2020/12/16

納品書の電子化

納品書は必要?取引における納品書の役割と正しい書き方

ビジネス上の取引では、納品書や請求書といった書類を作成する機会が多くあります。こうした重要書類は、取引先との信頼関係を築くという意味で大変重要です。ただ、請求書とは違って、納品書は取引の際に必ず作成しなければならない書類ではありません。それでは、納品書はどういう機会で作成するべきなのでしょうか。今回は、納品書の役割や請求書との違い、また納品書を作成するべき場面など、その基礎について解説します。

役割の違いから請求書と納品書の相違点を知ろう

発注を受けて依頼主との間に取引が生じた場合、通常は納品書や請求書といった書類を発行することになります。納品書や請求書は、契約を結ぶ際の契約書のようなもので、いわばその商取引がきちんと履行されたことを証明するための書類です。ただ、納品書と請求書には、それぞれ異なる意味と役割があります。それでは、納品書と請求書の違いはどこにあるのでしょうか。以下、それぞれの役割を見ながら両者の違いを確認していきます。

請求書の役割

依頼主に対して商品やサービスを提供した場合、依頼主からはその見返りとして代金が支払われます。しかし、一般的な商習慣において、商品の代金は請求書を発行しない限り支払われません。つまり、商取引における請求書とは一種の督促状であり、依頼主に対いて代金の支払いを促すという役割があるのです。もし、請求書の送付漏れがあった場合、代金がいつまでも支払われず、採算に不釣り合いが生じてしまうかもしれません。そのため、商品やサービスのやり取りに際して、請求書の発行は決して忘れてはならない手続きのひとつです。

請求書には、取引した商品の内容や取引数、請求書の発行日、支払い合計金額、また支払い期日といったさまざまな記録が書かれています。これらの情報は、漏らさず正確に記載しなければなりません。記載内容に不備があれば依頼主は代金を支払うことができず、トラブルのもとになってしまうでしょう。また、請求書の送付方法にも注意が必要です。もし送付の手違いで依頼主のもとに請求書が届かなければ、代金の支払いも滞ってしまいます。請求書は記載内容を厳重に精査し、かつ適切に依頼主のもとに届く方法で送付することが重要です。

納品書の役割

納品書とは、商品やサービスを提供する際に、納品する品物に同梱する書類のことです。商品が現物の場合は、納品書を商品と一緒に送付しますが、デザインやデータのような現物ではない商品の場合は、後から送付する形で納品書を発行します。ただ、納品書の発行は、請求書のようにそれがなくては取引が遅滞してしまうようなものではありません。たとえ納品書がなくても、依頼主は商品を受け取れますし、何らかの取引上の不具合が生じることも基本的にはないでしょう。

しかし、だからといって納品書を発行する必要が全くないというわけではありません。たとえば、納品書を送付せずに商品だけ発送していれば、依頼主は注文した商品がしっかり送られてきたのか不安になってしまうでしょう。また、注文された商品を数次にわけて発送する場合、納品書を同封していないと、依頼主はどの商品が送られてきたのか混乱してしまいます。納品書は、そうした依頼主の混乱や不安を解消し、注文した商品を安心して受け取ってもらうために発行する書類です。なくても取引は成立しますが、あれば取引先との信頼関係を築ける、一種の思いやりとしての書類なのです。

もちろん、納品書は取引先に対するホスピタリティとしての役割だけではなく、取引を円滑に履行するためという目的もあります。納品書には納品した商品やサービスの内容・個数、納品書の発行日、また商品やサービスの合計金額などが記載されます。そこで記される内容は、見積書で記載される内容と同じでなければなりません。もし、見積書と異なる内容や個数の商品が納品されれば、契約不履行としてトラブルに発展してしまう恐れもあります。つまり、納品書は契約上の取り決めがしっかり履行されているかどうかを確認・証明するための書類でもあるのです。また、納品書に記載される内容は、見積書だけではなく請求書とも同じです。請求書と納品書を照らし合わせ、数字に違いがあれば会社の経理上にも問題が生じるでしょう。そのため、会社の税務や経理上においても、納品書は重要な役割を持っているのです。

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納品書はどのようなケースで必要になるのか

納品書はあくまで一般的な商習慣として存在するため、納品に際して必ずしも作成しなければならないものではありません。実際、会社によっては納品書を作成していないところもありますし、環境保護の一環として、納品書を始めとした書類の発行を減らしているという会社もあります。そのような背景もあって、納品の際に納品書を作成する商習慣は徐々に薄れている傾向にあります。しかし、単なる習慣としてではなく、ひとつの商取引の手段として、納品書の存在意義は決して小さなものではありません。それでは、そもそも納品書を作成しない会社も増えている中で、どういうケースなら納品書を作成したほうが良いといえるのでしょうか。

納品書を作成したほうが良い場合

納品書は、特に商品を発注した依頼主にとって便利な書類です。発注者は当然、送られた商品の中身をチェックしますが、契約から履行まで期間が空いている場合などは、発注者自身も商品の具体的な内容を詳細には覚えていないかもしれません。特に商品の発着時期に関しては、在庫の状態や流通面の影響もあるため、予定日が前後するケースも十分に考えられます。予定より早く、または遅く商品が届いた場合、発注者の立場では予定外の商品の受け取りが生じ、現場は確認作業に追われてしまうかもしれません。納品書の存在は、そうした予定外の発着があったとしても、現物を遅滞なく確認する助けになってくれるものなのです。

このような側面があることから、納品書は注文者から指定の書式で発行するよう依頼されるケースも珍しくありません。もし、注文者から納品書の発行を依頼されたら、たとえ通常は納品書を出していない会社でも、その申し出には誠意ある対応で返答するべきでしょう。依頼通りに納品書を作成すれば、その後の取引にも良い影響を与えてくれます。また、納品書には証明書としての側面があり、この書類を送付することで「自分たちは注文された商品をしっかり納付した」ということを依頼主に対して明確に示すことができます。証明書としての納品書をしっかり送付しておくことで、商品の内容や個数に不備がないか双方で確認でき、発注ミスなどのトラブルも回避することができるでしょう。

特に注文された商品の種類や個数が膨大な数に及ぶ場合、発注された個数と送付した個数が合わないといったトラブルも発生しやすくなります。しかし、そうした数量ミスや発注ミスが生じた場合でも、見積書や納品書をしっかり作成しておけばどの手続きでミスが生じたのかも確認できます。ミスを早期に発見できればトラブル対応も迅速にできるので、リスクマネジメントの一種としても納品書は作成しておいたほうが良いでしょう。それから、在庫管理の面でも納品書は有用です。納品書は「いつ」「どこへ」「なにを」発送したのか、詳細に記録した文書です。在庫管理が不十分となれば、欠品による機会損失や賞味期限による廃棄処分など、会社にとっても大きな損失につながりかねません。その意味でも、納品書はなるべくすべての注文で作成しておくのが最善です。

納品書を作成しなくても良い場合

納品書はリスクマネジメントや在庫管理の側面から、基本的には作成しておいたほうが良い書類のひとつです。しかし、注文者から納品書を発行しなくても良いと申し出があった場合は、強いて納品書を作成する必要はないでしょう。また、企業によっては、経費削減のために納品書を廃止しているところもあります。納品書も紙の書類として発行されるため、作成には印刷費用や紙代が発生します。そうした経費を削減する目的で、納品書を作成しないというのもひとつの手段です。ただ、納品書や請求書といった書類は電子化するという方法もあります。電子化すれば余計な経費もかからず、取引の証明となる書類を低コストで作成できるでしょう。ただし、納品書などの証憑類を電子化して保存するには税務署の承認が必要です。納品書は発行から7年間は保管義務があるので、電子化する際は気を付けましょう。

納品書はこちら側が作成して送付してしまえばそれで終わりというわけではありません。納品書を送付したら、発注者から検収書や受領書を受け取るのが通常の取引の流れです。検収書や受領書は、商品の注文者が納品書を受け取ったことを承認するための書類です。納品書と同じように、法律上発行が義務付けられた書類ではありません。しかし、特に検収書は取引においても重要な意味を持つ書類であり、受領書とは役割が異なるので注意しなければなりません。

検収書とは、発注した商品を問題なく受領したことを発注先の企業に知らせる文書です。つまり、商品には何も問題がなかったことを文書で承認することになるので、検収書を発行した後は、特段の場合を除いて、受け取った商品に対するクレームもいえないことになります。一方、受領書は検収書ほどの拘束力はなく、単に商品を受け取ったことを了承するものに過ぎません。そのため、受領書の場合は発注した企業に対してクレームを入れることも可能となります。このように、納品書の確認後に受け取る検収書と受領書には違いがあるので、取り扱いにはくれぐれも注意したほうが良いでしょう。

決まった形式はない!納品書の書き方とは

納品書は作成が義務付けられている書類ではないため、その形式や書き方にも決まったフォーマットがあるわけではありません。ただ、一般的な商取引では、見積書や注文書に基づいて取引が履行されるため、その過程にある納品書も一連の書類の記載内容に沿った形で書かれる必要があります。特に納品書と請求書は記載内容を統一しておいたほうが好都合です。そのほうが後で金額の紐づけを行う際に楽ですし、依頼主にとっても、請求書が届くまでは納品書が取引額を確認するための書類になります。また、納品書は証憑書類でもあるので、書くべき内容には一定の決まりがあります。

まずは納品先の情報を書こう

納品書の書き方としては、まず宛先となる発注者の情報を記載しましょう。発注者が会社である場合は、その会社名を書き、また部署や担当者名も記載します。情報が間違っていれば失礼に当たるので、発注者の情報を記載する際は前もってしっかり調べておく必要があります。発注者の情報をしっかり記載しておけば、納品先を間違える心配もありません。宛先を書く際は、当然「御中」や「様」といった敬称も忘れないように気を付けましょう。

日付、連番を忘れずに

受け取った商品がいつ取引したものかわからなければ、発注者も混乱してしまいます。ですから、納品書には日付の記載も必須です。記載する日付は、商品の到着日が基本となります。ただし、記載する納品日は、商品を出荷した日か到着した日か決まりはありません。納品書ごとに納品日の日付があべこべでは混乱するので、出荷日か到着日かどちらかで統一しておいたほうが良いでしょう。また、管理のために連番も記入しておくと便利です。納品書は取引が発生するたびに作成するので、納品書の枚数も膨大になります。連番を書いておけば、どの取引に対応する納品書かもわかりやすくなるので、万が一のトラブルの際も対処しやすくなります。

商品名と数量・工数も

納品書には取引の内容もしっかり記載しなければなりません。商品名はもちろん、数をどれだけ、またいくらで取引したのか正確に記入する必要があります。商品名や数量は、見積書でも記載している内容です。見積書との内容に齟齬があっては、後でクレームやトラブルのもとにもなるので、商品名や数量は他の書類との相違がないように特に気を付けて記載しましょう。

金額に関する項目

金額に関する項目は、請求書だけに記載する内容ではありません。納品書にも見積り金額や小計、消費税といった取引額をしっかりと記載します。特に消費税は軽減税率の対象となる商品とそうでない商品があります。対象商品には「※」などで注意書きしておくなど、なるべくわかりやすくなるように記入しましょう。商品の小計に消費税を合わせた合計金額も、抜かりなく記載しておく必要があります。その合計金額が、そのまま正式な請求金額となります。

捺印を押す

納品書には、会社の捺印を押すのが通常の形式です。捺印を押すことで、その納品書が正しく作成されたことを会社側が保証したことになります。捺印は必ずしも会社の捺印でなければならないことはなく、会社によっては担当者の捺印で済ませているケースもあります。もちろん、納品書の書き方は法律で決められているわけではないので、取引先から書式の指定を受けることも珍しくありません。その場合は、自社のフォーマットにこだわらず、柔軟に書式を変えていったほうが良いでしょう。納品書は基本的な情報が書かれていればどのような形式でも問題ありません。求められた形式でしっかり対応すれば、取引先との信頼関係もより深まるはずです。

正しく理解して納品書を適切に活用しよう

商品やサービスの取引において、いちいち書類を作成するのは面倒かもしれません。ただ、手続きごとに書類を作成することで、トラブルを未然に防ぎ、サービス全体の質を向上させることにもつながります。環境への配慮や管理のしづらさから、納品書などの紙媒体を減らす動きもありますが、電子化すればそうした問題も解決できます。取引における納品書の役割を理解し、適切に活用できるようにあらゆる方法を検討してみましょう。