2020/11/13

領収書の電子化

どこで購入する?収入印紙の基礎知識と電子化

契約書を交わす際や領収書の受け渡しをする際など、収入印紙を用いるケースは意外と身近に溢れています。ただ、収入印紙は税金の徴収のために国が発行する証票です。その扱い方にも厳格なルールが設けられており、どのように扱うのが正しいのか自信がないという人も多いでしょう。そこで今回は、収入印紙の基礎知識を詳しく解説し、また印紙税が非課税になる電子契約などについても説明します。

長い伝統を持つ証票!収入印紙とは何か

収入印紙とは、印紙税を徴収するために発行される国の証票です。契約書や領収書など、特定の文書を発行する際に当該文書に収入印紙を貼付することが義務付けられています。印紙税の徴収に収入印紙が用いられるようになったのは、1873年(明治6年)のことです。すなわち、収入印紙は我が国で非常に長い伝統を持つ税の徴収方法なのです。

印紙税の根拠

契約書を作成したり、領収書を発行したりすることは、広く経済活動の一環として見なされます。そうした経済活動は国の法律によって支えられており、もし何らかの理由で契約に問題が生じた場合は、国に訴え出て裁判などでの解決を模索することになります。そのため、たとえ領収書のやり取りといった些細な経済活動であっても、それは国が定めた法律の後ろ盾があってこそ円滑に文書の発行・受領ができるようになるのです。ここに国が税を徴収する根拠が生まれ、印紙税の理屈が成り立ちます。

収入印紙を貼らないと

収入印紙は法律で定められている国民の義務です。そのため、然るべき文書に収入印紙を貼らなければ、金額に応じて追徴税が課されることになります。収入印紙の貼り忘れを税務署に指摘された場合、貼るべきだった収入印紙の3倍が追徴税として課され、しかもその金額は経費に計上することもできません。大きな損失にもつながりかねないため、文書を発行する際は収入印紙を貼る必要があるのか、その場合は貼り忘れがないかしっかり確認することが重要です。

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収入印紙が必要になるのはどのようなケース?

収入印紙は主に契約書や領収書を作成・発行する際などに必要な証票です。しかし、すべての契約書やすべての領収書に、必ず収入印紙を貼り付けなければいけないわけではありません。収入印紙を貼付する義務があるのは、特定の条件を満たす文書のみです。それでは、どのような文書に収入印紙の貼付が必要なのでしょうか。以下、詳しく見ていくことにしましょう。

課税文書とは

収入印紙を貼り付ける必要がある文書のことを課税文書といいます。課税文書とは、その名の通り税金が課される文書のことです。その文書に収入印紙を貼り付けるかどうかは、まず当該文書が課税文書か否かを考える必要があります。ただし、その文書が課税文書かどうかは、形式的に決まっているわけではありません。つまり、同じ領収書でも、課税文書になる領収書もあれば、課税文書にならない領収書もあるということです。

収入印紙が必要とされる条件

収入印紙はデパートや飲食店で発行されるレシートにも貼り付ける義務が生じる場合があります。たとえば、デパートで5万円以上の買い物をした場合、発行されるレシートには収入印紙の貼付が必要です。買い物が5万円未満であれば、収入印紙の貼り付けも不要となります。このように、収入印紙は5万円以上の領収書や契約書などを紙で発行した場合に必要になります。

ただし、5万円以上の領収書や契約書であっても、消費税の関係で収入印紙を貼らなくて良い場合があることには注意が必要です。たとえば、領収金額が53,900円であったとしても、そのうちの4900円分が消費税であれば、実際の領収金額は49,000円ということになります。この場合、実際の領収金額である49,000円は5万円を下回るため、領収書に収入印紙を貼付する必要はありません。このように、消費税との関係でも収入印紙を貼るべきかどうかは変わってきます。特に、領収金額が5万円を超えるケースでも、消費税との兼ね合いで本体価格が5万円を下回っている場合は、本体価格がいくらで、消費税額がいくらだったのかということを明記しなければなりません。過失による収入印紙の貼り忘れでも追徴税は取られるので、その金額が税込価格なのか税抜き価格なのかしっかり確認するべきでしょう。

代表的な課税文書

収入印紙の貼付が義務付けられている課税文書には、代表的なものがいくつかあります。印紙税法では「課税物件表」というものが掲げられており、ここに列せられている文書は収入印紙の貼付が必要な課税文書です。課税物件表に掲げられる課税文書は20種類あり、たとえば不動産売買契約書や土地賃貸借契約書、金銭消費貸借契約書などが代表的な課税文書となります。また、金銭または有価証券の受取書や業務委託契約書、保険証券、約束手形や為替手形、さらには株券なども発行の際は収入印紙を貼り付けなければいけません。もちろん、領収書やレシートも、領収金額が5万円以上である場合はれっきとした課税文書になります。

ただ、課税物件表に明記されている文書でも、印紙税法が定める非課税文書に該当する文書は印紙税がかかりません。たとえば、契約金額が少額な場合や、国などの非課税法人が発行する文書などは条件を満たしていても課税文書とは見なされないので注意が必要です。

印紙税額一覧

印紙税の税額は課税文書の種類や契約金額・売上金額によって変わってきます。たとえば、不動産売買契約書や土地賃貸借契約書、金銭消費貸借契約書などは印紙税法の分類上、1号文書に分類されます。一方、約束手形や為替手形は3号文書です。1号文書の場合の印紙税額を見てみましょう。

  • 1万円~10万円以下:200円
  • 10万円超~50万円以下:400円
  • 50万円超~100万円以下:1000円
  • 100万円超~500万円以下:2000円
  • 500万円超~1千万円以下:1万円
  • 1千万円超~5千万円以下:2万円
  • 5千万円超~1億円以下:6万円
  • 1億円超~5億円以下:10万円
  • 5億円超~10億円以下:20万円
  • 10億円超~50億円以下:40万円
  • 50億円超~:60万円
  • 契約金額の記載のない場合:200円

このように、印紙税の税額は契約金額によって細かく決められています。もちろん、分類が異なれば印紙税の税額も多少変わってきますが、実際の取引で使われるのはほとんどが200円や400円くらいの収入印紙です。実際、保険証券や預金証書、売上代金以外の金銭や有価証券の受取書などは、一律200円という印紙税額に設定されています。

収入印紙の購入場所と文書の電子化

収入印紙は税金に関わる証票であるだけに、手に入れるのも一苦労と思われがちですが、実は切手のようにコンビニで簡単に購入することができます。急ぎで収入印紙が必要な場合は、まず近くのコンビニを探して印紙を買い求めると良いでしょう。ただし、コンビニでは200円の収入印紙しか販売されていません。そのため、400円の収入印紙が必要な場合にコンビニで買い求める場合は、200円の収入印紙を2枚購入する必要があります。

収入印紙を販売している場所

収入印紙は1円から10万円まで全部で31種類もあります。必要な収入印紙が高額の場合、コンビニでは複数枚買って必要金額までそろえなければなりません。ただ、収入印紙はコンビニでなくても購入できます。急ぎでない場合は、コンビニ以外の場所で収入印紙を購入してみましょう。

郵便局

郵便局は31種類すべての収入印紙を販売している場所です。高額の収入印紙が必要な場合、収入印紙をまとめて購入したい場合などは、郵便局でそろえたほうが何かと便利でしょう。ただし、コンビニと違って郵便局は17時で閉まってしまうことが多いです。また、土日や祝日はそもそも開いていないので、収入印紙の購入に郵便局を使う際は日時や営業時間をしっかり調べておくようにしましょう。

法務局

法務局も郵便局と同じく全31種類の収入印紙を取り扱っています。法務局に提出する文書に収入印紙が必要な場合は、その場で印紙の購入もできるので便利です。しかし、法務局によっては収入印紙の取り扱い窓口がない場合もあるので注意が必要です。

金券ショップ

収入印紙は金券ショップでも購入することができます。金券ショップで販売されている収入印紙は少し安く売られていることに特徴があります。200円の収入印紙が195円で売られているなど、お得に印紙を買える点は金券ショップで購入する大きなメリットです。しかも、金券ショップで売られている収入印紙には消費税が含まれています。金券ショップで収入印紙を購入した場合、その消費税分は仕入れ税額控除の対象になるので、実際の販売価格よりかなりお得に購入できる点にも注目しておきたいところです。もちろん、目星の収入印紙が置いていない場合もあるので、事前の確認は必須です。

市役所

市役所も収入印紙を売っている場所のひとつです。ただ、すべての市役所で販売しているわけではなく、取り扱っている市役所は地域や規模などによって変わってきます。そのほか、町のたばこ屋などでも収入印紙を買い求めることができます。収入印紙を売っている場所には、「収入印紙売りさばき所」という指定マークが掲げられているので、このマークを参考に最寄りの場所でどこが印紙を売っているのか覚えておくのもひとつの手でしょう。

印紙税法に定められる課税文書は、あくまで紙で作成された文書を想定しています。そのため、電子上で作成された契約書などは、印紙税法が定める課税文書には含まれないと考えられています。

PDFで電子化された領収書や契約書には印紙税が発生しない

すなわち、紙ではなくPDFなどの電子上のデータで契約書などのやり取りをすれば、契約金額がいかなる額面であったとしても印紙税は一切かからず、大きな節税効果を期待できる対策になり得るということです。また、領収書や契約書などを電子化すれば、収入印紙の節税になるのはもちろん、紙代やインク代といった細かな経費を削減することにもつながります。

電子化の導入でどこまで変わる?

月に何件もの基本契約を結ぶ企業では、電子契約に移行することによる節税・経費削減効果は特に大きなものになるでしょう。たとえば、基本契約書の締結に毎件4,000円の収入印紙がかかっていたとします。月に100件の基本契約を締結すれば、収入印紙だけで毎月40万円の印紙代が発生することになります。つまり、このケースでは毎月の基本契約を電子契約に移行することによって、この場合では月に40万円の節税効果が見込まれるということです。

電子化による経費削減

紙の領収書や契約書は、他社事業者に当該文書を送付するための郵送料がかかる場合もあります。これを電子化することによって、印紙代はもちろん、郵送料という経費も削減することができます。もちろん、文書を印刷する経費も削減できるため、印紙代と合わせて大幅な経費削減を実現することができるのです。

契約書や領収書の作成に関わる雑務も削減

契約書や領収書の作成には、文書をプリントアウトして製本し、署名して捺印、そして収入印紙を貼付するといったさまざまな雑務が発生します。文書の電子化はこうした雑務も削減することにつながります。電子化によって一連の作業をする必要がなくなれば、印紙代やインク代などの経費を削減すると同時に、従業員の勤務時間を見直すことにも寄与するでしょう。

リスクマネジメントにもなる

文書の電子化はもしもの際のリスクマネジメントにもなります。紙の文書の場合、たとえば火災が発生すれば消失してしまう恐れもあります。その一方、文書を電子化しておけば、データはすべてサーバーに保管されることになるため、紙の文書を保管する場合よりずっと安全です。また、データとなれば紙のようにかさばることもないので、保管場所に困ることがない点も注目すべき点です。

電子化するにはセキュリティ対策が重要

契約書や領収書の電子化は、経費削減やリスクマネジメントなどさまざまなメリットがある一方、サーバーですべてのデータを管理することになるため、しっかりとしたセキュリティ対策をしておく必要があります。また、文書に電子化に対する理解もまだまだ進んでいない側面があるため、企業が契約書や領収書の電子化を導入する際は、社内の従業員や他社事業者に対する誠意ある説明も重要になってくるでしょう。ただ、文書のデータ化自体は節税や経費削減といった大きなメリットがあるため、契約書や領収書、請求書などを文書でやり取りしている場合は、導入を検討する意義はとても大きいといえるでしょう。

簡単に買えるけど!?収入印紙の未来

契約書や領収書の作成・発行など、文書でのやり取りする際は収入印紙が必要かどうかしっかり確認しなければなりません。印紙はコンビニでも購入できるので、急に必要になった場合はまず最寄りのコンビニや郵便局などを探してみましょう。ただ、文書の電子化も一種の時代の流れです。電子化には印紙代の節約といったメリットもあるので、導入が進んでいない場合は検討してみるのもひとつの手でしょう。

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