2024/05/20
請求書の電子化
経理業務を効率化する7つの方法|効率化に向けたポイントも紹介
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経理業務は、少数の従業員が膨大な作業を受け持っているケースも多く、担当者の負担が大きくなりやすい業務です。どうにかして自社の経理業務を効率化したいと考えている企業も多いのではないでしょうか。
経理部門は、ルーチンワークや定形化しやすい作業が多く、電子化ツールなどを利用した効率化を実現しやすい部署でもあります。上手く手順やポイントを押さえれば、大幅な効率化も可能です。
本記事では、経理業務の効率化のメリットや効率化する7つの方法、手順、ポイントなどを解説します。経理業務の効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 経理業務は、ルーチンワークや定形化された作業が多く、社内で完結するため、効率化しやすい業務
- 経理業務を効率化すると、コスト削減や従業員の負担軽減のほか、コア業務に使える時間の増加、経営判断の迅速化などのメリットがある
- 経理業務を効率化する方法には、ペーパーレス化やキャッシュレス化の促進、アウトソーシング、チェック体制の確立、社内全体での知見共有、電子化ツールの導入などがある
- 実際に経理業務を効率化する際には、従業員に業務改善のメリットを理解してもらうとともに、ITスキルの向上や施策の効果測定とブラッシュアップを行なっていくのがポイント
経理業務は効率化しやすい
経理業務は、ルーチンワークや定形化しやすい作業などが多く、ほとんどが社内で完結するため、企業のなかでも効率化しやすい業務です。業務フローの見直しや各種ツールの導入などを行なえば、より効率的に改善できます。
従来の経理業務は手作業が多く、手間がかかっていました。しかし、近年では、デジタルツールの導入やデータ連携などによる経理業務の大幅な効率化が可能となっています。
DX(デジタルトランスフォーメーション:ビッグデータやAI、IoTなどを利用した業務改善やビジネスの変革)推進の観点からも、企業にとって経理業務の効率化は早期に取り組むべき課題といえるでしょう。
経理業務の効率化の阻害要因とは?
企業が経理業務の効率化を推進する際には、以下のような阻害要因が存在しています。
- 変化を嫌う性質
- ITリテラシーの低さ
- 業務の属人化
それぞれの阻害要因を理解して、対策を立てる必要があります。
変化を嫌う性質
企業内における変化を良く思わない従業員の性質は、業務改善を阻む大きな要素です。現状の経理業務に慣れている社員は、たとえ非効率な方法であっても、今のまま変えたくないと思ってしまいます。業務の効率化がすべての従業員に歓迎されるとは限りません。
明確な理由もなく不安を感じて変化を拒否する人や、新しい業務フローを覚えるのが面倒な人など、さまざまな反対意見が出てくる可能性があります。効率化の提案をしても、現場からは嫌がられるケースもあると考えておきましょう。
ITリテラシーの低さ
従業員のITリテラシーの低さも経理の効率化を妨げる要因の1つです。ITリテラシーの低い人は、新しいツールやシステムの導入に否定的で、紙を使ったアナログな方法を好む傾向にあります。
また、経理社員のなかには、パソコンやタブレットの操作が苦手な人や専門用語が分からない人などもいるでしょう。経理業務の効率化には、デジタルツールの導入が必要になるため、社内のITリテラシーが低い場合は、反対意見が出てくる可能性があります。
業務の属人化
経理部門では、社内業務が属人化して、特定の社員しかこなせなくなっている影響から効率化が阻まれるケースがあります。一般的に経理は属人化しやすい業務です。専門性の高い業務になると、少人数の従業員が担当する会社も多く、マニュアル化なども行われにくいため、一部社員の独占業務になってしまうリスクを抱えています。
属人化している場合、周囲からも意見が言いにくく、担当者が電子化やデジタル化の必要性を認識しづらくなり、効率化が進まなくなる恐れがあるでしょう。
経理部門で電子化が進みにくい理由について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
経理業務を効率化する5つのメリット
企業が経理業務の効率化を進めると、以下のような5つのメリットが得られます。
- 従業員満足度が向上する
- コストを削減できる
- コア業務に集中できる
- 内部統制の強化
- 素早い経営判断ができる
それぞれが会社にとって、どのような影響を与えるかみていきましょう。
1|従業員満足度が向上する
経理業務の効率化は、従業員の満足度向上に貢献します。経理業務は、作業が細かい上に量も膨大で、担当者にとっては大きな負担です。効率化によって手間を削減し、作業量を減少させれば、担当者の負担を軽減できます。
電子化やシステムの導入が進めば、リモートワークなど多様な働き方への対応も可能です。経理業務の効率化には、ツールを使いこなす必要があり、担当従業員のスキルアップも見込めるでしょう。
2|コストを削減できる
コスト削減に貢献するのも経理業務を効率化するメリットの1つです。システム等の導入により経理業務を電子化すれば、ペーパーレス化が実現でき、従来使用していた紙やインクの費用を節約できます。
また、ツールの導入は経理作業に関する人的ミスによるロスも削減可能です。ミスの修正にかかる手間と時間、無駄なやり取りを減らしてくれるだけでなく、経理社員のストレスが溜まりづらい環境になり、作業精度や生産性の低下も抑えられるでしょう。
3|コア業務に集中できる
経理作業を効率化すれば、余裕が生まれ、今までよりもコア業務に時間を使えるようになります。経理部門には、定形化された作業が多いものの、量が膨大なため担当者の負担になってきました。
ツールによる業務効率化が実現すれば、経理社員が自由に使える時間が増えるため、財務諸表の作成や予算・費用・資金の管理、税務申告など、より専門性の高いコア業務に専念できるようになります。日々のルーチンをこなすだけでなく、今後の企業活動を見据えた、より重要な業務に時間を使えるようになるでしょう。
4|内部統制の強化
経理業務の効率化は、企業の内部統制強化にもつながります。内部統制とは、企業が営業目標を達成し、健全で効率的な運営を行うための合理的な仕組み、プロセスを指す用語です。そして、内部統制を達成するための大切な要素の1つが、財務報告の信頼性です。
デジタルツールなどの導入により、経理業務を効率化できれば、人的ミスを減らし、適切な財務報告や試算の保全が実現できます。経理部門の効率化は、結果的に内部統制の強化につながり、ステークホルダーからの信頼も高まるでしょう。
5|素早い経営判断ができる
経理業務の効率化は、経営判断の迅速化にも効果的です。デジタルツールの活用は、業務スピードを向上させ、社内において、リアルタイムで経理関連データを共有できるようになります。
従来なら、一旦経理に関する報告書をまとめてから経営者の判断を仰がなければならなかった場面でも、財務状況が常に把握できるようになり、素早い意思決定や経営判断が可能です。重要なビジネスのチャンスを逃すリスクが減少し、企業の業績拡大や財務改善につながるでしょう。
経理業務を効率化する7つの方法
企業が経理業務を効率化する際に、取るべき主な施策は、以下の7つです。
- ペーパーレスを進める
- キャッシュレス化を進める
- 一部業務をアウトソーシングする
- デジタル機器を刷新する
- チェック体制を見直す
- 全社で効率化に取り組み知見を共有する
- 効率化に役立つツールを導入する
経理業務を効率化する具体的な方法をみていきましょう。
1|ペーパーレスを進める
経理業務の効率化を図るうえで、ペーパーレス化は欠かせません。企業内の書類や文書、資料などを電子化し、紙の使用量を減らす施策をペーパーレス化といいます。社内でペーパーレス化を実現すれば、紙書類の手入力や押印、帳票類の印刷、郵送時の封入・送付作業など各種作業を削減可能です。
さらに、電子化すれば書類・帳票類の検索性も高まるため、業務効率化につながるほか、取引先への対応も迅速化できるメリットもあります。
ペーパーレス化によるコスト削減や業務改善について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:紙の削減がもたらすメリットとは?ペーパーレス化を解説 - ナビエクスプレス 電子帳票ソリューション | NTTコム オンライン
2|キャッシュレス化を進める
経理業務の効率化においては、経費精算などでの現金使用を減らすキャッシュレス化も重要です。経理作業で現金を取り扱うのは当然の業務とも思われますが、実際には、以下のような手間がかかります。
- 両替
- 現金の補充
- 金庫の管理
現金を使った経理はミスが起こりやすく、残高が合わないなどのトラブルは金銭面だけでなく、担当者のストレスにもつながる問題です。キャッシュレス化して経理システムとデータ連携を行なえば、小口現金などの管理が自動で行えて経理業務を効率化できます。
3|一部業務をアウトソーシングする
社内におけるすべての経理業務をアウトソーシングするのはセキュリティリスクが高くなってしまうため、一部業務のアウトソーシングを検討しましょう。記帳や給与計算、決算申告などの業務は、比較的アウトソーシングが容易で、税理士や会計事務所など専門の委託先も存在します。
アウトソーシングなら、従業員を増やすよりコストが安く済み、繁忙期などにスポットでの導入も可能です。委託先を選ぶ際は、サービス内容や価格、実績、セキュリティ対策などを確認して、費用対効果をよく検討してください。
4|デジタル機器を刷新する
パソコンなど、社内で経理業務に使用するデジタル機器を刷新するのも有効な方法です。スペックの高いパソコンを導入すれば、処理速度が向上するため、同じソフトやツールを利用していても、従来よりも作業時間を短縮できるでしょう。
経理業務では複数のソフトやファイルを開いて作業する場合も多いため、デュアルディスプレイや作業範囲の広い高解像度ディスプレイを導入するのも業務効率の向上に効果的です。
5|チェック体制を見直す
経理業務を効率化するために、チェック体制を見直し、ミスを効果的に防止できる仕組み作りを目指しましょう。細かな計算の多い経理部門はミスが発生しやすい業務のため、ミスを恐れずに作業ができる環境が作れば作業効率も大きく向上します。
チェック体制が整っていない場合、ミスのリスクが高くなり、担当者の作業スピードが低下します。チェック方法を定めてマニュアル化する、ダブルチェックを実施するなど、ミスが起きにくい対策を講じてみましょう。
6|全社で効率化に取り組み知見を共有する
経理業務を効率化するためには、経理部門だけでなく、会社全体で取り組みに対する知見を共有する必要があります。業務効率化の方法は、部署に関わらず共通する点が多いのが特徴です。経理業務の改善だからといって経理部門だけで進めるのは非効率といえます。
各部署がこれまでに行ってきた効率化への取り組みや成功例を全社で共有すれば、よりスピーディーに効率化を達成できるでしょう。
7|効率化に役立つツールを導入する
経理部門で業務改善を実施する際は、目的に応じたツールの導入を検討します。各種経理システム・ツールの種類と特徴は、以下の通りです。自社の状況や目的に応じて、最適なツールを選択・導入しましょう。
ツールの種類 | 特徴 |
---|---|
会計ソフト | 帳簿・財務諸表や決算書などが作成できるツール。 帳簿作成にかかる手間や紙などのコストを削減できる。 ソフトによっては経営計画書などの作成も行える。 |
経費精算システム | 社内での経費の入力・申請・承認などを行えるツール。 経費処理にかかる書類作成や押印などの手間を削減できる。 |
帳票管理システム | 企業間でやり取りされる帳票(帳簿や伝票など企業経営に関連する書類全般を指す用語)の作成・管理・送付などが行えるツール。 作成した帳票類を直接取引先企業に送信できるため、印刷や郵送などの手間とコストを削減できる。 |
電子帳票システムについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:電子帳票システムの機能やメリット・注意点を徹底解説
経理業務を効率化する手順
ここからは、実際に経理部門を効率化する際の手順について解説します。経理部門を効率化する手順は、以下の通りです。
- 業務を時系列で書き出す
- 各業務における内容の洗い出しを行う
- ECRS(イクルス)の原則を基に改善を進める
各ステップについて、詳しくみていきましょう。
業務を時系列で書き出す
はじめに、現在、経理部門で行っている業務の流れを時系列でまとめて紙などに書き出していきます。大まかな業務プロセスをヌケモレなく把握し、課題を発見したり、具体的な改善箇所を選定したりするための大切な準備段階です。
マニュアルなどがなければ、ルーチンの業務でも担当者以外は把握できていないケースがあるかもしれません。プロセス全体を目視で確認できれば、改善が必要な部分や効率化できそうな部分が可視化され、効率化もスムーズに進むでしょう。
各業務における内容の洗い出しを行う
続いて、各業務における具体的な行動について、細かく書き出していきましょう。日々の取引を記録する業務を細分化していくと、売上や経費、支出などの確認、文書や伝票の収集、取引の詳細確認、帳票類の作成などさまざまな作業が含まれているのがわかります。
行動を一つひとつ洗い出して効率化できるポイントがないかをチェックしていけば、課題や改善点が見えてくるでしょう。
ECRS(イクルス)の原則を基に改善を進める
課題点が確認できたら、ECRS(イクルス)の原則を基にして、経理業務の効率化に取り組みましょう。ECRSとは、業務改善を行う際に指針となる以下の4つの原則です。
- Eliminate(排除):業務の不要な部分を洗い出し、排除していく
- Combine(統合):類似した業務がある場合は、統合して効率化を図る(逆に規模が大きく煩雑になってしまった業務に関しては分割を実施)
- Rearrange(順序入れ替え):作業の順番を入れ替えたほうが効率的になる場合は、入れ替えを行う
- Simplify(簡素化):複雑化している業務は見直しを行い、簡易化・簡素化を図る
効率化を実施する際は、4つの原則に従い、E→C→R→Sの順に検証していくと、より効果の大きな部分から改善が可能になります。
経理業務をスムーズに効率化するためのポイント
経理業務を効率化する際、スムーズに進めるためのポイントは、以下の3つです。
- ITスキルの向上をサポートする
- 従業員に効率化のメリットを認識してもらう
- 効果測定を行いブラッシュアップする
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
ITスキルの向上をサポートする
経理業務の効率化では、多くのケースでツールやシステムを導入する必要があり、担当者のITスキルは欠かせません。しかし、すべての従業員がITスキルに通じているとは限らないため、パソコンやデジタルツールの扱いが苦手な人のためにスキルアップのサポートが必要です。
パソコンの基本操作やExcelやマクロ、デジタルツールにおけるセキュリティの知識など、経理部門のITスキルを底上げしていけば、ツール等を有効に活用できるようになります。
従業員に効率化のメリットを認識してもらう
経理部門の改善を進める際は、従業員に効率化するメリットをしっかりと認識してもらうのが大切です。なかには、効率化や業務環境の変化に否定的な社員がいる場合もあるため、ツール導入のメリットを具体的に解説して理解を促しましょう。
抽象的な伝え方ではなく、実際の業務レベルでどのように効率化できるのかを伝えるのがポイントです。具体的なメリットを認識すれば、改善にも前向きに取り組むようになるでしょう。
効果測定を行いブラッシュアップする
経理業務の効率化は、一度で終わらせるのではなく、継続して実施すべき施策です。ツールなどを導入するだけでは、本当にメリットがあったのか、効率化できたのかが不明確になってしまうケースもあります。
取り組みを行なった後は、効率化の効果を測ったうえで改善点を探り、他の施策に反映させていきましょう。施策実施と効果検証を繰り返していけば、自社にとって最も適切な方法を導き出すことができ、より効果的な経理部門の効率化を行なえるようになります。
経理業務の効率化をサポートする「ナビエクスプレス」
「ナビエクスプレス」は、帳票業務を電子化して、コスト削減や業務改善を実現する電子帳簿ソリューションです。請求書や領収書、給与明細などの電子化に有効なツールで、経理業務の効率化にも貢献します。「ナビエクスプレス」の主な機能と特徴は、次の通りです。
- 帳票作成機能:CSVファイルを送るだけで、現在使っている請求書や給与明細のデザインを変えずにフォーマットを作成します。
- 自動配信機能:作成した帳票は24時間いつでも自動配信可能。送付忘れや誤送信など人的ミスの防止にも役立ちます。
- 安心のセキュリティ:SSLによる暗号化と各種セキュリティ対策により、大切なデータを安全に保護します。メール配信時は、明細書ごとのパスワード設定も可能です。
- システム連携:各種インターフェースを充実させるとともに、豊富なシステム連携も可能。基幹システムからデータ抽出もでき、現在社内で使用しているシステムを改修しなくても導入できることもあります。
続いては、実際に「ナビエクスプレス」を導入している企業様の事例を紹介します。
経理業務の効率化に成功した事例|昭和産業株式会社 様
食品の製造販売を行なっている昭和産業株式会社様では、インボイス制度に向けた帳票類電子化の一環として「ナビエクスプレス」を導入しています。同社では、これまで帳票類の印刷・封入・送付を全て手作業で行なっており、さらに、支店ごとに別々に帳票を送っていたため、非効率で取引先にも負担が生じる状況になっていました。
「ナビエクスプレス」導入後は、自社の販売物流システムとの自動連携により17種の帳票を電子化。取引先企業の8割から電子化の同意を得ており、請求書や出荷案内書など毎月郵送していた帳票の85%を電子化することに成功しました。その結果、経理業務の効率化や、帳票類の作成・発送にかかる業務負担やコストの大幅な軽減を実現しています。
経理業務の効率化はデジタルツールの活用が鍵となる
経理部門は、企業のなかでもルーチンワークや定形化しやすい作業が多く、電子化等を利用した効率化を実現させやすい業務です。経理業務は、膨大な作業を限られた社員でこなし、担当者の負担になっているケースも多く、効率化が求められている分野ともいえるでしょう。
経理業務を効率化する際には、ペーパーレス化によるコスト削減や帳票類の電子化による負担の軽減など、デジタルツールの利用が欠かせません。自社で経理業務の効率化に取り組みたいとお考えの際は、ぜひ電子帳票システム「ナビエクスプレス」の導入を検討してみてください。
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