2020/07/20
アプリマーケティング
昨今では多くの企業において、大手ECサイト(Yahoo!ショッピングや楽天市場)に出店するだけでなく、自社でECをもつことが増えてきました。自社でECを運営することは一般的となりつつあります。
またECサイトに対応していないことに、危機感を抱く企業は決して少なくありません。度重なる外出自粛によって、実店舗よりもECを利用する人が増加傾向にあるためです。そのため、顧客に商品の購入を促すには、実店舗しかない企業もECの導入を検討する必要があるでしょう。
そこで、ここではECサイトとアプリの機能を組み合わせて、売上を最大化する方法を紹介していきます。
新型コロナウイルスの影響により、日本の大部分の地域では、長期にわたって外出自粛を余儀なくされました。その結果、人々の買い物の動向にも非常に大きな変化が訪れています。実店舗の利用回数が減っている一方で、ECの利用頻度が高くなっているのです。
実店舗の利用が減ったことにより、実店舗しか経営していない企業は深刻な打撃を受けています。これからの時代は、実店舗だけでなく、ECサイトの運営にも力を入れていくことが大切だといえます。
そもそも、ECサイトが注目され始めたのは、新型コロナウイルスの影響が出るよりもっと前のことです。日本では早く正確に届けてくれる宅配便サービスが充実しているので、ECは人々の間に瞬く間に広がっていきました。実店舗の利用客が、ECに取られる事態が相次いで発生したのです。
そのため、ECに対抗するべく、質の高いサービスを提供する方向に展開していく実店舗が増えました。しかし、一部の企業は実店舗のみの経営に危機感を持ち、実店舗があることを生かしたオムニチャネル戦略へと既に目を向けていたのです。
今回の新型コロナウイルスで実店舗の買い控えが発生した際も、ECサイトを運用しオムニチャネルを確立させていた企業は影響をある程度抑えることができているようです。外出自粛によってECを利用する顧客が増えたので、実店舗の売上が減った分をECの売上で賄うことができているからです。
時代の変わり目で新しいことに取り組むとき、失敗を恐れるあまり、中途半端な戦略を立て失敗に終わる企業は少なくありません。長い目で見たときに失敗しないためにも、労力と費用を惜しまずに、企業が一丸となってECサイトの運営に取り組む必要があります。
ECサイトを運営する際にスマホアプリの提供をあわせて対応する企業は増えています。これからの時代は、ECと実店舗を分けて考えるのではなく、互いの利便性を生かして相乗効果を狙うことが大切です。
実店舗に来た顧客に対し、アプリを紹介してダウンロードを促します。定期的にアプリのプッシュ通知機能を通してクーポンや広告、最新の情報、ECおよび店舗限定のキャンペーン内容を配信し、ECと実店舗の接点を上手く作れるようになれば、実店舗にもECにも販売機会が訪れます。
販売機会を増やすためにも、企業は今まで以上にこれらを活用してユーザーを深く理解し、売上を伸ばすことを検討しなければならないでしょう。
ECが増えたことで、日本のどこにいても生活に必要なたいていの物は手に入るようになりました。そのため買い物は、一つのチャネルだけでは成立しない時代に突入してきています。ここからはECの増加による、顧客の買い物動向の変化について詳しく解説していきます。
顧客は、より便利でお得なほうを探して購入する傾向があります。そのため、実店舗で商品を購入してみて使い心地が良かったら、2回目以降の購入は安さを重視してECで買うという人も多くみられます。このとき、ECと実店舗の接点を上手く作れていないと、自社ECサイトでの販売機会を逃してしまうことになるでしょう。
顧客はECと実店舗を分けて考えておらず、自分の目的や用途に応じて購入する場所を変えています。ECサイトは24時間買い物ができて利用時間に制限がないため、単身世帯や共働き世帯の増加に伴い、ライフスタイルに合わせた販売の仕方に需要が高まってきているのです。
一方で、ECで商品を購入し、店舗で受け取れるような仕組みをつくれば、会社帰りや外出ついでに立ち寄ってくれる人が増えます。直ぐに使いたいものや、少額な買い物の場合は送料が発生してしまうことから、尚更店舗受け取りのほうが顧客にとっては都合が良いといえるでしょう。顧客に店舗で受け取ってもらえれば、実店舗が抱える商品を効率良くさばくことができるようになります。
このように、顧客の希望に合わせて買い物の入り口を広くすれば、ECと実店舗の双方の利用客を増やしていけるでしょう。
自社ECと大手通信サイトには認知度の違いがあります。認知度の高い大手通販サイトのほうが、自然検索による流入が圧倒的に多いといえます。大手通販サイトは独自のクーポンやキャンペーンを実施しているのに加えて、色々な企業が出店しているので豊富に商品が揃っているという強みがあるからです。そのため、自社サイトを作っても最初のうちは自然検索による流入が少ないので、売上はあまり期待できないでしょう。
とはいえ、大手通販サイトでは、競合も自社も顧客の一連の体験が全て同じになってしまいます。自社らしさを演出し、顧客の満足を高めるためには自社ECサイトの運用が欠かせません。自社ECが大手通販サイトに勝つには、利用者にとって便利でお得なサービスを目指すことが大切です。
第一歩として、ポイントカードやオンラインショップとスマホアプリの連携に着手するのも良いでしょう。自社内でアプリ開発のノウハウがない場合は自社でアプリの設計開発に取り組むことはあまりおすすめできません。複雑な開発や大規模システムの運用にあたり専門知識が必須となるからです。経験豊富な開発会社に頼んで提供を目指すことを検討しましょう。
自社のECや店舗に集客をするためには、お客さまに合わせたアプローチと、リピーターを育成する施策を講じる必要があります。ここからは、今企業が取り組むべきことを紹介していきます。
販売形態に限らず、ターゲティング設定ではユーザーのライフスタイルまで考慮する必要があります。商品に関連する興味や関心だけでなく、ユーザーの生活にまで視野を広げることで、ターゲティングの精度を高められます。
たとえば、自社の商品を購入する人は、ファッションや旅行にも興味を持っているなど、ユーザーの興味や関心がどこまで及ぶのか繋がりを考えていくのです。潜在需要を掘り起こすことで、広範囲なユーザーにアプローチできるでしょう。
ECのお客さまに合わせたアプローチの手法としては、ホットカスタマーターゲティング、オーディエンスターゲティングが挙げられます。他にも、ライフスタイルターゲティング、リターゲティングといった手法もあります。
ホットカスタマーターゲティングは、今まさに商品を購入しようとしている層へのアプローチです。特定の商品を何度も閲覧している層なので、購入の後押しすることができるでしょう。
オーディエンスターゲティングでは、自社ECサイトに訪問したことがある、またはメルマガ会員登録をしているユーザーに対してアプローチをかけられます。既に自社に対して興味を持ってくれている層のため、商品の魅力を訴求すれば売れる可能性があります。
ライフスタイルターゲティングは、閲覧履歴や購買履歴からユーザーの興味や関心がありそうなジャンルでアプローチをする方法です。購入を検討していなくてもおすすめ商品の一覧に載っていれば、商品の購入を検討してくれるかもしれません。
最後にリターゲティングですが、自社ECや商品詳細ページを閲覧したことがあるユーザーへのアプローチとなります。自社ECの存在を忘れていたユーザーに対し、再度利用を促すことができます。上記のように、ECの購買データを組み合わせれば、お客に合わせたアプローチをすることが可能です。
顧客に再度来店してもらうためには、実店舗もECも独自の施策を実施する必要があります。
たとえば、アプリを使えば、既存顧客向けにコンテンツ配信が行えます。商品の動画広告を打ったり、クーポンやチラシ広告の配信をしたりすることで、一定の集客効果が見込めるでしょう。メルマガで訴求するよりも見てもらえるため、ブランド認知度を向上させるのに役立ちます。
また、リピーターを育成するには、定期購入も有効です。日用品・ペット用品・嗜好品といった繰り返し顧客が好んで買っているものは、買い忘れを防ぐために定期購入したいと考えている人も多いのです。
実店舗や自社ECとの接点を増やせれば、顧客の次回利用を促すことに成功する可能性が高まります。
上述したように、オンライン上の売上拡大にはECを導入することが必要ですし、店舗集客においてはアプリを導入して店舗での行動(オフライン時の行動)を可視化することで、売上額を増やす効果が期待できます。ここではアプリを導入するメリットと、アプリを使ったターゲティングについて説明していきます。
アプリを導入するメリットは、ECだけでは実現できない、プッシュ通知や来店検知ができるところにあります。アプリを利用しているユーザーに対し、リアルタイムで企業の情報を伝えることができるのです。
たとえば、アプリ会員の登録情報にあるお気に入り店舗情報を活用して店舗独自のキャンペーン告知を効果的に打てます。プッシュ通知でお知らせを配信した際に、アプリの通知許可設定をONにしてもらえれば、ホーム画面に赤い通知アイコンが表示されます。
ユーザーが店舗に近づいたタイミングで通知が来れば、近くに寄ったついでに買い物をしてくれる可能性が高まるでしょう。アプリを使った広告なら、メルマガよりも開封率が高いため、集客効果がアップします。
また、来店検知によってポイントを溜められるようにすれば、アプリ会員と一般客の差別化が図れます。アプリをダウンロードしたほうがお得になるため、ユーザー自ら率先してアプリを登録してくれるようになるのです。
さらに、店舗とECの在庫をアプリに表示させられれば、顧客はリアルタイムで在庫の確認ができるようになります。アプリで購入や決済を済ませ、店舗で商品を受け取れるようになるので、顧客が実店舗に訪れる機会を増やすことができます。顧客が実店舗によってくれるとついで買いが増えるので、ECだけでなく実店舗の売上も増やせるでしょう。
アプリを使うときにユーザーの情報を登録してもらえば、ユーザーの年齢や住んでいる地域、利用頻度の高い店舗の情報を得ることができます。これらの情報を活用すれば、企業が呼び込みたい客層にアプローチをかけられるのです。
アプローチしたい層にだけ利用制限付きの割引率が高いクーポンを配信すれば、購入予定のなかった商品まで追加で購入してもらえる可能性に期待できます。また、アプリを使って商品を購入した履歴を、逐一チェックできる管理体制を整えることで、ECサイトの運用にも役立てられます。
オンライン上の利用者と、オフライン上の利用者をあえて分けて考える必要はありません。オンライン上の利用者がオフラインを利用してくれることもあれば、オフライン上の利用者がオンラインを使うケースがあるためです。ここからは、オンライン上の利用者とオフライン上の利用者を、統合して考えたほうが良い理由について解説していきます。
今まで実店舗を経営してきた企業には、これまでの顧客の購買データが蓄積されています。どのような年代の客に、どの商品がどれくらい売れたかといったデータがPOSシステムに記録されているのです。
ただ、従来のPOSシステムだと、店員の匙加減で顧客の年代が分別されてしまうので、正確さに欠けるというデメリットがありました。
その正確さに欠ける分を補填できるのが、ECの購買データです。実店舗に加えてECの購買データも取れれば、より精度の高いデータを保有することができます。実店舗で売れる商品だけでなく、ECで閲覧される商品や購入される商品のデータも取れるようになります。
特に、実店舗と自宅のどちらでも商品を受け取れるようにする場合は、実店舗とEC専用の倉庫の仕入れ量を決める参考となるので大いに役立つでしょう。
ECと実店舗のデータを統合すれば、合計お買い上げ金額ごとの会員ランクの設定が楽にできるようになります。また、ECも実店舗も同等のサービスを受けられるようにすることで、顧客がどちらのサービスも利用しやすくなるというメリットがあるのです。
ECの買い物をする場合はログイン情報でポイントを付け、実店舗のときはアプリでバーコードを表示させてポイントを付与できるようにします。そうすれば、ECでも実店舗でも溜めたポイントを使えるため、ECと実店舗の利用客を同時に増やすことができるでしょう。
ただし、顧客によって使っているスマートフォンは異なるため、Android OSとiOSのどちらにも対応しているアプリを開発する必要があります。さらにGoogle Play 、App Storeへのアプリ申請および審査は慣れないと手こずることがあります。アプリを開発してくれる企業に審査まで代行してもらうことがおすすめです。
ECと実店舗の利用者の統合により、顧客に合わせたクーポンの配信が可能になります。ECや実店舗でメルマガ会員登録をしてくれたユーザーや、アプリをダウンロードしてくれたユーザーに対して、アプローチをかけることができるのです。
また、ECと実店舗の購買データがあれば、決済履歴や閲覧履歴など、これまでの顧客の購買行動の特徴からおすすめのクーポンを配信できるようになるでしょう。その際に、実店舗だけで利用できるクーポンを配信することで、実店舗の利用も促せるようになります。
実店舗だけしか経営していない企業は、今まさにECやアプリに取り組むことが求められています。ECサイトを経営していれば、今回の新型コロナウイルスのような状況に陥ったときに、一定の売上を確保できるでしょう。ECとスマホアプリの連携を検討しているなら、NTTコム オンラインにご相談ください。
NTTコム オンラインでは、ECとアプリのシステムを連携させるための相談を承っております。オンラインとオフラインを区別して考えないことで、顧客の購買行動の幅を広げることができます。また、ECとアプリを運営すれば、より精度の高い購買データが取れるようになるでしょう。取ったデータを分析すれば、店舗やECの改善に役立てられます。
何よりも、ECとiOSまたはAndroidのアプリを連携させることで、企業は顧客との接点を増やせるというメリットがあります。実は、実店舗の利用を顧客に促すには、顧客との接点を増やすことが一番大切です。ECで購入したものを実店舗で受け取れるようにしたり、アプリを使って実店舗に誘導したりと、企業側が仕掛ける必要があります。多様なニーズに合わせた経営戦略を、進めていくことが求められているのです。
NTTコム オンラインでは、ECとアプリの連携だけでなく、顧客管理システムも提供しています。導入実績300社以上の「モバイルウェブ」なら、高品質なデータベースで顧客情報を管理することができます。実店舗・ECサイト・アプリの膨大なデータ量の管理に困ったときは、大規模なデータを取り扱える「モバイルウェブ」を活用するのも一つの手です。
また、「モバイルウェブ」の機能を活用すれば、複数のチャネルで顧客とコンタクトが取れるようになります。アプリプッシュ通知・メールマガジン・SMS・はがきなどで、顧客と密にコミュニケーションを図れるようになるでしょう。
もしも、SNSや自社のWEBサイトで広告を打っても効果が実感できないと感じているなら、利用者に合わせた連絡手段を選べる「モバイルウェブ」の活用をおすすめします。
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