2021/07/30

帳票、書類の電子化

業務効率を下げるのは紙?スムーズなデジタル化のポイント

帳票など社内の書類を紙で保管すると、さまざまな不便を感じる場面は多いかもしれません。場合によっては業務効率を下げることも出てくるでしょう。そこで、考えたいのが帳票をはじめとした書類のデジタル化です。この記事では、紙のデメリットやデジタル化することで得られるメリットなどを解説したうえで、デジタル化の方法やスムーズに進めるポイントについて紹介していきます。

デジタル化が進まない企業が抱えがちな問題

エン・ジャパン株式会社が運営している「pasture(パスチャー)」は、2020年11月に財務や会計、経理、管理に関わる部署の在籍者900名に対し、「発注請求業務に関する意識調査」を行いました。この調査によれば、「効率が悪いと感じている」社員は11.9%、「どちらかといえば悪いと感じている」社員は26.9%です。つまり、全体の38.8%の社員が、自社の業務に対して非効率的であるという印象を持っていることがわかります。

同調査では、効率が悪いと感じている社員を対象に、実際にどのような業務が非効率的なのかアンケートをとっています。それによると1位は「押印業務」で49%、2位は「請求書の印刷、封入、投函などの作業」で45.3%、そして3位は「請求書の管理、保管」で45%です。さらに、リモートワークを導入している企業の社員411名を対象に行った調査では、58.4%の社員が「発注請求業務のためにリモートワーク中に出社経験がある」と回答しています。

そして、69.5%もの社員が支払いや請求業務に対してストレスを感じていることも、同調査で明らかとなっています。これらは紙の書類によって生じている問題であり、デジタル化が進んでいない企業ではこうした作業に対して多くの社員が不便を感じているといえるでしょう。同時に、業務の効率化を阻む原因になっていると考えることができます。

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紙による書類でありがちなデメリット

企業で使用される書類には、見積書や請求書の他にも会議書類や稟議書、申請書などさまざまなものがあります。これらの書類を紙で用意することで生じやすいデメリットについて見ていきましょう。

印刷から発送まで手間やコストがかかる

社内の書類を紙で管理する場合、それぞれの用途に応じた書類を用意する必要が出てきます。帳票については外部の業者へ印刷を発注するなど、相応のコストがかかるでしょう。会議書類のように社内で作成する書類もプリントしなければならず、その分の時間が取られます。顧客へ発送が必要な書類は押印や封筒への封入、宛名の印字、さらにポストへの投函と一連の作業が必須です。郵便局が近くにない場合は往復の時間もかかるため、業務効率が低下しやすいというデメリットがあります。

書類の閲覧に時間がかかり共有しにくい

紙で保管されている書類を確認したいときは、いちいち保管場所まで出向いて閲覧しなければなりません。複数名で同じ書類を確認したいときは、それぞれが保管場所まで閲覧しに行くという方法しかなく、非効率的といえます。必要に応じて共有しにくい点もデメリットになるでしょう。急いで確認が必要な場合でも保管場所まで足を運ばなければ閲覧できないため、場所によっては時間がかかるのもデメリットです。また、整理が乱雑になっていると、見たい書類を探すまでに時間がかかります。

保管場所の確保にコストがかかりがち

帳票などの書類を紙で保管するには、そのための場所が必要です。専用の棚を用意することはもちろん、書類の量によっては保管室を用意しなければなりません。当然ながら、その文のコストがかかるのはデメリットです。書類の種類にもよりますが、通常、帳票などは5〜7年程度は保存しておく必要があります。その間、新たな書類が増えることも考えればそれだけ多くの保管場所が求められます。

保管状況によっては書類が劣化しやすすい

紙で保管する場合、紙質や保管状況によっては書類が劣化しやすいのもデメリットの一つです。感熱紙のような素材だと経年で印字が薄れてしまうことが多く、ボールペンなどのインクは湿気でにじむこともあります。紫外線が当たる場所では、日焼けで認識しにくい書類も出てくるでしょう。また、保管場所に雨水などが浸入すれば、大切な書類を台無しにするリスクが高まります。こうしたリスクを回避するためにコピーを取るなどの手段もありますが、その分保管場所が必要になります。

書類のデジタル化で得やすいメリット

書類をデジタル化することで、さまざまなメリットを得ることが可能です。では、実際にどのようなメリットがあるのか紹介していきます。

コスト削減につながる

書類をデジタル化すれば、紙を使う必要がありません。これまで外部に発注していた印刷物を大幅に減らすことができます。同時に、社内プリントに使用していた紙を購入する機会も減るため、全体的にコスト削減につながる点がメリットです。書類の種類が多ければ多いほど、コストが削減されるメリットは顕著に現れるでしょう。また、請求書や納品伝票、領収書といった帳票が多いと、印刷した分を保管する場所が必要です。ところが、これらの帳票をデジタル化すれば専用の棚も用意せずに済みます。

業務の効率化が図れる

稟議書など複数人の意思決定が必要な書類の場合、紙を使っているとそれぞれが回覧するまでに時間を要します。中には、途中で紛失するという事態が起こらないとも限りません。また、押印漏れや記入ミスなどがあれば差し戻しの必要も出てくるでしょう。こうした手間がかかると、それだけ時間がかかります。しかし、デジタル化でペーパーレスが図れれば、いちいち回覧する手間が省けます。途中で紛失したり誰かのところで止まっていたりする心配もありません。業務がスムーズに進められます。

リモートワークに対応しやすい

感染症の予防対策や災害時など、通勤が難しい緊急事態のときでも業務を遂行できるのがリモートワークの良さです。ところが、請求書や見積書の発行が紙のままでは、結局外出を余儀なくされます。特に災害などで移動が困難になっているようなときは、そこで業務が進まなくなるケースも珍しくはありません。その点、デジタル化を進めておけば場所に関係なく業務を行うことができます。リモートワークに対応しやすい点もデジタル化のメリットです。

保管場所を大幅に圧縮できる

紙の書類とは違い、保管場所を大幅に圧縮できるのもデジタル化のメリットにあげられます。データの保存場所にもよりますが、社内に専用のサーバーを置く場合でも紙の書類に比べればわずかな場所だけで済みます。帳票の量や事業規模によっては、外付けハードディスクやSDカードなどの記録媒体でも十分でしょう。データが破損した場合のことを考えてバックアップを取るにしても、紙のように保管場所で悩むことはありません。また、クラウドや外部サーバーを利用すれば、そもそも社内で保管せずに済みます。

書類の検索が容易で共有しやすい

デジタル化してサーバーやクラウドを利用すれば、いつどこにいても必要な書類を引き出すことが可能です。もちろん、パスワードの入力は必須ですが、紙の書類のように保管場所まで出向くことなく書類の確認ができます。検索機能で書類を探す手間も省けますし、業務にかける時間を大幅に短縮できるでしょう。複数の人で同じ情報を共有しやすい点もデジタル化のメリットです。また、紙の書類だと、前に使った人が戻していないという人為的なミスも出てきます。そうなれば、保管場所に行っても書類を探すことすらできません。デジタル化すれば、そういったミスも回避しやすく、誰もが必要なときに閲覧できます。

セキュリティ対策がしやすい

紙の書類は、持ち歩いているうちに紛失するケースもあります。例えば、それが顧客名簿や会社の機密書類であった場合、重大な情報漏洩につながります。重要書類は閲覧制限や持ち出し禁止にするケースは多いものの、中には仕事を自宅に持ち帰るなど安易な気持ちから紛失させるケースも少なくありません。場合によっては内容を改ざんされる恐れも出てきます。しかし、デジタル化によって紙での持ち出しがなくなれば、紛失や改ざんを防ぐことは可能です。万が一データを削除するミスが起こっても、復元させるなどの措置を講じるこもできます。

IT導入補助金の利用が可能

デジタル化の内容によっては、IT導入補助金を受けられるのもメリットの一つです。デジタル化を検討している会社の中には、コストが気になってなかなか実現できない会社もあるかもしれません。IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者を対象とした補助金制度です。製造業や建設業、サービス業などさまざまな業種が対象となっており、ITツールの導入やサービス事業者からサポートを受けることで補助金を受けることができます。細かい要件については、IT導入補助金の公式サイトで確認してみましょう。
(参考サイト:https://www.it-hojo.jp/first-one/

書類をデジタル化するための主な方法とは?

続いて、帳票をペーパーレスにするための方法を紹介していきます。比較的簡単に切り替えができる方法などさまざまなので、自社に合った導入法を考えてみるといいでしょう。

PDFに変換してメール送信する

エクセルなどアプリケーションソフトで請求書や見積書などを作成し、PDFに変換しておけば、ソフトを持っていない相手でも閲覧が可能です。PDF化した書類はそのままメールで添付し、簡単に請求書や見積書の発行ができます。保存先は専用のサーバーやパソコン本体など自由に選択できますし、クラウドを利用すればどこからでも閲覧できるようになります。ただし、メールの送信先を間違えないよう注意が必要です。

チャットやWeb会議システムで書類を削減

チャットやWeb会議システムを活用するという方法もあります。例えば、伝達事項などはチャットを使えば手の空いたときに閲覧でき、業務が忙しいときにわざわざ手を止めるというわずらわしさがありません。ChatWorkやSlackといったビジネス用チャットなら、複数人でのチャットが可能です。社内はもちろん、社外の人も招待できるため簡単な打ち合わせに利用することもできます。Web会議システムは、ZoomやCalling、Skype Meet Nowなどが広く利用されています。Web会議システムは、社内ミーティングだけでなく商談などにも活用が可能です。

電子印鑑で押印作業をスムーズにする

電子印鑑は、書類のデジタル化で欠かすことはできません。責任者や担当者の印が必要な書類には、電子印鑑を使ってみましょう。電子印鑑を作成する方法は主に2通りあります。一つは、実際に使っている印鑑を紙に押印し、それを画像としてパソコンに取り込む方法です。画像として取り込むには、スキャン専用のアプリも出ています。そして、もう一つはWeb上のツールを利用して新たに印鑑を作成する方法です。一般的な苗字なら入力するだけで簡単に作成できます。また、改ざんや悪用防止機能がついた会社印の作成も可能です。

クラウドで書類の共有を可能に

どこからでも書類を保存できるクラウドには、MicrosoftのOneDriveやGoogleが提供しているGoogle Drive、Apple社のiCloud Driveなどがあげられます。クラウドに保存しておけば、同じIDやパスワードの利用でどこからでも必要な書類の閲覧や引き出しが可能になります。例えば、リモートワークで書類の確認が必要になったとき、ネット環境さえ整っていればパソコンやタブレットなどから場所を問わずに利用可能です。ただし、IDやパスワードの管理には注意しましょう。

電子帳票サービスで作成から管理まで一元化する

見積書や納品書はもちろん、領収書や支払い通知書などの作成から管理までを行ってくれるサービスを活用すれば、社内でゼロからデジタル化を行う手間がかかりません。何からデジタル化したらいいかわからないときも、スムーズにデジタル化が図れます。さらに給与明細書の作成も依頼すれば、業務効率化も進むでしょう。メールでの発送は暗号化するなどセキュリティも万全で安心です。

デジタル化をスムーズに進めるポイント

最後に、デジタル化をスムーズに進めるポイントについて解説していきます。

デジタル化が必要な書類の選別

帳票などの書類をペーパーレスにすることはさまざまなメリットがあります。しかし、何でもデジタル化すればいいというわけではありません。例えば、社内報のようにあえて紙媒体にする方が気軽に手に取れるものもあるでしょう。自社にとって、デジタル化が必要な書類は何かを考え、適切な選別が必要です。取引先が多いなら、まず請求書や納品書、領収書などをデジタル化することで大幅に業務効率をアップさせることができます。同時に、取引先の作業をスムーズにします。

社内のITリテラシーを高める

ITリテラシーとは、わかりやすくいえばネットワークやセキュリティに対する理解力のことです。また、ネットワークについてのモラルをきちんと身につけているかどうかも含まれます。ITリテラシーが低いと、サイバー攻撃などへの警戒心が少ない傾向が見られます。また、SNSなどで社内の機密情報や信頼に関わるような情報を投稿してしまうのも、ITリテラシーが低いケースです。情報漏洩や不適切な投稿だけでなく、必要なツールを適切に使えなければデジタル化しても意味がありません。安全でスムーズにデジタル化を進めるには、まず社内のITリテラシーを高めることが需要といえます。

デジタル化で紙の帳票を整理することがビジネスチャンスにつながる!

請求書や納品書などは取引先が多ければ多いほど、紙での対応は負担がかかります。郵送すると到着までに数日要するうえに、誤配が生じることもあります。先方がデータ化するなどして請求書などを保管している場合は、その分の手間を取らせているかもしれません。デジタル化するかどうかはビジネスチャンスにつながるケースも出てきます。特に、取引先のデジタル化が進んでいるなら、早めに対応した方がいいでしょう。

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