2019年7月24日開催コンプライアンス・人事、総務・広報担当者必見!
ソーシャル内部告発・情報漏えいリスクを最小化する社内リスク対策~最新の事例研究から考える、社内リスクの予防・監視・対応とは~ セミナーレポート

昨年から、社員による機密漏えいや内部告発、労務問題に関する投稿、バイトテロなど、従業員など企業内部を発信源とする炎上が増加しており、その大半がソーシャルメディアを媒介したものとなっています。
また、最近の傾向として動画投稿の増加が挙げられますが、動画は情報量が多くインパクトが強いため、拡散のスピードや炎上の激しさが増す一因となっています。
これらの炎上対応や風評被害から発生する事業損失が数億円にのぼる企業も出現するなど影響が大型化しており、企業にとっては見過ごすことのできない問題です。

今回のセミナーでは、「企業内部から発生するソーシャル炎上リスクの対策」をテーマに、マンパワーグループ株式会社の岡田司氏、シエンプレ株式会社の桑江令氏、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社の中村が登壇し、問題が顕在化する前の「未然防止」、炎上を可能な限り早く見つける「早期発見」、炎上した時に被害を最小化するための「炎上対応」という各段階での対策を、それぞれの立場から解説しました。

1.職場の健全性を保ち、リスクを未然に防ぐ

第一部は、マンパワーグループ株式会社ライトマネジメント事業本部タレントマネジメント営業部長の岡田司氏より、「リスクの予防に効く、職場づくりのポイント」として、社内から発生するリスクを未然に防止するための、リスクが高い状態の評価、リスクを軽減するための具体的なポイントをご紹介いただきました。

まず始めに、企業にとってリスクとなりやすい社員とはどのようなタイプなのか、炎上を招きやすい企業とは?を解説いただきました。
「他者からの承認欲求が高い/低い」、「仕事とプライベートが近い/離れている」、「ストレスがある/ない」の掛け合わせによって社員がリスクになりやすい状態かどうかを評価します。また、企業活動のプロセスに一貫性がない会社では、「行動規範を守らなくてもよい」と認識されてしまうため、企業自体がリスクを招きやすい状況になってしまいます。
このような状態にならないように、関係者全員が一致した目的を共有すること、企業活動プロセスの一貫性を実現するようにマネジメントし、職場の健全性を保つことが大切とのことでした。
そのための取組として、「話しやすい職場」「風通しがよい職場」づくりのためのミーティングやインタビューを、具体例を挙げてご紹介いただきました。

また、現場を担う管理職のマネジメント力の差が、組織リスクを潜在的にするか、顕在化させるかを分けるため、マネジメント教育は今まで以上にしっかり行うことをお勧めする、として、岡田氏はセッションを締めくくりました。

2.ソーシャルを取り巻く状況を把握して、適切に炎上対応

続く第二部は、シエンプレ株式会社主任Webコンサルタントの桑江令氏より、「社員」を発生源としたソーシャル炎上に対する「最適な炎上対応」についてお話しいただきました。
動画による投稿自体のインパクトの強さや、労務問題、ジェンダー、ヘイトなどユーザー感情が過敏になりやすい問題、正義感からくる過剰な反応など、昨今見られる「炎上が激化しやすく、企業に影響が大きい」傾向に対し、企業側は、以下に注意して対応することを心がけるべき、と桑江氏は説明しました。

  1. 迅速さ:スピーディに把握し、対処する
  2. 正直さ:事実を隠蔽せず、謙虚な姿勢で臨む
  3. 慎重さ:さまざまなリスクを考慮し判断する

以上をふまえた上で、「最適なネット風評マネジメント」として以下の3つの施策を挙げました。

  1. リスクを発生させない
  2. リスク発生時に迅速に把握する
  3. リスク発生時に最適な対策を採る

この中で特に、リスク発生時に最適な対策を採るために、まずは想定されるリスクに対し、事前にリスク対策マニュアルを作っておきます。
自社の事業から考えられるリスクそれぞれに対し、対応を事前に決めておくのです。
これにより、先に説明した「迅速な対応」を可能にするだけでなく、「リスク発生時に最適な対策を採る」ことにもつながります。
最近、リスクが発生すると「緊急対策室」を設置するケースが増えていますが、予め対応を決めておくことによってよりスピーディに的確に対処することが可能になります。

3.ネットにあふれる企業へのネガティブ投稿。炎上被害を最小化するには

第三部は、NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 ソーシャル事業責任者の中村より、企業内部から発生した炎上の事例と、炎上被害の最小に抑えるための「事前対策」をご紹介しました。

第二部で、「リスクの迅速な把握が大切」という話がありましたが、企業から発生する炎上の特徴として、夜間や週末に多く発生するため、企業担当者が不在で対応が遅れ、更に炎上が拡大するケースが多い、と中村は指摘しました。
そのため、リスク発生時の対応を事前に決めておくこと、いざという時を想定して事前訓練を行い、関係者内に周知しておくことが炎上発生時に有効になります。
ある企業で炎上が起こると、同じ業種の他社でも炎上が起こることが多々あるため、日ごろから自社と同業他社の炎上動向をウォッチしてトレンドを把握しておくことも、早期発見、事前準備に役立ちます。

また、実際に自社が炎上に見舞われたとき、すぐに対応することは必ずしもプラスではない、という話もしました。
SNSでは炎上元となった投稿者の過去の投稿や周辺情報から論調が一転することがあるため、企業としてどのように情報を発信するのかを判断するポイントになる、と説明しました。
ここでは、最近発生したネット炎上と、炎上が「大炎上」にまで発展した企業対応の問題点を解説しました。

4.最近発生した企業内部から発生したの炎上事例、最適な対応とは?

セミナーでは、とある飲食店で発生した炎上を事例としてとりあげ、最適な対処法を検討しました。
この事例では、企業が販売したコラボ商品内に含まれる限定商品の出現率が異常なほど低いこと、一人の人物がネット上の転売サイトに景品を大量出品しているのが発覚したことを発端に、従業員による不正が疑われ炎上が発生しました。当該企業は当初店舗側の対応に不正がないことを発表したものの、不正現場を捉えた動画が投稿され再炎上し、企業は不正の事実を認め、謝罪に追い込まれました。

このケースでの炎上による被害を最小限に抑えるための企業対応の改善ポイントとして、セッションでは以下を指摘しました。

  • 自社にとってどのようなリスクが存在し得るのかを想定し、対策しておく
  • 炎上する前の段階で、ネット上で話題になっていることを検知する
  • 情報を前提に現場調査を実施する
  • 状況を把握したうえで、対応を検討する

5.炎上を予防するソリューション

NTTコムオンラインでは、ソーシャル炎上に対してリスクを軽減するソリューションを展開しています。

素早い検知が可能なテクノロジーで、「予防+監視+炎上対応」をトータルサポート

業界最速のリスク検知スピードで、リスク投稿をいち早く発見し、ご報告します。

※SLC:ソーシャルリスニングセンターの略。24時間365日の人的監視・巡回体制を有します

AI駆使した予兆把握&コンサルモデル(SLCリスク版)

サービス形態:ツール/テクノロジー+有人監視&巡回+コンサルティング

  • 24時間365日の監視サービスを一般的なソーシャルツールと同価格帯から提供可能
  • データ分析に秀でたコンサルタントが支援する「リスク予兆」把握モデル
  • 有事の対応サポートではソーシャル分析力をベースに精度の高い対策案を提供

NTTコムオンラインでは、ツールなどのテクノロジーによるサポートや体制の見直しなど、ソーシャル炎上リスクに対するあらゆる側面からのご支援を行っています。
上記にご紹介したソリューション以外にも、お客様の必要やご相談に応じてご提案が可能です。
ソーシャルリスクに対するご質問やご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。
また、「ソーシャル炎上予防」や「ソーシャル炎上対策」などのセミナーも定期的に行っていますので、ご興味のある方はぜひご出席ください。