2020/10/09

領収書の電子化

領収書 印紙は5万円以上で必要!電子化で印紙代を削減!

領収書に印紙を貼っている場面を見かけた経験がある人もいるのではないでしょうか。紙の領収書の場合、金額によっては印紙を貼らなくてはなりません。ちなみに、領収書の発行は紙だけではなく、Webでも可能です。どちらで発行するかによって、課税になるか・不課税になるかも分かれます。この記事では、収入印紙の詳細や電子化することのメリットなどについて紹介します。

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収入印紙とは?

収入印紙は納税するための証票

収入印紙は、国が租税や手数料・収納金などを徴収するために発行している証票です。略して「印紙」と呼ばれることも多いです。歴史的には日本で印紙納税する制度が始まったのは1873年で、数回の法改正後、1967年に現在の印紙税法が施行されています。世界的に見ると1624年にオランダで印紙税法が施行され、イギリスやフランス・ドイツに伝わった後、日本でも導入されるようになったといわれています。

印紙を貼る必要があるものは、たとえば、契約書・申請書・領収書などです。収入印紙は31種類あります。最も小額なのが1円、最も高額なのが10万円です。領収書の金額によって印紙の金額も違うので、必要に応じて組み合わせて使用します。31種類ある中で、頻繁に使用されるのは200円の印紙です。

5万円以上の領収書は収入印紙が必要!

原則として、消費税込みで5万円以上の領収書が発行されたときは印紙を貼らなければなりません。5万~100万円未満であれば、印紙代は200円です。ただし、税込5万円以上でも、消費税が内訳記入してある場合は印紙代の必要ありません。また、金額の記載がない領収書に関しては、必ず200円の印紙が必要です。金額が増えるごとに印紙の金額も増えていきます。印紙の最高額は20万円で、10億円以上の領収書を発行する場合です。

収入印紙を貼らないと脱税になってしまうので注意しよう

「印紙を領収書に貼る=納税」です。そのため、必要があるのに印紙を貼り忘れた場合、脱税したことになります。印紙税法違反をしたときには、「過怠税+元々の印紙代金」を払わなければなりません。過怠税は、本来貼る必要があった印紙代の2倍の金額です。たとえば、2000円の印紙を貼り忘れたときは「過怠税4000円+2000円」で6000円となり、3倍の印紙税を支払わなければならないのです。

資本金50億円以上の企業は国税局から印紙税の税務調査が入ります。それ以外の企業でも必要と判断されれば国税局の調査対象になるケースもあります。資本金50億円以下の企業や協同組合など法人・個人に関しては税務署の調査対象です。調査期間は1~2日間で、あらかじめ調査日の調整をしますが、ほとんどの場合、調査予定日の2週間ほど前に打診があります。調査では「会社概要や決算書・総勘定元帳・社内規程などの確認」「課税文書の調査」「担当者にヒアリング」が主に行われます。当日は調査官が対象企業を訪れて調査するので、会議室や来客用など作業するための部屋を用意しておかなければなりません。

電子取引(電子領収書)は非課税

電子取引(電子領収書)は紙で発行されていないので「文書」ではないと判断され、非課税扱いとなります。領収書ファイルやメール・ファックスなどで領収書を送った場合などは印紙が不要です。電子領収書をプリントアウトした場合も、そこに印鑑を押印しない限りは非課税扱いです。しかし、領収書を電子化する場合、取引先に納得してもらわなければなりません。特に、取引先がまだ電子化の対応をしていなかった場合、今後導入するか検討しなければならないからです。電子領収書ではなく、紙で発行してほしいと望まれる場合もあります。自社の領収書を発行している担当者達にもあらかじめ伝え、きちんと納得してもらうための時間も必要です。それまでの手作業による領収書発行とは違い、新たに覚えなくてはならない作業もあるので、最初の頃は慣れない部分もあるかもしれません。また、電子領収書になった後も、税理士などが確認するまでは原本を保管しておく必要があります。

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収入印紙の貼り付け方法

収入印紙は郵便局・一部のコンビニエンスストア、法務局などで購入可能

印紙は郵便局や法務局、一部のコンビニエンスストアなどで購入できます。印紙代の金額によっては、コンビニエンスストアでは販売していません。また、購入する際は「収入証紙」「登記印紙」など似ているものもあるので間違えないようにしましょう。特に、収入証紙は間違えやすいので要注意です。収入証紙は地方自治体に納付しなければならない租税や手数料の支払い用に発行する証票です。収入印紙は国、収入証紙は地方自治体へ納付するもので、たとえば、「自動車の運転免許証の交付」「県立高校の入試の手数料」などがあります。

高額な印紙はコンビニエンスストアで購入できない場合も多いので、郵便局もしくは法務局で購入します。郵便局には印紙が全種類揃えられているので、営業時間内であれば近くの郵便局へ足を運ぶのが良いでしょう。金券ショップでも印紙は購入可能ですが、消費税がかかります。しかし、郵便局や法務局で購入するより少し安く、仕入税額控除もできるのでまとめて購入するのであればお得です。郵便局や法務局などで購入する場合は、消費税はかかりません。

収入印紙を貼る場所

領収書はあらかじめ印紙を貼る場所が設けられているものと、貼り付ける場所が設けられていないものがあります。貼り付け場所が設けられてない場合は、空いているスペースに貼りつければ問題ありません。複数枚の印紙を貼るときは、横に並べて貼ります。重要なのは、貼った印紙が有効であると判断できることです。

領収書に印紙を貼った際は消印を!

領収書に印紙を貼った際に忘れてはならないのが「消印」をすることです。割印と混同されがちですが、違うものです。割印は契約書などで同じものが複数あるときに同一書類であると証明するためにします。割印は法律的に決められているものではなく、取引上で問題ないと判断されればしなくてもいいケースもあります。

一方、消印は領収書に印紙を貼ったときに必ずしなければならないものです。消印をすることで「この印紙は使用されたものである」と示しているのです。消印されたものは使用済みだとわかるため、再利用できません。消印がない領収書は税金の仮払い状態だと判断され、過怠税がかかります。領収書の印紙に消印をする場合、領収書の紙と印紙にまたがるように押印します。

もし、消印を失敗した場合には位置をずらし、もう1度押印するのが正しいやり方です。重ねて押印し直すと印影がわからなくなるからです。万が一、1度だけではなく、2度失敗した場合は税務署にどうすればいいか確認するのも良いです。「強めに押印」「印鑑マットの使用」「段差がない場所で押印する」など、消印を失敗しないように気をつけましょう。

消印は実印・ゴム印・代表印・会社印・日付印以外にも、氏名・社名の角印や一般的な名字の印鑑、油性ボールペンで書く手書きサインでも可能です。シャチハタ印も消印として使用できます。ただし、シャープペンシルや鉛筆・消えるボールペンで手書きしたもの、斜め線、丸に「印」のみ記載したものは無効です。印鑑・手書きどちらの場合も、領収書と印紙の境目に中央がくるように押印するときれいにおさまります。領収書の金額・宛先・印紙・消印があるかを最終確認するのも大事です。

収入印紙の金額を間違えても交換できる場合がある!

もし、印紙の金額を間違えたときはどうすべきなのでしょうか。領収書の金額によっては印紙代も高額になるため、間違えて購入すると無駄な費用をかけてしまいます。しかし、もし、間違えて購入しても、本来必要だった金額の印紙と交換できるケースもあります。交換できるのは、「未使用のもの」「課税文書以外に貼ったもの」です。課税文書とは、印紙を貼る必要がある書類のことです。手数料はかかりますが、郵便局で求めている印紙と交換できます。

ただし、現金に交換はできません。交換できない印紙は「汚れや破損が目立つもの」「使用した疑いがあるもの」です。印紙を破ってしまった場合、すでに貼ったものか・未使用のものかで交換できない場合があります。貼った後で端などを破ってしまった場合は交換できません。しかし、未使用の印紙であれば破ってしまっても新しいものと交換してもらえます。購入後すぐに交換に行けないときは、保管の仕方に気をつけましょう。

電子領収書なら非課税でコストや手間を減らそう

領収書の電子化でコスト削減!

営業活動をする中で売上を得られるのは大きな喜びとなり、モチベーションを高く保つことにもつながります。しかし、その後、領収書を作成する作業は時間と手間がかかりがちです。そこで、おすすめなのが「領収書の電子化」です。電子領収書は課税対象にならないので、5万円以上でも印紙を貼る必要がありません。つまり、それまでかかっていた印紙代が0円になるのでコスト削減できます。領収書の紙や封筒・切手代などもかからなくなります。

領収書を作成する手間がなくなる

電子化すると印刷や手書きで記入・印紙を貼って封入や発送作業をする必要がなくなります。その分、人的ミスを減らすことも期待できるのがメリットです。また、手作業で領収書に関する書類を探し出す必要がなく、すべて電子上で行えるので作業時間の削減になります。電子化された領収書は日付・宛名・品目などで検索するだけで簡単に時間をかけずに見つけられるので便利です。生産性が向上するため、決算の早期化も期待できます。

領収書関連の書類スペースをほかのことに利用できる

「帳簿書類は7年間保管しなければならない」という国の決まりがあるので、紙の領収書を送っている場合、場合によっては広い保管スペースが必要です。取引先の数が多ければ多いほど、保管すべき書類も増えます。書類保管のために、倉庫を借りている企業もあるほどです。しかし、領収書を電子化すれば保管していたスペースは不要になります。電子化した場合も、7年間保管するのは変わりません。しかし、大容量ディスクを利用できるので、保管のためのコストは紙の領収書のときより削減可能です。

電子領収書の発行方法

領収書の電子化には電子署名システムが役立ちます。暗号化や電子認証技術による強力なセキュリティに守られており、PCとインターネットさえあればできます。契約・請求はもちろん、領収書発行も可能です。領収書が紙で欲しい顧客に対しても、印刷機能を利用すれば簡単に発行できます。作業の効率化と同時に、クラウド化された電子署名システムであればテレワークもできるため、さらに便利です。

電子領収書を発行する際に注意すべきこととは

電子領収書を発行するためには、あらかじめ電子印鑑を用意しなければなりません。紙の領収書で使用していた印鑑は電子領収書には使用できないからです。電子印鑑は電子化されていますが、押印したときの見た目は一般的な印鑑と同じです。電子文書に必要なときすぐに押印できます。電子印鑑の作成はフリーツールでできますが、実際使用している印鑑の押印画像をスキャンし、PCに取り込む方法でも作成可能です。

領収書の電子化は税務署へ申請・承認が必要

「電子化の要件の確認」「税務署や税理士に相談」するのもおすすめです。領収書の電子化をするには、利用開始したい日付より3カ月前までに税務署へ申請して承認を受けなければなりません。提出しなければならない書類については、国税局のホームページの「申請書等様式」から確認できます。電子領収書の場合は「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書」です。スキャナで保存する場合は「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請書」に必要事項を記入して提出します。

電子領収書を取りやめる際や変更する際も税務署に申請します。この場合も国税庁のホームページにある申請書を使用しましょう。取りやめる際は「国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の取りやめの届出」、変更時は「国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の変更の届出」です。

コスト削減につながる領収書の電子化

紙の領収書は確実に料金を受け取った証拠として有効ですが、5万円以上のものは収入印紙代が毎回かかるのがデメリットです。しかも、印紙を貼り忘れたり、消印がなかったりすると脱税になってしまいます。電子領収書であれば非課税なので印紙は不要になり、コスト削減が期待できるのがメリットです。また、作成作業の時間が節約できるので生産性の向上にもつながります。領収書の電子化はあらかじめ税務署に申請しておきましょう。

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