総合型旅行会社を対象としたNPS®ベンチマーク調査2024の結果を発表。
NPSおすすめランキング1位はジャルパック
~企業姿勢やブランドイメージ、担当者の対応力がロイヤルティを醸成
オーバーツーリズムを意識したサービスや情報提供が期待される結果に~

2025年3月26日

 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン)は、NPSベンチマーク調査2024総合型旅行会社部門を実施しました。この結果、最もNPSが高いのはジャルパックとなりました。
 総合型旅行会社全体では、企業姿勢やブランドイメージに関連する項目や担当者の説明のわかりやすさや期待を超える提案力など、担当者の対応力に関連する項目がロイヤルティを醸成する要因となりました。また、旅行会社としてオーバーツーリズムを意識したサービスや情報提供の重要性がうかがえる結果がみられました。

<調査結果のポイント>

1. 総合型旅行会社のNPSおすすめランキング1位はジャルパック

 対象の総合型旅行会社9社のうち、NPSのトップはジャルパック(1.1ポイント)、2位はJR東海ツアーズ(0.0ポイント)、3位はクラブツーリズム(-6.5ポイント)となりました。対象9社のNPS平均は-8.9ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は24.1ポイントとなりました。

2. 総合型旅行会社全体では企業姿勢やブランドイメージ、担当者の対応力がロイヤルティを醸成

 総合型旅行会社のロイヤルティを醸成する要素を19の項目で分析したところ、「企業イメージ/ブランドイメージのよさ」や「サービスの信頼性・安心感」、また「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」といった企業姿勢やブランドイメージに関連する項目となりました。このほか、「担当者の説明のわかりやすさ」、「担当者による要望に合ったプランの提案」、「担当者の期待を超える提案力」といった担当者の対応に関連する項目や、「自身のニーズに合った商品がある」、「予約・購入のしやすさ」といった項目もロイヤルティの醸成につながりました。
 一方でロイヤルティ向上のために優先的に改善が期待される項目としては、「期待や想像を超える商品がある」、「旅の質の高さ(現地を含めたスタッフの対応、品質や内容など)」、また「コストパフォーマンスのよさ」といった商品性に関連する項目となりました。

図:総合型旅行会社全体におけるロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/travel/inquiry/

 NPS1位となったジャルパックでは、「企業イメージ/ブランドイメージのよさ」や「サービスの信頼性・安心感」といった項目が評価されました。2位のJR東海ツアーズは「コストパフォーマンスのよさ」が、3位のクラブツーリズムは「自身のニーズにあった商品がある」、「旅の質の高さ」といった項目がロイヤルティ醸成要因となり、それぞれNPS上位となりました。

3. オーバーツーリズムを意識したサービスや情報提供の重要性がうかがえる結果に

 近年、特定の観光地に観光客が過度に集中することで、地域住民の生活などの地域社会や自然環境、景観などに悪影響を与えたり、観光客の満足度を著しく低下させる、いわゆるオーバーツーリズムが問題となっています。これらオーバーツーリズムのニュースや情報を受けて、計画した旅行について行動に変化があったか調査したところ、全体の36.4%が変更した経験があると回答しました。
 変更経験がある人における、具体的な旅行の変更内容も分析したところ、最も高くなったのは「旅行先に行く時期を変更した」(36.4%)となり、次いで「旅行の行先を変更した」(30.1%)、「旅行の行先はそのままで、訪問予定の観光地などを変更した」(25.8%)が続きました。

図:オーバーツーリズムのニュースや情報を受けて、計画した旅行への行動の変化

 また、旅行会社がオーバーツーリズム対策ができたプランや旅行商品の提案ができていると感じるか調査したところ、「とてもそう感じる」と回答した利用者は3.7%、「比較的そう感じる」と回答した利用者も16.6%にとどまりました。自由記述での改善要望においても、オーバーツーリズムのためビュッフェ等食事の衛生面が気になり残念だった、オーバーツーリズム対策として観光地のオフシーズンなどの情報もほしい、といったオーバーツーリズムを意識したサービスや情報提供を期待する声もみられ、旅行会社としてオーバーツーリズムへの対策をとっていくことの重要性がうかがえる結果となりました。

図:旅行会社のオーバーツーリズムへの対策に対する印象

4. 旅行会社から発信される情報を利用することが、旅行の高揚感の向上につながる

 該当の旅行会社を利用したことで、旅行や移動に対する高揚感が高められたと感じるか調査したところ、肯定的な回答をした人は56.2%(「とてもそう感じる」と回答した人が10.7%、「比較的そう感じる」と回答した人が45.5%)となりました。
 また、旅行会社を利用したことによる高揚感の向上度合い別にNPSも分析したところ、肯定的な評価をした利用者のNPSは13.8ポイントとなり、それ以外の利用者に比較しても高い結果となりました。

左図:旅行会社を利用したことによる高揚感の向上度合い
右図:旅行会社を利用したことでの高揚感への向上度合い別NPS

上図:旅行会社を利用したことによる高揚感の向上度合い
下図:旅行会社を利用したことでの高揚感への向上度合い別NPS

 さらに旅行会社を利用したことでの高揚感への印象別に満足度評価を比較したところ、肯定的な評価をした利用者においては業界全体のロイヤルティ醸成要因にもなっている担当者に関連する項目の満足度評価が高くなりました。特に「担当者の期待を超える提案力」や、「担当者の説明のわかりやすさ」、「担当者による要望に合ったプランの提案」といった項目は全体のロイヤルティ項目の中でも満足度評価の差分が大きくなり、担当者の対応力が旅行の高揚感につながることがうかがえる結果となりました。

図:旅行会社を利用したことでの高揚感の向上度合い別にみた、担当者に関連した満足度評価

5. 推奨度(友人や同僚におすすめできるか)が高いほど、継続利用意向も高くなる

 対象の旅行会社の利用に対し、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.6ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.7ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

お問い合わせ先

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
マーケティング・アナリティクス部

nps-solution@nttcoms.com

https://www.nttcoms.com/service/nps/