2026/10/13

面倒なパレート図作成を簡単に!SpotfireのAction Mod活用事例

製造業の品質管理や不良分析では、パレート図を利用する機会が多くあります。パレート図は、品質管理で用いられる「QC7つ道具」の1つです。項目を発生件数や金額などの大きい順に並べた棒グラフと、その累積比率を示す折れ線グラフを組み合わせた図で、不良原因やトラブル要因の中から優先的に対策すべき項目を把握するために利用されます。そのため、「どの原因から優先的に改善すべきか」を視覚的に把握するのに非常に役立ちます。

Spotfireでパレート図を作成し、活用されている製造業のユーザー様も多いのではないでしょうか。具体的な作成方法については、弊社Webサイトのナレッジベースでも、記事で詳しくご紹介しています。

Spotfireでパレート図を作成する方法

Spotfireでパレート図を一から作成しようとすると、意外と多くの手順が必要になります。しかも、こうした作業を自分だけでなく、組織のさまざまな担当者が同じように繰り返しているとしたらどうでしょうか。担当者ごとに同じグラフを作成し、同じ手順を繰り返しているのであれば、組織全体では少なくない作業時間が費やされていることになります。

こうした「繰り返し発生する定型的な操作」を、もっと簡単にできないでしょうか。

今回は、そんなパレート図の作成を例に、SpotfireのAction Modを使って、繰り返し行う分析操作を簡単にした事例をご紹介します。

Action Modとは?

Action Modは、簡単に言ってしまうと、Spotfire上で行う一連の処理をまとめて実行できる仕組みです。

例えば、パレート図を作成する場合には、次のような操作が必要です。

  • パレート図のベースとなる複合グラフを作成する
  • X軸に、不良原因など分析対象となる列を設定する
  • Y軸に不良の件数などの集計値を設定する
  • 棒グラフを値の大きい順に並べ替える
  • 累積比率を算出するための式を設定する
  • 累積比率を折れ線として複合グラフに追加する
  • 棒グラフと累積比率の折れ線が見やすくなるよう、軸や表示形式を調整する

Action Modでは、こうした複数の処理を、1つのアクションとしてまとめることができます。Action Modの作成にはTypeScriptなどを用いた開発が必要になりますが、作成したものは.modという拡張子をもつ単一のファイルとして、管理・共有することができます。

あらかじめAction Modを用意しておけば、ユーザーは個々の操作方法や細かな設定手順を覚える必要はありません。必要なパラメータを指定するだけで、あらかじめ定義された一連の処理をまとめて実行できます。

また、作成したAction Modを組織内で共有することで、同じ処理を繰り返し利用できます。担当者ごとに異なる手順で分析を行うのではなく、共通のAction Modを利用することで、作業の「効率化」に加えて、分析手順や設定内容の「標準化」にもつなげることができます。

パレート図を一瞬で作成するAction Modを作ってみた

今回の例では、パレート図を作成するためのAction Modを用意しました。

通常であれば、先ほどご紹介したように、複合グラフを作成し、軸を設定し、並べ替えや累積比率の計算を行うなど、複数の操作が必要です。これら一連の操作をAction Modとしてまとめておけば、必要なパラメータを指定し、実行するだけで、パレート図の作成に必要な一連の処理をまとめて実行できるようになります。

実行は簡単です。あらかじめ読み込んだ「Create Pareto Chart」というAction Modを起動します。そして、対象データや集計方法などのパラメータを指定し、「実行」するだけです。下の例では、パレート図と、クロステーブルを新しいページ上に作成するところまで自動的に実行されていることが確認できます。

このように、これまで手作業で行っていた複数の分析操作をAction Modとしてまとめることで、日常的な分析作業をより簡単にすることができます。

「作れる」から「すぐ使える」へ

Spotfireは自由度の高い分析ツールです。IronPythonなどの拡張機能を利用して、Spotfire上の煩雑な操作をスクリプトで自動化されている方も多いのではないでしょうか。こうした汎用的に利用できる自動化処理は、Action Modとしてモジュール化し、組織内で共有・配布しましょう。

その結果、「ユーザー自身が作り方を理解して分析する」だけでなく、「必要なアクションを実行すれば分析できる」という、手順があらかじめ組み込まれた使い方が可能になります。分析結果の確認や考察に、より多くの時間を使うことができます。

また、分析作業の効率化だけでなく、分析方法や分析手順の標準化にも活用できます。特に、多くの担当者が同じ分析を繰り返し行う必要がある業務では、こうした使い方が有効です。

まとめ

今回は、パレート図の作成を例に、SpotfireのAction Modをご紹介しました。Spotfireを利用していて、「できるけれど、毎回作るのはちょっと面倒」と感じる分析操作があれば、Action Modを活用することで、より簡単で使いやすい分析環境を作ることができます。

今回ご紹介したパレート図のAction Modは、弊社よりご提供していますので、ぜひお問合せください。

また、

  • Spotfire上で繰り返し実行している操作がある
  • 多くのユーザーが同じ操作を繰り返している処理がある
  • IronPythonなどでdxpファイルに紐づいた自動化処理を、独立したファイルとして配布・再利用できるようにしたい

といったご要望がございましたら、Action Modのカスタム開発によるご支援も可能です。また、Action Modの開発トレーニングも承っていますので、ぜひご相談ください。また、自社で開発できるエンジニアがいる企業様向けに、「Action Mod開発入門」の記事を公開しています。ぜひ参考にして開発にチャレンジしてみてください。

Action Mod開発入門の記事はこちら

執筆者

NTTドコモビジネスX株式会社
データサイエンティスト
石田 佳之

大学院で統計を学んだ後、NTTコミュニケーションズ(現・NTTドコモビジネス)に入社。ソーシャルメディアを用いた大手旅行会社や通信会社の評判分析や、訪日外国人の動向分析に従事後、大規模データ分散処理基盤の構築・開発、機械学習プロジェクトにリーダーとして参画。
現在は、TIBCOのアナリティクス製品の活用支援に加え、統計解析や機械学習を活用した分析案件を主導。

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