2023/10/12
帳票、書類の電子化
CSV・Excelで電子帳票を作成するには?メリットや課題点、作成手順を解説
ペーパーレス化や電子帳簿保存法の改正などを受け、多くの企業で帳票類の電子化が進められています。そこで、まずはCSVとExcelを使って帳票の作成を試してみようと考えている担当者様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そもそもCSVやExcelとはどのようなツールで、本当に帳票作成に適しているのでしょうか。この記事ではCSVとExcelの概要やメリット、帳票を作成する際の手順や課題について詳しく解説します。また、より効率的かつ安全に帳票を作成するコツも紹介するのでぜひ参考にしてください。
- CSV・Excelを使えば比較的少ないコストで手軽に帳票が作成できる
- CSV・Excelを使った帳票作成には効率や安全面での課題がある
- 安全かつ効率的に帳票を作成するには電子帳票システムの導入が効果的
帳票作成などで使うCSVとは?
CSVとは「Comma Separated Values」の略です。「カンマで分けられた値」という意味の通り、ファイル内にはカンマ(,)で区切られたデータが行単位で格納されています。
CSVデータはテキストエディターがあれば作成・閲覧ができ、特別なアプリやソフトは必要ありません。また、テキスト(文字)とカンマ(,)だけで構成されたシンプルなファイル形式で、互換性に優れています。そのため、基幹システムへのアップロードや他アプリとのデータ連携などに活用できます。さらに、容量が軽いためデータの移動や共有、ダウンロードなどに便利です。
帳票に関してはこちらをご覧ください
帳票とは何か?役割や種類から関係する法律まで解説
CSVとExcelの違い
表計算ソフトであるExcelとCSVには、容量と互換性、機能性の点で大きな違いがあります。CSVは前述の通りファイル形式がシンプルであるため容量が軽く互換性に優れていますが、装飾や計算をする機能は備わっていません。
一方、Excelではさまざまな機能が活用できます。例えば、簡単に計算ができるためデータの集計や分析に便利です。また、表やグラフを作成しデータを視覚的にわかりやすく表示でき、書式や印刷設定が必要な場面でも活用できます。
そのため帳票作成の際には、システムから出力されるCSVデータをExcelで各フォーマットに合わせて加工するのが一般的です。
CSVとExcelで帳票作成するメリット
CSVとExcelは本当に帳票作成に適しているのでしょうか。おもなメリットを3つ紹介します。
費用がそれほどかからない
CSVとExcelを使って帳票を作成すれば、ランニングコストがそれほどかかりません。Excelを含めたOffice製品は業界や職種を問わずさまざまな企業で活用されているため、会社のパソコンにすでに搭載されている場合も多いでしょう。新たに導入するケースでも、Excelのライセンスコストは比較的安いため導入・運用費用を抑えられます。
また、Excelは扱える人が多いのもメリットです。新たなソフトウェアを導入する際に必要な教育にかかるコストや手間が削減できます。
VBAやRPAの活用で効率化できる
CSVとExcelを使用する場合、VBAやRPAを活用した作業効率の向上が可能です。VBAとはOffice製品内で使用可能なプログラミング言語の一種で、定型的な操作を自動化できます。RPAは作業内容をロボットに記憶させて自動化するソフトウェアです。
一般的に帳票類を手動で作成するには、対象フォルダから必要なデータを選び、各フォーマットに合わせて転記する必要があります。単純な作業ですが、帳票の種類や量が増えるほど手間も時間もかかる業務です。VBAやRPAを活用すれば、一連の細かい作業をワンクリックで実行できます。
入力作業やフォーマット作成が簡単にできる
CSVやExcelを使用すると、入力作業やフォーマット作成が手軽にできます。
Excelは使い慣れている人が多く、データの入力方法が簡単です。またテンプレートが多く存在するため、ダウンロードしたり少し加工したりすれば、フォーマットに沿ってデータを入力するだけで帳票が作れます。さらに、操作を自動化できるマクロ機能や前項のVBAを活用すれば、企業や部署の業務内容に合わせたカスタマイズが可能です。
CSV・Excelで帳票作成する手順
CSVとExcelを活用した帳票の作成はどのように進めればよいのでしょうか。帳票作成の手順を5つのステップに分けて解説します。
1|必要な項目を集めたデータベースを作成する
帳票に記載するデータを集約してデータベースを作成します。フォルダの構成やファイルのフォーマット、名前の付け方などを統一しておくとよいでしょう。
まず、取引先の企業名や所在地、担当者名や連絡先、日付や取引金額といった項目名を作成します。各帳票に必要な項目をすべてしっかり洗い出すのが重要です。1行に1つの取引先に関する情報を入力すると転記が容易になります。
2|帳票の出力様式を決める
帳票を作成する前に、出力様式を決めておく必要があります。出力形式を決めずにフォーマットを作成すると、出力の際に体裁が崩れてしまい、修正するのに余計な手間がかかるリスクがあるからです。
電子ファイルとして使用するのであればPDF化するのかExcelのままでよいのかを、印刷するのであれば紙のサイズや余白などを決めておきます。取引先の要望や管理方法を確認するとよいでしょう。
3|帳票のフォーマットをデザインする
続いて、帳票のフォーマットを決めます。既存のテンプレートをダウンロードしたりカスタマイズしたりすると、効率的にデザインできます。帳票を紙に印刷する場合には、A4サイズに収まるようにレイアウトを調整するとよいでしょう。
この際に計算式の入力や条件付き書式の設定なども行います。また、Excelでの帳票作成を継続する予定があるなら、作成したひな型をしっかり保存しておきましょう。
4|フォーマットにデータベースを転記する
帳票のフォーマットが決まったら、データベース内の必要な項目を参照して転記します。 しかし、項目を一つずつ入力、もしくはコピー&ペーストをすると手間と時間がかかります。一括置換や関数を活用して効率よく転記できるようにするとよいでしょう。例えば、「A社データ」シート内のC列5行目の値を参照したいなら、「=A社データ!$C$5」という式を転記先のセルに設定します。
5|帳票を出力する
フォーマットに必要事項を入力したら希望する形式で出力し、帳票の作成は完了です。
一連の作業は前述したマクロやVBA、RPAなどの自動化ツールを活用すればより効率化できます。誤入力や漏れといったヒューマンエラーも減らせるでしょう。
CSV・Excelでの帳票作成における課題
CSVとExcelを使った帳票の作成を検討しているなら、長所だけでなく短所についても把握しておく必要があります。代表的な3つの課題を解説します。
帳票の作成に時間がかかる
CSVやExcelを用いた帳票の作成には、ある程度の時間がかかります。例えば、帳票や取引先ごとにレイアウトを設定し、適切な計算式を組み入れなければなりません。計算式が合っているか、関数を使用した転記が正確に実行されるかといった検証や修正の必要もあります。
そもそもExcelは帳票の作成に特化しているわけではないため、担当者が初心者の場合は特に、細かな設定に時間がかかってしまうかもしれません。
容量の大きなデータを扱うのが難しい
Excelでは容量の大きなデータが扱いにくいというデメリットもあります。帳票の枚数や量が増えるにつれて容量が増加します。また、改修を重ねるなかでマクロ等が複雑化し、処理速度に悪影響を与えるのも問題です。
Excelでは処理できるデータ容量に限界があります。容量が増えすぎると処理に時間がかかり、作業効率が低下したりファイルが破損したりするかもしれません。
トラブルにつながる恐れがある
CSVとExcelを使用した帳票の作成にはどうしても手作業が発生するため、トラブルにつながるリスクがあります。例えば、入力ミスや漏れなどのヒューマンエラーにより取引先とのトラブルが発生するかもしれません。また、Excelは複数人が同時に使用するのには適していないため、共同作業によるエラーが発生する恐れもあります。
さらに、マクロ機能の使用などにより設定が複雑になると、メンテナンスが属人化しやすくなります。その他にも、OSやofficeのバージョンアップをきっかけに動作に支障が出るリスクなども考慮しなければなりません。
CSVを使った帳票作成には管理システムの導入が効果的
CSVを使って安全かつ効率的に帳票を作成するには、専用システムの導入が効果的です。電子帳票システムの概要やメリットを紹介します。
電子帳票システムとは?
電子帳票システムとは、電子化された帳票類を自動で作成・配信・管理できるツールです。発注書や請求書などの帳票類を電子化する際にも役立ちます。
例えば帳票作成機能により、既存システムからCSV形式で取り込んだデータを使って、各フォーマットに合わせた帳票類を自動で作成できます。作成した帳票は、取引先の要望に応じてメールやFAXなどによる自動配信が可能です。
また、一括管理機能によりさまざまな帳票類の一元管理もできます。必要な帳票の検索や、保存期限が過ぎた帳票の自動削除なども可能です。
電子帳票システムに関してはこちらもご覧ください
電子帳票システムの機能やメリット・注意点を徹底解説
電子帳票システムには多くのメリットがある
電子帳票システムは、コスト削減や業務効率化に有効です。例えば、帳票類を紙に印刷し送付するのにかかっていた印刷代や郵送費用、手間を大幅に削減できます。また、紙の帳票類を管理するための保管スペースやコストも必要ありません。
さらに、帳票作成・配信業務が自動化され手作業が減るため、入力ミスや誤配送などのヒューマンエラーを防止できます。アクセス権限の付与や各操作のログが残せる機能などを活用すれば、内部統制やセキュリティの強化にもつながるでしょう。自動バックアップ機能により、データの紛失や破損などのアクシデントにも備えられます。
CSVのデータから帳票作成をするなら「ナビエクスプレス」
ナビエクスプレスは、幅広い業界で実績を残している電子帳票ツールです。お客様の既存システムと連携してCSVデータを取り込み自動で帳票を作成、現在使用しているデザインを変えずに配信します。請求書や納品書、領収書だけでなく支払通知書や給与明細なども作成可能です。
月々の帳票作成にかかる発送費や人件費、運用保守にかかるコストを削減、また作業時間を減らして業務効率化を実現します。さらに、SSLによる暗号化やパスワード付与などのセキュリティ機能、送信状況や開封状況などを確認できるトラッキング機能も搭載しています。
導入事例:クラレトレーディング株式会社 様
クラレトレーディング株式会社 様は、繊維や化学品などの幅広い高機能素材や、加工による高付加価値商品を扱うクラレグループの専門商社です。毎月2〜3万枚もの請求書発行により大きな負担がかかっており、印刷や郵送にかかるコストや人的ミスが課題でした。
しかし、ナビエクスプレスの導入により請求書発行業務における工数の大幅な削減に成功。残業時間の削減や業務効率化につながっています。人的ミスがなくなり、再発行にもすぐに対応できるようになったため、イレギュラー対応による負担の削減やタイムロスの解消も実現できました。
CSVでの帳票作成は管理システムで効率化しよう
CSVとExcelを使えば手軽に帳票を作成できます。しかし、扱う帳票の種類や量が増えるほど効率や安全面での課題が大きくなります。効率的かつ安全に電子帳票を作成するには、既存のシステムと連携し、CSVデータから自動で帳票を作成・配信・管理できるツールの導入が効果的です。
ナビエクスプレスでは初期導入支援も行っているため、簡単に帳票作成にかかわる業務効率の向上やコスト削減が目指せます。詳しくは以下の資料をご覧ください。
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