2021/03/05

レガシーITを足かせにしないために:データ仮想化でマイグレーションを加速

現在の変化し続けるテクノロジー環境では、新たなビジネスチャンスが至るところで発生しています。これらの新しいテクノロジーは、顧客満足度を向上させ、イノベーションを加速し、業務最適化を支援します。しかし、その導入で発生する レガシーITからのマイグレーションにはリスクを伴います。また、マイグレーションが長引くことでビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。

マイグレーションを迅速かつ低リスクで成功させる方法は?

その答えはデータ仮想化です。 データ仮想化は生産性が高く、低コストの分析用データの統合手法として考えている人がほとんどですが、レガシーシステムのマイグレーションにも非常に有効です。

データ仮想化によるマイグレーションの成功を握る鍵は、柔軟性の高いミドルウェアレイヤーを挿入し、データソースとユーザーアプリケーションを分離させ、移行が発生するレイヤーからユーザーを分離することです。これにより、マイグレーションを簡素化しながら、リスクを低減する段階的なアプローチを可能にします。

「現状」から「将来」、そして全ての「間」を特定する

データ仮想化を使用してレガシーシステムからのマイグレーションを行う場合は、ビッグバン・アプロ―チではなく、段階的なアプローチを推奨します。段階的アプローチを用いることで、例えばデータソースを移行する特に、任意で選択したデータドメインから段階的に移行することができます。また、ユーザーアプリケーションを移行する場合は、選択したユーザーや分析業務 から段階的に移行することができます。これにより、ビルドと検証のコントロールが可能になり、必要に応じてロールバックを行うことができます。
段階的なアプローチは、将来のあるべき姿とその間にある各段階の状態を特定することから始まります。

次に、データソースとユーザーアプリケーションの間にデータ仮想化レイヤーを挿入します。データ仮想化による絶縁層が形成され、以下のことが可能になります。

  • 従来のデータソース環境から新テクノロジー環境に移行しても、従来のユーザーアプリケーションおよびユーザ―に影響を与えずにすみます。例として、オンプレミスのデータストアからクラウドのデータストアへのマイグレーションが挙げられます。
  • データソースやアプリケーションユーザーに影響を与えることなく、アプリケーションの移行を行うことができます。例として、BIツールからセルフサービス型のビジュアルアナリティクスツールへのマイグレーションが挙げられます。

結果として、低リスクで迅速にデータ活用基盤をモダナイスすることができます。

データ仮想化のマイグレーションを加速するための7つの方法

データ仮想化にはレガシーITのマイグレーションを加速し、リスクを軽減する7つの主要な機能を搭載しています。

1.ビジネスプロセスへの影響を与えないマイグレーション

データ仮想化はデータソースとユーザーアプリケーションを分離させるため、移行時も業務を継続することができます。

2.多様なデータソースやアプリケーションユーザーを移行

データ仮想化は、組織内外のあらゆるデータソース内のデータを論理的/仮想的に統合し、ほぼ全てのユーザーアプリケーションで利用することができます。

3.あらゆるレガシーデータ(複雑さ/データ形式の古さ/大量のデータ)の移行に対応

多くの場合、レガシーデータは古く、統合が困難な、複雑な構造で管理されています。しかし、データ仮想化はさまざまなデータのアクセス、変換、配信に優れている製品であるため、大抵の場合でレガシーデータの構造が障害になることはありません。

4.クラウドマイグレーションを加速

データ仮想化は、データソースとユーザーアプリケーションの間に論理的なデータレイヤーを挿入することで、クラウド移行時に分析用のデータソースとユーザーを分離するため、ユーザーアプリケーションに影響を与えることなく、データソースへのアクセス方法を安全に改修 することができます。

データ仮想化でクラウドマイグレーションを加速する方法については、独立系IT調査会社INTELLIGENT BUSINESS STRATEGIESのMike Ferguson氏によるホワイトペーパー“how to accelerate your cloud migration with data virtualization”(英語)をお読みください。

5.データの安全性を確保

データ仮想化に搭載されている認証/認可に関わるセキュリティ機能により、移行前/中/後のデータの不正利用を防ぎます。

6. 試運転と段階的な開発によりリスクを軽減

データを新たなデータストアに移行するためには膨大な労力を要します。これらのデータを利用するアプリケーションの再構築も同様です。最初から上手くいくとは限りません。データ仮想化のアジャイルな開発手法を利用することで、本番環境とは別の場所で仮想のデータビューを作成してテストを行うことができます。作成したビューは必要に応じて素早く改修/改善 することができます。

7. マイグレーション作業を素早く完了

年単位ではなく、週単位で考えましょう。データ仮想化は習得や利用が簡単で、必要なタスクの多くを自動化させることができます。また、迅速かつ容易に開発と導入が可能であり、シンプルなマイグレーションであれば数週間で完了させることができます。
データエンジニアやアプリケーション開発者は、データ仮想化の利用を楽しむことになるでしょう。

低リスクで迅速にマイグレーションを行う

これだけ多くの新テクノロジーとその活用機会がある中で、レガシーITを移行する必要性は、かつてないほどに高まっています。データ仮想化を利用すれば、リスクを抑えながら迅速にマイグレーションを行うことができます。

新テクノロジーを活用しましょう。そして、新テクノロジーを活用するためにデータ仮想化を信頼し、利用してください。

データ仮想化に関する情報全般についてはTIBCOのデータ仮想化ソリューションの製品ページをご覧ください。データ仮想化でクラウドマイグレーションを加速化させる方法については、先にご紹介したhow to accelerate your cloud migration with data virtualization(英語)をお読みください。

Bob Eve

本ブログは2021年1月8日にBob Eveが執筆した“Don’t Let Your Legacy IT Hold You Back: Accelerate Migration with Data Virtualization”の翻訳です。原文(英語)はこちらをご覧ください。

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