2023/09/19
オンライン診療と電話診療の違いとは?流れや事例についても解説
新型コロナウイルス感染症の流行により、直接病院まで足を運ばなくても診療が受けられる「オンライン診療」が全国的に普及しました。また「電話診療」も同様に場所を選ばない診療方法です。しかし、医療関係者の方の中には「オンライン診療の仕組みや実施する方法がわからない」「オンライン診療と電話診療との違いは?」と疑問に思う方も少なくないかもしれません。
この記事では、オンライン診療と電話診療の違い、オンライン診療のメリットや実施する方法について詳しく解説します。
- オンライン診療とは、PCやスマホなどの通信機器を通じてオンラインで行う診療方法のこと
- オンライン診療は電話診療と違い患者の顔を見ながら会話ができるため、症状を把握しやすいメリットがある
- オンライン診療の導入を成功させるには、誰でも直感的にわかりやすく操作しやすいツールを選ぶことが重要
オンライン診療とは
オンライン診療とは、PCやスマホなどの通信機器を利用してインターネット上で行う診療方法です。患者が病院に直接訪問して医師と対面する必要はなく、オンライン上で診察や薬の処方を受けることができます。
以前はオンライン診療の対象は離島やへき地のみとされていましたが、2015年から厚生労働省により全国でのオンライン診療が解禁されています。また、2020年には新型コロナウイルス感染症の流行により、特例としてオンラインでの初診も可能になりました(かかりつけの医師による診察を行うことを原則とします)。
さらに、2022年の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の改定により、現在では正式にオンラインでの初診が可能となっています。
オンライン診療を含めた診療方法の種類
診療方法には大きく分けると次の5種類があります。それぞれの特徴や違いについて解説します。
- オンライン診療:PCやスマホなどの通信機器を通じてビデオ通話ツールなどを使用し、オンラインで実施する診療。遠隔地でも顔を見ながら会話をして診療ができる。
- 電話診療:電話を通じて行う診療。遠隔地でも診療ができるが、音声のみのやりとりになる。
- 外来診療:患者が医療機関を訪問し、対面で行う診療。
- 入院診療:患者が医療機関に入院して行う診療。医療状態が安定しない場合や重度の治療が必要な場合に行われる。
- 訪問診療:医師や医療スタッフが患者の自宅や施設を訪れて行う診療。患者が外出困難な場合や、特別なケアが必要な場合に行われる。
オンライン診療と電話診療との違い
前章で紹介した診療方法のなかで、直接医師や医療スタッフと対面しなくても診察ができるのはオンライン診療と電話診療です。これらの2つの診療方法の違いについて、さらに詳しく解説します。
オンライン診療 | 電話診療 | |
---|---|---|
特徴 |
|
|
診療対象 |
|
|
必要なもの | PCもしくはスマホ | 電話 |
事前のアカウント登録 | 基本的には必要 (不要な場合もある) |
不要 |
待ち時間 | 予約制のため少ない (インターネットから24時間予約を受け付けている場合が多い) |
医師の都合により発生する |
支払い方法 |
|
窓口支払い |
オンライン診療のメリットとデメリット
オンライン診療は画期的で利便性の高い診療方法です。ここでは、オンライン診療を導入するメリットについて具体的に解説します。また、逆にオンライン診療で考えられるデメリットについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
オンライン診療のメリット
オンライン診療のメリットは次のとおりです。
診療を効率化できる
オンライン診療は時間を無駄にせずスムーズな診療ができます。たとえば対面での診療は患者が来院してから問診票に記入してもらいますが、オンライン診療なら事前に問診票に入力してもらうこともできます。当日は診察だけに集中できるため、スムーズかつ効果的な診療が可能です。また、お互いに移動時間を削減できます。
通院・治療の継続率が高まる
オンライン診療なら移動時間が不要で待ち時間も少ないため、患者は診療を受けやすくなり通院・治療の継続率が高まります。また引越しなどで通院が難しくなった場合でも、オンラインなら継続することが可能です。
新たな患者獲得につながる
近隣の住民だけでなく、遠方に住んでいる方や高齢者など、今まで診療が難しかった方もオンラインなら診療を受けやすくなります。また、さまざまな理由で人目が気になるなどの悩みを持つ方でも、オンラインなら診療を受けやすいため新たな患者獲得につながるでしょう。
オンライン診療のデメリット
一方で、オンライン診療には次のようなデメリットもあります。
対面診療と比較すると得られる情報が少ない
オンライン診療では、対面診療のように触診や聴診などが行えません。画面を通して得られる情報のみで診療するため、直接触れたり医療器具を使用したりする対面診察と比較すると、情報量は少ないと言えます。
PCやスマホの操作に慣れていない人は難しい
オンライン診療には、PCやスマホなどの通信機器が必要になります。普段あまりPCやスマホなどの操作に慣れていない人にとっては、診察を受けることが難しいかもしれません。誰にでも操作しやすいツールを選ぶ、使い方を丁寧にレクチャーする、などの工夫が必要です。
関連記事:【医療機関向け】オンライン診療の基本知識とツールの選び方
オンライン診療の流れと準備
では、実際にオンライン診療はどのように行うのでしょうか。ここではオンライン診療の具体的な流れと、オンライン診療を実施するために必要な準備について解説します。
オンライン診療の流れ
オンライン診療は基本的に次のような流れで実施します。
1. 予約受付
まずは事前に診察の予約を受け付けます。オンラインの予約システム、または電話で受け付けることが一般的です。この際にオンライン診察に必要なものやシステムの使い方などを患者へ伝え、当日までに準備してもらうようにします。
2. オンラインでの診察
ビデオ通話ツールなどを使用し、予約された日時にオンラインで診察を行います。医師は医師免許を、患者は被保険者証を提示し、お互いに確認してから診察を始めます。
3. 診療費用の請求
診察が終了したら診療費用を請求し、患者はクレジットカード決済やアプリ決済など、対応した決済方法で支払いを行います。領収書や明細書は電子メールもしくは郵送・FAXなどで送付します。
4. 薬の処方
必要な場合は薬の処方を行います。薬の処方には次のようにいくつかの方法があります。
- 処方箋を患者の自宅へ送付し、患者が薬局で薬を受け取る
- 処方箋を患者が希望する薬局へ送付し、患者がその薬局で薬を受け取る
- 患者に来院してもらい薬をわたす
オンライン診療のために必要な準備
オンライン診療を実施するには、ツールやネットワーク環境などを準備する必要があります。具体的に準備すべきものは次のとおりです。
ビデオ通話ツール
まずはオンラインで患者の顔を見ながら会話をするためのビデオ通話ツールです。ツールにはさまざまな種類がありますが、誰にでも使いやすく直感的に操作できるツールを選ぶのがおすすめです。
インターネット環境
インターネットが快適に利用できる通信環境を用意しましょう。あまりにも通信速度が遅いと、診療中に遅延が生じたり途切れたりする可能性があります。事前にテストを行い、不具合がある場合は帯域幅を増やすなどの対応を検討しましょう。
通信機器
ビデオ通話を行うためのPCやスマホ、タブレットなどの通信機器も必要です。また、機器のOSやブラウザにツールが対応しているかどうかも確認しておきましょう。
関連記事:【医療機関向け】オンライン診療の基本知識とツールの選び方
オンライン診療の事例
次に、実際にオンライン診療を導入した事例について紹介します。
社会医療法人財団石心会川崎幸病院の外科系外来施設として機能している第二川崎幸クリニック様は、コロナ外来に対応したオンライン診療を実施するため、NTTコムオンラインが提供する「ビデオトーク」を導入しました。
ピーク時には1日10件程度のオンライン診療を実施し、発熱外来に手が回らなくなっていたグループ病院の混雑緩和に貢献。また、感染証明書なども迅速に発行できるようになりました。ビデオトークのSMSを送るだけ・受け取るだけでビデオ会議を始められる手軽さや、コストメリットもオンライン診療導入の成功につながっています。
今後は検診の際に来院しなくても問診や検査の予約ができるようにするなど、より患者さんの負担を減らすオンライン診療の活用を検討しています。
オンライン診療にはアプリ・アカウントが不要な「ビデオトーク」がおすすめ
オンライン診療は、PCやスマホなどを使用してオンラインで行う診療方法です。遠隔でも診療ができるため、患者と医師双方の負担を減らし、通院を継続しやすくなるなどのメリットがあります。また、電話診療と違い音声だけでなく顔を見ながら会話ができるため、症状を把握しやすいことも大きな特徴です。
しかし、オンライン診療はPCやスマホに慣れていない人にとっては操作が難しい場合があります。このデメリットをカバーするためにおすすめなのが、NTTコム オンラインが提供する「ビデオトーク」です。
ビデオトークはアプリのインストールやアカウント作成が不要で、SMSに届いたURLをワンタップするだけですぐにビデオ通話を開始できます。誰でも直感的に操作できるため、オンライン診療のメリットをより活用できるでしょう。オンライン診療を検討されている方は、ぜひビデオトークの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。