NPS®(ネットプロモータースコア)とは?

NPS®とは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、顧客ロイヤルティを測る指標です。NPSは事業の成長率との高い相関があることから、欧米の公開企業では3分の1以上が活用しているとも言われており、日本でも顧客満足度に並ぶ新たな指標として注目を浴びています。

NPS®って何?

NPSの計算方法

NPSを測るには、「あなたはこの企業(製品/サービス/ブランド)を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」という質問を行い、0~10の11段階で評価をしてもらいます。
NPSアンケートではこの非常なシンプルな聞き方でスコアを把握します。

アンケートの回答に応じて、「推奨者」、「中立者」、「批判者」の3つのタイプに顧客を分類します。推奨者は、再購入比率が群を抜いて高く、紹介客の多くがこのタイプの顧客からの紹介です。逆に批判者は、否定的なクチコミにより、新規顧客の購入意欲に水を差し、従業員の意欲をそぐ存在とさえなりえます。

推奨者
9、10と答えた人。この人たちはあなたの会社のサービスを愛用し、いつも周りの人に薦めてくれます。
中立者
7、8と答えた人。この人たちは大方、中立的な立場をとっていて、特に薦めることもなければ悪口を言うこともありません。しかし何かのきっかけで競合に移りやすい人たちです。
批判者
0~6と答えた人。この人たちはあなたの会社のサービスの購入を考えている人たちに対して、ネガティブなクチコミを広げます。そして時として顧客対応社員のやる気をなくさせる人たちです。

NPSスコアの計算方法は非常にシンプルで、推奨者から批判者の割合を引いて出てきた数値がNPSの値となります。

NPSの計算

推奨者が多く、批判者が少ないほどスコアは上がります。あなたの会社の製品やサービスのNPSは、批判者しかいないことを示す-100から、熱烈なファンしかいないことを示す+100のどこかにあてはまってきます。

【NPS(ネットプロモータースコア)入門】第2回 顧客ロイヤルティを測る新指標「NPS」とは?~究極の質問の発見とその本質~

日本のNPSランキング1位企業

そこで、NTTコム オンラインでは、様々な業界を対象にNPS調査を実施しました。
アンケート調査の結果、各業界における業界リーダー(スコアが高い企業)と、そのスコア、業界平均の値を以下にまとめました。

2017年の業界別NPSランキング1位と平均NPS

業界 業界リーダー NPS 業界平均NPS
通販化粧品 ハーバー研究所 -6.3ポイント -19.4ポイント
セキュリティソフト ESET -5.3ポイント -24.2ポイント
不動産情報サイト SUUMO(スーモ) -26.3ポイント -38.5ポイント
トラベル業界 ジャルパック -6.2ポイント -16.8ポイント
証券業界 SBI証券 -22.3ポイント -47.2ポイント
ECサイト ZOZOTOWN -19.0ポイント -38.4ポイント
動画配信サービス Amazonプライム・ビデオ -4.1ポイント -30.7ポイント
銀行業界 住信SBIネット銀行 -26.7ポイント -44.8ポイント
モバイル通信サービス業界 mineo(マイネオ) -14.1ポイント -37.6ポイント
転職エージェント業界 JACリクルートメント -33.0ポイント -41.2ポイント
自動車業界 LEXUS -0.4ポイント -25.4ポイント
自動車保険業界 セゾン自動車火災 -21.7ポイント -39.6ポイント
クレジット業界 楽天カード -18.5ポイント -42.9ポイント
生命保険業界 ソニー生命 -40.8ポイント -52.4ポイント

2016年の業界別NPSランキング1位と平均NPS

業界 業界リーダー NPS 業界平均NPS
生命保険業界 ソニー生命保険株式会社 -38.9ポイント -53.4ポイント
クレジットカード業界 ビューカード -16.0ポイント -42.3ポイント
自動車保険業界 ソニー損害保険株式会社 -26.2ポイント -42.8ポイント
通販化粧品・健康食品業界 オルビス -14.7ポイント -31.3ポイント
百貨店業界 阪急百貨店 -16.1ポイント -32.8ポイント
スマートフォン業界 iPhone -3.1ポイント -42.5ポイント
インターネット・サービス・プロバイダ業界 eo光 -31.4ポイント -53.5ポイント
ECサイト Amazon.co.jp -9.2ポイント -27.9ポイント
シティホテル ザ・リッツ・カールトン 12.2ポイント -8.6ポイント
トラベル業界 阪急交通社 -7.8ポイント -18.9ポイント
航空業界 ANA -9.1ポイント -20.0ポイント

このNPS調査では各製品やサービスにおけるスコアだけではなく、推奨者が売上に関連する数値にもたらす影響についても言及されています。
推奨度が高い人ほどサービスの継続意向も高い傾向にあったり、また、年間の購入回数、購入金額が高い傾向も確認できます。

本調査は、2017年も継続して実施しており、NPS調査の結果は、各社の業務改善やサービス改善の成果を相対的・数値的に把握できるものになっています。自社が業界内でどのポジションにいるのか、競合他社と比較してどのように顧客に認識されているのか、理解するにはよい材料となります。

NPSベンチマーク調査結果

NPS導入企業と活用事例

NPSは、顧客ロイヤルティを上げ、売上向上につながるパワフルな指標ですが、一度調査しスコアを得るだけでは現状把握にとどまってしまいます。NPSの向上に向けて、推奨者になってくれている要因を把握しさらに強化する。批判者が出ている原因を把握し、なくなるように改善活動を行う。「クローズドループ」といわれるこの活動を繰り返し行っていくことが事業の成長につながります。

【NPS(ネットプロモータースコア)入門】第4回 指標としてのNPSからマネジメントシステムとしてのNPSへ~クローズドループとは?~

効率的にこのクローズドループを回すために、NPSに特化したツールやシステム、アンケートサービス等を活用する企業も増えてきています。
調査票を簡単に作成できたり、アンケートテンプレートがあるようなNPS調査特化型のツールもあれば、調査結果の分析まで自動に行え、改善アクションに直結するツールも存在します。

  • ヤマハ発動機
    世界8カ国でNPS調査を実施。世界中の拠点と共にお客さまの心を躍らせる、感動させる企業を目指す
  • NTTコミュニケーションズ株式会社
    より多くの「推奨者」獲得に向けてVOC調査を変革
    お客様の声を生かす取り組みを全社的に推進

自社の顧客に長い間愛し続けていただける企業・サービス・ブランドであるために、顧客体験の最適化が、他社との差別化のためには重要なポイントとなってきており、各社が非常に顧客とのコミュニケーションについて力を入れて取り組まれていることがわかります。

NPS活用事例

NPSと顧客満足度の違い

NPSと事業の成長率には高い相関関係があることを証明する多くの調査が出ています。NPS考案者の一人であるベイン・アンド・カンパニーでは、おおよその業界においてNPSでトップを走る企業は、競合他社の2倍の成長率を上げているという調査結果を発表しています。

NPSと事業成長との高い相関関係

また、NPSは顧客満足度と並ぶ指標としてよく話にあがりますが、顧客満足度と大きく異なる点がこの「業績との相関性」にあります。
顧客満足度は、言葉の通り顧客の"満足"度合いを示す指標です。そして、この"満足"の包含する範囲は非常に幅広く"あいまい"な言葉でもあります。 そのため、たとえ「満足」という評価を下した顧客であっても、必ずしもリピート購入や購入単価の向上といった形で業績向上に貢献してくれるとは限りません。 つまり、単に顧客満足度の向上を目指すことで、業績向上を実現するのは困難と言えるのです。
業績向上を図るには、顧客満足度に代わる新たな指標が求められます。そのような指標がNPS(ネットプロモータースコア)といえるのです。

満足度は高いのに、業績は向上しない…顧客満足度調査の抱える課題とは?

NPS®(ネットプロモータースコア)完全ガイド

NPS®(ネットプロモータースコア)完全ガイド

本ハンドブックでは、NPS をこれから学んでいきたい、ビジネスに活かしていきたいというすべての方に向けて、NPSに関する基礎知識や、NPS利用に関するベストプラクティス、具体的なビジネスにおける導入事例などをご紹介していきます。

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。