データへのアクセス、分析、活用が簡単になったことで、より質の高い分析に時間をさけるようになりました。データの力によって製品グループや顧客戦略をより体系的に検証し、構築することができるようになりました。
シニアITマネージャー
Han van Bijnen
予測精度の向上により、キャンペーン、売上、在庫が最適化
Cloetta社のデータは主にエンタープライズ・データウェアハウス(以下EDW)に格納されていました。事業判断に必要なレポーティングのために新しいデータが必要な場合、EDW経由でデータを取得していたのですが、それには長い時間がかかりました。
EDWには大量のローカルデータと外部データが収集されてきますが、それらはバラバラであり、構造化もされていませんでした。そのためビジネスチームは手動でレポートを作成せざるを得ませんでした。大量のデータを取り扱うと、生産性が悪く、長い時間がかかり、誤りも発生し、時にはレポートを作成できないことすらありました。少しでも早くビジネスでの課題解決をしたくても必要とするデータが、必要とするタイミングで入手できないという課題がありました。
Cloetta社は、ローカル、グローバル、内部、外部データを、できるだけリアルタイムに捉え、事業状況を包括的かつスピーディにレポーティングしていくための、より良いソリューション検討を始めました。検討に当たり、社内のデータ利用組織の一部からコストパフォーマンスも重要という要望も出ていました。
Cloetta社は、TIBCOに、自分たちが抱えているデータ活用に関しての課題を解決するための技術アドバイスを求めました。現状のシステムと自分たちが必要とするデ-タ活用プラットフォームとの差はどのようなものか、その差を埋めるためにデータ仮想化技術はどのように役立つか、についての検討が開始されました。結果は、既存のEDWにデータ仮想化技術を追加導入し、既存のEDWに加え、データ仮想化プラットフォームからのデータアクセスも可能となるようにシステムを強化する必要があるという判断となりました。
「データ活用に、2つの方法を取ることにしました。従来型データウェアハウスである既存のEDWを利用する方法と、バイモーダルIT(※)とも言われるデータ仮想化を利用する方法です。二つを比較し例えると、EDWはマラソンランナー、データ仮想化はスプリンターというくらいの差がありますがね。」とシニアITマネージャのHan van Bijnen氏は述べています。
ソリューションの選定プロセスでは、使用開始から5年間で見込まれる総コストに対して、機能、パフォーマンス、またベンダーのサポート力やコンサルティング力をスコア化し評価しました。TIBCO® Data Virtualizationは、その中で最高スコアを獲得しました。また多くのお客様からの高評価を得ていたことも採用の決め手になりました。
※バイモーダルIT:IT調査会社のガートナーが2015年に提唱した考え方で、コスト削減や効率化を重視するSystem of Record(SoR)向けの「モード1」と、柔軟性や俊敏性が求められるSystem of Engagement(SoE)向けの「モード2」という“2つの流儀”を使い分ける手法
TIBCO® Data Virtualizationサーバーを、既存のBIソリューションの新しいレイヤーとして追加することにより、ローカルデータと外部データが迅速に処理できるようになりました。TIBCO® Data Virtualizationを介する新しいデータと、既存のEDWのデータは徐々に統合されています。将来的にはColleta社のデータウエアハウスを、論理的データウエアハウスであるTIBCO® Data Virtualizationに収束させていくつもりです。
「TIBCO Data Virtualizationのお陰で、これまでは不可能とも思われていたBIソリューションを実現することができ、社内のデータ活用者に喜んでもらうことができました。これでBI戦略を積極的に押し進めることができます。また今後は、その戦略の一環として、従来型データウェアハウスであるEDW(データウェアハウス)から論理的データウェアハウスであるTIBCO Data Virtualizationへの収束を進めます」 と、ソリューションアーキテクトのSofie Hönen氏は述べています。
TIBCO® Data Virtualizationによって、サプライチェーン全体の動きがより正確に把握できるようになり、売上予測精度が上がりました。また、キャンペーンや、店頭販売、在庫レベルをより最適化できるようにもなりました。CRMデータや、倉庫ー店舗間データ、在庫データ、POSデータなどからも新たな気づきが得られています。TIBCO® Data Virtualizationによって、より多くの人がデータを活用するようになり、その結果、データに基づく事業管理や、戦術的判断が浸透してきました。
「システム改変後は、TIBCO® Data Virtualizationから新しいデータを取り込み、EDWに蓄積されている既存データと組み合わせることができます。このデータの組み合わせはビジネスにとって強力な武器です。」Hönen氏は述べています。
Cloetta社では、経営判断に際し、一つの事象に対して、一つの事実、一つの数字を皆が共有できる環境を目指しています。仮説で議論するのではなく、事実ベース、同じ数字を見ることで、議論の質が向上し、業務執行もはかどります。データ活用を全てのプロセスに組み込んでいるため、計画からのずれを迅速にレポートし、必要に応じた軌道修正がスピーディにできます。TIBCO® Data Virtualizationの導入によって、的確なデータが、必要な時に入手できることで、これまでのように、場当たり的なデータ収集とそれに関わる調整に時間をかけるのではなく、事業を支える”分析”に力を注ぐことができるようになりました。
「データ活用により、効果的なレポーティングが可能になりました。計画からのずれを迅速に発見し、必要に応じた修正とプロアクティブな行動をとることができるようになりました」とvan Bijnen氏は振り返ります。
Cloetta社はTIBCO® Data Virtualizationを導入することで、時間とコストを削減することができました。より的確なレポートをより早く出すことができるようになったお陰で、サプライ・チェーンへの理解が深まり、予測精度が向上し、キャンペーン、店頭販売、在庫などの管理の質が向上しました。Cloetta社にとってこれ以上のものはないと言えるほどの改善が実現しました。
Cloetta社は既存のEDWを、論理的なデータウエアハウスであるTIBCO® Data Virtualizationに収束させようとしています。TIBCO® Data Virtualizationでは、社内のどの部門のデータであっても、ワンプラットフォーム上からデータにアクセスすることが可能です。また、ビジネスユーザー自身によるセルフサービスでデータ活用ができるので、IT担当者が社内からのデータ活用問い合わせに逐一対応していく必要がなくなってくるからです。