2022/11/10

帳票、書類の電子化

電子帳票システムの機能やメリット・注意点を徹底解説

近年、ペーパーレス化の推進や法律の改正にともない、多くの企業が「電子帳票システム」を導入しています。帳票の一括管理や配信、他システムとの連携といった便利な機能が備わっているため、コスト削減や業務効率化を図るうえで、大いに役立つシステムです。

この記事では、電子帳票システムの概要や主な機能を踏まえつつ、導入のメリットや注意点について解説します。自社での必要性や導入価値が見えてくる内容なので、ぜひお読みください。

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電子帳票システムとは帳票作成・配信・管理を効率化するシステム

電子帳票システムとは、企業が取り扱う各種帳票を電子データとして作成・管理するためのシステムです。

従来、見積書・発注書・請求書・納品書といった帳票は紙媒体として作成し、郵送などでやり取りされていました。しかし、紙だと印刷にも送付にも手間がかかるうえ、用紙代や送料といったコストも発生するので、企業によっては大きな負担となっていました。

一方、電子帳票システムを導入すれば、取引や顧客に関するデータをもとに、電子化された帳票を自動で作成できます。さらに、帳票の配信や管理もパソコン上で実施できるため、効率化を図ることが可能です。

電子帳票システムは、帳票においてソリューション(課題解決)をもたらす存在といえるでしょう。

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電子帳票での管理が必要な理由

昨今は以下のような事情により、電子帳票での管理が求められています。

  • 電子帳簿保存法の改正(2022年1月)
  • 環境問題にも配慮したペーパーレス化の推進
  • 膨大な帳票の一元管理

「電子帳簿保存法」は1998年施行の法律で、帳票を電子データで保存することを初めて認めたものです。2005年施行の「e-文書法」による改正や2016年の改正で保存できるデータを増やすなど、施行後も規制緩和が続いていました。

そして、2022年1月の改正でも規制緩和が行われましたが、最大の変更点は「電子請求書の紙による保存の廃止」です。請求書を電子データで受け取った場合、電子データでの保存しか認められなくなります。

電子帳簿保存法の改正については、以下の記事もご覧ください。
https://www.nttcoms.com/service/naviexp/column/20220120/

また、紙の帳票をなくす「ペーパーレス化」が各企業で進められていることも、電子帳票の必要性に関わる理由です。ペーパーレス化はコスト削減や効率化だけではなく、紙資源の節約にもつながるので、環境問題への取り組みをアピールできます。

さらに、帳票は紙だと膨大な量になってしまいますが、電子データなら一元管理ができるため、より業務効率が高まるという点でも有用です。

電子帳票システムの主な機能

電子帳票システムを導入する場合、まずは以下の機能について押さえておきたいところです。

  • 帳票の作成機能
  • 帳票の一括管理機能
  • 帳票の配信機能
  • システムとの連携機能
  • 帳票の検索機能
  • セキュリティ機能

それぞれ概要を解説するので、ぜひチェックしてみてください。

帳票の作成機能

発注書や請求書といった帳票をパソコン上で効率よく作成できる、電子帳票システムの最も基本的な機能の一つです。

従来のように一般的な文書ソフトを利用する場合、作成自体に手間がかかる、レイアウトの自由度が低いといった難点がありました。

一方、電子帳票システムの場合、自社の業務システムから必要なデータだけをCSV形式などで抽出したうえで、希望に沿ったレイアウトと内容で帳票を作成できます。PDF・HTML・Excelなど、幅広い出力形式に対応していることもポイントです。

また、作成した帳票を従業員間で共有することもできます。

帳票の一括管理機能

従来のように紙で帳票を作成する場合、科目や項目がバラバラで管理しづらい、保管スペースを確保しなければならないといった難点がありました。

一方、電子帳票システムを導入すれば、紙・電子という種類に関わらず取り込めるので、帳票を一括管理できるようになります。電子データとして取り込む関係上、保管スペースをとらないこともポイントです。

また、業務システムで出力されたデータの取り込みを自動化したり、保存期間が過ぎた帳票を自動的に削除したりすることもできます。

さらに、帳票の分類機能も備わっているため、希望に沿ったカテゴライズが可能です。

帳票の配信機能

紙の帳票を取引先に送る場合、郵送やFAXなど手段が限られていました。電子帳票システムでは、帳票を電子データとして作成・管理するので、紙の帳票より幅広い手段で配信・送付できるようになります。

例えば、メールにURLを記載してダウンロードできるようにしたり、帳票データを添付して送信したりすれば、印刷や封入の手間を省けるため、よりスムーズなやり取りが可能です。

また、1通あたり150~300円程度で依頼する郵送代行サービス、クラウド型でのFAX送信サービスなども提供されているので、取引先の帳票ルールや要望に合わせて対応できます。

システムとの連携機能

販売管理システムや在庫管理システムなど、既存の業務システムと連携できることも電子帳票システムの大きな特徴です。APIによる自動データ連携のほか、取り込んだデータをもとに帳票を自動作成したり、データ変更時に自動更新したりすることができるので、業務の負担軽減につながります。

さらに、通信ネットワークやプリンターと連携できることもポイントです。各部署に作成した帳票データを配信したり、印刷やWEB発行も含めた業務を自動化したりすることができます。

また、システム連携はカスタマイズできるため、自社にとって最適な環境を作ることが可能です。

帳票の検索機能

紙で帳票を管理する場合、必要な帳票を目視・手作業で探さなければならないため、どうしても手間がかかりました。

一方、電子帳票システムには検索機能が搭載されているので、必要な帳票をすぐ見つけることができます。勘定科目・企業名・年月日・担当者など、さまざまなキーワードを入力・指定するだけで検索できるため、ほとんど負担がかかりません。時短にもつながるので、他の業務に取り組みやすくなります。

また、検索機能を活用すれば、データの収集や分析が容易になります。そのため、今後の戦略を検討したり、課題解決に取り組んだりする際にも役立つでしょう。

セキュリティ機能

電子帳票システムでは、情報漏えいや第三者による悪用を防げるよう、高度なセキュリティ機能を搭載しています。

例えば、管理権限を付与できる機能を使えば、限られた部署や役職者だけデータにアクセスできるようにしたり、操作に制限をかけたりすることが可能です。

また、自動バックアップ機能が搭載されているので、データ紛失や災害など万が一の事態が起こっても、帳票データを復旧できます。

さらに、各操作のログを収集できることもポイントです。いつ誰がどのような操作を行ったか細かく調べられるのはもちろん、トラブルの原因を探る際にも役立ちます。

電子帳票システムを導入するメリット

電子帳票システムを導入することで、以下のようなメリットが発生します。

  • コストの削減
  • 業務効率の向上
  • 内部統制に効果的

電子帳票システムの必要性や導入価値を検討するにあたって、これらのメリットを把握しておくことも大切です。

コストの削減

電子帳票システムの導入により、帳票は紙媒体から電子データへと変換されるので、電子化・ペーパーレス化が進みます。原則として紙の帳票を印刷する必要がなくなる分、用紙代やインク代といった印刷コストを削減できることがメリットです。

また、帳票をデータでやり取りすることで封筒代や送料といった発送コストを、電子データで保存することでファイル代や倉庫保管料といった保管コストも削減できます。

さらに、一括管理機能や検索機能を使った効率化にともない、従来と比べて管理の手間が省けるため、人件費の削減が見込めることもメリットです。

業務効率の向上

帳票の作成・配信・管理といった一連の業務において、手作業や目視確認といった手間を省けるため、業務効率の向上を実現できることもメリットです。帳票に関する業務をスピーディーに遂行できるのはもちろん、余った人的リソースを他の業務に回すこともできます。

また、電子帳票システムの検索機能により、帳票の確認や共有がしやすくなることも、効率化につながるポイントです。自動作成や自動配信の機能を使えば、内容の誤入力やメールの宛先間違いといったヒューマンエラーも防止できます。

その他、帳票をデータでやり取りできるため、リモートワークに対応しやすいこともメリットです。

内部統制に効果的

電子帳票システムでは、帳票データの閲覧権限や印刷権限など細かく設定できるため、内部統制の強化を図るための対策としても効果的です。操作のログ収集やタイムスタンプといった機能を使えば、帳票の改ざんや情報漏えいなどのリスクも低くなります。

特に情報漏えいについては、7割以上が紙媒体から発生しているため、紙で帳票を管理することはリスクが高いと言わざるを得ません。保存期間が終わるまで倉庫などに保管しなければならず、廃棄も簡単にはできないからです。

その点、電子帳票システムなら電子的に一元管理ができるうえ、古いデータの消去もすぐ実行できるので、信頼性が高いと言えるしょう。

電子帳票システムを導入する際の注意点

電子帳票システムは便利で使いやすいシステムですが、導入時は以下のような点に注意する必要があります。

  • 適切なデータ管理
  • システムダウン対策
  • それぞれ詳細をまとめたので、ぜひ押さえておきましょう。

適切なデータ管理

帳票には多くの機密情報が記載されているため、電子帳票システムを利用するなら法律に基づく適切なデータ管理が必要不可欠です。もし帳票の改ざんや情報漏えいといったトラブルが起こった場合、企業の信用が大きく低下するだけではなく、訴訟や損害賠償に発展しかねません。

企業がとるべき対策としては、帳票の存在を証明するタイムスタンプでの改ざん防止、検索性を担保するファイル名設定やフォルダ管理などが挙げられます。また、オフライン環境に対応したオンプレミス型システムも機密性が高いので有用です。

電子帳票システムのメリットも踏まえつつ、それを活かせる対策を検討しましょう。

システムダウン対策

電子帳票システムで何らかの障害が発生した場合、システムダウンによって業務がストップしてしまうケースがあります。

最悪、帳票データが失われる可能性もあるため、自動バックアップなどの対策が欠かせません。帳票は法律によって保存期間が定められているものが多いので、データが消失すると取り返しのつかない事態に発展することも考えられます。

また、クラウド型システムの場合、インターネット接続が切れると利用できなくなるため、復旧手順をマニュアル化するなどの対策が必要です。なお、帳票データは社外に保存されますが、社内でもバックアップをとっておきましょう。

運用環境の整備

電子帳票システムを導入する場合、帳票の運用方法が今までと大きく変化するため、社内教育が欠かせません。システムの機能を理解しないまま利用すると、メリットを活かしきれないだけではなく、トラブルが発生する可能性もあります。

帳票の作成・配信・管理における各手順をマニュアル化したり、教育・管理担当者を配置したりするなど、運用環境を整備するための仕組みづくりが重要となってきます。

帳票の運用方法をすぐ切り替えることが難しい場合、あるいは定着に時間がかかりそうな場合、電子帳票システムへの移行を段階的に進めるのも有効な対策です。

電子帳票システムのチェックポイント

電子帳票システムを選ぶ際は、以下のポイントを確認することも大切です。

  • 自社の目的に合っているか
  • 扱う出力フォーマットに対応しているか
  • 処理スピードの早さは十分か

自社に合ったシステムを導入するためにも、きちんと把握しておきましょう。

自社の目的に合っているか

電子帳票システムと一口にいっても多種多様なので、自社で改善したい点を明確にしたうえで、導入の目的を定めることが大切です。帳票の作成・配信・管理において、どのような機能が欲しいのか事前に洗い出しておけば、導入すべきシステムも選定しやすくなります。

また、システムの運用形態も念入りに検討すべきポイントです。各プロセスを別々のシステムで運用する場合、レイアウトの自由度が高い反面、データ連携が複雑化しやすいというデメリットもあります。

一方、全プロセスを一括で運用する場合、サービスによってレイアウトの自由度は制限されますが、シンプルでわかりやすいというメリットがあります。

扱う出力フォーマットに対応しているか

電子帳票システムを選定するときは、出力フォーマットの確認も欠かせません。基本的にCSV・PDF・Excelといった出力フォーマットに対応しているなら、ほとんどのシステムと連携できます。

一方、企業によって出力フォーマットが異なる場合、漏れなく対応しているか確認しなければなりません。非対応のシステムを導入すると、帳票業務がストップしかねないからです。

また、API連携に対応できるシステムの種類・数も確認しておく必要があります。自動化できる業務の範囲が変わってくるため、業務効率の向上にも影響する重要ポイントです。

処理スピードの早さは十分か

帳票の作成や配信に要する時間もそれぞれ異なるため、選定時に確認しておく必要があります。自社の業務量に見合った処理スピードを発揮できないシステムだと、思うように作業が進まず、かえって効率が悪くなるかもしれません。

業務に悪影響を生じさせないためには、帳票の発行上限数やデータサイズなど確認することが重要となります。また、帳票をプリントアウトする際のスピード、FAXで配信する際の回線数などにも注意が必要です。

自社の業務量とそれを処理できるスピードを事前に確認したうえで、捻出できる予算とも相談しつつ、導入すべきシステムを比較・検討しましょう。

電子帳票のソリューションならナビエクスプレス

電子帳票システムを導入する場合、NTTコムが提供しているサービス「ナビエクスプレス」がおすすめです。

ナビエクスプレスには帳票業務で役立つ、4つの特徴があります。

  • 独自仕様明細書:明細書のデザインはそのままに自動配信可能
  • システム連携:お客様の基幹システムから出力されるデータ形式に対応
  • 自動配信:データを24時間いつでも&日時指定でも配信可能
  • セキュリティ:SSL暗号化やパスワード付与など各種セキュリティ機能を搭載

このような特徴を持つナビエクスプレスを導入すれば、コスト削減や業務の工数削減、ヒューマンエラーの防止など、帳票業務に関するお悩みをまとめて解決できます。

詳しい機能や導入事例については以下のページで紹介しているので、ぜひご確認ください。
https://www.nttcoms.com/service/naviexp/

電子帳票システムを導入しコスト削減・業務効率化を実現しよう

電子帳票システムを導入した場合、各種帳票を電子データとして作成・管理できるため、印刷コストや発送コストなどをまとめて削減することが可能です。

さらに、自社の業務システムと連携して帳票を自動的に作成・配信できる、帳票データを一元的・省スペースで管理できるなど、業務効率化につながるメリットも発生します。また、自社の内部統制において役立つ点も見逃せません。

ナビエクスプレスなら、帳票業務における全プロセスを効率化できるので、ぜひ導入をご検討ください。

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