2021/10/29

請求書の電子化

請求書の郵送マナー!送付状の書き方と郵便法改正について

請求書を正しく発行することは、ビジネスにおけるマナーでもあるため、書き方や郵送の仕方などについては覚えておいて損はありません。ここでは特に、請求書の郵送方法について紹介するので、この記事を参考に郵送の仕方をしっかり覚えておきましょう。

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請求書の書き方

請求書の正しい郵送方法を身に付ける前に、まずは請求書の正しい書き方についてあらためておさらいしてみましょう。請求書には法律的に定められた書式はありません。そのため、白紙の紙に手書きで書いても良いのですが、ネット上で参照できる無料のテンプレートなどを利用するほうが簡単です。テンプレートは請求書のフォーマットやひな形となるので、誰でも簡単に正しい請求書を作成することができます。

ただ、テンプレートを利用するにせよ、請求書は受け取る側が見やすいように作成するのがマナーです。決まった書式がないからこそ、まずは受け取る側の立場に則って、わかりやすく書くことを心がける必要があります。特に、請求書は支払うべき金額について記載された書類ですから、受け取った側が具体的にいくら支払えば良いのか、一目見ただけで明確にわかるように書くのがポイントです。以下、請求書を書く際に欠かせない項目をいくつか列挙します。

タイトルや題名

請求書を書く際は、まずタイトルや題名を記載します。単純に「請求書」としても良いですし、「御請求書」と丁寧に記載しても問題ありません。受け取った側が書類を見たとき、その書類が何を示しているのか明確に分かるように書くのがポイントです。

請求書を受け取る相手の宛名

請求書を受け取る業者や会社名も、請求書に必須の記載項目です。会社名を書く場合もあれば、個人名や屋号であるケースもあります。また、受け取り側の経理担当者のことも考えて、宛名には会社名だけではなく部署名も記載するのがマナーです。

自社の情報

請求書を送付する側の情報も記載します。社名や、フリーランスであれば個人名を記載するのが基本です。自社の電話番号などを合わせて記載しておくと、請求書の記載内容などに不備があった場合も速やかに対応できるようになります。

請求書を発行した日付

その請求書がいつ発行されたのか、日付を記載しておくとより見やすい請求書になります。発行の日付は、取引先と取り決めた年月日にするのが基本です。これは請求書を受け取る側の締め日に合わせるためです。業種によって請求締め日は変わってくるので、事前の打ち合わせが必要になります。

取引内容と請求金額

取引内容を記載しておくことで、別の請求がある場合も取り違えることなく支払いを行うことができます。請求金額は小計や消費税、それらを合わせた合計金額をすべて記載するのが基本です。

支払期限と振込先

支払期限と振込先は、請求書に記載された金額をどこへいつまでに振り込めば良いのかを知らせる項目です。支払期限は契約書に基づいた日付を、振込先は支店名や口座番号を正確に記載しましょう。振込手数料の取り扱いについても記載しておくと後で面倒がありません。

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請求書には送付状を添えるのがマナー!送付状の基本的な書き方

正しい請求書が作成できたら、書類を相手方に郵送やFAXなどで届けることになります。ただ、ビジネスの慣例として、請求書だけを届けるのはマナー違反と見なされかねません。業界に関係なく、請求書には送付状を添えるのがビジネスマナーです。送付状には、簡単なあいさつなどが記載されますが、送付状の役割は単なるマナーや礼儀だけにあるのではありません。送付状には請求書の概要なども記載するので、書類の内容や枚数に間違いがないかというチェック機能の役割も担っているのです。以下、送付状に記載する基本的な項目について確認しておきましょう。

宛先の情報

請求書と同じように、送付状にも宛先の情報を記載します。社名や部署名、担当者名の下に「御中」の文言を入れるのが書き方のマナーです。個人名を書く場合はフルネームが原則ですが、下の名前がわからない場合は名字だけでも構いません。また、会社名を書く場合は正確に書き、(株)などと省略して記載するのはマナー違反とされます。

送付の日付

送付状を送る日付の記載も基本となる書式です。請求書の作成日と送付状の作成日が異なっている場合は、わざわざ合わせる必要はありません。送付の日付は、あくまで送付状を作成した日付か、実際に送付した日付を記載するのが基本です。

差出人の情報

誰から送られてきたのか一目でわかるように、送付状には差出人の情報も漏らさず記載しておく必要があります。相手方の担当者が見るものとなるため、会社名や部署名、担当者名を省略せず正確に記載するのがマナーです。電話番号やFAX番号の記載も忘れないようにしましょう。ただし、年賀状を書くときと同様、差出人の情報は送付状の隅などに控えめに書くのがマナーとなります。宛先情報の下や隅のほうに書くのが一般的です。

あいさつ文や本文

送付状の役割は、ビジネス上のマナーと、書類の取り違えなどを防ぐことにあります。本文には、まずタイトルに「請求書のご案内」など、書類の内容を記載して、見た人が中身を一目でわかるように記載するのが基本です。次いで、あいさつ文を「前文」として添え、「主文」に請求書の送付である旨を記載し、本文の締めとして「末文」を記載します。

書類内容や枚数を「記書き」で

ビジネス文書では、あいさつや本文をまず書いて、その後に詳細を箇条書きにするという文化があります。箇条書きする際は、中央に「記」と書いて、下に一行ほど空白をあけてから情報を記載するのが通例です。これを「記書き」といいます。送付状では、書類内容や枚数を「記書き」で記載するのがマナーとなります。最後に「以上」を入れるのも忘れないようにしましょう。

請求書と送付状を封筒に入れて送る際のポイント

請求書と送付状を郵送で届ける場合、気を付けたい注意点がいくつかあります。まず、送付状はなるべくA4サイズの紙1枚でまとめることです。送付状はこれでなければならないという決まりはありませんが、可能な限り1枚でまとめたほうが封筒がかさばりませんし、受け取る側にとってもより読みやすい送付状になります。

また、封筒に請求書と送付状を入れる際は、送付状が1枚目に来るように重ねて入れるのが基本です。これは受け取る側が封筒を開けた際、送付状が先にあったほうが郵便物の内容を把握しやすいためです。この順番はFAXで送るときも変わりません。封筒に送付状を同封する際は、本文が記載された面を内側に、三つ折りにして入れるのもマナーです。三つ折りにする際は、用紙の下側から先に折ってからたたむと、開いたときに相手側の宛名から確認できるので、より印象の良い送付状となります。

送り方の注意点としては、封筒の書き方にも気を付けておいたほうが良いです。封筒にも宛先の情報や送付日、差出人の氏名などを記載します。受け取った側が請求書だとすぐにわかるように、封筒の脇付けとして「請求書在中」などの文言を記載しておきましょう。脇付けは手書きでも印刷でも、またスタンプなどでも問題ありません。送付する請求書が多い場合は、スタンプを使うと便利です。

請求書は信書に分類される文書ですから、郵送する際は原則として「普通郵便」でしか送ることはできません。宅配便やゆうパックでは郵送することができないので覚えておきましょう。普通郵便以外の方法で信書を郵送することは、特別な場合を除いて法律に抵触してしまう恐れもあります。罰則を受けるかもしれないだけではなく、社会的信用も失いかねないので、くれぐれも気を付けましょう。

郵便法改正で変わる?請求書を郵送するメリットとデメリット

請求書や送付状を郵送で届ける方法は、請求書という信書を確実に保管するためには有効な手段です。郵送で届けるということは、紙媒体でのやり取りが前提となります。紙媒体で請求書の原本と控えを保管しておけば、改ざんされるリスクはごく小さくて済むでしょう。そのようなメリットがあることから、企業によっては紙の請求書しか受け取らないという対応を取っているケースも多く見られます。既に請求書のデジタル化や電子化を導入している企業でも、取引先に紙媒体での請求書を継続希望する企業が一定数いるなら、顧客の要望に対応できるという意味で郵送の文化を残しておく意義は小さくないといえるでしょう。

一方で、紙媒体での請求書の作成や郵送で届ける方法には、電子請求書に比べて手間と時間がかかるというデメリットがあります。封筒に必要事項を記載したり、郵便物を投函したりするのは、郵送する請求書が多ければ多いほど大きな手間となります。特に、郵送の場合は送付相手に届くまでタイムラグが発生してしまうのが大きなデメリットです。請求書を普通郵便での郵送が基本となるので、投函してから相手の所に届くまでにはどうしても2~3日程度はかかってしまいます。支払い期日まで日数がそれほどないときなどは、このタイムラグが大きな足かせになる場合もあるので、急ぎの請求書の際は郵送だと大きなデメリットとなるでしょう。

とりわけ、2021年10月以降に施行される郵便法の改正は、請求書の郵送にも大きな影響を与えることが予想されます。まず、この郵便法改正では、書留や速達といったオプションを利用しない普通郵便の土曜日配達が休止とされました。普通郵便で郵送する請求書も、今回の郵便法改正によって土曜日の配達は行われなくなります。そのため、土日をまたぐような請求書の郵送は、以前より送付先に到着するのが遅れてしまうかもしれません。また、この改正ではお届け日数も1日ほど繰り下げられることになり、速達などを伴わない普通郵便は以前に比べて遅配が発生する可能性が高くなります。

請求書配達の遅れは、取引先との信用問題にかかわる重大な事案です。取引先とは締め日や支払い期限などで契約を交わすことになるため、遅配が発生すれば相手方に大きな迷惑をかけることになるでしょう。万が一、遅配が発生して請求書の到着が2日や3日遅れてしまえば、信用問題に発展し、取引先との関係が悪化してしまうことすら考えられます。そのような事態を避けるためには、遅配を見越して契約書の作成や郵送手続きを行うしかありませんが、そうすれば経理担当者の負担増は避けられません。また、現場も混乱してしまう恐れがあり、非常に難しい対応を迫られます。

郵便法改正には電子化で対応!電子請求書のメリット

郵便法改正に伴って、請求書の郵送という商習慣は大きな変革を迫られているといっても過言ではありません。もちろん、従来通りの郵送を続けるために、請求書を前倒して作成・郵送するといったような対策も有効ではあるでしょう。しかし、遅配を見越しての作業は、担当者の業務を増やすばかりか、現場の混乱をも招きかねません。また、近年のビジネスシーンでは、月次決算を早期化する企業が増えており、そのためにも請求書を早く手に入れたい企業が増えているという実情があります。

そうした実情を鑑みるに、郵便法改正によって不確定要素が大きくなった請求書の郵送は、リスクが大きい手段だといわざるを得ません。請求書は郵送するより、オンライン上で取引するほうがより確実です。このように、請求書をデジタルで管理し、オンラインで送受信できるように電子化した請求書のことを電子請求書といいます。

電子請求書であれば、取引先にメールやインターネットFAXなどで請求書を送信することができます。紙媒体のように郵送する必要はないので、今回の郵便法改正の影響を受けることもありません。また、郵送ではどうしても発生してしまうタイムラグも、電子請求書であれば問題ありません。メールやインターネットFAXでリアルタイムによる送受信が可能なので、送信したらすぐに取引先に請求書が届きます。締め日や支払い期日が迫っている取引でも、電子請求書なら十分に対応できるでしょう。

郵便法改正に有効な対策というだけではなく、電子請求書には他にもさまざまなメリットがあります。まず、請求書を封入したり、郵送手配したりする手間が省けるので、業務を効率化できるというメリットがあります。また、電子化すれば紙を使わないため、紙代や印刷代といった経費を削減できることも強みです。会計ソフトなどと連携すれば、会計データを簡単に電子請求書へ反映することなどもでき、業務効率の大きな改善にもつながります。

電子請求書で郵便法改正を乗り切ろう!

請求書は送付状を添えて郵送する方法が一般的ではありますが、郵便法の改正によって請求書の郵送には抜本的な改革が迫られていることも事実です。その対策のひとつとして、請求書の電子化は非常に有効な手段だといえます。郵便のタイムラグに煩わされることなく、リアルタイムで請求書を送信できるだけではなく、業務効率化やペーパーレスにも貢献してくれます。この機会に、ぜひ電子請求書の導入を検討してみましょう。

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