2017/09/15

ソーシャルリスク対策

第3回 事例から見る、ネット炎上やレピュテーション・リスクの高速化

NTTコム オンライン ソーシャルメディア・リスクマネジメント担当です。

最新のリスクトレンドに基づき、オンラインにおける企業リスクを分類し、トレンドと取るべき対策について、企業がネット炎上やレピュテーション・リスクに対しどのようにマネジメントしていくか、数回に分けて具体的な取り組みと可能性について考察します。

今回は、昨今の事例よりネット炎上やレピュテーション・リスクの高速化について、より詳しく見ていきます。

1. 過去のネット炎上やレピュテーション・リスクのメカニズムとスピードの事例

少し古い話ですが、飲食業界でアルバイト店員による投稿による、企業ブランド価値が毀損する、いわゆる「バイトテロ」の時代のことを振り返ります。

チェーン系飲食店の店員がお客様にお出しする食材や、それらを陳列や保管する施設に対しあってはならない行いを撮影、SNS上にアップするというニュースは、社会的にも大きな問題として各メディアで取り上げられました。

今でも記憶にあるかたも多いと思いますが、実は、この時代のネット炎上やレピュテーション・リスクのスピードは、今から考えるとまだ対策の余地が感じられるものです。

その時代のネット炎上やレピュテーション・リスクのメカニズムとは
1) 問題投稿を面白がった、または問題だと感じ指摘する周囲の人たちの間でSNS上での小さな話題
2) いわゆるインフルエンサーやメディアの知るところとなり、拡散
3) WebやTV等のニュースに取り上げられ、ネット炎上やレピュテーションリスクへ発展

といったものでした。
上記の1→2 に至るまで、それ相当の時間がかかっていたこと、友人でもSNS上を利用していない人も多く、インフルエンサーやメディアが知るところになるスピードも今より遅く、その可能性も低かったと言えます。

そのため、この時代の問題投稿からネット炎上やレピュテーション・リスクにまで至る期間は「1ヶ月以上」を要しています。

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2. ネット炎上高速化の実状と背景、もはやこれまでのリスクモニタリングでは対応できない状況に

それが最近のネット炎上やレピュテーション・リスク案件を見ていると、非常に高速化していることが分かります。
メディアでも話題になった芸能人カップル来店や、飲食店アルバイトによる不適切投稿のスピードはなんと「1日」です。
それも不適切投稿は企業の担当者が退勤した夜間のうちにネット炎上し、いつもの翌朝の出勤が……という実状になっています。

これらは以下のような状況によるものと考えています。

1)ネット炎上を助長するスマートフォン普及

多くの人がPCではなく「いつでも、どこでも」スマホでSNSをチェックするようになりました。
投稿者がPCの前に座ってSNSをチェックする時代ではなく、リアルタイムに近い状態でSNSにアクセスできるため、「不適切投稿の見逃し」が少ない時代になりネット炎上を助長しています。

2)ネット炎上やレピュテーション・リスクの速報・まとめサイトの登場

人々の興味を引く、企業や芸能人のネット炎上やレピュテーション・リスクはサイト運営者にとっては閲覧者を呼び込み、サイトの広告収入の機会にもなっています。
そのため、ネット炎上やレピュテーション・リスクにつながりそうな案件を幅広くウォッチし、話題として記事化するようなサイトも増えています。そうしたサイトは、閲覧者によりSNS拡散をしてもらうための拡散ボタンまで提供しているケースが多くありネット炎上やレピュテーション・リスクを助長しています。

3)ネット炎上を助長する多アカウント、多SNS時代

SNSユーザーも以前は1つのSNSに対し、登録するアカウントは1つという場合が圧倒的でしたが、最近は複数のアカウントを保有するかたが増えていると言われています。
また、ひとりのユーザーが複数のSNSを使いこなすため、ネット炎上やレピュテーション・リスクは様々な場所で発生するようになりました。

こうした状況に対し、企業のリスクモニタリングの現状は、ソーシャルリスニングを導入した当時の設計や運営に基づくものが多く、高速化したネット炎上やレピュテーション・リスクに対する抵抗力を持たないケースが散見されます。

こうしたネット炎上やレピュテーション・リスクから企業の価値を救うためには、ネット炎上原因となる記事が投稿された瞬間を捉える必要があります。それでは、それはどのようにすれば良いのでしょうか。

3. ネット炎上高速化時代にあるべきリスクモニタリングとは

わずか1日でネット炎上するという高速化時代、企業は以下のようなものに取り組む必要があります

1) 24時間365日、リアルタイムでネット炎上やレピュテーション・リスクを把握し、エスカレーションできる体制構築

2) あらゆるSNSやWebサイトに網をはり、予兆を把握するネット炎上モニタリング体制と運用

3) 定期的なリスクトレンドの把握と、ネット炎上対策業務の見直し

重要なのは「ネット炎上やレピュテーション・リスクになる前の把握と対策」です。

瞬間のリスク検知と、適切なネット炎上対応フローを用意し、大きな炎上やレピュテーション・リスクとなるまえにネット炎上鎮火する必要があります。ネット炎上やレピュテーション・リスクの懸念がある場合、先回りして全方位的なプレスリリースを行いその後の推移をみるというネット炎上対応がありますが、それは広く世の中にネット炎上の種を自ら撒いている行為でもあり、ベストではないことも多いです。

詳細は別の機会にしますが、ネット炎上やレピュテーション・リスクにつながりそうな投稿でも、その種類や拡散の特徴を分析すると、とある特定のSNSだけで留まっているケースもあります。

企業がそのSNSだけに個別に見解コメントを述べるだけで収束したというネット炎上事例もあります。

重要なのは、瞬時のネット炎上原因検知と分析・対応ができるネット炎上鎮火に向けたマネジメント体制を整えることです。

4. ネット炎上リスクモニタリングサービスのご紹介

NTTコム オンラインでは、月額55,000円(税込)からと手軽にリスク対策がはじめられる「Buzz Finder」から、24時間365日の有人によるリスク監視代行を行う「Webリスクモニタリング」まで幅広いラインアップをご用意しています。

昨今のネット炎上やレピュテーション・リスクのトレンドは非常に流動的かつ、変化が速いため、継続的なメンテナンスや運用サポートにも課題をお感じの企業様よりご相談をいただいております。
ご関心をお持ちくださいましたら、下の「お問合せ・資料請求」よりご連絡をいただけますと幸いです。

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