2022/11/11

帳票、書類の電子化

電子化とデジタル化の違いとは?メリットや注意点も解説

近年、新型コロナウイルス感染症を背景としたリモートワークが急増し、ますます電子化・デジタル化の必要性が高まっています。しかし、電子化とデジタル化は似た意味を持つため、両者の違いを理解していないという方も多いのではないでしょうか。

こちらの記事では、電子化・デジタル化の違いについて詳しく解説します。あわせて電子化までのステップや注意点、電子化に成功した企業の事例なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

電子化とは紙媒体を電子データに変換すること

「電子化」とは、紙媒体を電子データへ変換することを指し、「ペーパーレス化」とも呼ばれます。例えば、新幹線やコンサートのチケットをQRコードにしたり、領収書や納品書などをPDF化したりなども電子化の一例です。また、確定申告などの国への申告が紙媒体に加え電子データでの取り扱いも可能になったことで、書類の記入や郵送などの必要がなくなりました。

電子化はメリットが大きいため、今後さらに推進されると考えられます。企業間の取引でも電子化の必要性が高まっているため、今後ますます必要となるでしょう。

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デジタル化とは業務プロセスをデジタルで効率化すること

「デジタル化」とは、電子化を行ったうえで、さらに業務プロセスをデジタルで効率化することです。広義では電子化もデジタル化に含まれます。例えば、これまで対面で行っていた会議をWeb会議に変更した場合、今まで必要とされていた会議室予約の手間や会議室への移動時間などを削減することが可能です。

削減できた時間は別の業務に充てることができるため、生産性や作業効率の向上を図ることができます。また、デジタル化によってコスト削減も見込めるなど、デジタルの恩恵をより享受するには電子化のみならずデジタル化も必須といえます。

電子化とデジタル化の違い

似た意味を持つ電子化とデジタル化ですが、両者には「目的」と「段階」の違いが見られます。ここでは、両者の違いについて解説します。

目的の違い

電子化は紙媒体をデジタルデータに変換して処理すること自体を指し、業務効率化やコスト削減などを目的としています。一方、デジタル化の目的は、電子化したデータを効率的に活用したり、業務改善や効率化につながるデジタルツールを導入したりするところにあります。

例えば、クラウドサービスの導入や帳票関連の管理ツールの導入、物とインターネットをつなげる仕組みであるIoT化などもデジタル化の一つとなり、ときにはビジネスモデル自体に大きな変革を起こすことも。さらに、これまでにないビジネスモデルを生み出し、新たな価値や利益を創出することにもつながります。

電子化は電子化することそのものを目的としているのに対し、デジタル化はその後の業務プロセスを改善するところまで目的としているのが大きな違いです。

段階の違い

電子化とデジタル化の違いを見ていくとき、往々にして語られるのが段階の違いです。まず、電子化はデジタル化を推進する第一歩となります。紙媒体を電子化することで情報を取り扱いやすくなり、活用の幅が広がるのがメリットです。例えば、これまで紙媒体で受信していたFAXも、電子化により情報をFAXからメールへ直接送ることができるようになったなども一例でしょう。

デジタル化はそれよりもさらに一歩進み、電子化やさまざまなデジタルツールを活用しながら業務プロセスを効率化・改善していく段階です。また、デジタル化の先には、さらに大きなビジネスモデルの変革をもたらすDX(デジタルトランスフォーメーション)があります。DXを推進することで、デジタル社会における競争で優位性を確保できることが期待されています。

企業に電子化・デジタル化が求められる理由

昨今、企業に電子化・デジタル化が求められている背景として、新型コロナウイルス感染症拡大によるテレワークの普及や働き方改革の推進、将来の人材不足問題などが考えられます。電子化・デジタル化は、非接触型・非対面型のコミュニケーションに向いているのが特徴です。テレワークが急速に広まるなかでも円滑にコミュニケーションが取れるため、新たな働き方に対応する電子化・デジタル化はいまや必須といえます。

また、少子高齢化による労働人口の減少も要因の一つです。将来的にますます人材の確保が困難になると予想されるため、企業は業務負担の軽減も視野に入れなければなりません。そんななか、業務効率の改善や生産性向上に期待できる電子化・デジタル化のニーズが高まっています。

電子化とテレワークの関連性はこちらをご覧ください。
テレワークは今後も続く!電子化が意味する可能性とは?

電子化・デジタル化のメリット

電子化・デジタル化のメリットとしては、「コストの削減」「業務の効率化」「テレワークの導入」などが挙げられます。ここでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

コストの削減

紙媒体からデジタルに移行すると、印刷コストやプリンターの維持費、キャビネットなどの保管コストを削減できます。A4サイズの白黒プリントは1枚あたり3~5円程度ですが、200名の社員が1日20枚印刷すると、1日あたり12,000~20,000円ほどのコストがかかります。電子化・デジタル化により、これらのコストを節約できるのがメリットです。組織の規模が大きくなればなるほどその効果も大きくなります。

業務の効率化

電子化・デジタル化することにより、業務の効率化が期待できます。電子帳票システムを活用して帳票関連におけるやり取りをスムーズにしたり、必要な書類を探す際の検索性が向上したりなどが一例です。従来の紙媒体の資料を保管場所から探し出し、さらに必要な情報を見つけるのには手間と時間がかかります。それらの時間を削減できれば、ほかの業務に時間を使えるので生産性も向上するでしょう。

また、紙は経年変化で劣化したり変色したりするリスクがあり、担当者が変わることで保管場所がわからなくなるという可能性もあります。特に、帳票関連はケアレスミスを防げるため、リスクヘッジにもなるでしょう。

テレワークの導入

電子化・デジタル化により書類管理がサーバーやクラウド上で行えるため、社外からのデータアクセスやテレワークの導入がしやすくなります。VPN(Virtual Private Network:通信を暗号化し社外から安全にアクセスできる技術)を活用すれば、安全性を確保しつつ社内データにアクセスできるので安心です。

そのほか、クラウドストレージやチャットツールなどを活用することで円滑なコミュニケーションが取れるため、ますますテレワークが導入しやすくなるでしょう。

電子化・デジタル化の注意点

ここでは、電子化・デジタル化の注意点について解説します。

法律に則り電子化を行う

保存が義務付けられている書類に関しては、法律に則り保管しなければなりません。書類の電子化に関する法律には、複数の監査省庁が管轄する「e-文書法」と、国税庁が管轄する「電子帳簿保存法」の2つがあります。

2005年に施行されたe-文書法では、文書保存時に必要とされる要件が定められています。要件は各府省によっても異なりますが、経済産業省の要件は以下の4つ通りです。

  • 見読性(パソコンなどの画面上でデータを正しく閲覧可能であること)
  • 完全性(データが改ざん・消去されていないこと)
  • 機密性(アクセス制限などの措置をとっていること)
  • 検索性(データを検索しすぐに抽出できること)

また、1998年に施行された電子帳簿保存法では、「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つが要件とされています。どちらの法律も対象文書の種類によって要件が変わるので、きちんと確認しておきましょう。

電子帳簿保存法改正に関する情報はこちら
2022年電子帳簿保存法改正!請求書保存のポイントを網羅

業務フローの見直しを行う

電子化・デジタル化を行うと、既存の業務フローが大幅に変化し混乱を引き起こす場合があります。オペレーションの変化に戸惑い、難色を示す社員が出てくる可能性もあります。そのため、電子化・デジタル化の実施にともない、業務フローの見直しも必要になるでしょう。

社員のモチベーション低下の原因にもなるため、導入初期は特にフォローアップしつつ進めなければなりません。電子化・デジタル化の目標や意義を可視化し、社員の理解を得るように努めましょう。

機器障害や情報セキュリティリスクを考慮しておく

電子データの入ったファイルサーバーやHDDは故障や障害のリスクがあります。故障すると復旧まで業務が停止する可能性があるため、頻繁にバックアップを取ったり、交換用のサーバーを準備したりなどの対策が必要です。

また、デジタルデータは改ざんの恐れや情報漏洩の危険性もあります。スキャン時にデータ送付先を間違えたり、データへアクセス制限をかけずに保存したりなどは重要なセキュリティ事故へつながるケースもあるため注意が必要です。日頃からウイルス対策ソフトの導入や情報リテラシーの向上などを検討しておきましょう。

電子化までの4ステップ

デジタル化に取り組むには、まず電子化からスタートしましょう。ここでは、電子化までの流れについて解説します。

ステップ1|現状を把握し目的・目標を決める

電子化を進めるには、まず現状の把握と目的・目標の設置を行う必要があります。仕入れや商品管理、販売、経理など、各プロセスにおいて電子化する書類を洗い出して選別し、優先順位の決定を行うとスムーズです。

すべての書類を電子化するのは負担が大きく、また業務上の規定で紙媒体での保管が必要なものもあります。電子化すべき文書とすべきでない文書を正しく選別することも重要です。コストの削減幅や業務効率化の見込みなども考慮し、どの書類を電子化するかを決定しましょう。

ステップ2|電子データの運用ルールを決める

電子化したデータの保管場所には、自社サーバーやデータセンター、場所を選ばずアクセス可能なオンラインストレージなどさまざまな選択肢があります。また、保管場所を選ぶと同時に、データのファイル名やアクセス権限、廃棄ルールなどを定めておくことも必要です。なお、契約書の保管期間は、法律で「会社法関連は10年」「経理関連は7年」と定められています。

ステップ3|電子化の解像度や形式を決める

電子データは紙同様、見やすくしておくことが必要です。データの解像度やカラーなどは適切に選択しなければならないため、事前に取り決めをルール化しておくことをおすすめします。ただし、必要以上に解像度を高く設定すると、データサイズが大きくなり保存場所を圧迫するため注意が必要です。

また、目的によって適したデータ形式は異なります。主な文書形式にはTIFF・PDF・PDF/A-1など、画像形式にはTIFF・PDF・JPEG・GIF・PNG・EPSなどがあります。「国税関係書類等の電子化文書取扱ガイドライン(案)」では、カラー256階調200dpi以上が推奨されています。

ステップ4|電子化の方法を決めて実行する

電子化を行うには複数の方法があります。以下の表では、電子化の主な方法を3つ紹介します。

コピー機を使用し社内でスキャン
  • ・電子化のスタンダードな方法
  • ・手軽にスキャンとデータ化が実現
  • ・コストを抑えられるのがメリット
セルフスキャンサービスの利用
  • ・社員自らがスキャンを行うため情報漏洩のリスクが少ない
  • ・コピー機や複合機などをオフィスに導入する必要がない
スキャン代行サービスの利用
  • ・書類の量が膨大な場合など、社内リソースでは対応できない場合に助かる
  • ・作業スピードの速さが魅力
  • ・スキャンだけでなく、データ入力の代行やデータの保管まで行ってくれるサービスもある
  • ・コストがかかる点はデメリット
表の続き →

電子化を必要とする文書の量や社内のリソース、かけられる予算などを考慮して自社に適した方法を選択しましょう。

電子化・デジタル化した企業の成功事例を紹介

ここでは、電子化・デジタル化した企業の成功事例を3件紹介します。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社では、グループ会社との経営統合に伴う申請・承認フローをスムーズにすることを目標にワークフローシステムを導入。申請・承認作業の電子化を実現したことで、リモートワークがしやすい環境も整備できました。

システム導入前の課題には、経営統合に伴う社内承認・申請作業の煩雑化や、リモートワークの増加によるペーパーレス化の必要性などがありました。しかし、システム導入後、7カ月で約56,000枚の用紙、約43,000時間の業務時間の削減に成功しています。申請書類はほぼ完全にペーパーレス化となり、コロナ禍におけるリモートワークの実施に早急に対応できた事例です。

三菱UFJファクター株式会社

三菱UFJファクター株式会社は、ワークフローシステムの導入によって申請書類のペーパーレス化を実現しました。導入前に使用していた既存のシステムは使いづらく、システムの利用を社員へ積極的に呼び掛けられるものではなかったといいます。また、社内に紙の文化が残っていたため、社員へ受け入れられるかも懸念事項でした。

ところが、直感的なUIのおかげで新システムは社員にも受け入れられ、これまで1週間ほどかかっていた申請が早ければ翌日には完了するなど、承認までのスピードが格段に上がるといった効果が見られました。

電子化の後にはデジタル化も検討する

紙媒体を電子化するのはあくまで第一段階であり、電子化だけではデジタル化のメリットを最大限に享受することはできません。クラウドサービスの利用やMA(マーケティングオートメーション)ツール、電子帳票システムの導入など、業務のデジタル化もあわせて推進することが重要です。

特に煩雑な帳票管理のデジタル化は、コスト削減や業務効率アップなどに高い効果が期待されています。また、多くの帳票管理システムにはバックアップ機能が付いているため、災害の多い日本ではリスク回避としての役割も大きいでしょう。デジタル化によって業務の属人化解消が期待でき、働き方改革にもつながります。

帳票の効率的なデジタル化はナビエクスプレス

「ナビエクスプレス電子帳票ソリューション」は、効率的なデジタル化を推進するシステムです。これまで紙媒体でやりとりしていた請求書や納品書、領収書などの帳票をWebから簡単に配信できます。デジタル化を実現することで、人件費や発送費、運用保守費などのコストを大幅に削減し、業務の効率化も図れます。情報伝達スピードが向上するため、郵便物の発送・仕分け作業も不要で、リードタイムも大幅に削減できるのがメリットです。

都内の某百貨店では、月2回仕入れ先約2,500社へ請求書を送付していましたが、ナビエクスプレス電子帳票ソリューションを導入することにより、請求書の電子化で約86%、年間690万円のコスト削減に成功しました。デジタル化を実施したいものの、どのように行えばよいかわからないという多くの企業様にご利用いただいています。

電子化・デジタル化で業務効率化を実現しよう

電子化・デジタル化を推進することは、コスト削減や生産性・作業効率の向上などにつながります。第一段階の電子化だけでなく、デジタル化を介して業務プロセスの改善や効率化を図りましょう。デジタル社会における競争で優位に立つためには、電子化・デジタル化はもはや必須といえます。システム導入初期は慣れないワークフローに戸惑う社員が出るかもしれませんが、長期的に見ると多くのメリットを享受できるはずです。

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