2021/10/12

帳票、書類の電子化

郵便法改正による請求書発送業務への影響と対処法を紹介

2020年12月に「郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律(令和2年法律第70号)」が公布されました。日本郵便株式会社では、この改正に基づき2021年10月以降の郵便サービス内容の見直しを発表しています。この記事では、郵便法の改正による郵便サービスの変更内容と予想されている請求書発送業務への影響や対処法について解説します。

郵便法改正による郵便サービス内容の変更点を具体的に紹介

郵便法が改正されることによって日常業務に欠かせない郵便サービスの内容が大きく変更されます。そのため、日常業務に支障を来さないためにも、その変更点を把握しておくことが大切です。

郵便法の改正によって変更される主な郵便サービスは4つ

郵便法の改正によって主に4つの郵便サービスに関する内容が変更されます。この郵便サービス内容の変更によって、到着日厳守の請求書などに遅配が発生する可能性が考えられるため注意が必要です。

土曜日の配達休止

2021年10月2日から、書留や速達といったオプションサービス(特殊取扱)を付加しない「普通郵便物(特定記録郵便を含む)」「ゆうメール」「スマートレター」「特定記録」、電子郵便の「WEBレター」「コンピュータ郵便」、国際郵便(外国から到着するものに限る)の「通常郵便物」「国際eパケットライト」の土曜日配達が休止されます。ただし、「特定記録」と「国際eパケットライト」に関しては、今回の郵便法改正によって、現在土曜日に配達されているものは月曜日に配達されることになります。

なお、内国郵便の「速達」「書留」「簡易書留」「代金引換」「ゆうパック」「ゆうパケット」「レターパックプラス」「レターパックライト」「クリックポスト」と、電子郵便の「WEB速達」「レタックス」「電子内容証明郵便」、国際郵便の「小包郵便物」「書留(保険付き)」「EMS」の配達に変更はありません。

お届け日数の繰り下げ

「書留」や「速達」といったオプションサービス(特殊取扱)を付加しない「普通郵便物(特定記録郵便を含む)」「ゆうメール」、電子郵便の「WEBレター」「コンピュータ郵便」、国際郵便の「通常郵便物」の「お届け日数」が、2021年10月以降から段階的に1日程度繰り下げられます。そのため、翌日や翌々日配達地域宛の郵便物を月曜日の17時までに差出すと、現行では遅くても2〜3日で配達されていましたが、2021年10月以降は曜日によっては最大3日程度の遅配が発生することになります。

なお、内国郵便の「特定記録」「速達」「書留」「簡易書留」「代金引換」「ゆうパック」「ゆうパケット」「レターパックプラス」「レターパックライト」「クリックポスト」、電子郵便の「WEB速達」「レタックス」「電子内容証明郵便」、国際郵便の「小包郵便物」「書留(保険付き)」「EMS」に変更はありません。また、現在は地域によって午前と午後の差出しによって「お届け日数」が異なっていますが、2021年10月以降は午後の差出しによる「お届け日数」に統一されます。ただし、「ゆうパック」「ゆうパケット」「速達」「書留」などは引き続き午前と午後の「お届け日数」のままです。

オプションサービス加算料金の変更

2021年10月1日以降、速達郵便料金と配達日指定郵便料金が変更されます。速達郵便料金は、現行料金から1割程度の引き下げが予定されています。現行の速達郵便料金は、重量250グラムまでは290円、1キログラムまでが390円、4キログラムまでが660円です。これが、2021年10月以降は、それぞれ260円・350円・600円に引き下げられます。なお、2021年9月に新料金に対応した普通切手(260円)が発売されています。この発売に伴い旧料金の普通切手(290円)は、9月1日~10月31日の間であれば全国の郵便局(簡易郵便局を除く)において、交換手数料無料で他の郵便切手類との交換が可能です。

また、配達日指定郵便料金は、休日を除く月曜日〜金曜日と日曜日・休日は現行通りの32円と210円ですが、2021年10月1日以降は休日を除く土曜日が現行の32円から210円へと大幅に値上げされます。

郵便区内特別郵便物の差出条件の変更

郵便区内特別郵便物は、これまで配達局と呼ばれる郵便物の配達を受け持つ局に差し出す必要がありましたが、今回の郵便法改正によって郵便物配送のハブ局である地域区分局でも差し出せるようになります。なお、郵便区内特別郵便物とは、所定の条件を満たすことで一般の料金よりも9〜92円割安な料金で利用できる郵便物のことです。また、所定の条件とは、「長さ34cm以内・幅25cm以内・重量250g以内の定形郵便物か定形外郵便物であること」「配達郵便局ごとに定められている配達区域のみで引き受けや配達を行うこと」「同一差出人から同時に100通以上差し出されること」「形状や重量および取り扱いが同一のものであること(一定の条件を満たせば形状や重量が異なるものも差し出せる)」「料金別納(料金を現金等で支払うものに限る)か料金後納または料金計器別納であること」「表面の見やすい所に郵便区内特別の文字を明瞭に表示すること」の6つです。

差出し局の追加は、2021年10月1日以降の第1段階と2022年4月1日以降の第2段階に分けて行われます。また、法改正後の郵便区内特別郵便物の特別料金は差出し郵便物の通数や方法などによって(1)〜(4)に区分されていますが、2021年9月現在では特別料金(1)と(2)の適用条件のみが発表されています。その条件とは、「配達局ごとに100通以上差出すものであること」「配達局ごとの差出通数などを記載した内訳票を提出すること」「受取人の住所または居所の郵便区番号ごとに区分したものであること」「区分された郵便区番号および差出局が指示する事項を記載し、その郵便局が指示する通りに束縛して所定の容器に納入すること」といった4つです。なお、対象となる郵便物の形状・重量・表示方法や、郵便区内特別郵便物の料金と配達局に差し出す際の条件には変更がありません。

前述の通り2021年9月現在発表されている適用条件は特別料金(1)と(2)の2つのみですが、料金に関しては特別料金(1)〜(4)までが発表されています。具体的には、定形郵便物の重量が〜25グラムの場合(1)は73円(2)は70円(3)と(4)は57円、25〜50グラムの場合は(1)が84円(2)が80円(3)と(4)は63円です。定形外郵便物の特別料金は(1)と(4)のみで、重量が〜50グラムの場合(1)は111円(4)は85円、50〜100グラムの場合(1)が126円(4)が95円、100〜150グラムの場合(1)が174円(4)が131円、150〜250グラムの場合(1)が211円(4)が158円です。

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郵便法改正によって企業に起こりうる事態を解説

今回の郵便法改正では、利用者にとってオプションサービス加算料金の引き下げなどのメリットがある一方、企業活動にとっては少なからずマイナスの影響が予想されています。なかでも、最も影響を受けるとされているのが請求書などに関する業務です。場合によっては経理業務が大きな混乱に陥る可能性も懸念されています。

郵便法改正によって請求書の遅配が起こる可能性も

郵便法改正によって請求書に関する業務が混乱する主な原因として配達の遅配が挙げられます。企業にとって大切な書類の1つである請求書の配達が遅れることは、経理担当者の業務増加や取引先との信頼関係の喪失にもつながりかねません。

現場の疲弊を招く可能性

郵便法が改正されると、土曜日の配達休止や「お届日数」の繰り下げによって最大3日程度の遅配が発生する可能性があります。そのため、経理部門では現在よりも早い段階で請求書などの発送を行う必要が生じます。請求書の発送は、作成・承認・捺印・印刷・封入といった作業が必要な手間と時間のかかる業務です。とはいえ、取引先と交わしている締め日を守る必要があるため勝手に遅らせるわけにはいきません。そのため、担当者は請求書業務を前倒しして行うことになりますが、現在の日程より3日も前倒しするのは経理担当者の業務負担増を招き、その結果として現場が疲弊してしまう可能性が考えられるのです。

取引先との関係悪化の可能性

現代のビジネスシーンでは月次決算の早期化に取り組む企業が増加傾向にあります。これは、年度の売上や利益に関する計画と、その月の売上と経費を照合して月次決算を行うことによって、スピーディーでタイムリーな経営判断が行えるからです。また、確定申告や株主への報告書の提出といった多くの業務に追われる年次決算時の業務負担の軽減にもなります。この、月次決算の早期化には請求書が欠かせません。そのため、取引先は1日でも早く請求書を要求することはあっても、3日も遅れることを許してくれるとは考えられないのです。もし、2021年10月以降に請求書の遅配が発生することになれば、最悪の場合は取引の停止に発展する可能性も考えられるため、前倒し要求にも応じられる体制を整備しておくことが必要です。

郵便法改正による請求書の遅配に対する対処法を紹介

郵便法改正によって請求書の遅配が発生することで業績の悪化につながる事態に発展するかもしれません。こういった事態を避けるためにも請求書の遅配対策を整えることが大切です。

郵便法改正による請求書遅配対策は主に2つ

請求書の遅配に対する有効な対処法としては、業務のアウトソーシングと電子請求書への切り替えといった2つが挙げられます。どちらを選ぶにしても、まずは基本的な仕組みやメリットなどを知っておくと安心です。

アウトソーシング

請求書に関する業務のアウトソーシングとは、経理担当者からCSV形式などで送信された請求書データの印刷・封入・投函といった業務を代行するサービスのことです。請求書に関する業務のアウトソーシングは、(1)経理担当者がCSV形式などで請求書データを送信(2)アウトソーシング先が請求書を出力(3)アウトソーシング先が請求書を封入してのり付けを行う(4)アウトソーシング先が郵送で取引先へ請求書を送付(5)作業履歴と納品データをアウトソーシング先から受け取って完了という流れで行われます。経理担当者は請求書の作成業務だけに集中できるため、業務負担を大幅に軽減することが可能です。また、印刷・封入・投函以外にも、保管や問い合わせ用に原本と同一内容の電子帳票(PDF)を作成したり、郵送に先行して請求書の内容をFAXで送信したりするオプションサービスもあります。なお、帳票のフォーマットは自由に設計が可能なため、請求書によって圧着ハガキや封書の仕様が異なっていても問題ありません。

電子請求書

電子請求書とは、オンライン上で送受信するために電子データ化した請求書のことです。主な電子請求書には、「メール添付」「インターネットFAX」「クラウドによるWEB送信」があります。「メール添付」は作成した請求書をメールに添付して送信する方法です。新たなシステムを導入する必要がなく、手軽で簡単に送受信することができます。「インターネットFAX」は、添付ファイル形式の請求書データをメールに添付して取引先のFAXに送信できる機能のことです。受信した請求書は、「インターネットFAX」を提供する企業のサーバーで「PDF」「PG」「TIF」などのデジタルデータに変換されます。そのため、メールと同じようにリアルタイムで受信でき、FAXとつながっているパソコンなどで閲覧可能です。また、受信した請求書データはコピーしてパソコン内のフォルダーに保管したり転送したりすることができます。

「クラウドによるWEB送信」とは、請求書の作成から発行までをオンライン上で行えるシステムのことです。作成した請求書データをクラウド上にアップロードすれば、取引先はいつでもダウンロードすることができます。「クラウドによるWEB送信」には請求書データの作成機能以外にも、会計ソフトやCRMシステム(顧客情報データベース)などとの連携が可能です。そのため、会計ソフトやCRMシステムのデータを簡単に請求書データ作成に反映させることができます。

電子請求書はシステムの構築や保守管理に専門的なスキルを必要としません。そのため、人件費はもちろんシステム導入の初期費用や保守管理コストを低く抑えることができます。また、データ入力などの手間が省けるため、経理担当者の負担の軽減や業務の効率化を実現することが可能になります。なお、請求書データはクラウド上で一元管理されるため、通信の暗号化や閲覧・編集の権限設定といったセキュリティー対策も万全です。

電子請求書を活用して郵便法改正による請求書遅配を防止しよう

郵便法改正によって最も懸念されるのが請求書の遅配です。請求書の配達が遅れることは請求する側される側双方に、関係悪化や経営判断の遅れといった悪影響をもたらしかねません。このような事態が予想される請求書の遅配を防ぐ最も効果的な方法は電子請求書の導入です。電子請求書を積極的に活用して郵便法改正による請求書遅配を防止することは、自社だけでなく取引先や業界全体の発展のためにも必要です。

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