2025/9/11

ビジュアルIVR

【2024年度版調査レポート】コールセンターに電話をかける前の顧客行動について

企業のコールセンターは、顧客と直接対話する、重要な顧客接点です。コールセンターの応対印象は、顧客が企業を評価する上で、重要な指標となります。顧客の声に真摯に耳を傾け、課題を解決することで、顧客満足度を向上させ、ひいては顧客との長期的な関係構築に大きく貢献します。
しかし、多くのコールセンターが、人材不足による応答率の低下、さらには営業時間外の機会損失といった課題に直面しています。これでは、せっかくの顧客との接点が、かえって顧客体験を損ねる原因になりかねません。
課題解決のために、様々なデジタルチャネルを導入するコールセンターも増えていますが、顧客への認知が拡がらない、うまく誘導できないなど、有効活用に悩む企業も多いようです。

顧客の自己解決手段として、企業の公式Webサイトは、重要なコンテンツとなります。
果たして企業の公式Webサイトは、顧客に活用されているのでしょうか。

NTTコム オンラインでは、日常生活において、コールセンターに電話をすることがある20代以上の男女1047名に調査を行いました。
このレポートでは、顧客がコールセンターに電話をかける前にとる行動について、性年代別に分析した結果を報告します。

このレポートはこんな方におすすめです。

  • 企業のコールセンター部門ご担当者
  • 電話対応の応答率の低さにお悩みの方
  • 顧客が課題を自己解決できる方法を模索されている方

顧客はコールセンターへどのような用件で電話するのか

Q1 コールセンターに問い合わせた際の用件について、当てはまるものを選択してください。(複数回答)

コールセンターに問い合わせた際の用件について、半数以上が「契約内容の確認」と回答しました。Webサイトや説明資料では問題解決にたどり着かない、個々に状況が異なる重要事項については、コールセンターへ問い合わせする人が多いようです。
次に多く回答があった用件は「故障・障害」「トラブル」と続きます。早く解決したい、緊急性が高いといった問題についても、コールセンターへの問い合わせが多くなるようです。

性年代別

グラフ コールセンターに問い合わせた際の用件について、あてはまるものを選択してください(男性)
グラフ コールセンターに問い合わせた際の用件について、あてはまるものを選択してください(女性)

性年代別のグラフで見てみましょう。「操作説明」で問い合わせた人は60歳以上に多いようです。また「注文・予約」で問い合わせた人は、男性よりも女性の方が多い傾向がありました。

グラフ コールセンターに電話を掛ける前に、どんな行動をとりますか。 最も当てはまるものお選びください。(全体)

67.1%の人が「Web検索にて解決を試みる」と回答しました。Web検索にて問題解決を試みる行動は、一般的といえそうです。
また「特に行動はとらず、いきなり電話をする」と回答した人は7.1%のため、90%以上の人がコールセンターへ電話をかける前に、何かしらの自己解決を試みていたことが分かります。顧客が自己解決を試みた時に、解決手段を見つけることができていたら、コールセンターへ電話をかけることは、なかったかもしれません。
自己解決できる顧客が増えると、コールセンターは、電話でしか解決できない問い合わせに対して、リソースを割くことができるようになります。

性年代別

グラフ コールセンターに電話を掛ける前に、どんな行動をとりますか。 最も当てはまるものお選びください。(男性)
グラフ コールセンターに電話を掛ける前に、どんな行動をとりますか。 最も当てはまるものお選びください。(女性)

性年代別グラフでも「Web検索にて解決を試みる」を選択した人は、全ての性・年代において半数以上という結果になり、特に40代では多い結果になりました。
一方、60歳以上ではWeb検索の割合が下がり、手元の資料を確認する割合が高まる傾向にあります。

Webで解決を試みた理由は

グラフ なぜWeb検索にて解決を試みましたか。(全体)

80.4%の人が「Webだと早く問題解決できると思ったから」と回答しました。Web検索で問題を解決しようとする主な理由として、問題解決の速さに対する期待がうかがえます。次に、電話と比較して、時間の節約になるという側面が続いていることを示しています。
また26.2%の人が「場所と時間を選ばずに問題解決ができそうだから」と回答しています。コールセンターへ問い合わせる際は、場所と時間の制限があるため、好きな場所から24時間365日アクセスできるWeb検索にメリットを感じているようです。

性年代別

グラフ なぜWeb検索にて解決を試みましたか。(男性)
グラフ なぜWeb検索にて解決を試みましたか。(女性)

「Webだと早く問題解決できると思ったから」を選択した人は男性に多く、男性の方がWeb検索の即効性に期待する傾向が強いようです。また「電話で質問するのが苦手だから」と回答した人は、20~39歳に、多くみられました。
他の回答でも、電話問い合わせに対する懸念についての回答が、一定数ある事が分かります。

Webで問題解決できる仕組みづくりは、顧客からのニーズも高く、企業が取り組むべき課題といえそうです。
これまでコールセンターへ問い合わせる前にWeb検索で情報を探していた顧客は、生成AIの登場によって、より迅速かつ的確な回答を得られるようになりつつあります。
今後はWeb(Web検索や生成AI)の活用により、問題を自己解決する傾向が強まってくると思われます。結果、コールセンターへの問い合わせ内容は、より専門的で複雑な用件にシフトしていくことが予想されます。

次回は、顧客がコールセンターへ電話をかけて不満を感じることについて、報告します。

*次回レポート 設問一覧*

  • コールセンターへ電話を掛けて繋がるまでの間に、不満を感じることはありますか。
  • コールセンターへ電話を掛けてオペレーターと会話できた時に、不満を感じることはありますか。
消費者にコールセンターについて聞いてみました!ビジュアルIVR・アンケートに関する意識調査2023

調査概要

  • 調査テーマ:性年代別にみるコールセンターへ問い合わせた時の顧客行動
  • 調査対象:20代以上の男女
  • 調査実施期間:2024年8月28日
  • 総回答数:1047サンプル
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査機関:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
         NTTコム リサーチ