2024/08/30
ソーシャルリスク対策
ソーシャルリスニングツールの選び方とは?比較のポイントを詳しく解説
インターネットやスマートフォンの普及により、マーケティングの主戦場はWebへと移り変わりました。それに伴い、マーケティングに役立つツールも多数登場していますが、その一つが「ソーシャルリスニングツール」です。
本記事では、ソーシャルリスニングツールの基礎知識を踏まえつつ、ツールの目的やタイプ、比較ポイントや企業での導入事例について解説します。ソーシャルリスニングツールの選び方が知りたい方は、ぜひご一読ください。
- ソーシャルリスニングツールとは、SNS上に投稿される消費者のリアルな意見を収集・分析し、改善施策や効果測定に活用するためのツール。
- 炎上リスクの監視や業界・競合企業の動向把握にも役立つ。
- 大きく分けると3つのタイプが存在し、SNSアカウントの運用や多角的な分析に活用することも可能。
- ソーシャルリスニングツールを比較する場合、対応するメディアや分析機能の数、データの保有量・分析速度などがポイントとなる。
ソーシャルリスニングツールとは?
ソーシャルリスニングとは、SNS上に投稿される消費者の意見を収集・分析し、自社に対する評価や現状抱えている課題を可視化するマーケティング手法です。その手法を効率化するために開発されたものが、本記事で紹介するソーシャルリスニングツールとなります。
SNSは屈託のないリアルな意見が集まるため、消費者のニーズやプロモーションの反響をまとめて確認できる有益な情報源です。しかし、投稿を一つずつ手動でチェックすると、途方もない時間がかかります。
ソーシャルリスニングツールならチェック手順の大半を自動化できるため、大幅な時短を図ることが可能です。
関連記事:ソーシャルリスニングとは|意味や分析方法の解説と導入事例を紹介!
ソーシャルリスニングツールの機能
ソーシャルリスニングツールの基本機能としては、以下の4つが挙げられます。
機能 | 概要 |
---|---|
データ収集 | キーワードを指定し、SNS上にあふれる膨大なデータを集める機能 |
分析 | 収集したデータを以下のように分析する機能
|
通知 | 炎上やプロモーションによる投稿数の急増を検知し、アラートメールで通知する機能 |
レポーティング | 分析結果の詳細なレポートを作成する機能 |
ソーシャルリスニングツールの目的とは?
ソーシャルリスニングツールを活用する目的は、以下の通りです。
- 改善ポイントの特定
- プロモーションやキャンペーンの効果測定
- 炎上リスクの監視
- 業界・競合企業の動向把握
それぞれ詳細もまとめたので、ぜひご確認ください。
改善ポイントの特定
X(旧Twitter)やInstagramといったSNS上にあふれる投稿内容は、いわば「消費者のリアルな本音」です。ソーシャルリスニングツールを使えば、ユーザーの自然な声(VOC:Voice Of Customer)を効率的に収集・分析できるので、商品・サービスの改善やマーケティング施策の改善などにつなげることができます。
定量・定性データを収集・分析しつつ、ターゲットユーザーから支持を獲得しているか、どのような部分で不満が生じているかといった点を調査できるので、具体的な改善ポイントを特定することが可能です。
適切な改善施策を実行するとともに、商品・サービスやマーケティング施策をブラッシュアップできます。
関連記事:VOCとは?マーケティングに活用する3つのメリットや事例を解説
プロモーションやキャンペーンの効果測定
ソーシャルリスニングツールを活用すると、Web広告・SNS広告・テレビCM・新聞広告などで実施したプロモーションやキャンペーンの反応を、ほぼリアルタイムで確認できます。ユーザーのポジティブな意見・ネガティブな意見の具体的な内容をチェックしたり、好評・不評のポイントを把握したりすることが可能です。
また、年齢・性別・居住地・職業といった属性データを収集できるツールであれば、どのようなユーザーが投稿しているのか詳しく分析できるようになります。セグメントごとの反応を確認できるため、ユーザーの動向も見えてくるでしょう。
炎上リスクの監視
昨今、SNSでの炎上が増加しています。自社のイメージに悪影響を与えるだけではなく、抗議電話やサーバーダウンといった実害が発生したり、ユーザーの呼びかけで不買運動が起こったりする可能性もあるため、早期発見・早期対応が重要です。
ソーシャルリスニングツールを活用することで、SNSの炎上リスクをリアルタイムで監視しつつ、特定のキーワードを含む投稿が急増した際にアラートメールを送信できます。ユーザーの反応や炎上の事実を確認した上で、迅速かつ適切な対応が取れるようになるため、炎上リスクを最小限に抑えることも可能です。
業界・競合企業の動向把握
ソーシャルリスニングツールを導入した場合、他社商品に関する口コミをチェックしたり、自社商品の口コミと内容を比較したりすることもできます。業界・競合企業の動向を調べることができるため、マーケティングにおける情報収集や分析にも効果的です。
市場のトレンドを把握しつつ、素早くアクションを起こせるようになるので、他社に対する優位性を得ることができます。また、消費者の潜在的なニーズやリスクを早期に察知できることもポイントです。
さらに、他社と自社の違いを明確化しつつ、商品・サービスの差別化を図ることもできます。
ソーシャルリスニングツールのタイプ
ソーシャルリスニングツールのタイプは、大きく分けると以下の3つです。
- キーワード収集や分析を効率化するタイプ
- SNSアカウントの運用にも活用できるタイプ
- 多角的な分析ができるタイプ
各タイプの特徴や強みも詳しく解説します。
キーワード収集や分析を効率化するタイプ
一般的なソーシャルリスニングツールは、主にX(旧Twitter)での投稿を収集・分析できるタイプに該当します。対象となるキーワードを設定するだけで簡単に投稿を収集できるため、ほとんど手間がかかりません。
分析に関しては、ポジネガ分析や口コミ件数の推移といった基本的な機能がそろっているので、ソーシャルリスニングの効率化を図りたい企業に広くおすすめできます。
収集するSNS上の投稿量(データ量)は全量から、抜粋まで各種存在しており、目的や用途に応じて選ぶことが可能です。また、X(旧Twitter)やInstagramといったSNSに加えて、ブログ・口コミサイト・Webニュースなどに対応しているタイプもあります。
SNSアカウントの運用にも活用できるタイプ
ソーシャルリスニングを実施しつつ、同時にSNSアカウントの運用にも活用できるタイプです。複数のツールを使い分ける必要がなくなるので、使い方を覚えやすい上、作業の手間も省けます。
SNSアカウントの運用に役立つ機能としては、以下のようなものが挙げられます。
- 複数のSNSアカウントでの予約投稿
- リポストキャンペーンやハッシュタグキャンペーンの自動実施
- 投稿に対するポジネガ分析
- 競合SNSアカウントとの比較分析(投稿数・フォロワー数・リプライ数など)
- SNSアカウントの改善提案・施策立案
SNSアカウントの運用・管理を効率化したいなら、このタイプがおすすめです。
多角的な分析ができるタイプ
さまざまな分析機能を搭載しており、より多角的な分析ができるタイプです。シーンに応じて複数の分析機能を使い分けることで、一般的なソーシャルリスニングツールより効率的に膨大なデータから有益な情報を抽出できます。
投稿数やフォロワー数といった定量的な情報に加えて、投稿内容の裏にある感情や思考など定性的な情報も分析できるため、市場の心理を可視化することが可能です。
また、多言語に対応したツールであれば、グローバルに展開する企業の海外マーケティングにも活用できます。
関連記事:SNS分析の重要性や企業価値アップのためのポイントを解説
ソーシャルリスニングツールの比較ポイント
ソーシャルリスニングツールを比較する場合、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 対応するメディアの数
- 分析機能の数
- 炎上に対する対策機能の有無
- SNSアカウント運用への対応
- データの保有量・分析速度
- 海外言語への対応
各ポイントの詳細もご覧ください。
対応するメディアの数
対応するメディアの数が多ければ多いほど、より多様なデータを収集できるようになります。ソーシャルリスニングツールに対応するメディアの例を紹介するので、以下も併せてご確認ください。
- X(旧Twitter)
- アメーバブログ
- Yahoo!知恵袋
- 大手ECサイトの口コミ
- Webニュース
ソーシャルリスニングで成果を得るためには、自社が利用しているメディアに対応したツールを選ぶ必要があるので、ツール導入の際はよく確認しましょう。
分析機能の数
豊富な分析機能を搭載したツールであれば、より詳細な分析結果を得られるようになります。分析機能の例もいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 時系列分析
指定したキーワードに関する投稿数をチェックし、ニーズや話題性を分析する - 属性分析
収集したデータからユーザーの年齢や性別をチェックし、属性ごとの傾向を分析する - 感情分析
製品やキャンペーンについて投稿されたテキストを基に、情報を抽出し、感情を可視化する
なお、分析機能の数が多いほど料金も高くなりやすいので、費用対効果のバランスを踏まえて選定しましょう。
炎上に対する対策機能の有無
先述の通り、近年はSNSでの炎上が多発しているので、業界を問わず注意しなければなりません。もし炎上騒ぎが起こると、ユーザー・取引先・従業員といった関係者からの信頼を失ってしまう可能性もあります。
炎上を未然に防ぐ、あるいは素早く鎮火するためには、ソーシャルリスニングツールで迅速に炎上を察知することが大切です。
炎上対策に優れたツールであれば、特定のキーワードに対する投稿が増加するとアラートメールで通知してくれる機能を搭載しています。炎上リスクを抑制しつつ、被害を最小限に抑えられることがメリットです。
SNSアカウント運用への対応
自社でSNSアカウントを運用していて、なおかつ管理ツールなどを導入していない場合、SNSアカウントの運用機能があるツールを選択しましょう。ソーシャルリスニングはもちろん、SNSアカウント運用の効率化も図ることができます。
さらに、ソーシャルリスニング・SNSアカウント運用の精度向上も期待できるので、効率化との相乗効果が見込めるでしょう。
また、これからSNSアカウント運用を始める企業向けに、アカウント作成やKPI設計の支援、改善提案といったサポートを提供しているツールもあります。ツールによっては複数のSNSアカウントを一元管理できるため、運用計画に合わせて選びましょう。
データの保有量・分析速度
ソーシャルリスニングツールによってデータの保有量・分析速度は異なるので、きちんとチェックしたいところです。基本的に大量のデータを保有できて、高速分析ができるツールを推奨します。
データの保有量が多いほど偏りの少ないデータを取得できるほか、過去のデータを含めた長期的なトレンド分析なども可能です。
また、SNSはリアルタイム性が高いので、分析速度も重要となります。分析速度が速ければ、より迅速に結果をマーケティング施策へと反映できるためです。
また、プロモーションやキャンペーンをリアルタイムで分析する際にも役立ちます。
海外言語への対応
欧米やアジアの言語に対応しているツールを導入すれば、海外の動向も把握できるようになります。海外市場のトレンドや海外ユーザーの反応をいち早くチェックできるため、海外でのマーケティング施策の策定や効果測定に役立つでしょう。
また、訪日外国人の動向を分析したり、各種データを国別で比較したりすることもできます。海外進出やインバウンド事業の展開を検討しているなら、海外言語への対応は要チェックです。
VOC分析・リスクマネジメントに有効なソーシャルリスニングツール「Buzz Finder」
Buzz Finderは、企業のVOC分析・リスクマネジメントに役立つソーシャルリスニングツールです。X(旧Twitter)公式全量の投稿をほぼリアルタイムで収集できるので、ユーザーの生の声を素早く把握できます。
トレンド分析・ポジネガ分析・関連語分析などに対応しているため、プロモーションの反響やユーザーの動向・感情を迅速かつ正確に把握することが可能です。分析結果に基づいて発信の内容やタイミングを調整すれば。SNSにおける拡散力の向上も実現できるでしょう。
また、炎上騒ぎなどによって投稿数が急増した場合、その事実を即座に検知してアラートメールを送信するため、炎上対策にも効果的なツールです。
ご要望に合わせてInstagramやFacebook、口コミサイトなど、多様なソーシャルメディアでのデータ収集・分析にも対応しています。
導入事例|消費財メーカー 様
ある消費財メーカー様では、マーケティングにおいて「SNS上のネガティブな投稿を早期発見し、風評被害やトラブルを抑えたい」という課題を抱えていました。また、インフルエンサーの活用や部署間の連携にあたり、効果的な施策を探っていたようです。
Buzz Finderを導入した結果、炎上リスクをリアルタイムで把握し、体系的なアクションが打てるようになったとのことです。さらに、社外ステークホルダーの意見に基づく対策立案、関係部署の意識・連携強化も実現しています。
ソーシャルリスニングツールは比較した上で導入しよう
ソーシャルリスニングツールを導入すれば、SNS上の膨大なデータを自動的に収集・分析し、消費者のリアルな本音を把握できるようになります。マーケティング施策の改善やプロモーションの効果測定、炎上リスクの監視に活用できるため、非常に有用です。
ただし、対応するメディアや分析機能の数、炎上対策機能やSNSアカウント運用機能の有無はツールによって異なるので、事前にきちんと比較した上で導入しましょう。
SNSを使ったマーケティングに取り組むなら、ぜひBuzz Finderの導入をご検討ください。データ収集・分析や改善提案、炎上対策に役立つ機能がそろっています。
また、NTTコム オンラインでは、ソーシャルリスクの事例レポートも提供しているので、こちらも併せてご確認ください。
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