2021/05/14

帳票、書類の電子化

健康診断結果・健診データ等を電子化する理由と注意点

健診データを電子化する動きが広まっています。病院・従業員を雇用している企業・健康保険組合・各自治体などでは、電子化するシステムを取り入れるところが増えています。健診データを電子化すれば、様々なメリットが得られるため、電子化していない企業・病院・健康保険組合・自治体などは導入を検討してみてはいかがでしょうか。ここでは、健診データを電子化する理由と注意点について深堀していきます。

健康診断結果・健診データ等を電子化する理由

健診診断結果・健診データを電子化しなくても、そのまま紙で保管していれば問題ないと思ってはいませんか。実は、健診データを電子化する理由は、大きく分けて3つあります。一つは厚生労働省が推奨しているということ、二つ目に病院側の業務を効率化できるということ。そして、三つ目に患者の利便性が上がるということが挙げられます。ここでは、健康診断結果・健診データを電子化する理由について、深堀してご紹介していきます。

厚生労働省が健診データの電子化を推奨

健診データを電子化する理由としては、厚生労働省が自治体や健康保険組合対して結果を電子化して保管するように求めていることが挙げられます。健診を受けた人が関心を持って健康づくりに臨めるように、結果を電子化していつでも見られるようにしようという動きが広がっているのです。厚生労働省はマイナンバーで管理するマイナポータルで、健診データを閲覧できるようにと計画を進めています。

現行では紙で管理している健診データを電子化すれば、患者本人のみならず、保険指導実施者や医師にも経年データを見てもらえるようになります。患者が居住地を移しても、加入する保険組合を変えてもデータを引継げるため、いつでもどこでもデータを活用した指導や診察ができるようになって大変便利です。

高齢化が進んで、医療体制がひっ迫するのを懸念している

厚生労働省が健診データの電子化を推し進めるのには、日本の高齢化が進み過ぎているということが背景にあります。経済産業省が平成28年3月に公表したデータによると、2050年には65歳以上の人口は全体の40%に到達すると見られています。国民医療費は、2014年の段階で約40兆円と国家予算をかなり圧迫している状態にもかかわらず、2050年には20兆円もアップし約60兆円に達する見通しです。つまり、病院にかかる人は今後どんどん増えていく一方なので、少しでも病院にかからずに済むようにと、予防や健康管理に対する取り組みを強化しているのです。

病院側の業務効率アップ

健診データを電子化すると、病院の業務効率は向上するでしょう。患者の健診データを病院側がいつでも取得できるようになれば、患者に口頭で状況を説明してもらうより、客観な情報を医師に伝えられるようになります。患者が初めて訪れる病院でも、患者の体質や健康情報を的確に伝えられるので、検査に時間がかかったり、誤診したりするリスクを減らせるようになります。また、一度行った検査を再度行わなくて済むようになるので、診断にかける時間の短縮に繋がるでしょう。

さらに、健診データの電子化により一人ひとりの健康への意識が高まれば、食生活や運動不足の改善はもとより、飲酒や喫煙率を下げることも夢ではありません。食生活の乱れや運動不足、摂りすぎると体に悪い影響をもたらす嗜好品は、生活習慣病やメタボリックシンドロームを引き起こす危険性があります。電子化で健康情報について患者の健康への意識を向上させられることができれば、生活習慣病やメタボリックシンドロームなどは未然に防げる可能性が出てきます。防げる病気は未然に防いで病院にかかる患者数を少なくすることにより、病院にかかる負担を格段に減らせるでしょう。

日本の病院は、諸外国に比べて病院が分散している

健診データを電子化すると、病院間のデータのやり取りが楽に行えるようになります。現在は紙での保管が主流なため、病院間で患者のデータのやり取りをするときは、一度ディスクや紙にデータを移さなくてはならず手間がかかります。しかし、どの病院からも患者の情報にアクセスできるようになれば、わざわざデータを移す必要がなくなるでしょう。患者が移したデータを持参し忘れるリスクもなくなるため、業務が滞る心配をしなくて済むようになります。

日本の病院は諸外国に比べると、病院が分散しているといわれています。病院が分散していると、それだけ病院間のデータのやり取りをする機会が多くなるという側面があります。電子化を図れば、どの病院との連携もスムーズに行えるようになるので、従来よりも一人あたりの患者にかける時間を短縮できるようになるでしょう。

産業医がデータ整備にかける時間を減らせる

健診データの電子化は、病院に勤める医師だけでなく、企業で働く産業医にとっても事務作業時間が減らせるというメリットがあります。健診結果を紙やエクセルで管理する必要がなくなるため、浮いた時間で産業保険業務に取り組むことができます。産業医が従業員の体調の変化にもいち早く気づけるように、健診データの電子化は導入しておくのがおすすめです。

感染症が起きたときの患者の受け入れがしやすくなる

健診データを電子化すれば、患者の健康状態を直ぐに確かめられるようになるので、感染症が起きたときの患者の受け入れがしやすくなります。新型コロナウイルスのような感染症が起こったとき、重症化している患者が自分の容態を伝えるのは難しいといえます。病気を持っていないかなど、様々な検査をしなくてはならないので、一人の患者に対して看護師をはじめとした多くの人員を割かなければなりません。しかし、搬送されて来た時点で患者の既往歴を含めた健康状態がチェックできれば、検査にかける時間を短くすることができるうえに、的確な指示を出せるようになるでしょう。

日本の病院は、病床数に対して治療できる患者数が少ない

健診データを電子化することで、治療者数が増やせる可能性があります。というのも、実は日本の病院は諸外国に比べると、病床数が多いのにもかかわらず、実際に治療できる患者数は少ないといわれているのです。日本の病床数と治療できる患者数の間に乖離があるのは、病院が分散しすぎているからだと考えられています。

病院が分散しているのはいつでも通いやすいというメリットがある半面、一つあたりの病院の戦力がそがれてしまうというデメリットを持ち合わせています。病院がたくさんあればあるほど、医療従事者が分散してしまうため、一つの病院で対処できる患者数には限界があるのです。健診データの電子化できれば、本来は省けたはずの検査にかけていた時間と人員を他の治療に回せるので、より治療に専念できるようになります。

利用者側の利便性向上

健診データの電子化のメリットとしては、利用者側にとっても利便性が良いことが挙げられます。電子化された健診データなら、利用者はいつでもスマホやパソコンから情報をチェックできるようになります。万が一、利用者が健診データの載っている紙を紛失してしまっても、病院側からデータを取得できるため、再度検査する手間がありません。利用者は自分の好きなタイミングで、時間をかけずに病院を受診できるようになるでしょう。

さらに、電子化されたデータは、厚生労働省が定めた保存期間を過ぎても、必要に応じてデータを残すことができるので大変便利です。というのも、マイナポータルの電子データの運用が本格的に開始された際には、期限が切れる前に利用者が個別でダウンロードできるようになる予定だからです。体に何か異変が起きたときに、過去の健診データが参考になるケースも多いので、適切な治療を受けるためにも健診データを残すのは大切だといえます。

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健康診断結果、健診データ等を電子化する注意点

健康診断結果・健診データを電子化するときには、いくつか注意しなければならない点があります。ここからは、健診データを電子化するうえで気を付けたいポイントを紹介していきます。

個人情報保護法

企業や病院が電子化した健診データを取得および提供するときは、個人情報保護法に気をつけなければなりません。平成27年に個人情報保護法が改正されて以降、個人に不利益が生じたり、不当な差別を受けたりしないようにと、個人情報の扱い方が大きく変わりました。病歴・身体障害・健康診断結果・診療記録などは、本人の同意を得ない場合は第三者への提供が禁止となったのです。一般的な個人情報はオプトアウトといって本人への通知、あるいは本人が第三者へ情報を提供したと容易に知りえる状態では、情報の取得や提供を認めています。ところが、健診データに関しては、他の病院や企業へ情報の提供・取得をする際には、あらかじめ個人の同意を得る必要があるので注意が必要です。

個人情報保護法に関するガイドライン

個人情報保護法に関するガイドラインによると、オプトアウトを禁止している健康診断の結果としては、予防や早期発見を目的として行われた健康診査が挙げられています。他にも、健康診断・特定健康診査・健康測定・遺伝子検査・人間ドック・ストレスチェックなどが該当します。対して、健康診断を受診したという事実、身長・体重・血圧・脈拍・体温などのデータを、診療事業や業務とは関係ない方法で知りえた場合は該当されません。

とはいえ、健康診断を受診した事実は提供できるものの、結果に基づく指導・診療・調剤についてはオプトアウトが禁止されているので注意が必要です。同ガイドラインでは、健康の保持に努める必要がある者に対して、医師や保健師が指導を行った内容の提供は独断でできないと決められています。また、服薬履歴・薬手帳に記載された情報・病院を受診した事実・保険指導を受けた事実もオプトアウトが禁止されています。厚生労働省は、職場で健康情報のデータを扱う際には、産業医や保健師が情報の加工をして、不当な差別や偏見を生むデータを伏せるよう促しています。もし、該当する項目を職場で利用したい場合は、個人に了解を得たうえでデータを取得する必要があるので気をつけましょう。

バックアップの保存

個人情報を扱ううえで、災害時にデータが紛失しないようにバックアップしておくことは欠かせません。バックアップの保存先を別の場所に設けておくと、万が一管理していたデータが閲覧できなくなったり、なくなったりしたときも復元させられるでしょう。自社だけで管理するとなると、電子化した健診データ保存するためのサーバーを立てるところから始めなければならないので、外部に委託する方が楽だといえます。外部に委託すると面倒なシステムの構築を全て任せられるため、電子化への移行もスムーズにできます。ただし、外部へシステム構築を依頼するときは、データをバックアップしておけるかどうかも含めて確かめる必要があります。日本は地震や台風などの自然災害が多い国なので、有事の際の対策はしっかりと講じておくべきでしょう。

セキュリティ対策を講じる

多くの人のデータを扱うことになるので、健診データを電子化する際にはセキュリティ対策に力を入れる必要があります。アクセス制限やログ管理、システム監視体制などしっかりと整えるようにしましょう。もしも、外部にセキュリティ対策も一緒にお願いするなら、実績の有無は確認しておくと安心です。今まで多くのデータを扱ってきた実績のある会社なら、セキュリティ対策もバッチリを行っているので、たくさんのデータを扱う際も心配が少ないといえます。さらに、外部へ委託する際は、同じ業界への導入実績があるかも確かめておくと良いでしょう。医療関係に導入するのか、企業に導入するのかによっても仕様は異なるので、同業種への導入実績があるところに任せた方がスムーズに導入できます。

既存システムと連携できるか

健診データを電子化する際は、既存システムと連携できるかどうかを確認しておくようにしましょう。既存システムとは別のシステムを導入しなければならないとなると、データを電子化するコストだけでなく、新システムの導入コストも上乗せでかかります。限られた予算で電子化を実現するには、既存システムを活かして導入できる方法を模索するのがおすすめです。

健康診断結果・健診データを電子化して健康管理に役立てよう

健診データを電子化すると、企業・病院・健康保険組合・自治体にとっては業務の効率化やデータの活用がしやすくなるというメリットがあります。また、利用者にとっても、受診がしやすくなったり、検査の過程が短くなったりと良い面を持ち合わせています。双方にとって良い環境するためにも、健診データの電子化を検討してみてはいかがでしょうか。健診データを電子化して、ぜひ健康管理に役立てましょう。

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