2021/08/31

帳票、書類の電子化

領収書とは違う?支払明細書の基礎知識を徹底解説

支払明細書は主に商取引の一環としてやり取りされる書類です。必ずしも発行する義務はありませんが、ビジネスシーンでは特に広く活用されており、実際に自分で作成したことがある人も多いのではないでしょうか。支払明細書には定められた形式もなく、書き方は自由です。とはいえ、ビジネス上のマナーとして、基本的な形式は知っておきたいところ。そこで今回は、支払明細書の基礎知識から書き方の基本などについて解説します。

支払明細書とは何をするための書類?

支払明細書とは、取引の内容や支払った金額を確認するために発行される書類のことです。主に商取引において活用されることが多い書類ではありますが、利用されるのは必ずしも法人同士による商取引の場面だけではありません。たとえば、クレジットカードで買い物をした際、購入した商品の名称や購入金額、カードを利用した日付など、カードの利用履歴に関する情報が細かく記録された書類が発行されます。その書類が支払明細書と呼ばれるものです。

また、仕事のために個人利用したバスや電車などの運賃は、領収書や明細書をその場で発行してもらうことが難しいため、後で自分で書類を作成して経費として計上するといった場合があります。このときに作成する書類も支払明細書です。企業によって支払明細書の扱いはさまざまですが、書き方によっては領収書と同じ効果を持つ書類として利用することができます。

代金をともなうやり取りの場合、お金がいつ支払われるのか、またどの程度の金額が支払われるのか、しっかり確認することが求められます。領収書や明細書は、その確認のために発行される書類です。ただし、取引の際の支払明細書は、法律によって発行が義務付けられているわけではありません。実際、企業間の取引でも、納品書や請求書のやり取りのみで支払明細書が発行されないケースもよくあります。クレジットカードの利用履歴も、現在ではデジタル化が進んでいつでもネット上で確認できるようになったため、わざわざ書類の支払明細書を紙で発行しない場合も少なくありません。支払明細書は、あくまで確認不足によるトラブルを避け、取引の安全性を担保するために任意で発行される書類だといえます。

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金額や取引内容を確認!支払明細書の種類

支払明細書には、取引に関する履歴を記録したものや、給与や賞与を支払う際に発行するものなど、さまざまな種類があります。この段落では、支払明細書にどのような種類があるのか、その詳細をいくつかに分けて説明します。

給与や賞与、退職金に関する支払明細書

会社が従業員に給与や賞与を支払う際に支払明細書が発行されます。給与明細書や給与支払明細書と呼ばれることもありますが、形式的にはいずれも支払明細書と同じです。給与や賞与を支払う際に支払明細書を発行する目的は、支払いを受ける側が金額を誤認しないようにすることにあります。そのため、明細書には給与や賞与の計算過程までしっかり記載されている場合が多いです。

また、退職金も給与や賞与と同じように支払われる金額や計算過程の明示が求められる項目の金銭です。そのため、会社によっては、退職金を支払う際にも支払明細書が発行されるケースがあります。ただし、発行が義務付けられているわけではないため、発行の仕方に関しては会社規定に準ずる場合がほとんどです。退職金に関する支払明細書は、一般的に退職金支払明細書と呼ばれます。

業務委託に関する支払明細書

仕事の種類によっては、他社や個人に業務を委託する場合もあるでしょう。その際も支払証明書を発行するのが一般的です。支払う報酬の内訳や具体的な金額を記載することによって、業務委託にまつわる金銭的なトラブルを防ぐのが支払明細書の目的です。

配当金に関する支払明細書

企業が株主に対して配当金を支払う場合も、支払明細書を作成することがあります。一般的に「配当金支払明細書」と呼ばれるこの書類は、単なる明細書ではなく「支払通知書」としての機能を兼ねている場合があるため、その際は通常の支払明細書とは書式が変わってくるので注意が必要です。

公共料金の支払いに関する支払明細書

給与や退職金、業務委託に関する支払明細書は、主に支払う金額を確認するために発行されます。一方、クレジットカードの支払いや、水道料金・電気料金などの公共料金の支払いの際にも支払明細書が発行されます。この場合の支払明細書は、支払う金額を確認するというより、取引内容を確認するのが目的です。利用者に対して金額や履歴を明示することで、双方に勘違いが起こらないようにするために発行されます。

支払明細書と領収書・請求書の違い

支払明細書は、よく領収書や請求書と混同されがちな書類です。いずれも同じような目的を持った書類ではありますが、支払明細書と領収書・請求書には大きな違いがあります。まず、支払明細書と領収書の顕著な違いは、「既に支払いが行われているかどうか」という点にあります。支払明細書を発行する段階では、まだ支払い自体は行われていません。支払義務が発生した際に、料金や取引の内訳を確認するのが支払明細書の目的です。これに対して、領収書は主に支払いが行われた後に発行されます。支払いが実行されたことを証明する書類であり、領収書は「支払証明書」ともいい換えられるような書類です。

支払明細書と請求書も似て非なる書類です。支払明細書が確認のために発行されるのに対して、請求書はその名の通り料金を請求するために作成されます。両者の違いは支払いの要求があるかどうかであり、その中で確認のための書類である支払明細書には、相手方に支払いを督促するような効力はありません。何らかの取引が行われる場合、まず取引内容の確認や金額の確認のために支払明細書が発行されます。それをもとに、支払いの期日や支払先が記載された請求書が作成され、取引の相手方に対して料金の支払いを要求します。その後、料金の支払いが実行されたら、それを証明するために領収書が発行されるというのが一般的な取引の流れです。

このように、支払明細書と請求書・領収書には、それぞれ異なる目的と役割があり、誰が発行するのかもそれぞれ異なります。ただ、支払明細書は請求書や領収書に添付されて発行される場合もあるなど、使い方は場面に応じてさまざまです。ちなみに、添付されて発行される場合は、請求書兼支払明細書や領収書兼支払明細書という名称になります。

支払明細書の書き方

支払明細書は、作成が法的に義務付けられている書類ではありません。そのため、書式に関しても定められたものがなく、会社規定に従う場合やネット上のテンプレートを参考に作成する場合が多いです。ただ、書き方に決まりがないとはいえ、適当に書いても良いというわけではありません。支払明細書は取引の相手方に発行するものであるため、明細書を受け取る側が見やすいように作成するのが基本的なマナーです。それでは、支払明細書は具体的にどのように作成したら良いのでしょうか。以下、支払明細書の基本的な書き方について見ていきます。

1.書類名に「支払明細書」と記載

支払明細書を作成する際は、まず一目見ただけで支払明細書だということがわかるようにしておくことが大切です。支払明細書は領収書や請求書と書式が似ており、混同してしまうこともあります。そのため、まずは書類の一番上の部分に「支払明細書」と記載し、他の書類と間違えることがないように対策しておきましょう。書類名に「支払明細書」と書いておけば、他の書類と取り違える心配もなくなります。請求書に添付する際は、「請求書兼支払明細書」と記載して、書類の種類が明確にわかるようにしましょう。ちなみに、請求書兼支払明細書の場合は、支払い期日の記載も必要になります。

2.発行した日付を記載

次に、書類を作成または発行した日付を記入します。「支払明細書」と明記した右横などに記入するのが基本です。発行した日付をしっかり記載しておくことで、いつ発行した書類なのか明確になるので、月締めの取引をまとめる際などにも便利です。また、日付の記載は西暦ではなく和暦が基本なので覚えておくと良いでしょう。

3.相手方の企業名や個人名を記載

相手が法人の場合は、「○○株式会社様」などのように、会社名を記載します。個人名の場合でも、「○○様」などと敬称を付けて記載します。書類の発行先を明記することは、誰に対して作成したのかはっきりさせるためであり、発行先に対する最低限のマナーです。会社名や個人名の後の敬称は、「様」の他に「御中」などでも大丈夫です。ただし、「○○株式会社様御中」などのように、「様」と「御中」を同時に使うのは間違った敬語の使い方となるので気を付けましょう。

4.発行する側の企業名・個人名を記載

相手方の企業名・個人名を記載したら、次は発行する側の企業名・個人名を記載します。支払明細書には決められた書式がないとはいえ、この発行する側の企業名・個人名の記載がなければ、そもそも支払明細書として扱うことができなくなってしまいます。発行元の情報は企業名・個人名だけではなく、電話番号と担当者名もしっかり明記することが重要です。発行先が支払明細書について問い合わせたいとき、連絡先や担当者の氏名がわからないと困ってしまいます。そのため、発行元の企業名と同時に、電話番号やメールアドレスなどの連絡先も忘れずに記載しましょう。

5.会社印を捺印

発行元の情報を記載したら、企業名や住所と重なるように会社印を捺印します。会社印の捺印があることで、書類が正式に発行されたものであることの証明となり、より信頼に値する文書となります。ただ、書類ごとに捺印するのは面倒なので、電子印鑑を事前に準備しておくと捺印の手間が省けて非常に楽です。電子印鑑なら、相手先に対しても安心感を与えやすく、切手代を節約できるなど経費削減にもつながります。

6.取引内容を記載

取引内容とは、商品名やサービス名、納品した商品の個数、消費税を含まない単価などのことです。その他、数量と単価を合わせた金額や、税抜きの合計金額を表した小計、消費税、税込金額の合計など、取引内容に応じた項目をいくつか記載します。取引内容の内訳や最終的に支払う合計金額などは、一目でわかるように表で作成して明記するのが基本です。

以上に挙げたような項目を記載していれば、支払明細書として最低限の体裁が整っているといえるでしょう。ただ、記載項目に制限や強制はなく、記載したい項目を増やしても構いません。たとえば、書類をより管理しやすくするために、必要に応じて管理ナンバーを記載してみても良いでしょう。支払明細書を多く発行する際は、IDやコードを明記しておくことで管理しやすくなり、他の書類と取り違えてしまうなどのトラブルを防ぐことができます。

電子化も視野に!支払明細書のデジタル化

支払明細書は、手書きで作成しても問題ありませんが、手で書くとなると手間がかかるだけではなく、紙代などもかかってしまうので割高です。ですから、支払明細書を作成するなら、インターネット上で公開されているエクセルのテンプレートを利用するのが良いでしょう。テンプレートは無料で公開されているものから、クラウドサービスの一環として有料で利用できるものまでさまざまです。いずれを利用するにしても、テンプレートなら記載する項目が不足して支払明細書の体をなさないといった事態も防ぐことができるので、明細書を手軽に作成したいならぜひ検討してみると良いでしょう。

また、支払明細書といった帳票の類をすべて電子化するというのもひとつの手です。電子化することによって、明細書の印刷や発送にかかる手間を大幅に削減でき、経理作業の簡略化と作業時間の短縮が実現できます。それだけではなく、電子化してしまえば支払明細書の印刷代やインク代なども節約できるため、経費削減にも大きくつながります。加えて、明細書の管理もデジタル化でき、管理作業の簡略化や明細書の発送漏れといったトラブルを未然に防ぐことにもなるでしょう。

帳票の電子化は時代の流れでもあります。いち早く電子化すれば、むしろ時代を先取りする企業と見られ、取引先などからも信頼を得やすくなるかもしれないなど、大きなメリットのある取り組みだといえます。

用途の多い書類!意味を理解して正しく書こう

支払明細書は取引の際に作成が義務付けられている書類ではないものの、取引内容や金額を確認するという意味で、ビジネスシーンにおいて重要な位置づけにあります。書き方に決まった形式はありませんが、マナーのひとつとしてしっかり覚えておきたいところ。作成する機会も多いので、意味を理解して正しく作れるようにしておきましょう。

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