2021/07/30

ソーシャルリスク対策

ソーシャルリスニングとは?その仕組みやメリットなどを解説

SNS(ソーシャルメディア)やブログ・口コミサイトなどは、企業にとって不可欠な情報収集ツールの1つです。ただし、そこから自社に有益な情報を得るためには、これらツールに投稿される情報を収集・分析する必要があります。そこで重要になるのが、ソーシャルリスニングサービスの活用です。この記事では、SNSの投稿を収集・分析して消費者のニーズやトレンド調査を行う、ソーシャルリスニングについて解説・紹介します。

ソーシャルリスニングの定義とソーシャルモニタリングとの違いなどを解説

ソーシャルリスニングの定義と主な目的とは

ここでは、知っておきたいソーシャルリスニングの定義や利用する主な目的を紹介・解説します。

ソーシャルリスニングの定義

ソーシャルリスニングとは、インターネット上に投稿された消費者の幅広い声を収集・分析して、マーケティングに活用する手法のことです。

主な目的

ソーシャルリスニングの主な目的は、自社やそのブランド・商品に対する消費者の評価や評判を可視化することで、マーケティングに関わる社員全員が課題を共有することです。社員全員がこのような共通課題を持つことで、消費者中心のマーケティング戦略を実現・進化させることが可能になります。

ソーシャルリスニングが重要な2つの理由

ソーシャルリスニングが重要とされる理由としては、移り変わりの激しい消費者のニーズの理解と、SNS利用者の増加という2点が挙げられます。

消費者ニーズを素早く理解できる

インターネットの普及によって、消費者は多くの情報を入手できるようになりました。その結果として起きているのが、商品やサービスに対する消費者ニーズの変化のスピードアップです。トレンドはあっという間に移り替わり、求められる商品やサービスは次々と更新されていきます。そのため、従来のように時間をかけて消費者それぞれの意見を聞き取っていたのでは、トレンドに乗り遅れかねません。そこで重要になるのが、スピーディーに消費者ニーズを感知できるソーシャルリスニングなのです。

SNS利用者が増加しているため

SNSが普及したことで、ユーザーの数も増加を続けています。インフルエンサーと呼ばれる有名人だけでなく、一般のインターネットユーザーも日常的にSNSを利用してさまざまな情報を発信しています。SNSが普及するまで情報発信者は企業側に偏っていて、消費者は情報を受け取るだけでした。ところが、SNSなどの普及で企業やそのブランド・商品に対する評価・評判が気軽に発信されるようになり、その関係性に変化が生じています。このような状況から、マーケティングの1つとして、企業側にも消費者が発信する情報を受け取り分析する能力が必要とされているのです。

とはいえ、インターネット上に溢れる膨大な情報を収集・分析するのは簡単なことではありません。マーケティング担当者だけで行おうとすれば、多くの時間とコストが必要になります。こういった状況に置かれている企業にとってソーシャルリスニングは、マーケティングに欠かせない重要な手法の1つとして理解されているのです。

対象となるメディアとは

ソーシャルリスニングの主な対象メディアには、Twitter・Instagram・FacebookなどのSNSや、掲示板・ブログ・口コミサイトなどがあります。

ソーシャルリスニングとソーシャルモニタリングの違い

ソーシャルリスニングと誤解されやすいマーケティングツールに、ソーシャルモニタリングがあります。ここでは、この2つの違いを解説します。

ソーシャルモニタリングとの違い

ソーシャルリスニングとソーシャルモニタリングには、作業プロセスに大きな違いはありません。違っているのは、両者が担っている役割です。SNSなどで発信されている自社やその商品・ブランドに対する消費者の評価・評判などを収集・分析して、その反響の原因を突き止めるのがソーシャルリスニングの役割です。

一方のソーシャルモニタリングは、次のような役割を担っています。たとえば、SNSなどでは、自社やその商品・ブランドに対するネガティブ・ポジティブさまざまな評価・評判が飛び交っています。そのため、反響の大きい投稿があると、その話題性の高さにSNS全体が引き寄せられるといった事態が起きかねません。ソーシャルモニタリングはそういった特異な状況に陥った場合に、SNSユーザーのアクティビティストリーム(最新行動履歴)を察知して、スピーディーに対応するための手法として用いられています。

月額5.5万円から使える、Twitter投稿のリアルタイム収集ツール Buzz Finder サービス内容はこちら

ソーシャルリスニングによって得られるメリットを紹介

ソーシャルリスニングによる6つのメリット

ソーシャルリスニングには主に6つのメリットがあります。ここでは、それぞれのメリットを紹介・解説します。

商品・サービスに関する調査とエゴサーチ

ソーシャルリスニング最大のメリットです。SNSやブログ、口コミサイトなどの投稿を収集・分析することで、自社のイメージや商品・サービスの評価・評判を知ることができます。ツールによっては、評価・評判だけでなく投稿者の属性(職業・年齢・趣味など)を知ることができるため、より詳細な分析も可能になります。

消費者ニーズ・トレンド調査

自社の商品の売上やブランドの認知度を向上させるためには、消費者のニーズとトレンドを知ることが必要です。ソーシャルリスニングは、それらを知るための調査に使われます。SNSなどで発信されている自社商品やブランドに対する評価・評判だけでなく、同業他社の類似商品やサービスに関する消費者の声を収集・分析することで、より幅広い情報に基づいたマーケティングを設計・実行できるようになります。

インフルエンサーを発見できる

訴求力が強いインフルエンサーを発見することは、マーケティングを成功に導く上で不可欠の要素になっています。彼らは多くのフォロワーや読者を抱えているため、複数のインフルエンサーに自社やその商品・ブランドの情報を発信してもらうだけで、大きな宣伝効果が期待できるからです。ソーシャルリスニングでは自社やその商品・ブランドだけでなく、同業他社やその商品・ブランドに関するSNSなどの情報を収集・分析して、自社に最適なインフルエンサーを発見することができます。

発見した後はコンタクトを取って商品を試用してもらったり、ユーザー参加型のキャンペーンに参加してもらったりして、自社やその商品・ブランドを紹介してもらいます。

リアルタイムでのマーケティング効果の測定

ソーシャルリスニングでは、消費者が広告を見たリーチ数や、購入・契約・問い合わせなどに進んだコンバージョン数といった数値データとともに、感想などの定性データも獲得できます。また、そういったデータによってマーケティングの効果をリアルタイムで測定できるのも、ソーシャルリスニングの特徴の1つです。

競合他社に関する調査

新たな市場に参入する場合、既存企業との競合が避けられません。ソーシャルリスニングを活用して競合他社に対する評価・評判を収集・分析することで、そういった企業ののビジネスモデルや評判、成功と失敗の要因などを知ることができます。その結果をマーケティングに活かすことによって、新たな市場でも自社の商品やサービスを普及させることが可能になります。

炎上防止対策

SNSには常に炎上の恐れがあります。この場合の炎上とは、投稿者が企業やその商品・ブランドについてネガティブな評価をした場合に、その企業に対して批判が浴びせられることです。炎上が起こると、Webサイトにアクセスが集中してサーバーがダウンしてしまったり、抗議電話が殺到して業務がストップしてしまう恐れがあります。こういった事態を避けるためには、ソーシャルリスニングを活用してネガティブな投稿を早期に見つけ出し、炎上を未然に防ぐことが必要です。

ソーシャルリスニングの仕組みとスクレイピングを解説

ソーシャルリスニングの仕組みとスクレイピングの基礎知識

ソーシャルリスニングは、3つの分析手法によって構成されています。「数値分析」「投稿・アカウント分析」「セグメント分析」です。ここでは、ソーシャルリスニングの基本的な仕組みとともに、データの効率的な取得に役立つスクレイピングについて解説します。

数値分析

まずは数値分析です。キーワードを含む投稿数を抽出し、投稿者と関連するアカウント数や評価結果を割り出します。

投稿・アカウント分析

次に投稿・アカウント分析です。抽出された投稿に頻繁に出現しているキーワードや、インフルエンサーと思われるアカウントの割り出しなどを行います。

セグメント分析

最後がセグメント分析です。数値分析と投稿・アカウント分析で得られたデータを細かく分析して、「関心」や「購入」といったセグメントごとに投稿者を分類していきます。

スクレイピングとは

スクレイピング(scraping)は「削る」という意味の英語です。IT業界では、Webページの中から必要なデータだけを抜き取る技術を指します。スクレイピングツールを利用すれば、上記のデータの中から必要ものをだけを自動で抜き取ることが可能です。

ソーシャルリスニングで出来る3つのこと

ソーシャルリスニングで何が出来る?

ソーシャルリスニングでは、主に次の3つのことが行なえます。

ソーシャル カスタマーサポート

ソーシャル カスタマーサポートは、SNSの投稿を利用して投稿者をリードと呼ばれる潜在的な顧客(見込み客)に変換する機能のことです。リードを設定することで、成立する可能性の高い潜在的案件に重点を置くことができます。リードに変換できそうな投稿者を抽出する際に、ソーシャルリスニングが役立ちます。

インフルエンサー マーケティング

インフルエンサー マーケティングとは、主にSNSを通して社会に強い影響力を持っている投稿者に、自社やその商品・サービスを紹介してもらうマーケティングのことです。インフルエンサー マーケティングのサポート企業もあり、Webマーケティング業界で注目されている手法の1つです。なお、ソーシャルリスニングでは、自社に最適なインフルエンサーを見つけ出すことができます。

企業アカウントで消費者との繋がりを強化

自社のSNSを設けることで、消費者との直接・間接的な繋がりの強化が可能です。ソーシャルリスニングによる収集・分析によって発掘された消費者とSNS上で繋がることで、リードから顧客へと導くことが可能になります。

ソーシャルリスニングの手順を紹介

ソーシャルリスニングの手順は7段階

目標定義

1段階目では、「何のために」「どのような情報を」「どう生かすのか」といった目的をはっきりさせます。これを目標定義と呼びます。

分析対象の定義

2段階目は分析対象の定義です。投稿者を対象とする場合と投稿内容を対象とする場合があります。

優先度の定義

3段階目は目的に沿ったデータの収集です。ソーシャルリスニングで収集する主なデータは、数値データ・画像データ・動画データ・テキストデータの4つです。また、効率的な収集を行うためには、データ収集の際に優先度を設定することが重要になります。すべてのデータをまとめて収集しようとすると非効率なため、必ず優先度を決めて収集することが大切です。

ツール選択

4段階目では多くのツールの中から自社に適したツールを選択します。主なツールには、twitterと連携すると「いいね」が付いたりクリックされたりしたことが分かるツールや、自社のWebページのファン層を知ることができるツールなどがあります。

キーワードの選択

5段階目では目的に沿ったキーワードを選択します。たとえば、自社に対する評価・評判を調査したい場合は社名だけをキーワードに設定し、商品やサービスなどについての評価・評判を知りたい場合は、商品名やサービス名の他に味やサービスの質などに関するキーワードを設定します。

レポーティング

6段階目では収集したデータをレポートにまとめます。レポートは誰もが一目瞭然に理解できるように、できる限りグラフ化することが必要です。なお、ソーシャルリスニングサービスには、レポートの作成を代行してくれるサービスがあります。

分析

最後の7段階目では、作成したレポートを資料にしながら分析を行います。とはいえ、データの分析には高い専門性が必要です。そのため、ソーシャルリスニングサービスでは、この分析を代行するSNS分析官を置いている企業もあります。

ソーシャルリスニング導入事例2選

大手新聞社と大手飲料メーカーの成功例

ここでは、ソーシャルリスニングの導入でビジネスに一定の成功を収めている2社の事例を紹介します。

大手新聞社の事例

大手新聞社では、ソーシャルリスニングを使ってSNSのデータを収集・分析することで、読者や市民の声を紙面に活かすことに取り組みました。その結果、世の中のブームや社会現象をスピーディーに分析できるようになり、新たな誌面作りの実現に成功しています。

大手飲料メーカーの事例

自社商品がどのように消費されているかを可視化するために、ソーシャルリスニングを活用した大手飲料メーカーの事例です。このメーカーでは主にSNSに投稿された画像を収集して、自社商品の消費シーンを季節や場面ごとに分析しました。その結果、どのような時期にどのようなシーンで多く飲まれているかを把握することに成功したのです。

ソーシャルリスニングサービスの導入はSNSなどを活用したビジネスには必須!

ビジネスにSNSやブログ、口コミサイトなどを活用するには一定のスキルが必要です。収集したデータの分析には高度な専門性が必要とされますし、自社のSNS運営にも常に炎上のリスクが潜んでいます。そのため、ソーシャルリスニングを自社の成長に活かすためには、ソーシャルリスニングサービスを積極的に導入して、便利なツールや専門家の力を借りることが得策です。