
2025/10/07
ビジュアルIVR
【2024年度版調査レポート】コールセンターに電話が繋がらない時は、どう解決する?
前回は、顧客がコールセンターへ電話をかけて不満を感じることについて、レポートしました。
今回は、コールセンターに電話が繋がらない時は、どう解決する?について、レポートします。
コールセンターに電話をしても、なかなかつながらなかったり、営業時間外で問い合わせができなかったりする経験は、少なくありません。
しかし多くの企業は、電話以外のさまざまな問い合わせ窓口を用意しており、オペレータと直接会話ができない状況でも、問題を解決できるようになっています。
例えば、問い合わせフォーム、チャットボット、公式SNSなどで、顧客の問題解決をサポートしています。
電話以外の様々な問い合わせ手段は、顧客の問題解決に役立っているのでしょうか。
NTTコム オンラインでは、日常生活において、コールセンターに電話をすることがある20代以上の男女1047名に調査を行いました。
このレポートでは、顧客がコールセンターに電話をかける前にとる行動について、性年代別に分析した結果を報告します。
このレポートはこんな方におすすめです。
- 企業のコールセンター部門ご担当者
- 電話対応の応答率の低さにお悩みの方
- 顧客が課題を自己解決できる方法を模索されている方
電話がつながらない時、案内されたことがある問い合わせ手段
(MA)Q6.コールセンターへ電話をかけたが繋がらなかった時に、案内された事がある問い合わせ手段を選択してください。(複数回答)
全体

電話が繋がらない際に案内された代替手段としては、「問い合わせフォーム」が最も多く、次に「チャットボット」が続きます。問い合わせ手段として採用している企業が多いようです。
また「他の手段を案内されたことはない」回答も3割強ありました。言い換えると、お客様に合った対応手段がないため、案内できなかったことが推察されます。自社の顧客特性にあった対応手段を整備し、お客様とのコミュニケーション機会を創出することで、顧客満足度の向上が期待できます。
性年代別


性年代別のグラフでは、20代男性で、問い合わせフォームへ案内されたことがある、と回答した人が1番多い結果となりました。
電話がつながらない時、使ったことがある問い合わせ手段
(MA)Q7.実際に使ってみて問題解決した問い合わせ手段を選択してください。(複数回答)

最も選ばれた問い合わせ手段は「問い合わせフォーム」で、約40%を占めています。
次に「チャットボット」(約25%)が続きます。一方で「案内されたが使っていない」(約29%)という回答も、高い割合を占めています。
企業が用意した問い合わせ手段が、必ずしも顧客に利用されているわけではない実態がうかがえます。


性年代別の回答に特徴がみられた選択肢は、下記の通りとなります。
<問い合わせフォーム>
20代男性(55.1%)と30代女性(49.3%)で特に高い利用率を示しており、若い年齢層で広く使われていることがわかります。60歳以上では男女ともに30%未満となります。
<チャットボット>
チャットボットは30代男性(43.4%)が最も利用しており、20代男性(29.2%)、20代女性(32.9%)も比較的高い利用率です。若い世代に受け入れられていることがうかがえます。
<有人チャット>
全体の回答では4位の問い合わせ手段でしたが、20代〜30代の男性で利用率が高く(約17〜18%)、他の世代と比較して利用が進んでいる傾向が見られます。
<折り返し電話予約フォーム>
他の性年代では20%未満の回答でしたが、60歳以上男性(24.7%)では、突出して多くの回答がありました。
<案内されたが使っていない>
この項目は、年齢層が上がるにつれて、回答の割合が高くなります。60歳以上の女性(52.4%)が最も多く、次いで50代男性(35.7%)、50代女性(33.3%)と続きます。
電話がつながらない時、使ってみたい問い合わせ手段
(MA)Q8.コールセンターへ電話をかけたが繋がらなかった時に、使ってみたい問い合わせ手段を選択してください。(複数回答)

代替手段として多く回答があった選択肢は「問い合わせフォーム」で、約47%を占めています。前問の回答でも、実際に使ってみて問題解決した問い合わせ手段として選ばれており、電話ができない状況でも、最も確実で基本的な代替手段として認識されていることを示唆しています。
次いで「チャットボット」(28.3%)、「折り返し電話受付フォーム」(24.8%)、「オペレータと会話したいので他の手段は不要」(24.5%)、「有人チャット」(22.6%)が、高い意向を示しています。すぐにオペレータと会話ができない状況でも、電話がつながる別の機会や、有人対応してもらえる手段を選択する人が、多くいることがわかります。


性別・年齢別に分析すると、使ってみたい問い合わせ手段に、顕著な違いが見られます。
<問い合わせフォーム>
40代男性(55.7%)と30代女性(53.4%)の回答が多いです。
若い年齢層を中心に選ばれる傾向はありますが、40代の利用意向も高いのが特徴です。
<有人チャット>
40代女性(35.3%)と50代女性(31.0%)の回答が多く、若年層だけでなく中年層の女性にも電話の代替手段として受け入れられていることがわかります。
<折り返し電話受付フォーム>
60歳以上の男女(男性40.0%、女性38.3%)が最も多く回答しています。
電話をかけたが繋がらなかった時、オペレータと話したいという顧客には、この手段が最も適していると判断されていることを示唆しています。
<オペレータと会話したいので他の手段は不要>
50代男性(29.4%)で、回答の割合が高くなっています。
一方で60歳以上の女性(33.6%)も、回答の割合が高いですが、先述の「折り返し電話受付フォーム」に対する要望も高いことから「電話でなければ解決しない」という意向を持つ顧客が、特に高齢層に多く存在することがわかります。
次回は、「コールセンターの問題解決状況とコミュニケーション手段について」を、報告します。
*次回レポート 設問一覧*
- コールセンターに電話して問題解決しましたか。
調査概要
- 調査テーマ:性年代別にみるコールセンターへ問い合わせた時の顧客行動
- 調査対象:20代以上の男女
- 調査実施期間:2024年8月28日
- 総回答数:1047サンプル
- 調査方法:インターネット調査
- 調査機関:
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
NTTコム リサーチ