2022/01/11
VOCマネジメント
インフルエンサーの探し方やキャスティング方法を徹底解説
多くの企業が導入しているインフルエンサーマーケティングは、ターゲット層へのアプローチとして有効な手法です。ただ、自社での実施を考える際に、「インフルエンサーの探し方がわからない」と悩む人もいるのではないでしょうか。効果的なPRを行うためには、インフルエンサー探しのポイントを把握しておくことが重要です。そこで、この記事ではインフルエンサーの探し方やキャスティング方法について解説します。
インフルエンサーをキャスティングするときのポイント
インフルエンサーをキャスティングする際は、いくつかポイントがあります。インフルエンサーを実際に探す前に、ポイントをチェックしておきましょう。
影響力とPR効果は必ずしも直結しない
インフルエンサーマーケティングにおいて、多くみられる失敗が「とにかく有名な人に依頼する」ことです。フォロワー数や登録者数が多いインフルエンサーであれば、高いPR効果を狙えると考えてしまいがちです。しかし、その影響力は自身のフォロワーやその周辺など、ごく限定的な範囲となります。自社の商材がそのインフルエンサーの影響力の範囲外である場合、思うようなPR効果を得られないリスクがあります。インフルエンサーマーケティングでは、影響力のある人にただ依頼すれば良いというわけではない点に注意しましょう。
ステマとの線引きを明確にする
インフルエンサーマーケティングと混同して考えられがちなものが「ステマ」です。ステマとはステルスマーケティングの略称であり、インフルエンサーマーケティングとは意味合いが異なります。たとえば、企業から依頼されたものなのに「たまたま購入した商品が良かったので紹介します」など、偶然を装った宣伝が該当します。一方、インフルエンサーマーケティングは企業からの依頼という点を明らかにしたうえで、情報発信を行うことが大きな違いです。ステマは消費者から反発を買う可能性があるため、注意が必要です。インフルエンサーマーケティングであることを明示し、ステマと誤解されないように細心の注意を払う必要があるでしょう。
インフルエンサーの探し方とメリット・デメリット
インフルエンサーの探し方にはさまざまな方法があります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、内容をよく把握して自社に合う方法を選択することが重要です。ここでは、インフルエンサーの探し方として以下の4つを紹介します。
SNSから探す【Instagram・X (旧Twitter)・YouTubeなど】
代表的な手法として、SNSでインフルエンサーを探すことが挙げられます。自社で直接インフルエンサーを選び、ダイレクトメッセージ(DM)などを活用して依頼することが一般的です。直接交渉・起用の話を進めていきます。インフルエンサーはSNSが主な活動場所です。そのため、自社で活用しているプラットフォームで検索を行うと、より条件に合うインフルエンサーを探しやすくなります。具体的な探し方としては、SNSの検索機能を使ったり、ハッシュタグでキーワードを辿ったりするなどの方法が挙げられます。
このような検索によって、反響の大きい投稿やフォロワー数が多いアカウントなどを見つけることが可能です。インフルエンサーを探す際は、自社がどのような情報を発信したいのかを明確にし、それに関連したキーワードを考えると良いでしょう。
メリット
SNSで探す方法は仲介業者を通さず直接交渉となるため、低コストで済むことが大きなメリットです。また、直接インフルエンサーに「このようにしてほしい」と宣伝の内容や要点を伝えられるため、自社に合うPRを実現しやすいというメリットもあります。
デメリット
自社でインフルエンサーの選定から交渉、PR内容の決定まで行う必要があり、どうしても手間や時間がかかることがデメリットです。PR商材を扱う場合は商品の発送、投稿をする際は内容のチェックなども行う必要があるでしょう。
検索エンジンから探す【Google・Yahoo!など】
検索エンジンを使ってインフルエンサーを探す方法です。なじみのある検索エンジンを活用するため、ハードルが低い方法といえます。大手メディアなどに記事を投稿しているインフルエンサーを選定するといった探し方があります。
メリット
特別な知識やツールは必要なく、誰でも簡単にインフルエンサーを探せる点がメリットといえるでしょう。加えて、検索エンジンを活用する場合、ノウハウなどの関連情報も得られます。インフルエンサーマーケティングの初心者や、知識を習得したいという人などにもおすすめです。
デメリット
検索エンジンの活用は手軽である一方、条件に合うインフルエンサーを探し出すまでに時間がかかりやすいというデメリットがあります。また、競合他社もサイトに掲載された同じ情報を見ている可能性があり、キャスティングが偏るリスクがあるでしょう。キャスティングの被りは宣伝効果が薄れる原因にもつながるため、注意が必要です。
インフルエンサー検索ツールを使って探す
高性能の検索ツールを活用し、インフルエンサーの選定と依頼を行う方法です。主にSNS上で多くシェアされている投稿や、フォロワー数の多いアカウントなどを検索できます。なお、インフルエンサー検索ツールと一口にいっても、種類はさまざまです。料金がかかるものや無料で閲覧できる情報が限られているものなど、それぞれ特徴が異なります。利用前に料金やサービスの内容をよく確認しておきましょう。
メリット
専用の検索ツールを使うため、インフルエンサーを効率的に探せることがメリットです。また、インフルエンサーの選定はもちろん、連絡・管理・効果の分析など、便利な機能が備わっているものもあります。ツールによっては条件を提示し、インフルエンサーを募ることも可能です。じっくりとインフルエンサーを選びたい、やる気のある人を見つけたいなどのケースにも向いています。
デメリット
ツールを活用するとはいえ、インフルエンサーの選定・交渉・そのほかの管理まで、自社で行う必要があります。そのため、それなりの手間や時間がかかることは前提として考えておく必要があるでしょう。また、インフルエンサー検索ツールを利用するためには、多くの場合料金を支払うことになります。コストがかかる方法であることを念頭に置きましょう。
キャスティング会社に依頼して探す
インフルエンサーのマーケティング・キャスティングを専門的に行っている会社に依頼する方法です。有名なインフルエンサーの場合、こうした専門会社に所属しているケースも少なくありません。依頼したいインフルエンサーが何らかの会社に所属している場合は、会社に連絡して依頼を行いましょう。
メリット
インフルエンサーマーケティングに精通したプロに、施策・分析などを任せられることがメリットです。自社にインフルエンサーマーケティングの知識やノウハウがない場合でも、効果的なPRを行えるでしょう。インフルエンサーのフォロワー属性を考慮するなど、企業に合う人材を選定してくれるため安心できます。
デメリット
専門会社を通じて依頼する場合、事前のすり合わせが必要です。その手間がかかることがデメリットといえるでしょう。すり合わせが不十分だと、自社の目的とずれた施策になるリスクもあります。どのような目的でマーケティングを行うのか、綿密なすり合わせが不可欠となるでしょう。加えて、依頼するための費用が発生する点もデメリットといえます。依頼の前に、あらかじめかかる費用などを調べておきましょう。
自社に合うインフルエンサーの具体的な選び方
さまざまなインフルエンサーのなかから、自社に合う人を見つけるためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、自社に合うインフルエンサーを選定するためのポイントを紹介します。
PR内容との関連性が高いか見極める
マーケティングによって商品の契約・販売促進を目指している場合は、PR内容との関連性が高いインフルエンサーを選ぶことが重要です。たとえば、自社のコスメ商品の販売促進を目的としてインフルエンサーマーケティングを実施するとしましょう。この場合、メイク関連の投稿を多く行っているインフルエンサーに依頼することがおすすめです。そのインフルエンサーのフォロワーは美容への関心が高く、効果的に宣伝を行える可能性があります。反対に、コスメ商品のPRをしたいのに、旅行などの情報発信をメインに行っているインフルエンサーを選んでしまうと、フォロワー層が自社のターゲットとずれてしまう可能性があるため注意しましょう。
投稿内容と世界観がマッチするか確認する
インフルエンサーが投稿する写真や動画の雰囲気が、自社のイメージとマッチするかどうか確認することもポイントとなります。インフルエンサーの雰囲気と自社のイメージが合わない場合、PR投稿を見たユーザーが違和感を覚える可能性があります。この場合、マーケティング効果が薄れる原因にもつながるため、注意しましょう。自社の商材と世界観がマッチしているインフルエンサーを選べば、より自然な形でPRを行えます。ユーザーからの関心や共感を集めやすくなるでしょう。
フォロワー属性をチェックする
インフルエンサーそのものはもちろん、フォロワー属性を見極めることも肝要です。男女比や年代、居住地や活動時間帯など、フォロワーの属性をしっかりとチェックしましょう。このフォロワーと自社のターゲット層の性質が近いことが、インフルエンサーマーケティングを成功させるポイントとなります。フォロワーはインフルエンサーのプロフィールなどから確認することが可能です。また、SNSにはフォロワー属性を分析できるツールもあります。直接インフルエンサーに声をかけ、質問してみるのも一案です。
インフルエンサーに依頼するときのポイント
インフルエンサーに依頼する際は、いくつかポイントがあります。主なポイントを見ていきましょう。
対等な立場で依頼する
インフルエンサーはSNS上で影響力のある人物です。とはいえ、立場には上下をつけず、あくまでもビジネス上のパートナーとして対等な立場で接することが求められます。依頼する側・される側の両者が協力して活動を進めることで、スムーズにPRを行えます。インフルエンサーが十分に力を発揮し、円滑に仕事ができるよう配慮しましょう。
ステマにならないよう徹底したすり合わせを行う
ステマはブランドイメージの低下を招く重大なリスクです。したがって、インフルエンサーマーケティングを実施する際は、両者の関係性を明示することをしっかりと説明しておくことがポイントとなります。「○○会社から商品をいただきました」「○○のイベントに招待されました」など、広告であることがユーザーに明確に伝わる表現を盛り込むようにしましょう。
意見を押し付けすぎない
インフルエンサーマーケティングを行うとなると、どうしても効果を出すため自社の意見や要望を細かく指示してしまいがちです。しかし、インフルエンサーは写真や動画を魅力的に見せ、ユーザーの心をつかむプロです。どのようなアプローチをすればユーザーが反応するのか、熟知しています。そのため、自社の譲れない条件や要望はしっかりと伝えつつ、ある程度は自由を残してインフルエンサーに任せてみることも一案です。投稿の自由度を高めることで、インフルエンサーもパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。
スケジュールに余裕を持たせる
インフルエンサーへの依頼は、スケジュールに余裕を持たせて行うことがおすすめです。特に自社商材をインフルエンサーに提供する場合は、梱包や発送に日数がかかるでしょう。商品を発送してもインフルエンサーの都合が悪く、受け取りがスムーズにいかない可能性も考えられます。それ以外にも、住所の不備による返品や破損など、思わぬトラブルが発生する可能性もゼロではありません。スケジュールにゆとりがないと、こうしたトラブルが発生した際に慌てる原因になります。万全な状態でPRを行うためにも、スケジュールに余裕を持って依頼するよう心がけましょう。
投稿前に内容をチェックする
インフルエンサーにPRをすべて任せるのではなく、投稿前にしっかりと自社で内容を確認することが大切です。投稿内容と自社が理想とするイメージにずれがある場合、施策効果が損なわれてしまうリスクがあります。PR効果を得るためにも、事前のチェックは忘れずに行うことがおすすめです。
ポイントを押さえてインフルエンサーマーケティングを成功させよう
インフルエンサーマーケティングは注目度の高い施策です。自社に合うインフルエンサーを起用することで、ユーザーに効果的なPRを行えます。また、インフルエンサーへの依頼方法は多岐にわたるため、目的や予算を考慮して適切なものを選択することが大切です。インフルエンサーの探し方や依頼時のポイントなどを押さえて、マーケティングを成功させましょう。
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