企業にとって、コスト削減は避けて通れない重要な課題です。しかし、いざ実施するとなると「本当に必要なのか」「どう取り組めば良いのか」など、不安を感じる企業担当者も多いのではないでしょうか。そこで今回は、企業が抱えるコストの種類やコスト削減の必要性といった基礎知識を踏まえ、基本的なコスト削減の進め方や実際に効果を得やすい削減方法などを解説していきます。

企業経営におけるコストは3種類!

コスト削減について詳しく確認する前に、まずは前提として企業で発生するコストの種類を理解しておくことが大切です。細かい内容は企業ごとに異なりますが、企業経営におけるコストは一般的に「オフィスコスト」「オペレーションコスト」「エネルギーコスト」の3種類に分類されます。どのようなコストなのか、それぞれ見てみましょう。

オフィスコスト

オフィスコストは、業務を遂行するために日々オフィスで必要となる機器や消耗品などにかかる費用のことです。たとえば、オフィスの賃料やパソコン・コピーなどOA機器の購入・リース代金、文房具やコピー用紙といった事務用品費などが該当します。オフィスや業務の維持管理にかかる費用全般であり、オフィスで働く社員の数が多いほどコストもかさむため、削減効果が大きく表れやすいポイントです。特に近年はIT化や働き方改革などによってモバイル機器の導入が進んでおり、通信費や新規導入コストの負担が課題となっている企業も珍しくありません。

オペレーションコスト

オペレーションコストは、業務を実際に遂行する社員にかかる人件費や、商品・備品などの配送にかかる物流費などのことです。中でも人件費は社員の給与や退職金、交通費などを含んでおり、企業が抱えるコストの中でも特に大きな割合を占めているので注意しましょう。売上に対する人件費の割合を示した「人件費率」は利益にも影響する重要な経営指標でもあるので、必ずチェックしておきたいポイントです。全国1万人超の税理士が加盟するTKCグループの調査によると、人件費率の平均は業種によって大きく異なり、小売業で10~30%、飲食業で30~40%、サービス業で40~60%という結果でした。自社の人件費率がどうなっているか計算し、業種ごとの平均と比較して問題がないか確認してみましょう。

ただし、残業代のカットやリストラなどを行って人件費を削減すると、社員のモチベーションを下げかねないので注意が必要です。モチベーションが下がった結果生産性まで低下したり、優秀な人材が転職してしまったりして売上が下がるなどの悪循環も考えられるため、慎重な対応が求められます。

また、人件費と同様に採用コストも負担が大きくなりやすいポイントです。人材派遣などを手掛けるマイナビが行った「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、新卒の社員1人当たりの採用コストは48万円という結果でした。10人を採用すれば480万円、100人採用なら4800万円が必要です。これが毎年のように発生し、しかも中途採用やアルバイト・パートなどにも別途採用コストがかかると考えれば、いかに大きな負担になっているかがわかるでしょう。これだけコストをかけている以上、すぐに退職されると大きな損失になります。細やかな研修やケアを行うなど、早期離職を避ける対策を行いましょう。

エネルギーコスト

エネルギーコストは、オフィスなどで社員が使用する水道・電気・ガスの料金のほか、営業や配送などで使う車両のガソリン代などが該当します。これらは毎日ほぼ必ず発生するコストであり、オフィスの運営には欠かせないものですが、時期によってはかなり高額になることもあります。社員数が多い大規模なオフィスでは特に負担が大きくなるので、一度本格的に確認してみると良いでしょう。なお、エネルギーコストではまず「照明」をチェックしてみることをおすすめします。一般財団法人省エネルギーセンターの調査によると、オフィスで発生する電気代のうち、約40%が照明にかかっていることがわかりました。照明の種類や使い方を見直すことで、電気代を大幅に削減することもできるでしょう。

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コスト削減に取り組む意義とは

企業経営において、コストの発生は避けられないものです。このためコストをあって当然の必要経費と見なし、特に見直しなどを行っていない企業もあるでしょう。しかし、コストをそのままにしておくのは非常にもったいないと言わざるを得ません。なぜなら、企業の利益は基本的に「売上-コスト」となるためです。売上に占めるコストの割合が大きいほど利益は減り、逆にコストが減れば売上が伸びなくても利益を増やすことができるのです。売上を伸ばすのは簡単にはいきませんが、コストは社内の努力や工夫次第で実現できる場合もあるでしょう。このため、多くの企業は積極的にコスト削減に取り組み、利益拡大を目指しているのです。

また、正しくコスト削減を行うと、企業には利益拡大以外にもさまざまなメリットが期待できます。コスト削減では「無駄を省く」ことが基本となるため、自然と業務の見直しが進み、業務効率化を実現できるケースが多いです。業務効率化は生産性アップにつながるだけでなく、労働時間の短縮も可能にします。その結果、残業代の減少によって人件費が削減できたり、社員がプライベートな時間や休息を確保できたりするなど労働環境の改善も期待できるでしょう。快適な労働環境で働けると社員のモチベーションやエンゲージメントが高まり、離職率が低下しやすくなります。採用コストを抑えるとともに、十分な経験やスキルを持つ社員が増えることで生産性がさらにアップするという好循環も生まれ、安定的かつ継続的な企業の成長につながるのです。

ただし、このようなメリットはコスト削減がうまくいったときの話です。むやみにコスト削減を押し進めると規制ばかりが多くなり、社員の負担が増えて逆にモチベーションが下がってしまうこともあり得ます。このような事態を避けるためにも、コスト削減に取り組む場合は正しい手順を踏みながら本当に削減が必要なコストを見極め、社員にうまく周知徹底しながら全社一丸となってコスト削減意識を持つことが大切です。

コスト削減の基本的な進め方

企業が利益を最大化するにはコスト削減が欠かせませんが、手あたり次第に削減して回れば良いというものではありません。企業が売上を伸ばすには必要になるコストもあり、それまで削減してしまうと売上も連動して低下してしまう可能性があります。その結果、コストが減っても結局利益が増えなかったり、売上の減少幅が大きく利益まで減ってしまったりして、コスト削減が失敗に終わる場合があるのです。このため、売上に影響するコストはできるだけ触れず、無駄にかかっているコストだけを洗い出してうまく削減することが重要となります。

では、実際にコスト削減に取り組む際はどのように進めていけば良いのでしょうか。手順はいろいろとありますが、まずどのようなコストがどれくらい発生しているか、現状を把握することから始めるのが基本です。現状を把握しないことにはコスト削減の計画すら立てられないため、部署単位や業務単位でできるだけ正確に調査しましょう。全体のコスト状況を把握したら、削減できそうなコストをピックアップします。無駄なコストがかかっていないか、コストが低い別の方法に切り替えられるものはないかなど、あらゆる可能性を考えながら探してみましょう。

削減できそうなコストを見つけたら、削減しても問題はないか、どのように削減できるかなどを分析し、削減の金額や方法などを具体的に決めていきます。このとき、達成が難しい高い目標を設定するのはおすすめできません。あまりに目標を高くすると、計画倒れに終わったり社員のモチベーションを下げたりしてしまう可能性があります。また、そのコストを削減した場合に特定の部署や社員に負担が集中しないか、安全性に影響して事故を引き起こす心配はないかなど、リスクについても慎重に判断しましょう。上述したように、たとえば営業部の人員を減らすなど、売上に影響する部分をコストカットするのも避けなければなりません。

削減の目標や方法が決まったら、その内容を社員に周知徹底しましょう。コストの削減は、経営陣や経理部だけが努力してどうにかなるものではありません。全社が協力して取り組むことが不可欠なので、漠然とした目標や方法よりも「コピーはモノクロで裏紙を使う」「冷房は28度をキープする」などのように、誰もが実現できそうなものを周知するのがおすすめです。取り組みの成果をグラフにして貼り出すなど、可視化することも社員の削減意識の向上やモチベーション維持に役立ちます。

最後には定期的に振り返りを行い、効果測定をしましょう。振り返りによって取り組みの有効性を分析できますし、失敗したとしても新たな課題を見つけ、対応することでさらに効率的なコスト削減が可能になる場合もあります。

代表的なコストの削減方法

実際にコスト削減に取り組む場合、どのような方法があるのでしょうか。コストの内容や削減の有無は各企業で異なるため確実な方法は断言できませんが、多くのケースで効果が出やすい代表的なコスト削減方法もあります。どのようなアイデアがあるのか、具体的に見てみましょう。

電力の使い方を見直す

オフィスでは常に電力を利用しており、その利用料金も年間で見ればかなりの額に上ります。このため、契約プランを変更したり使用量を押さえたりすることで、大幅なコスト削減も可能です。たとえば、オフィスでは照明と空調が電気料金のほとんどを占めているので、照明を消費電力の少ないLEDに取り換える、空調は冷暖房を効かせすぎないようにするなどの対策が効果を得やすいでしょう。また、2016年からは電力自由化が始まり、大手電力会社以外にも任意の電力会社と契約できるようになりました。これにより価格競争が起き、中小電力会社の中には大手よりも割安な料金プランを提供しているところもあります。オフィスがある地域にどのような電力会社があるのか、オフィス向けの割安な契約プランはないかなどを調べ、既存の電力会社から乗り換えてみるのも良いでしょう。

テレワークを導入する

働き方改革により普及が進んでいるテレワークですが、実はオフィスのコスト削減にも役立ちます。テレワークを導入すればオフィスに出勤する社員が減るため、オフィスコストやエネルギーコスト、交通費などの削減が可能です。広いオフィスも不要になり、賃料の安いオフィスへ移転することもできるでしょう。また、出勤にかかる時間や労力も不要になることで社員のストレスも軽減でき、空いた時間を有意義に使えるようになります。これまで育児や介護などで離職せざるを得なかった社員もテレワークなら働き続けることができ、生産性の低下や採用コストの増加も防げるなど企業・社員双方にメリットが多いです。

ノー残業デーを導入する

ノー残業デーとは、残業を禁じて社員を定時退社させる日のことです。企業がノー残業デーを設定して社員に早帰りを勧めると、社員は必要以上に残業をしにくくなります。周囲の同僚も定時で帰るため、罪悪感も抱くことなく早帰りを実践できるでしょう。これによって残業代やオフィスコストが削減できるだけでなく、残業ができないため社員が早く業務を終わらせられるよう自主的に工夫するなど、業務効率化が自然と進む効果も期待できます。早く帰れることで社員のワーク・ライフ・バランスも実現でき、心身の健康の維持にも役立つでしょう。

どの程度ノー残業デーを設けるかは企業によりさまざまですが、一般的には週に1度、水曜日に設定しているケースが多いようです。あまり日数を増やすとほかの日に業務のしわ寄せがいくこともあるので、バランスを考えながら設定しましょう。

ペーパーレス化を進める

オフィスでは日々膨大な量の紙媒体が使用されていますが、紙媒体には用紙代やインク代、OA機器のリース代などさまざまなコストがかかります。紙の代わりに電子媒体を利用してペーパーレス化を進めれば、これらのコストを大幅に削減することも可能です。社内業務用の紙はもちろん、電子契約サービスを利用すれば取引先との契約などもデジタル化でき、紙媒体の保管場所も不要になります。コンビニ大手のセブンイレブンでは、会計システムを刷新して伝票・帳票のデジタル化を進めたところ、年間で約14億円ものコスト削減に成功しました。電子媒体だと、膨大な資料の中から必要な書類をスムーズに探したりデータを抽出したりすることも容易なため、業務効率化にも役立つでしょう。

コスト削減にはさまざまな方法がある!できることから始めよう

企業経営ではつい売上のほうに注目しがちですが、利益拡大には売上アップよりもコスト削減のほうが効果的なこともあります。ペーパーレス化やテレワーク、水道光熱費の見直しなど、さまざまな面から取り組めるコスト削減方法があるので、できることから始めてみましょう。ただし、コスト削減には社員の協力が必要不可欠です。一方的に強制するのではなく、お互いに協力し合いながら取り組める環境整備にも力を入れましょう。

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