2025/05/27
ソーシャルリスク対策
海外SNSを運用する企業の炎上対策とは？炎上事例や対処方法も解説
海外SNSを運用する企業にとって、炎上リスクは避けて通れない重要な課題です。特に海外ユーザーに向けた発信では、文化的な違いや言葉のニュアンスが影響し、予期せぬ反発を招くこともあるでしょう。しかし、炎上を未然に防ぐための準備や、万が一発生した際の迅速な対処方法を理解しておけば、企業やブランドの信頼を守りつつ、より効果的にSNSを活用することが可能です。
本記事では、実際の炎上事例を紹介し、どのように炎上リスクを最小限に抑えることができるか、また炎上した際に必要な対応策についても解説します。これから海外SNSを運用しようとお考えの企業ご担当者様や、炎上対策を強化したいと考えている方々にとって、有益な情報が詰まっています。
炎上対策に役立つ！海外SNSの炎上事例5選
海外SNSでも、些細な投稿が瞬く間に炎上することがあります。ここでは、教訓となる海外の炎上事例を5つ紹介します。
炎上事例1｜ファストフードチェーンの広告で炎上
スペインで展開された大手ハンバーガーチェーンの広告が、イエス・キリストの言葉をパロディー化したとのことで、カトリック信者から批判を受けました。
肉不使用のハンバーガーを宣伝する広告には、キリスト教の重要な教えが引用されていました。広告がスペイン全土のバス停に掲示されると大きな反発を招き、カトリック信者の宗教的感情を傷つけたとして批判されたのです。批判を受け同社は謝罪し、キャンペーンの中止を発表しました。
炎上事例2｜児童虐待を助長していると指摘され炎上
あるファッションブランドのホリデーキャンペーン広告が、児童虐待を連想させるとして批判を受けました。問題のビジュアルには、ボンデージギアを着けたテディベア型バッグを幼児が持たされている様子が写っており、また別の広告では、児童ポルノ関連の裁判資料が撮影セットに含まれていたことが非難の対象となりました。
ブランドは公式インスタグラムで謝罪し、キャンペーンを即時中止。今後はイメージコンテンツや製品コンセプトに関する教育強化、外部監視の導入、児童保護への資金援助などを行うと発表しました。また、意図しない資料の使用について広告制作会社に損害賠償を求めましたが、最終的には訴えを取り下げたことも明らかにしています。
炎上事例3｜原爆をモチーフにしたファンアートに反応して炎上
2023年、米国で原爆をテーマにした映画と実写コメディ映画が同時公開され、いずれも大ヒットを記録しました。この盛り上がりを受け、両作品の名前を組み合わせた造語が生まれ、話題を集めます。さらに、原爆をモチーフにしたファンアートがSNSに投稿され、コメディ映画の米国公式アカウントもこれに好意的な反応を示しました。
しかし、この投稿を目にした日本のユーザーからは批判が相次ぎ、最終的にコメディ映画の日本公式アカウントが声明として、謝罪メッセージを発信する事態に発展します。その後、米国本社も一連の投稿に対して遺憾の意を表明して謝罪を行い、問題の投稿は削除されました。
炎上事例4｜中国文化への侮辱を指摘され炎上
あるファッションブランドの上海におけるショーのプロモーション動画が、中国を中心に炎上する事態となりました。さらに、ブランドのデザイナーがインスタグラムユーザーとのチャットで中国を侮辱するメッセージを送り炎上。これに対し、ある女性がメンションをして批判すると、デザイナーは挑発的な返信をし、二人の間で議論が展開。女性がそのやり取りを公開したことで、さらに問題は拡大しました。
その後、ショーのメインゲストが出席を辞退したのを皮切りに、契約タレントやモデルも次々とボイコットを表明し、最終的にショーは中止になりました。さらに、中国国内の主要ECサイトから同ブランドの商品が削除されました。ブランド側は「アカウントがハッキングされた」と主張していますが、それを裏付ける証拠は乏しいと指摘されています。
炎上事例5｜テロ事件への配慮に欠けたメッセージを送り炎上
2017年、あるスポーツブランドがボストンマラソン完走者に「Congrats, you survived the Boston Marathon!（おめでとう、ボストンマラソンから生還しましたね！）」というメッセージを送信し、批判を受けました。
2013年のボストンマラソンではテロ事件が発生し、多くの死傷者が出た背景から不適切な表現とされ、大炎上に発展。最終的にブランドは無神経な発言だったとして、公式に謝罪しました。
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海外SNSの炎上対策とは？
海外SNSでの不適切な発言や配慮不足は、ブランドイメージに大きな影響を与えてしまいます。ここでは、海外SNSの炎上対策について解説します。
文化・習慣の違いを理解して発信する
海外では、国や地域ごとに宗教や歴史、ジェスチャーに関するタブーが存在します。日本では問題のないジェスチャーでも、海外では批判される可能性があるため注意が必要です。例えば、タイやインドネシアでは頭をなでる行為が侮辱とされ、中東や一部のヨーロッパでは親指を立てるジェスチャーが不適切な意味を持ちます。現地の文化や習慣をしっかりと理解し、慎重な表現を心がけることで、炎上リスクを減らすことが可能です。
言語の違いによる誤解を生まないように発信する
直訳や機械翻訳による投稿は、意図しない解釈を招くことがあります。例えば、日本語の「頑張って」は英語で「Do your best」と訳されますが、励ましの意味のほか、過度な期待や重圧を感じさせるなど相手にプレッシャーをかけてしまうことがあります。文化や価値観の違いによって受け取り方が異なるため、注意が必要です。
これを防ぐには、ネイティブスピーカーによる翻訳やチェックが重要です。言葉のニュアンスや文化的背景を踏まえ、相手に配慮した表現を選ぶことで誤解を避け、円滑なコミュニケーションが生まれるでしょう。
投稿内容を複数人で確認する
一人の判断では見落としがちなリスクを避けるため、複数人での確認が重要です。特に文化的・宗教的な表現やユーモアに関しては、異なる視点からのチェックが不可欠です。担当者が問題ないと感じていても、違う角度から見ると差別的だと認識されるケースがあります。また、自国では問題がなくても、他国では不適切とされる表現もあるため、社内でのチェック体制を整え、投稿前に複数人で内容を確認するプロセスの導入をおすすめします。この体制により、誤解や不快感を防ぐことができます。
投稿タイミングを慎重に見極める
現地の祝日や追悼日、災害発生日などに配慮し、不適切なタイミングでの投稿は避けるべきでしょう。例えば、アメリカの9月11日（同時多発テロ発生日）に通常のプロモーション投稿を行うと、不謹慎と受け取られる可能性があります。そのため、現地のカレンダーやニュースをチェックし、投稿スケジュールを調整することが重要です。
現地の感情や文化に配慮したタイミングで投稿することで、誤解や反感を避け、適切なコミュニケーションを取ることができます。
ソーシャルリスニングを実施する
ソーシャルリスニングは、SNS上での自社に関する言及やトレンドを監視・分析する手法です。専用ツールや投稿の監視を行うことで、リアルタイムに情報を収集でき、消費者やユーザーの反応を迅速に捉えて、炎上の兆候を早期に検知することが可能です。
企業は迅速な対応を行うことで事態の悪化を防ぎ、ブランドの信頼を守りながら、SNS上でのコミュニケーションを効果的に活用できます。
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海外SNSごとの特徴を理解する
海外SNSにはさまざまな種類があり、炎上対策を行うためには、それぞれの特徴を理解しておくことも大切です。以下に、海外SNS28種の特徴をまとめました。
| SNSの名称 （国名） |
特徴・ユーザー層・利用地域・アクティブユーザー数・マーケティング利点 |
|---|---|
| WhatsApp （アメリカ） |
メッセージングアプリ。企業と個人のコミュニケーションツールとしても活用可能。 利点
|
| WeChat （中国） |
メッセージング、決済、ショッピングなど多機能なアプリ。 利点
|
| LinkedIn （アメリカ） |
ビジネス特化型SNS。BtoBマーケティングや採用活動に有効。 利点
|
| Viber （イスラエル→日本） |
メッセージングアプリ。エンドツーエンド暗号化で安全性が高く、企業のコミュニケーションツールとしても利用される。 利点
|
| Telegram （ロシア→トルトラ島） |
メッセージングアプリ。特にヨーロッパや中東で人気。 利点
|
| Discord （アメリカ） |
企業や教育機関の利用も多いコミュニティプラットフォーム。 利点
|
| Badoo （ロシア→イギリス・キプロス） |
コミュニケーションアプリ（マッチングアプリ）。 利点
|
| The Dots （イギリス） |
クリエイティブ業界向けのプロフェッショナルネットワーク。 利点
|
| Xing （ドイツ） |
ドイツ語圏を中心としたビジネス向けSNS。 利点
|
| Skyrock （フランス） |
ブログ機能を中心としたSNS。 利点
|
| MyHeritage （イスラエル） |
家系図作成やDNA検査を提供するプラットフォーム。 利点
|
| Polywork （アメリカ） |
ビジネス向けネットワーク交流SNS。 利点
|
| QQ International （中国） |
メッセージングサービス。チャット、ビデオ通話、ファイル共有、決済などの機能を搭載。 利点
|
| Pinterest （アメリカ） |
ビジュアル検索プラットフォーム。女性ユーザーが圧倒的に多いのが特徴。 利点
|
| ReverbNation （アメリカ） |
アーティスト向けの音楽配信・プロモーションプラットフォーム。 利点
|
| Ravelry （アメリカ） |
織物工芸に特化したSNS。主にアメリカ、イギリス、オランダ、ドイツなどの編み物・手芸愛好家が利用している。 利点
|
| VK （ロシア） |
ロシア最大のSNS。ロシアや旧ソ連諸国で広く利用されている。 利点
|
| QZone （中国） |
中国国内で人気のSNS。ブログや写真、音楽などの共有が可能。 利点
|
| Flickr （カナダ） |
写真と動画の共有プラットフォーム。非圧縮の質が高い作品がアップロードされる。 利点
|
| Yubo （フランス） |
ライブ配信プラットフォーム。特にアメリカ、カナダの10代の若者層に人気。 利点
|
| DeviantArt （アメリカ） |
世界最大級のオンラインアートコミュニティ。クリエイター同士のフィードバックも活発。世界中で利用されている。 利点
|
| LiveJournal （ロシア） |
ブログ型SNS。日記や記事をコミュニティで共有可能。 利点
|
| Taringa! （アルゼンチン） |
ユーザー生成コンテンツを中心としたSNS。ライフハック、チュートリアル、レビューなど多様な投稿が特徴。 利点
|
|
Snapchat （アメリカ） |
消えるメッセージ機能が特徴のSNS。インドやアメリカなどの若年層に人気。 利点
|
| Reddit （アメリカ） |
ユーザー投稿型の掲示板SNS。特定のコミュニティに向けたマーケティングに有効。 利点
|
| Tumblr （アメリカ） |
ブログ型SNS。クリエイティブなコンテンツの共有に適している。 利点
|
| Tagged （アメリカ） |
ユーザー同士の出会いや交流を目的としたSNS。 利点
|
| Nextdoor （アメリカ） |
近隣住民との交流を目的としたSNS。地域密着型のマーケティングに適している。 利点
|
海外SNSで炎上した際の対応フロー
海外SNSでの炎上は一瞬で広がり、大きな影響を与えます。ここからは、冷静な対応が求められる場面で役立つ具体的な対応フローを紹介します。
1｜状況の把握と原因の分析
炎上が発生した際は、まず原因となった投稿を特定し、状況を正確に把握することが重要です。その際、ソーシャルリスニングツールを活用し、関連する投稿やコメントの内容、拡散の広がりを分析することが有効です。
次に、炎上の原因が自社の発信によるものか、外部要因や誤解によるものかを明確にします。また、炎上した投稿を即座に削除することは、隠蔽と受け取られる可能性があるため避けた方がよいでしょう。
2｜迅速かつ誠意のある対応
炎上が確認されたら、速やかに公式な謝罪や説明を行い、誠意を持って対応することが重要です。対応が遅れると批判がさらに拡大し、信頼の失墜につながる恐れがあります。
謝罪文や説明文には簡潔でわかりやすい言葉を使い、責任の所在を明確にするだけでなく、再発防止策についても具体的に説明することが信頼回復への第一歩となります。迅速かつ誠実な対応を心がけ、被害の拡大を防ぎましょう。
3｜再発防止策の実施と信頼回復
炎上の収束後は、原因を徹底的に分析し、再発防止に向けた具体的な対策を講じることが求められます。社内のSNS運用ルールやガイドラインの見直し、従業員への教育や研修の強化を行い、同じ過ちを繰り返さない体制を整えましょう。
また、信頼回復には時間がかかるため、継続的な情報発信やユーザーとの積極的なコミュニケーションが欠かせません。透明性を持った対応が、信頼を取り戻す重要な鍵となります。
海外SNSの炎上対策にも活用できる「Buzz Finder」
Buzz Finderは、SNSやWeb上での言及やトレンドをリアルタイムで監視し、分析するソーシャルリスニングツールです。X（旧Twitter）の公式投稿をほぼリアルタイムで収集・分析し、過去の投稿や複数のメディアの情報も同時に解析可能です。また、急激なツイート数の増加を検出し、アラートメールで迅速に通知するため、炎上時には即座に対応できます。
さらに、炎上を素早く検出し、関連する投稿やコメントの内容を分析することで、問題がどのように拡大しているのか、原因は何かを特定できます。この情報をもとに、企業は迅速に適切な対策を講じることが可能です。
導入事例｜情報通信サービス業 様
情報通信サービス業様は、以下のような課題をお持ちでした。
- 広報部門：SNSの反応をもとにしたメディア対応を迅速に行いたい
- 顧客サービス部門：SNSの顧客の声をサービス改善に活かしたい
- お客様センター：炎上やトラブルの影響を早期に把握したい
ソーシャルリスニングツールを導入後は、以下のような効果を実感されています。
- 広報部門：リスク通知とレポートの迅速な提供で、的確なメディア対応やプレスリリースの速やかな発行が可能になった
- 顧客サービス部門：SNSの顧客の声が全社員や幹部と共有され、改善意識が向上した
- お客様センター：日報でSNS反応を定点把握することで、変化への迅速な対応力が強化した
海外SNSで発信する前に炎上対策を
海外SNSでの発信前に炎上対策を講じることは、ブランドや企業の信頼を守るために非常に重要です。事前にリスクを予測し、発信内容を慎重に検討することで、ネガティブな反応を未然に防ぐことができます。また、炎上を早期に察知するためのツールやシステムを導入し、迅速に対応できる体制を整えておくことも必要です。
ソーシャルリスニングツールのBuzz Finderを活用することで、企業の評判管理や危機管理が強化され、迅速な対応が可能になります。特に、炎上対策やマーケティング施策の効果測定に有用です。下記のリンクから詳細な事例レポートをご覧いただけますので、活用事例を知りたい企業のご担当者様は、ぜひご活用ください。
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