2024/08/27

請求書の電子化

建設業界の電子化(ペーパーレス化)はどう進める?メリットや具体的な手順を解説

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建設業界では紙の書類を扱うことが多く、他の業界に比べて電子化(ペーパーレス化)が遅れているという現状がみられます。しかし、電子化にはコスト削減や業務効率化の実現といったメリットが多く、電子化に注目している企業のご担当社様も多いのではないでしょうか。

本記事では電子化の概要や電子化が求められている理由、具体的な実践方法、成功させるためのポイントなどを解説します。あわせて建設業界の電子化の成功事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の内容
  • 電子化(ペーパーレス化)には業務効率化、コスト削減、検索性向上、セキュリティ強化などのメリットがある
  • 電子化を進めるためには適切なITツール・システムを選ぶことが重要
  • 電子化は段階的に進め、継続的な評価・改善を行うことで成果を得やすくなる
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建設業界における書類の電子化(ペーパーレス化)とは

「電子化(ペーパーレス化)」とは、これまで紙で保存していた書類を電子データに置き換えることを指します。電子化のメリットは、業務効率化の実現や書類の保管費用・印刷コストの削減、滅失・紛失のリスク回避、検索性向上などです。

建設業界においては、図面や契約書、帳票類などの紙書類をデジタル化し、クラウドやデジタルツールで管理・共有することを指します。

電子化(ペーパーレス化)推進の流れ

電子化(ペーパーレス化)は国によっても推奨されています。2001年には建設業法が改正され、建設工事を受注する際に発注者と元請の間で取り交わす「工事請負契約書」の電子化が可能になりました。取引先の承諾を得ることにより、それまで義務とされていた書類の書面化を電子契約で締結できるようになったのです。工事請負契約書をオンラインにアップロードし送付先にメールで通知し、送付先が内容を確認後に合意すれば、工事請負契約書のPDFが届くという仕組みです。

また、2005年には「電子文書法」が施行され、書類を電子データで保存することが可能になりました。ただし、電子化するためには「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」などの要件を満たす必要があります。

さらに2020年には、国税関連の帳簿・書類を電子データで保存する際の取り扱いを定めた「電子帳簿保存法」が改正され、税務署長の事前承認制度廃止、過少申告加算税の軽減措置といったペーパーレス化の規制が緩和されました。

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建設業界で書類の電子化(ペーパーレス化)が求められている理由

続いて、建設業界で電子化が求められている理由を見ていきましょう。

ピラミッド構造のため書類のやり取りが多い

建設業界での工事発注は「ピラミッド構造(多重下請構造)」と呼ばれ、大型建設会社が関係会社に仕事を依頼し、さらに関係会社が下請け会社へ仕事を回すなど、仕事が細分化していくのが特徴です。元請けから仕事を依頼される関係会社を一次下請け、一次下請けから仕事を依頼される事業者を二次下請けと呼びます。

ピラミッド構造により、元請け会社が工事全般の監督・管理を行い、下請け会社が専門技術を要する労力を担うことで、効率的に工事を行うことができるのです。相互間で契約や見積もり・請求といったステップが多く発生するため、書類のやり取りも必然的に多くなります。

紙の資料が多い

建設業界では膨大な図面や工程管理表、作業指示書など、紙の資料が多いのも特徴です。工事数が増えるほど移動の際に持ち運ばなければならない資料が増えるので、負担が大きくなる可能性があります。

また、2023年に建設業従事者を対象に実施された調査によると、バックオフィス業務に関しても6割以上の企業が手作業で請求書を転記しているという結果が見られました。営業担当の3割が1日3時間以上を書類のやり取りのために移動していると回答するなど、建設業界で紙文化が根強く残っていることがわかります。

電子化(ペーパーレス化)によってパソコンやタブレットから資料を確認できれば、移動やデータの管理も楽になることが期待できます。

参考
6割超の企業が手作業で請求書を転記 建設業界のバックオフィス業務、紙文化が根強く残る現状が浮き彫りに

建設業界の電子化(ペーパーレス化)がもたらすメリット

ここでは、建設業界の電子化がもたらすメリットについて解説します。

業務効率が大幅に向上する

電子化(ペーパーレス化)により、業務の効率化が期待できます。設計図や工程表などを印刷したり郵送したりといった手間を省くことができ、書類作成や管理の効率化にもつながります。また、図面に修正が入った場合でも印刷する必要がなく、現場で確認できるのもメリットです。

図面の版が変わる場合でも、どれが最新の資料かわからないといった混乱を招くこともなくなるでしょう。さらに、データ化により検索性が向上したり、他部署や取引先と情報を共有しやすくなったりするメリットも期待できます。

コストを削減できる

電子化がもたらすメリットとして、コスト削減が挙げられます。紙媒体の資料は保管場所の確保や印刷、郵送などにコストがかかりますが、電子化によりそれらの費用をカットすることが可能です。また、ファイリングやコピー、資料を探すなどは人の手で行うため、同様の作業が減ることで人件費の削減にもつながります。

さらに、コピー機のメンテナンス費用・リース代、書類の廃棄費用なども不要になるなど、大幅なコスト削減が期待できます。

コンプライアンス・セキュリティを強化できる

電子化により資料を閲覧・管理しやすくなれば、コンプライアンスの強化にもつながります。資料や書類のスムーズなチェックによって、社内監査を適切に行うことが容易になるでしょう。また、資料の持ち出しや紛失などが防止できるため、セキュリティ強化につながる点もメリットです。重要なデータにはパスワードや閲覧権限をつけることもでき、情報漏洩のリスク軽減にも役立ちます。

さらに電子化は災害対策にもなり、万が一端末が破損した場合でも、クラウド上に情報を保存しておくことでデータを守ることができます。

データを有効活用できる

電子化をするとデータを有効活用でき、効果的な改善策や事業戦略の立案につながります。紙の資料では、データの比較や推移の確認、課題の抽出などに手間がかかります。分析結果の可視化にも時間を要するため、マーケティングの効率や精度の向上は難しいでしょう。また、データ活用が一般的になった現代では、競争力の低下にもつながります。その点、電子データであれば、ITツールを活用して多角的な分析が可能です。

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紙の削減がもたらすメリットとは?ペーパーレス化を解説

建設業界の電子化(ペーパーレス化)の方法とは?

では実際に、建設業界の電子化をどのように進めればよいか、その方法について見ていきます。

書類管理にクラウドサービスを利用する

書類管理にはクラウドサービスの利用がおすすめです。クラウドサービスとは、インターネット経由で利用できるソフトウェアやサーバー、アプリケーションなどのサービスを指します。図面や帳票類などの書類をクラウドで管理すれば、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデジタルデバイスで場所を問わず簡単に検索することが可能です。

建設業界では図面や工程管理表など大量の資料が必要ですが、クラウドサービスの利用により資料の保管場所が不要になるうえ、社外からのアクセスも可能になるなど利便性が向上します。

受発注システムを導入して取引書類を電子化する

電子化の方法には、受発注システムを導入する方法もあります。受発注システムとは、受注・発注に関連する工程をWeb上で行えるシステムのことです。資材の受発注状況の管理や案件ごとの在庫管理、スケジュール管理などを行えます。

建設業界の現場には管理を必要とする要素が多く、アナログな現場管理は多くの手間とコストがかかります。受発注システムを導入することで、現場管理を滞りなく行えるようになるでしょう。

紙の日報を電子化する

建設業界では、日報を作成している企業も多いのではないでしょうか。日報を紙で作成するのはコストや時間がかかるほか、紛失のリスクもあります。なかには、日報を作成するために現場から会社に一旦戻るといったケースもあるでしょう。日報を電子化すれば出先で日報を作成・提出することができ、ムダを省いて効率化やコスト削減につなげることが期待できます。

日報を電子化するためには、Excelや日報を作成できるアプリの利用などがおすすめです。

完成書類をオンラインで納品する

建設業界では、関係会社や取引先に図面や工事写真などを納品することもあります。従来はこれらを紙で納品していましたが、資料の作成や保管に時間・コストがかかるのが問題視されていました。その点、オンライン上で電子納品ができれば効率化・コスト削減に加え、リードタイムの減少にもつながります。

ICTツール+FAX複合機を活用する

連携機能を持つ複合機を利用することで、パソコンでFAXを送受信できるようになります。外出先や自宅でもFAXを送受信できるため、業務効率化や時間の有効活用にもつながります。複合機、パソコン、電話回線さえ揃っていれば、すぐにでも始めることが可能です。

また、電子データの送受信には紙やインクの消費が不要なほか、データを作成後すぐに送信できる点もメリットです。ICTツールとFAX複合機を活用することで、FAXでのやり取りを求める企業との取引を効率化できるでしょう。

経理業務を電子化できるツールを導入する

電子化には、帳票類の作成や送信、管理などを自動化できる電子帳票システムの導入が効果的です。電子帳票システムとは、帳票各種を電子データで作成・管理するためのシステムです。システムを活用することで帳票の自動作成や管理が可能になり、業務の効率化につながります。

経理業務の電子化には、コストの削減や業務負担・人的ミスの軽減、テレワークの推進といったメリットがあります。

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建設業界における電子化(ペーパーレス化)の具体的な実践方法

ここからは、建設業界の電子化を進める具体的な手順を解説します。

1|電子化を進める業務領域・書類を決定する

まずは、電子化をしたい業務領域や書類に優先順位をつけましょう。すべての書類を電子化できるわけではないため、電子化の可否も踏まえて書類の仕分けを行う必要があります。建設業界には施工管理や設計、営業、事務など、さまざまな業務領域があります。ひとまず自社が取り組みやすい業務領域から電子化をスタートさせるのがおすすめです。

事務の領域では、請求書や納品書、領収書など業務領域内で電子化する書類を決定しましょう。また、社内で完結する書類やよく使う書類・図面などを電子化しておくと、業務効率化に役立ちます。

2|適切なITツール・システムを選ぶ

続いて、電子化に必要なITツールやシステムを選びます。システムと一口にいっても、帳票類の電子化ができるツールや資料を管理・共有できるクラウドサービスなど、その種類は多岐にわたります。高機能なツール・システムであっても、きちんと使いこなせなければ効果がありません。

そのため、自社に必要な機能があるか、操作性に問題はないかなどを踏まえ、複数のツールやシステムを比較することが大切です。ツールやシステムはすぐに契約せず、なるべくトライアルがあるものを選択して自社に合うか試してみましょう。

3|ITツール・システムの導入を社内で共有する

建設業界ではオフィスだけでなく、現場でもITツールやシステムを活用する機会があります。そのため、社内全体で使い方や使用感などを共有し、効果測定を行なったうえできちんと理解を得ることが大切です。

まずは電子化する書類を扱うことが多い担当者から共有を始め、徐々に他社員へも広げていくとよいでしょう。使い方の説明やマニュアル作成も行うなど、現場で混乱が起こらないように注意します。

4|運用を開始する

トライアルも活用し、うまく回りそうであれば、ITツールやシステムを導入して本格的に運用を開始します。導入後は使用感や成果などを見ながら運用方法をブラッシュアップしていくことも欠かせません。実際にどのような効果を得られたか、どれだけコストを削減できたかなどを可視化することで、電子化が社内に浸透しやすくなります。

建設業界の電子化を成功に導くためのポイント

続いて、建設業界の電子化を成功に導くためのポイントを5つ紹介します。

段階的に電子化を進める

電子化を成功させるためには、リスクを軽減するためにも段階的に進めることが重要です。一気に電子化を進めると、システムトラブルや現場の混乱・反対などの規模が大きくなる可能性があります。まずは特定の業務領域や書類から始め、電子化の進め方や成果を適切に評価しながら段階的に広げていきましょう。

建設業界においては進行中の案件の図面や工程表など、使用頻度の高いものを電子化しておくと業務効率化につながります。また、電子化の効果を見極め、必要に応じて改善を行いながら取り組むことも大切です。

自社に適したITツール・システムを選択する

ITツールやシステムにはさまざまな種類があるので、自社に適したものを選ぶことが重要です。会社の規模や社員のITリテラシー、電子化する範囲などによっても適切なツール・システムは異なります。機能や使いやすさ、サポート体制なども入念にチェックし、いくつかの候補を比較検討して選定しましょう。

業務フローを見直す

ITツールやシステムを導入すると、業務フローの見直しも必要になります。社内で運用しているシステムやデータの一元化が必要になるケースもあり、従来の業務フローをそのまま採用すると電子化の恩恵を十分に得られない恐れがあります。

特に、古くなったシステムを使い続けている場合、システムの刷新には莫大なコストがかかります。人員配置を含め、現場の声を聞きながら業務フローを一から見直してみましょう。

電子化の評価と改善を行う

電子化は実施後に効果測定を行うことが大切です。電子化により削減できた業務や時間、コストを定量的に評価することで、期待した効果を得られているかを判断できます。とりあえず電子化を実施すればよいというわけではなく、継続的な評価・改善が必要です。

自社の課題も明確になるため、評価をもとに取り組みを改善していくことが大切です。

現場にタブレットを導入する

建設現場では、パソコンではなくタブレットの活用がおすすめです。作業現場ではパソコンが使いにくく負担になるシーンも多いですが、タブレットであれば片手で持ち手軽に使用できます。また、タブレットはデジタルペンを使って書き込みもできるため、多様な使い方ができる点も魅力です。

端末一つですべての資料や図面を確認できるので、大量の資料を現場に持ち込む負担も軽減されます。また、タブレットはスケジュール管理や写真撮影などの効率化にも役立ちます。

建設業界の電子化(ペーパーレス化)の成功事例

ここでは、建設業界の電子化の成功事例を3つ紹介します。

書類の印刷・サイン・移動の手間などを削減した事例

建設現場では、当日の作業進捗や翌日の予定、機材使用予定、車両搬出入予定などの確認をはじめ、安全指示や立入禁止箇所のチェックなども含む打ち合わせが日々行われます。打ち合わせ内容は記録・保管義務があるため、帳票への記録、サイン、回覧、捺印など、時間のかかるルーティンが発生します。

ある企業は業務効率化を図る目的で、すべての現場において電子入力や電子承認、作業打ち合わせのリモート化に取り組みました。結果、書類の印刷やサイン、移動の手間などが大幅に削減され、現場の生産性が向上しました。

支払通知書を電子化した事例

毎月4,000社以上の取引際に支払い通知書を紙ベースで印刷・郵送していた企業では、郵送費や委託費などのコスト増に加え、取引先からも電子化にしてほしいとの要望が上がっていました。そこでクラウド型の帳票サービスを導入し、明細や帳票の電子化に取り組みます。

導入の結果、システムを介して取引先にはお知らせメールが送信され、取引先のダウンロード状況も管理画面で確認できるようになりました。これまでの紙ベースの業務を見直したことで、大幅な経費の削減に成功した事例です。

膨大な紙での作業を電子化した事例

社内システムの利用申請や出張申請、案件依頼など、ほとんどの業務を紙ベースで進めてきた企業では、書類の保管場所の確保や印刷・押印などにコストと時間がかかっていることが課題でした。

そこでペーパーレス化を進めるべくシステムを導入し、コストと時間の削減に成功しました。また、議事録や図面などもすべて、表崩れや文字化けが発生しないPDF化を実現します。PDFの仕様は世界基準でもあることから、グローバル展開を進める企業にとっては海外の企業と取引をするうえでも多くの利点があったようです。

建設業界の電子化を支援するソリューション「ナビエクスプレス」

電子帳票ソリューション「ナビエクスプレス」は、大量に帳票を配信する必要がある建設業の企業様に有効なツールです。これまで人の手で郵送していた紙ベースの領収書や請求書などをWeb化し自動配信することで、コスト削減や業務効率化を実現できます。

ナビエクスプレスはシステム連携の豊富さも特徴で、取引先のデータ形式にも柔軟な対応が可能です。各種インターフェースを取り揃えており、カスタマイズも容易に行えます。また、気になるセキュリティ面も、通信を暗号化しているため安全です。

さらに、現在使用中の領収書や請求書などのデザインを変えずに配信できるのも特徴です。建設業のほか、情報サービスや金融、製造、医療などの業界でも、多くの企業様にご活用いただいています。

導入事例|戸田建設株式会社 様

戸田建設株式会社様は、1881年創業の準大手ゼネコン会社です。同社は毎月4,000社の取引先に支払通知書を送付する必要があり、莫大なコストがかかるという課題をお持ちでした。そこで競合4社を比較し、導入メリットが見込めるナビエクスプレスを導入されました。

導入後は発注先への支払い通知書の電子化に取り組み、年間500万円のコスト削減を実現されます。また、準備から配信までのリードタイムを短縮できたことで、万一ミスがあった際の対応も可能になりました。あわせて、初期サポートの手厚さや基幹システムのしやすさなども高く評価されています。

建設業界の電子化は多くのメリットをもたらす

電子化により、従来の紙ベースの資料の保管が不要になり、これまで必要だった印刷費用や郵送費用などのコスト削減、業務効率化が実現します。また、電子化はセキュリティ強化にも期待できるうえ、ペーパーレス化で働きやすい職場環境を整備できれば人材の定着にも寄与するでしょう。特に人材不足といった課題をお持ちの企業では、電子化は早急に対処したい取り組みの一つとなります。

ナビエクスプレスはそんな企業様の課題を解決する電子帳票ソリューションです。NTTコム オンラインでは電子化をご検討中の企業様へ向け、「業界・業種別 電子化導入事例」や「はじめての請求書電子化」などの各種資料をご用意しています。ぜひダウンロードしてお役立てください。

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