
更新日:2024/06/14(公開日:2022/09/30)
遠隔(映像)サポートツールとは?機能と活用例、比較のポイントを解説
ユーザーのパソコンやスマートフォンの画面を実際に見ながらお客様をサポートできる「遠隔サポートツール」を導入する企業が増えています。ユーザーとオペレーターの双方にメリットがあるため、問い合わせ対応業務を行う企業は導入がおすすめです。
本記事では、遠隔サポートツールの代表的な活用シーンや主な機能、導入するメリットやツールの比較ポイントなどを紹介します。問い合わせ対応の効率化や品質向上を目指している方は、ぜひチェックしてみてください。
- 遠隔サポートツールとは、画面共有やビデオ通話などの機能によって相手の状況を実際に見ながらサポートできるツールのこと
- 遠隔サポートツールはカスタマーサポートや社内ヘルプデスクなどで活用されており、効率的な問い合わせ対応に役立てられている
- 遠隔サポートツールを導入する際は、専用アプリのインストールが不要か・セキュリティ機能が十分かなどを確認する必要がある
遠隔(映像)サポートツールとは
遠隔サポートツールとは、オペレーターが画面共有やビデオ通話を使ってユーザーの状況を確認しながら問い合わせに対応するためのツールです。ユーザーの操作を実際に見ながら的確に指示ができ、遠隔操作ができるツールの場合はオペレーターが直接ユーザーのパソコンを操作してサポートできます。
これまでは、ユーザーへのサポートは電話が主流でした。しかし、電話でのサポートは相手の状況を正確に把握するのが難しいという課題があります。一方、遠隔サポートツールは相手の状況を実際に見ながらサポートができるため、電話よりも状況を把握しやすく、ユーザーの課題を素早く解決できるメリットがあります。
遠隔(映像)サポートツールの代表的な機能

遠隔サポートツールには、ユーザーの状況を確認したり的確に指示したりするための便利な機能が多く備わっています。代表的な機能として、次の4つが挙げられます。
- ビデオ通話機能
- 画面共有機能・画面同期機能
- ペン・ポインター機能
- 遠隔操作機能
それぞれどのような機能なのか、以下で詳しく見ていきましょう。
ビデオ通話機能
ビデオ通話機能は、パソコンやスマートフォンを使ってリアルタイムで音声と映像のやりとりができる機能です。相手の顔を見ながら会話ができるので、音声だけの通話よりも細かいニュアンスが伝わりやすくなります。
画面共有機能・画面同期機能
画面共有機能・画面同期機能は、相手側とこちら側で同じ画面を見ることができる機能です。相手の画面を見ながら操作を指示したり、こちらの画面を相手に見てもらいながら操作手順を説明したりするのに役立ちます。
ペン・ポインター機能
ペン・ポインター機能は、共有している画面上にペンやポインターを映すことができる機能です。「このボタンをクリックしてほしい」など細かい指示が必要なときに、音声だけの説明よりも正確に操作を伝えられます。
遠隔操作機能
遠隔操作機能は、相手の端末をこちらから操作できるようにする機能です。細かい操作が必要なときや、相手が端末の操作に慣れていないときは、遠隔操作機能を使ってこちらから操作をすることで効率的にサポートできます。
遠隔(映像)サポートツールの代表的な活用シーン
遠隔サポートツールの代表的な活用シーンとして、次の2つが挙げられます。
- カスタマーサポート
- 社内ヘルプデスク
それぞれどのように活用されているのか、以下で詳しくみていきましょう。
カスタマーサポート
インターネットプロバイダーやECサイト運営企業、有形商材を提供する企業などがお客様からの問い合わせに対応する際に遠隔サポートツールを活用しています。「インターネット接続が遅い」「サイトの操作方法がわからない」「購入した機器が故障してしまった」などの問い合わせがあったとき、オペレーターが相手のパソコンやスマートフォンの画面を一緒に見ながら操作の指示を行います。
ビデオ通話を使って、お客様に映してもらった映像で状況を見ながらサポートすることも可能です。ルーターの設定のように、パソコンの画面ではなく機器の設置やケーブルの接続などについて指示をする際にも、遠隔サポートツールが役立ちます。
社内ヘルプデスク
IT担当者が社内のユーザーからの問い合わせに対応する際にも、遠隔サポートツールが活用されています。別の事業所や海外支社に勤務する人からの問い合わせに、遠隔サポートツールを使うとスムーズに対応できます。
ツールによっては遠隔操作中の画面録画ができるため、録画データを社内で共有して教育用の資料としても活用が可能です。
遠隔(映像)サポートツールのメリット

遠隔サポートツールは、ユーザーとオペレータの双方にメリットがあります。ここでは、ユーザー側のメリットとオペレータ側のメリットについて、それぞれ紹介します。
ユーザー側のメリット
ユーザー側のメリットとして、以下が挙げられます。
- 気軽に素早くサポートが受けられる
- 普段使っているデバイスでサポートが受けられる
- 口頭で説明しづらい内容も、映像で一目瞭然に把握してもらえる
遠隔でのサポートは店舗や役所に行ったり自宅に作業員を呼んだりする必要はなく、すぐにサポートが受けられます。電話で問い合わせるのと同程度の手軽さで、店員や作業員にレクチャーしてもらうときのようにわかりやすく説明が受けられるのがメリットです。
遠隔サポートツールはユーザー側に特別な機器は必要なく、基本的には普段使用しているパソコンやスマートフォンでサポートが受けられます。そのため、困ったときにすぐに利用できるのも、メリットのひとつです。
オペレーター側のメリット
オペレーター側のメリットには、以下のようなものがあります。
- 移動時間が必要なく効率的にサポートできる
- ユーザーの状況を正確に把握できる
- 対応時間を短縮できる
遠隔サポートツールを使えば、その場で問い合わせに対応できるため、現地への移動が不要で、より多くの問い合わせに効率的に対応できます。
画面共有やビデオ通話でユーザーの状況を正確に把握し、的確にサポートできるというのもメリットです。メールや電話と比べて、状況を把握する手間を大幅に削減できます。
また、状況把握や指示がしやすいため、問い合わせ対応にかける時間を短縮できるのもメリットです。問い合わせ対応の時間を短縮できると、サポートデスクやシステム関連部署の業務効率化につながります。
遠隔(映像)サポートツールの注意点

遠隔サポートツールの注意点は、対面でのサポートと比較するとどうしても対応に手間や時間がかかることです。対面でのサポートは目の前のお客様の状況を細かく確かめられるのに対して、遠隔サポートは状況が見えない部分もあり、問題の特定や解決に手間取ってしまうことがあります。
画面共有や遠隔操作機能などを最大限に活用して、いかに対面に近い状態でサポートを行うかが遠隔サポートツールを使う際のポイントです。
遠隔(映像)サポートツールの比較ポイント
遠隔サポートツールは種類が多いため、ツールごとに機能などを比較して適したものを選ぶ必要があります。ここでは、遠隔サポートツールを選ぶ際の比較ポイントを解説します。
アプリやソフトのインストール不要で利用できるか
遠隔サポートツールには、アプリやソフトのインストールが必要なものと、専用のアプリを使わなくても利用できるものがあります。お客様が手軽に利用できるように、アプリのインストールや会員登録、ログインなどが不要なツールを選びましょう。
例えばブラウザで利用できる遠隔サポートツールなら、相手はURLをクリックするだけでビデオ通話を始められます。通話を始めるまでの手順が多いと問い合わせをするハードルが上がってしまうため、できるだけ簡単に利用できるものがおすすめです。
操作はしやすいか
不特定多数の相手から問い合わせを受ける場合、操作のしさすさも重要なポイントです。初めて問い合わせをする人や、パソコンやスマートフォンの操作に不慣れな人でも簡単に操作できるものを選びましょう。
操作が簡単なツールは問い合わせしやすいだけでなく、オペレーター側の操作に手間がかからないのもメリットです。操作を覚えやすいので、採用時の新人教育もスムーズに進められます。
対応デバイスや対応OSは適切か
遠隔サポートツールは、ツールごとに対応デバイスや対応OSが異なります。社内で使用しているデバイスやOSに対応していないツールを選んでしまうと、導入しても使用できないため注意してください。
自社で使用するデバイス・OSだけでなく、相手が使用するデバイス・OSも意識しましょう。例えば日本ではiPhoneのシェアが高いため、スマートフォンからの問い合わせを想定する場合はiOSに対応したツールを選ぶ必要があります。
遠隔操作ができるか
想定される用途に遠隔操作が必要な場合は、遠隔操作機能が備わったツールを選びましょう。「専門的で細かい操作が必要な問い合わせが多い」「言葉だけでは解決方法を伝えにくい問い合わせが想定される」といった場合は、遠隔操作機能があると便利です。
一方、音声の指示があればお客様自身で操作が可能な問い合わせが多い場合は、遠隔操作機能がなくても画面共有機能やペン・ポインター機能で十分に対応できるでしょう。高性能な機能が多いとコストが高くなりがちなので、必要な機能を見極めることも大切です。
セキュリティは強固か
問い合わせ対応では相手の個人情報などをやりとりすることもあるため、セキュリティ機能も重視しなければなりません。不正アクセスや乗っ取りが起きると、デバイスを不正に操作されたり情報を盗まれたりするなど、重大なセキュリティ事故につながるおそれがあるため注意が必要です。
セキュリティ事故を防ぐため、通信の暗号化やデバイスの接続制限などの対策をしっかり行っているツールを選ぶようにしましょう。
遠隔(映像)サポートツールを活用した事例
最後に、遠隔サポートツールの活用事例を紹介します。
株式会社ベネッセコーポレーションでは、タブレット教材の初期設定やログイン方法などの問い合わせに対応するために、ビデオ通話ツールの「ビデオトーク」を導入しています。導入前は音声のみでサポート対応していましたが、インターネットやタブレットに不慣れなユーザーを音声だけでサポートするのは、ユーザーとオペレーターの双方に負担がかかっていました。
ビデオトークの導入後は、電話で問い合わせ内容を聞き、「遠隔サポートのほうが早く解決できる」とオペレーターが判断した場合にビデオトークの利用を提案しています。ビデオトークの利用を希望したユーザーの94%が対応に満足していて、対応時間の短縮につながったケースも多くありました。
本事例の詳細は下記ページに掲載しているので、ぜひご覧ください。
遠隔(映像)サポートツールで顧客満足度アップと業務効率化を実現しよう
遠隔サポートツールは、画面共有やビデオ通話でユーザーからの問い合わせに対応するツールです。メールや電話よりもユーザーの状況を正確に把握でき、的確で効率的なサポートを提供できます。自宅にいながらわかりやすいサポートが受けられるなどユーザー側にもメリットが多いため、サポート窓口や社内からの問い合わせを受ける部署は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
NTTコム オンラインが提供するビデオ通話ツール「ビデオトーク」は、アプリのインストールやアカウント作成といった作業なしで簡単に利用できるビデオ通話ツールです。SMSで送信されたURLをクリックするだけですぐにビデオ通話が開始され、ユーザーもオペレーターも簡単に利用できます。問い合わせ対応はもちろん、医療機関によるオンライン診療や引越のオンライン見積など幅広い分野で活用されています。遠隔サポートツールの導入を検討している方はぜひお気軽にお問い合わせください。