2021/05/19

請求書の電子化

請求書の再発行が必要なケースと注意点・電子化のメリット

非常に重要な書類でありながら、発行数が多くなりがちなのが請求書です。記載ミスや契約変更などによって、請求書を再発行しなければならないケースは少なくありません。この記事では、請求書の再発行が必要になるケースや、その際の注意点を解説します。また、請求書を電子化できる「Web請求書」を導入するメリットについても説明します。請求書の再発行についての課題や問題点を知って、業務改善に役立てましょう。

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請求書の再発行が必要になる3つのケース

請求書の再発行が必要になる主なケースは、紛失してしまった場合、請求書の内容に誤りがある場合、取引先や消費者が支払いに応じない場合の3つです。それぞれについて解説します。

紛失してしまった場合

請求書を取引先や消費者が紛失してしまった場合には、再発行が必要です。請求書は取引の証拠となる証憑書類の1つに該当するため、非公式な書類や口頭で伝えるなどの手段は取れません。また、自社内で請求書を紛失してしまうこともあるでしょう。書類のプリントアウトや郵送などの過程で紛失することは、しばしば起こります。たとえば、役所が請求書を紛失したことで謝罪したというニュースを聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。請求書の数が膨大な企業は、こうした問題は他人事ではありません。また、支店から本社にいったん請求書を集めるなど業務プロセスが複雑な場合も、紛失リスクは高まるでしょう。

請求書に誤りがある場合

請求書に誤りがある際も再発行が必要です。取引先・消費者から誤りを指摘されるケースと自社で間違いに気付くケースの2通りがありますが、いずれにしても早急な対処が必要です。この場合は、再発行した請求書とともに、謝罪文や間違いの原因・経緯についての報告書を作成しなければならないケースもめずらしくありません。請求金額が大きければ、多くの関係者が動かなければならないうえ、自社の信頼を大きく損なう恐れもあるでしょう。

取引先・消費者と自社で、請求金額の意見が異なる場合もあります。請求書に記載すべきは契約時の金額ですが、これが一致しないケースです。法律絡みのトラブルにつながりかねないため、契約書や注文書、受注書などと照合して、契約金額に誤りがないことを確認できる体制になっていなければなりません。そして、もし自社に誤りがあれば、速やかに請求書を再発行する必要があります。

請求に応じてくれない場合

契約が成立しているのに取引先・消費者が請求に応じないことは、言うまでもなく「債務不履行」にあたります。しかし、やむを得ない事情で請求に応じられないこともあるため、請求書を再発行しなければならないこともあります。この場合は、支払期限を新たに設定しなければなりません。延長期間は一般的に2週間~1ヶ月程度ですが、請求業務の担当者だけでは決められないことも多いでしょう。支払いに応じない理由によっては、再発行した請求書を渡す際に、覚書や念書を交わし、後のトラブルを未然に防がなければなりません。

請求書の再発行する場合の注意点

請求書を再発行する場合は、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、二重請求の防止や適切な支払い日の変更、請求書訂正のルール、再発行の対応スピードの4つについて解説します。

二重請求にならないようにする

請求書の再発行で注意しなければならないことは、二重請求にならないようにすることです。再発行で正確な内容を記述することは当然として、同じ契約に対して2つの請求書が存在することも許されません。二重請求を防ぐのに有効な対策の1つは、文書管理番号を変更することです。担当者以外も識別しやすい管理番号の作成ルールを作成し、周知徹底しておくとよいでしょう。また、請求書に「再発行」と記述したうえ、赤文字や赤スタンプなどで注意を引くように工夫することも効果的です。送付した後に、開封確認を取ることも重要です。自社が再発行を認識していても、取引先や消費者が請求書の更新を知らなければ意味がありません。郵送での開封確認は難しいため、営業部員が取引先に訪問して直接手渡さなければならないケースもあります。

支払い期限の延長

取引先から支払い期限の延長を要求された場合には、請求書の発行前に理由をしっかり聞き取る必要があります。仮に資金繰りの悪化が理由ならば、本当に支払い期限を延ばしてよいのか検討する必要があるでしょう。無条件で受け入れるのか、交渉を行うのか、拒否するのか選択をしなければなりません。

支払い期限を延ばすことを決定した後は、期日の設定にも注意が必要です。たとえば、「下請代金支払遅延等防止法」には、給付の受領日(役務の提供日)から60日以内のできるだけ短い期間内に、支払期日を定めることが記述されています。法律上は双方の合意があれば問題ありませんが、2週間から1カ月程度の延長期間が望ましいとされています。取引先が支払いやすいように月末締め翌月末払いにしたり、金融機関が営業していない期間は除くなどの配慮も必要です。また、遅延利息が発生している際は、利息分の請求も行います。再発行の際の計算で内容に誤りが生じないように気を付けましょう。特に電卓やExcelを使うなど、再発行のプロセスが自動化されていない場合は要注意です。

送信後は、請求書の再発行によって支払い期限が延長したことの周知とトラッキング(追跡)も行います。たとえば、支払い期限が延長していることを知らない営業部員が請求を催促するようなことが起きれば、取引先の信頼を損ねてしまうからです。また、自動で督促メールを送付するようなシステムになっていれば、トラッキングのための支払期間を更新して、適切に状況を監視する必要があります。特に紙媒体の請求業務では、再交付時に更新のタイムラグが発生しやすいので、注意が必要です。

請求書訂正のルールに従う

請求書では二重線による訂正は原則として認められません。たとえ軽微な誤字・脱字であったとしても、再発行しましょう。また、法律では決められていませんが、請求書とともに案内状を同封するのは一般的なマナーです。再発行だからといって、省略するのは避けましょう。郵送方法にもルールがあります。請求書は「信書」に該当することから、宅配便事業者で郵送することが禁止されており、日本郵便を利用しなければなりません。

請求書の再発行は迅速に

請求書を再発行する場合は、急いでいるケースが多いでしょう。たとえば、月末締め翌月末払いに間に合わせるために、再発行をすぐに行わなければならないことがあります。郵送の場合は、普通郵便で発送すると、1週間程度かかる場合もあります。年末年始で日本郵便が通常通り業務を行っておらず間が空く場合は、その前に請求書を届けなければなりません。もし取引先や自社に不利益が出る場合は、直接届けるなど対策を講じることが必要です。

また、自社の紛失や記載ミスなどであれば、取引先や消費者に新たな請求書を早急に発行しなければなりません。たとえば請求金額に間違いがあるのに取引先が振り込んでしまうと、後処理や謝罪などで業務負荷が増えてしまうでしょう。いったん電話や電子メールで連絡し、請求書の再発行と送付にどの程度時間がかかるか伝えておきます。

Web請求書で請求書を電子化すれば再発行も容易に!

Web請求書とは、紙媒体で送付している請求書を、Web上で作成・閲覧・送付できるシステムのことです。業務効率化やビジネススピードの向上、コスト削減などの目的で、導入する企業や個人事業者が増えています。また、在宅勤務やモバイルワークが増えるなか、請求書発行業務もテレワークに対応するため、Web請求書を活用する企業も多くなりました。ここでは、Web請求書で請求書を電子化するメリットを、5つの項目に分けて解説します。

電子データ管理のため必要な請求書を見つけやすい

請求書の再発行を急がなければならないのに、元の請求書が見つからないことがあります。あるいは書類管理棚からファイルを取り出し、請求書を探すのに時間がかかることもあるでしょう。請求書の数が多くなるほど負担が増しがちなこれらの業務負担も、電子データ管理にすれば大幅に解消できます。たとえば商品カテゴリーや期日、取引先などの条件によって、容易に請求書を絞り込めます。支払期日を過ぎている請求書を抽出して、再発行が必要なリストを作成することも簡単です。

また、クラウド型のWeb請求書を使えば、たとえば営業部員が訪問先から請求書の状況を確認できます。「請求書が届いていない」などの問い合わせを受けた際に、携帯しているパソコンやスマートフォンからWeb請求書システムにアクセスすれば、即座に状況が確認できます。セキュリティ面に注意する必要はありますが、Web請求書の導入によってビジネススピードを上げたり、迅速なサポートで顧客満足度を高めたりすることが可能です。

再発行した請求書をすぐに届けられる

いくら迅速に請求書を再発行できたとしても、紙媒体の場合は郵送の時間がかかります。取引先の住所にもよりますが、最低でも1~2日は必要です。一方、Web請求書によって請求書を電子化すれば、たとえばPDF文書を電子メールに添付することで、即座に送信可能です。自社のミスによって請求書に誤りがあった場合は、迅速に対応しなければ取引先に迷惑がかかることがあるうえ、自社の信頼にも関わります。再発行した請求書をすぐに届けられるのは、大きなメリットです。

Web請求書によっては、電子メールの到達確認機能と開封確認機能を使って、請求書の送付状況をチェックできます。トラッキングによって、確実に取引先や消費者に届いたか確認できるのは、トラブルを未然に防ぐためにも効果的です。

ヒューマンエラーが減る

請求書の再発行が必要になる原因として、金額の記入ミスや企業名の誤表記、支払日の未記入などのヒューマンエラーがあります。請求書の数が多い職場や、人手が足らず業務負担が大きい職場などでは、慢性的なヒューマンエラーに悩んでいるケースが少なくありません。Web請求書を導入すれば、定型的な業務の多くを自動化できます。記入ミスや記入漏れもある程度自動的に検知して警告してくれます。業務負荷が小さくなることによって、間接的にミスが減ることも期待できるでしょう。

請求書自体を正しく作成できても、紙媒体の場合、郵送に関わるミスが多く発生しがちです。請求書を封筒に入れ忘れることや、住所の転記ミス、切手の貼り忘れなど、いろいろなミスによって請求書の再発行を正常に完了できません。人が関わる以上、紙媒体でこうしたミスを完全に防ぐことは不可能です。Web請求書を使えば業務プロセスはシンプルになるうえ、自動化される部分が多いため、送付に関するヒューマンエラーを減らせます。取引先のデータを呼び出すことや、テンプレートを使うなどの部分が多くなるため、請求業務が属人化されてしまうことも予防できます。

インターフェイス機能で基幹システムと連携できる

Web請求書のなかには、顧客管理システムや受発注システムなどの基幹システムと接続できる機能も備えているものもあります。API(Application Programming Interface)と呼ばれる、ソフトウェア同士で相互に情報をやり取りするインターフェイス機能を使うと、基幹システムとの連携が可能です。たとえば顧客管理システムのデータフォーマットがWeb請求書と違っていても、APIによって自動加工されてWeb請求書に取り込めるようになります。このようなインターフェイス機能が充実しているWeb請求書を導入することで、再発行業務がさらに円滑になります。

一部の取引先がFAXで請求書を受け取っているため、Web請求書に移行するのがむずかしい場合もあります。このようなときもインターフェイス機能を使えば、電子化した請求書をFAXに送り込み、送信することが可能です。もちろん、相手先には従来通り紙で出力されます。そのため、Web請求書に移行しても、取引先に負担をかけることはありません。ただし、FAX送信に対応しているWeb請求書はそれほど多くないため、選定する場合には、機能の有無をよく確認しておきましょう。

コストを削減できる

Web請求書の導入によって、ペーパーレス化によるコスト削減ができます。たとえばプリントアウトのための紙代、インク代がかからなくなります。また、郵便切手や封筒代も削減可能です。仮に印刷にかかるコストを8円、切手代82円、封筒代10円として、月1000枚の請求書を送っているとしましょう。すると、( 8 + 82 + 10 ) × 1000=10万円となり、年間で10×12ヵ月=120万円のコストカットが可能です。

さらに、膨大な請求書を管理するスペースを減らすことで、事務所費用を削減できる企業もあるかもしれません。また、コスト削減の面では人件費も大きくなるでしょう。必要な請求書を探す作業や、文書作成・送付などの業務工数を減らせます。人員を減らすことができれば、さらなるコストカットが可能です。

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Web請求書導入によって請求書発行業務の課題が解決できる

紛失や契約内容の変更などにより、請求書の再発行になるケースは少なくありません。紙による請求書作成や郵送は手間がかかり、人的ミスも起きてしまいがちです。一方、Web請求書を導入すれば、業務が効率化されるうえに再発行後に即時送付できます。また、人的ミスを減らしてトラブルを未然に防げることや、コストカットが見込めることもメリットです。請求書の再発行にまつわる課題の多くは、Web請求書の導入によって解決できます。

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