2021/04/09

帳票、書類の電子化

帳票とは何か?役割や種類から関係する法律まで解説

ビジネスシーンでは「帳票」という言葉が頻繁に使われているものの、正確な役割を説明できる人は少ないのではないでしょうか。さまざまな場面で、役割に応じた帳票が求められています。また、保存期間や方法も踏まえて管理しなければなりません。この記事では、帳票の役割や種類、ビジネスパーソンなら知っておきたい法律などを解説します。

まずは基本を押さえよう!帳票の役割と種類とは

帳票定義と目的

企業や個人事業主が経営活動を行うにあたり、作成された書類の総称を「帳票」と呼びます。具体的には、帳簿と伝票を合わせた総称であり、以下の書類が含まれます。

  • 仕訳帳
  • 出納帳
  • 元帳
  • 買掛帳
  • 売掛帳
  • 経費帳
  • 台帳
  • 入出金伝票
  • 請求書
  • 領収書
  • 納品書
  • 健康診断結果報告書
  • 出退勤表
  • 給料明細書
  • 契約書
  • 権利書
  • 当座預金照合表
  • 振込依頼書

そのほか、ここに挙げなかったものでも、経営活動の中で作成された書類は帳票にあたるといえるでしょう。

帳票は種類によって役割が異なります。たとえば、取引先との間に発生した金銭のやりとりを記録にとどめておくのは、代表的な役割だといえるでしょう。また、企業が品物を送ったり受け取ったりした証拠として、帳票を残すこともあります。いずれの帳票についてもあてはまる特徴は、経営活動の履歴になっている点です。帳票をしっかりと保存し担当者が後で見返せば、当時の経営活動を細かく把握できるようになります。

帳簿の種類

経営状況を記録するために作られる帳票です。複式簿記においては、「総勘定元帳」と「仕訳帳」が欠かせません。これらの帳簿を確認すれば、どの時期にいくらの金額が動いたのか確認できる仕組みです。また、現金のやりとりや口座の記録を残すための「出納帳」も企業経営では非常に重要です。さらに、仕入れ先に対しては「買掛帳」を、取引先に対しては「売掛帳」を作り、金銭のやりとりを管理しなければなりません。減価償却を正確に続けていくには、「固定資産台帳」も必須です。

伝票の種類

企業が行うあらゆる取引に関して、その都度、作成される帳票です。お金の出入りを残すための「入出金伝票」、手形や掛仕入について作られる「振替伝票」などが有名だといえるでしょう。なお、翌月以降に決済がなされる取引では、売上伝票や仕入伝票が重宝されます。

証憑と伝票の違い

帳票とよく似た書類として、証憑書類があります。場合によっては、伝票と証憑書類が混同して扱われていることも珍しくありません。ただ、証憑書類の定義は「取引成立の証」です。ある取引の結果や過程を残すための書類なので、経営活動の記録である伝票とは微妙に意味が異なります。帳票の中に、伝票や証憑書類が含まれているイメージです。ちなみに、証憑は顧客や企業との間だけでなく、自社の従業員との取引でも使われます。

証憑書類は取引が「間違いなく行われた」という証でもあり、ビジネスシーンでのトラブルを避ける役目も担っています。仮に企業間で認識の食い違いがあったとしても、証憑書類を見ればどちらが正しいのか判断が可能です。例としては、給与明細書や履歴書、退職届などが挙げられます。そのほか、出退勤表や各種経費の申請書なども含まれます。企業間で取り交わす契約書も証憑書類の一種です。

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帳票の電子化の必要性!どうして紙で保存するとデメリットがあるのか

帳票は紙から電子化の時代へ

かつて、帳票といえば紙で作成するのが当たり前でした。しかし、時代とともに専用ソフトウェアやツールで帳票を作成し、データとして管理する現場も増えてきています。こうした現象は「帳票の電子化」と表現されています。

紙帳票のデメリット

最大のデメリットは「作成にかかる手間」です。手書きで帳票を作っていると、個人の労力が大きくなります。しかも、字が汚いと内容が判別しづらくなり、取引を記録できなくなってしまいます。また、紙は劣化がしやすいので、ある程度の時間が経てば損なわれてしまうでしょう。それらの要素に加えて、コスト面からペーパーレス化を求める声も大きくなっていきました。1枚あたりのプリント費用は決して高いものではなくても、頻繁に印刷していてはコストがどんどん膨らみます。紙の帳票を保管し続けるスペースも確保しなければなりません。膨大な量の紙を整理するのも一苦労です。これらのデメリットを踏まえて、多くの企業が電子化を決断するようになったのです。

帳票電子化のメリット

まずは、メインフレームからオープンシステムに移行できる点が重要だといえます。従来の紙帳票では、大型汎用機(メインフレーム)によって大量に印刷してきました。ただし、この方法では個人が帳票を欲しくなったタイミングで気軽に印刷することはできません。帳票を電子化すれば、専用ソフトやネットワーク接続といったオープンシステムより、個人で簡単に帳票を作成可能です。仕事に柔軟性が生まれるだけでなく、メインフレームの導入、維持費も削減できます。

次に、ペーパーレスによるコスト節約も見逃せないポイントです。プリントアウトや保存にかかる費用を抑えられるうえ、紙よりデータのほうが管理も楽です。必要なときに過去の帳票をすぐ検索できるようになり、業務効率化にも役立ちます。それに、電子化された帳票は劣化が起こらないので、保存期間が長くなっても耐えられます。保存場所を動かすこともないので、不用意な紛失のリスクも抑えられるでしょう。そのほか、データを管理する方が紙よりも、セキュリティ対策を施しやすいという面もあります。データ管理の場合、アクセス権限を設けることで限られた人間しか帳票を閲覧できなくなります。情報漏えいの危険が減り、安全に帳票を管理できるのは大きなメリットです。

帳票をPDF・html・excelで電子化するポイント

PDF

大きなメリットは、一度出力すれば内容を変更できない点にあります。そのため、セキュリティ面では安全で、金銭のやりとりなど、重要な項目を記録するのに適しています。電子署名をつけて管理すればさらに、改ざん防止へとつながるでしょう。また、端末に関係なく文書を閲覧できるのも魅力です。多くのデータ文書では、端末に入っていない文字フォントが使われていると、正確に映し出されません。それに対して、PDFは文字フォントに関係なく、専用のリーダーさえインストールされていれば読み取り可能です。そのかわり、後で編集したい帳票には向いていない形式だといえます。これから内容を変更する帳票については、不向きな形式です。

html

ネットワーク経由で帳票を作成したり、送受信したりするなら非常にメリットのある形式です。権限を持っているユーザーならオンラインで編集や出力作業ができるので、共同で帳票を管理したい現場に向いています。さらに、専門的な知識がなくても様式に細かい変更を加えられるところも魅力です。html形式では、タグによって内容を編集します。タグの意味さえ覚えれば、見出しや字体を手軽に変えられます。

ただし、htmlは作業を間違えると、影響する範囲が広くなってしまいかねません。少しだけタグを間違えただけで、希望する書体が表示されなくなってしまいます。慣れるまでは、編集を面倒に感じることも少なくありません。それに、こだわったデザインを作りにくいのもデメリットです。

excel

ビジネスシーンで使われている端末は、excelを最初からインストールしているケースが大半です。そのため、日常的にexcelで帳票データを作っている現場も珍しくありません。excelは追加ライセンス費用もなく、安価で使えるのが強みです。また、細かい修正を施しやすく、一度作った帳票フォームを使いまわせるのもメリットです。

一方、excel形式の帳票は修正ができてしまうので、第三者による改ざんの危険性は高くなります。こうしたトラブルを防げるよう、帳票の作成はexcelで行っても、別の形式に出力して保存するのが得策です。

ルールを知っておこう!帳票の保存期間・方法は?

法人税法上の保存期間と方法

企業が確定申告や決算を終えれば、とりあえず、その年度の帳票は役割を終えたことになります。ただし、決算や確定申告には審査が入るケースもあります。もしも不審な点があったとすれば、企業は必要な書類とともに説明しなければなりません。そのため、帳票類を一定期間は保存し続けるよう、法律で定められています。法人税法上では、帳票の保存期間は5年か7年です。このうち、取引の過程で発生した書類については5年間保存しなくてはなりません。一方、帳簿や決算書類、入出金を裏付ける帳票は7年間残す義務があります。

帳票の保存方法は、原則的にプリントアウトした紙だと指定されてきました。ただし、最後の2~4年間は、マイクロフィルムによる保存も認められます。それに、一貫してデータで作成してきた帳票の一部については、サーバー内やDVD、CDによる保存も可能です。そのほか、許可を受けた一定の帳票は、スキャナーで読み込んだ後、データとして保存できます。そして、パソコンなどの電子計算機で作られた帳票も、承認を受けさえすれば、電子計算機出力マイクロフィルムによって残せます。

会社法上の保存期間と方法

法人税法と違い、会社法上における帳票の保存期間は10年です。たとえば、会計帳簿は無条件に10年残さなくてはなりません。なお、会社法上でも保存方法は紙だけでなく、データやマイクロフィルムが認められています。

罰則はあるのか

税務調査によって必要な帳票が保存されていないと判明したら、企業の確定申告は取り消しになってしまいます。そのうえ、税務署が計算した額で納税し直さなくてはなりません。税務署が一方的に決める税金を「推計課税」と呼びます。また、仕入に関する帳簿書がないと、その分の消費税を加算されるリスクも生まれるでしょう。電子帳簿保存法でも、罰則について取り決めている箇所があります。保存されていないことが発覚すれば、紙の帳票と同じように確定申告が取り消されたり、推計課税が課せられたりするのです。

会社法上でも、保存義務に違反すると「100万円以下の過料」が課せられる決まりです。税法のように調査が入る可能性は低いものの、万が一のために罰則をしっかり把握しておきましょう。

帳票に関わる法律を知って安全に保存・管理をしよう

電子帳簿保存法

帳票を電子化した際の保存期間、方法などを記している法律です。電子化の需要が高まった状況に応じ、1998年に制定されました。この法律によってもたらされた最大の変化は、原本を保存する義務が解消された点にあります。一部のキャッシュレス決済においては、原本を破棄してもデータを残しておけば「保存している」と認められるようになったのです。その場合、決済データが帳票の代わりとなります。一方で、手書きの仕訳帳、総勘定元帳などに対してはデータ保存を認めていません。また、決算関係の書類も原本を残しておく義務があります。

2005年からはスキャナー保存を認め、2015年にはその要件もさらに簡易化されました。2017年度には「受領者」「タイムスタンプの意義」「電磁的記録事項の確認」といった項目が見直されるなど、時代とともに細かく修正されているのが特徴です。

電子署名法

2001年に制定され、電子署名の重要性を裏付けています。従来の帳票では、手書き署名や押印が重要視される傾向にありました。しかし、電子署名法によって、定められた手続きを通った電子署名であれば、手書きや押印と同等の価値をなすようになっていきます。

e-文書法

別名で、電子文書法とも呼ばれており、データ保存について詳しく記されています。2005年にこの法律が制定されたことにより、電子帳簿保存法の一部にも修正が加えられました。銀行法や証券取引法など、251もの関連法律をひとつにまとめる意図があり、これ以降、法的要件を満たした一部のスキャナー画像は、原本と等しい価値を持つようになります。一般企業が帳票を保存する手間を大きく軽減させたといえるでしょう。

e-文書法で、データ保存の法的要件として挙げられているのは「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」の4点です。まず、解像度が高く、正確に読み取れることが大前提です。次に、保存中にデータが損なわれないよう対策がなされていなければなりません。電子署名やタイムスタンプといった、具体的な対策方法についても記されています。そして、アクセス権限が設定されていて、データの機密性が保たれていることも大事です。最後に、データを整理したり閲覧したりできるよう、検索可能な状態になっている必要があります。

法律をしっかり押さえて帳票の電子化を進めよう

帳票をデータで保存できるようになれば、ペーパーレス化が進みコスト削減につながります。また、現場の労力も大幅に少なくなるでしょう。一方で、帳票のデータ保存は法律に従って行わなくてはなりません。違反すると罰則を科せられることになり、経営にダメージを受ける恐れも出てきます。帳票に関する法律をチェックして、安全に電子化へと移行しましょう。

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