2021/10/29

ソーシャルリスク対策

インフルエンサーマーケティングの魅力と注意点

インフルエンサーマーケティングは、多くの企業が実施している注目のマーケティング手法です。ターゲット層に効率よくアプローチできる、消費者目線でアピールできるなどの魅力があります。一方で、キャスティングするインフルエンサー選びには注意が必要です。この記事では、インフルエンサーマーケティングの概要と魅力、注意点などを紹介しています。

インフルエンサーとは?最初に理解しておきたいポイント

インフルエンサーは、世間に対し大きな影響力をもっている人物です。人や物事への影響などを意味する英語の「influence」が語源になっています。代表的な例として、芸能人やスポーツ選手、ファッションモデルなどが挙げられます。また、SNSを中心にインターネット上で大きな影響力をもっている人物もインフルエンサーに含まれます。最近では、後者を指してインフルエンサーと呼ぶ傾向が強くなっているといえるでしょう。代表的な例として、ユーチューバーやインスタグラマーが挙げられます。これらの呼称が世間に定着しつつあることからも、インターネット上で活躍しているインフルエンサーの影響力の大きさがわかります。

インフルエンサーが活躍しているSNSなど

インフルエンサーが活躍しているSNSなどとして、X (旧Twitter)・Instagram・Youtube・Facebook・Tiktokが挙げられます。それぞれの特徴は次の通りです。(下記で記載している利用率については、モバイル社会研究所(NTTドコモの社会学系研究所)が実施した2021年一般向けモバイル動向調査を参考にしています。)

X (旧Twitter)

最大140文字のテキストと画像や動画などを投稿できるSNSです。文字で表現できる情報と相性が良いといえるでしょう。「リツイート」や「いいね」といった機能を備えており、情報拡散力が高い点が特徴です。利用率が高い年代は10代、20代となっています。

Instagram

主に画像や動画などを共有するSNSです。いわゆる「インスタ映え」する画像と相性が良いといえるでしょう。投稿をシェアできる機能を備えていないため、X (旧Twitter)に比べると拡散力は低いと評価される傾向があります。利用率が高い年代は10代、20代です。一般的には若い女性に強いSNSと考えられています。

Youtube

動画を共有できるプラットフォームです。使い方や使った感想をレビューできる商品・サービスと相性が良いといえるでしょう。動画の拡散は、SNSなどを使って行うことになります。利用率が高い年代は10代、20代ですが、幅広い年代で利用されています。

Facebook

実名登録を原則とするSNSです。近況を投稿したり写真を共有したり、コミュニティを作ったりすることができます。現実のつながりをネット上で再現できる点が大きな特徴といえるでしょう。ビジネス用途で使用しているユーザーが少なくありません。利用率が高い年代は20代、30代、40代です。

Tiktok

15~60秒程度の動画を作成・共有できるSNSです。動画加工ツールや音楽があらかじめ用意されているため、誰でも簡単に見栄えの良い動画を作成・投稿できる点が特徴です。利用率が高い年代は10代です。20代・30代にも利用者は広がっています。

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影響力で分類されるインフルエンサー

インフルエンサーは、影響力の大きさでメガインフルエンサー・ミドルインフルエンサー・マイクロインフルエンサー・ナノインフルエンサーに分類されます。分類の基準に用いられているのが、SNSのフォロワー数です。各インフルエンサーは、どのような特徴をもっているのでしょうか。

メガインフルエンサー

メガインフルエンサーは、フォロワー数100万人程度以上を目安とするインフルエンサーです。テレビで活躍する芸能人やファッションモデル、人気ユーチューバー、インスタグラマーなどが該当します。各界でトップを走っている著名人といえるでしょう。特徴は、ジャンルを問わず幅広い層に情報を届けられることです。一方で、フォロワーからのリアクション(コメントやシェアなど)は小さくなる傾向があります。インフルエンサーとフォロワーの距離が遠いからです。

ミドルインフルエンサー

ミドルインフルエンサーは、フォロワー数10万人程度以上を目安とするインフルエンサーです。主に特定のジャンルで支持されている有名人が該当します。具体的には、雑誌モデル、スポーツ選手、特定ジャンルの専門家などに多いといえるでしょう。特徴は、特定のジャンルや特定のメディアにおいては強い影響力をもっていることです。一方で、幅広い層に情報を届ける力はそれほど高くありません。

マイクロインフルエンサー

マイクロインフルエンサーは、フォロワー数1万人程度以上を目安とするインフルエンサーです。主に特定のジャンルに強い人物が該当します。有名人が中心ですが、マイクロインフルエンサーに分類される一般人も存在します。特徴は、特定のジャンルや特定のメディアで一定の影響力をもっていることです。影響力の大きさは異なりますが、特徴はミドルインフルエンサーと似ているといえるでしょう。また、フォロワーからのリアクションも大きい傾向があります。メガインフルエンサー、ミドルインフルエンサーに比べると、フォロワーとの距離が近いからです。

ナノインフルエンサー

ナノインフルエンサーは、フォロワー数1000人程度以上を目安とするインフルエンサーです。小さなコミュニティに対して影響力をもっている一般人が中心といえるでしょう。特徴は、フォロワーからのリアクションが非常に大きいことです。インフルエンサーというよりも友人や知り合いなどと認識されているため、リアクションは大きくなります。一方で、幅広い層に情報を届ける力は限られています。現在のところ、インフルエンサーマーケティングにキャスティングされることはほとんどありません。

インフルエンサーマーケティングとは

インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーにSNSなどで自社の商品やサービスを紹介してもらい消費者に購買などを促すマーケティング手法です。近年になって、多くの企業がインフルエンサーマーケティングに取り組んでいます。なぜ、インフルエンサーマーケティングが注目を集めているのでしょうか。

インフルエンサーマーケティングが注目を集める理由

インフルエンサーマーケティングは、企業が消費者に情報を届けにくくなったことで注目を集めています。インターネット環境の整備により、消費者は必要な情報にいつでもアクセスできるようになっています。一見すると情報を届けやすくなったように見えますが、そうとは言い切れません。消費者が情報を取捨選択するようになったからです。企業にとって都合の良い情報を一方的に発信しても、消費者の心には響きにくくなっています。だから、消費者に近い立場から情報を発信できるインフルエンサーマーケティングが注目を集めているのです。インフルエンサーが発信する情報は口コミの延長線上に位置づけられることが多いため、消費者から共感を得やすいと考えられています。

インフルエンサーマーケティングの魅力と注意点

インフルエンサーマーケティングを導入したい方は、魅力と注意点も理解しておきましょう。

インフルエンサーマーケティングの魅力

インフルエンサーマーケティングの主な魅力は次の通りです。

消費者目線でアピールできる

最も大きなメリットは、広告感を薄めつつ商品をアピールできることです。広告感を抑えられる理由として次の2点が挙げられます。

1つ目は、インフルエンサーとフォロワーの距離が近いことです。身近な存在として商品やサービスをレビューするため、企業が制作する広告とは異なった印象になります。

2つ目は、インフルエンサーが1人の消費者として商品やサービスをレビューすることです。使って気になった点を含めてレビューするため、企業が制作する広告よりも信頼性は高くなります(投稿内容はケースで異なります)。

企業が制作する広告にネガティブな印象を抱く消費者は少なくありません。広告感を薄めつつ商品やサービスをアピールできる点は、インフルエンサーマーケティングの大きな魅力です。

狙った層にピンポイントで情報を届けられる

ターゲット層に情報を届けやすい点も、インフルエンサーマーケティングの魅力といえるでしょう。インフルエンサーの多くは、特定のジャンルに特化した情報を発信しています。したがって、特定の情報に興味をもつフォロワーの割合が高くなります。自社の商品やサービスと相性の良い発信を行っているインフルエンサーをキャスティングすれば、ターゲット層に効率よくアプローチできます。例えば、スイーツをアピールしたい場合は、グルメ情報に強いインフルエンサーをキャスティングすればターゲット層に効率よくアプローチできるはずです。インフルエンサーの分析は、ソーシャルリスニングを使って行えます。ソーシャルリスニングは、SNS上の声を分析する手法です。

効果測定が簡単

マーケティング施策を評価するうえで欠かせないのが効果測定です。効果測定を行うことで、課題を抽出してマーケティングの精度を高められます。効果測定で重要なポイントは、マーケティングの目的に合わせて指標を選択することです。例えば、認知拡大を目的とする場合は、インプレッション数や口コミ数(UGC)が重要になります。ちなみに、インフルエンサーマーケティングの評価も、ソーシャルリスリスニングを使って行えます。

情報の拡散を期待できる

情報の拡散を期待できる点も見逃せません。SNSのユーザーは、自分が有益と感じた情報を拡散する傾向があります。インフルエンサーの投稿に共感したユーザーは、拡散する確率が高いといえるでしょう。企業の予想を超えて拡散されるケースは少なくありません。インフルエンサーマーケティングを実施することで、商品やサービスなどの認知度を飛躍的に高められる可能性があります。

インフルエンサーマーケティングの注意点

インフルエンサーマーケティングの主な注意点は次の通りです。

フォロワー数が多ければよいわけではない

キャスティングするインフルエンサーは、さまざまな要素を加味して決定します。フォロワー数はさまざまな要素のなかのひとつです。最も重要なポイントは、アピールしたい商品やサービスとの相性といえるでしょう。相性は、過去の投稿やフォロワーの属性をもとに評価できます。評価が難しいと感じる場合は、ソーシャルリスニングを活用するとよいでしょう。フォロワー数(インフルエンサーの分類)は、マーケティングの目的に合わせて選択することが重要です。認知拡大に向いているのはフォロワー数が多いメガインフルエンサー、消費行動を促すのに向いているのはフォロワーとの距離が近いミドルインフルエンサー・マイクロインフルエンサーです。以上を意識しつつ、キャスティングするインフルエンサーを決定します。

ステルスマーケティングと捉えられることがある

インフルエンサーマーケティングは、消費者からステルスマーケティングと誤解されることがあります。誤解されると、インフルエンサーだけでなく企業も信頼を失います。また、景品表示法に抵触する恐れもあるため十分な注意が必要です。インフルエンサーマーケティングを実施するときは、PRであることを明示しなければなりません。

インフルエンサーとの関係構築が重要

インフルエンサーマーケティングを成功に導くため、インフルエンサーと良い関係を構築することも重要です。単に商品やサービスを紹介してくれればよいと考えている企業は、期待した結果を得られないケースが少なくありません。協力関係を構築していないとインフルエンサーがスムーズに仕事を進められないため、消費者から共感を得るコンテンツを制作しにくいからです。企業には開発の背景も踏まえて商品情報を提供するなど積極的な姿勢が求められます。良い関係を構築できれば、次回以降の展開も期待できるでしょう。例えば、自社と関連の深いジャンルを得意分野にしているインフルエンサーと商品を共同開発する、SNSプロモーションのイメージキャラクターになってもらうなどが考えられます。任せっきりではなく、双方にとってメリットのある関係を積極的に築くことが重要です。

インフルエンサーは注目のマーケティング手法

インフルエンサーマーケティングは、インターネット上で影響力をもっているインフルエンサーを活用したマーケティング手法です。企業が一方的に発信する情報が消費者に届きにくくなっているため注目を集めています。成功のポイントは、自社と相性の良いインフルエンサーをキャスティングすることといえるでしょう。新しいマーケティング手法を取り入れたい方は、インフルエンサーマーケティングに注目してみてはいかがでしょうか。

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