2022/03/15

VOCマネジメント

SNS分析の重要性や企業価値アップのためのポイントを解説

SNSは今や企業にとっても非常に重要な媒体となっています。運用するからには分析を行い、そこから得られる情報を活かさなければいけません。では、具体的にSNSの分析はどのように行うとよいのでしょうか。本記事では、ソーシャルリスニングの基本となる企業におけるSNS分析の重要性や分析方法などを解説します。分析をして得た結果をもとに、企業の発展やイメージの向上などへとつなげてみましょう。

SNS分析の種類

SNSの分析結果からは、さまざまな情報を読み取ることができます。まずは、得られる情報にフォーカスしてSNS分析の種類を紹介・解説します。ここで紹介する以外にも多くの種類が存在していますが、ソーシャルリスニングを取り入れる企業であれば、最低限押さえておきたいものに厳選して解説していきます。

トレンド分析

自社が運用しているSNSアカウントでの投稿が、世間にどのように受け入れられているのかを知ることができる「トレンド分析」。まさしく世の中のトレンドを把握できるわけですが、SNSの特性を活かし、リアルタイムで分析したり情報収集を行ったりすることが可能です。企業そのものや取り扱う商品が、どのようなタイミングで、何をファクターとしてトレンドを形成するのかはとても重要な情報となるでしょう。プロモーション効果がわかるとともに、一方でトレンドが発生していないときにどのような施策を講じるべきなのかなどの戦略も練りやすくなるはずです。

センチメント分析

「センチメント分析」は感情分析やポジネガ分析とも呼ばれ、特にSNSユーザーの感情にフォーカスした分析を指します。SNSは感情の宝庫です。企業や商品に対してどのような感情を持たれているのかを分析することで、何がどのようにユーザーの心に働きかけるのかを把握することができます。ポジティブな感情はもちろん、ネガティブな感情も即座に分析することが重要です。企業にとってはポジティブな反応が多い方がよいものの、あえてネガティブな意見を活用しプロモーションを行う企業も存在しています。いずれにしてもユーザーの感情を無視していてはソーシャルリスニングを正しく行うことはできないでしょう。

リスク分析

「リスク分析」は、センチメント分析などで得た情報の中で特にネガティブな意見や反応にフォーカスすることでマーケティングに活かすことができます。企業にとってリスク回避は非常に重要な課題の一つです。ポジティブな意見をさらに増やそうとする取り組みも必要ですが、同時にネガティブな意見や反応を抑えるための取り組みも欠かせません。リスク分析を正確に行えなければ、それがトラブルや世間からのバッシング等に発展するリスクが高まってしまうでしょう。また、風評被害の回避や抑制、沈静化等にもリスク分析は活用できます。調子のよい企業こそ、SNSにおけるリスク分析を徹底する価値があるのではないでしょうか。

関連キーワード分析

SNS分析は特定のキーワードに沿って行う手法が主流ですが、さまざまなキーワード同士の関連性を見出すものが「関連キーワード分析」です。関連語分析と表現されることもあります。もともと分析の対象としていた特定のキーワードと一緒にSNSに投稿されているキーワードを知ることができれば、ユーザーの興味や関心、行動に関する新たな情報を得ることへとつながるでしょう。商品開発をした企業やチームですら気づかなかった情報が、こうした関連キーワード分析で得られることも珍しくはありません。関連キーワードもうまく活用しながらプロモーションを行えば、さらなる訴求効果や販促効果が期待できるはずです。

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SNS分析の重要性と効果

SNS分析が注目されている理由は、企業に大きな効果やメリットをもたらしてくれるためです。具体的にどのような効果が得られるのかを知ることで、SNS分析の重要性にも気づくことができるでしょう。

ユーザーの反応を可視化・定量化できる

企業にとって顧客の存在は重要であり、その顧客の反応や意見は財産にもなり得ます。特に、商品の開発や改善、企業のイメージ向上を促進していくためには、世間の生の声や率直な反応に目を向けることが欠かせません。SNS分析を行うことで、そうした顧客やユーザーの反応を可視化できるようになります。方法や設問によって意見やデータが偏ることのあるアンケート調査などと異なり、ユーザーの本音を知ることができる点がポイントです。また、そうした声や反応、意見などを数値として表現できれば、よりマーケティングへと活かしやすくなるでしょう。感覚的・抽象的なものを定量化できる点も、現代のSNS分析の重要なポイントでありメリットなのです。

リアルタイムの情報収集で迅速に対応できる

インターネットがない時代と比較し、情報の伝わるスピードが圧倒的に早くなりました。SNSの誕生により、それはさらに加速しています。SNS分析を行わなければ、企業は世の中の変化や流行のスピードについていくことができず淘汰されることになるでしょう。逆に、SNS分析を積極的に行うことでリアルタイムの情報収集が可能となり、商品開発やプロモーションへと素早く活かせるようになります。PDCAサイクルのスピードも上げることができるでしょう。特にネガティブな反応は伝わるスピードが早いため注意が必要です。日頃からSNS分析を行なっていない企業であればあるほど、風評被害などに遭うリスクが高まってしまうかもしれません。迅速に対処し被害を事前に回避する、あるいは最小限に抑えることにもSNS分析は役立ってくれるのです。

競合他社の情報収集などに役立つ

企業にとって、競合他社の動向は気になるものです。SNS分析を活用することで、競合他社の情報を集めることが可能です。似たような事業を行っていたり同じような商品を生産・販売していたりしているにもかかわらず売上や人気に差があるのであれば、より積極的にSNS分析を行う必要があるでしょう。他社は、それを上手に活用することで売上や人気を伸ばしているのかもしれません。競合他社に対するユーザーの反応や世間での認知度などを分析できれば、マーケティングやSNSの運用方法の参考にすることも可能です。

自社を客観的に見直すことにつながる

SNS分析の重要性や効果などは説明したように数多く存在していますが、自社を客観的に見直すことができる点にも大きなメリットがあります。SNS分析を活用し世の中の動きを把握することで、内部にいるだけではわからない動向や事情、感覚などにも触れることができるためです。発信しているだけでは知ることができなかった勘違いや世間とのズレなどにも気づけるかもしれません。客観的に、あるいは俯瞰的に自社や商品を見つめ直すことができれば、企業としてさらに成長・ステップアップすることもできるでしょう。

SNS分析の方法

SNS分析は、主に「アカウント運用分析」と「口コミ分析」の2つの方法に分けることができます。それぞれどのような特徴があるのかみていきましょう。

アカウント運用分析

SNSの「アカウント運用分析」とは、自社のアカウントがどのような運用をしているのかや、ユーザーが自社アカウントの発信に対しどのように反応をしているのかなどを確認・分析する方法を指します。X (旧Twitter)ではアナリティクス、インスタグラムやフェイスブックではインサイトなどと呼ばれているものを確認・分析する方法です。こうしたアカウント運用分析では、一定期間における投稿数やユーザーの反応を示すインプレッション、アクセス数、エンゲージメント総数、クリック数などを把握することが可能です。

アカウント運用分析を行うことで、自社のアカウントが発信した情報に対する世の中の率直な反応がわかるわけです。何がきっかけで注目されたのかなど、細かなタイミングの把握も容易にできます。反応の良し悪しやタイミングがわかれば、よい反応を増やすための施策、悪い反応を防ぐための対策などを練りやすくなるでしょう。細かな調整を行うことにより、自社や商品のプロモーション及びイメージアップの実現のために、さらにSNSを有効活用することも可能となります。

口コミ分析

SNSに投稿された自社や商品へのユーザーの反応、とりわけ具体的な評判や感想などを分析する方法が「口コミ分析」です。ソーシャルリスニングは、この口コミ分析を主としています。世の中の人の反応を知ることは、企業にとって非常に重要です。特に一般消費者向けの製品やサービスを開発・販売している企業や店舗にとっては無視できないものとなるでしょう。SNSへの書き込みなどは「UGC(User Generated Content)」と呼ばれ、ソーシャルリスニングにおいても欠かせない要素となっています。

このUGCを起点とし、「Like(いいね)」、「Search1(SNSでの検索)」、「Search2(検索エンジンでの検索)」、「Action(購買)」、「Spread(拡散)」へと順につながり、このプロセスによって顧客の購買行動が広がっていくという考え方があります。これは、それぞれの頭文字をとり「ULSSAS(ウルサス)」と呼ばれ、口コミ分析においても重要な考え方となっているのです。ポイントは、ULSSASのプロセスがUGCから始まっている点でしょう。SNSへどう書き込まれるかによって、企業や商品の命運が決まるといっても過言ではありません。ユーザーの購買行動のサイクルを適切に回していくためには、SNSの口コミ分析が欠かせないのです。質が高くポジティブなUGCを増やすことができれば、次第に企業や商品への好感度へも反映され企業価値を高めることにもつながるはずです。

SNS分析のポイント

SNS分析の種類や重要性、方法を把握しただけでは、分析結果を本当の意味で活かすことはできません。具体的にどのような形でSNS分析を行い活用していくとよいのか解説していきます。

SNS分析ツールを導入する

最低限必要なものに、SNS分析ツールの導入があります。アカウント運用分析はX (旧Twitter)などのアナリティクスやインサイトをチェックすればある程度は行うことができるでしょう。トレンド分析やリスク分析も、人の手で行おうとすればできないことはありません。しかし、人の手のみに頼ったチェックや分析は効率的ではなく時間的・人的コストもかかります。それらのコストを軽減させてくれるものが、SNS分析ツールです。例えば「Buzz Finder」などのX (旧Twitter)分析ツールが、それにあたります。

設定したキーワードの分析をリアルタイムで行い分類したうえで、必要に応じてアラートメールで通知をする機能などを備えています。迅速な対応がとりやすくなり、風評被害や炎上などの回避・抑止に役立てることができるでしょう。導入コストがかかったとしても、それ以上の効果が期待できます。今やSNS分析ツールなしで膨大な量の投稿を収集・選別等することはできません。ソーシャルリスニングを取り入れ、かつ効果を最大化したいと考えるのであれば必須のツールとなります。

分析結果の活用を意識する

SNS分析で得た結果をどのように活用するのか、これが最大のポイントとなるといってもよいでしょう。優秀なSNS分析ツールを導入し必要な情報を得たとしても、それを活用できなければ意味がありません。企業や商品に対するネガティブな投稿が目立つのであれば、炎上させないためのスピーディーな対応が求められます。ポジティブな投稿が目立つのであれば、そのデータを眺めて喜ぶだけではなく次の商品企画や販促活動などに活かせないか即座に検討に入るべきでしょう。ターゲットやペルソナの設定・変更に役立たせることもできます。SNSの投稿時間やキーワードの選定、リンクの貼り方や画像・動画の選定などにも影響を与えるはずです。収集・分析したデータや情報の活かし方まで意識してこそ、SNS分析が最大限の効果を発揮してくれると考えておかなければいけません。

分析結果を社内やチームで共有する

企業やチームの規模・構成にもよりますが、SNS分析結果をできる限り多くの社員やメンバーで共有することも重要です。マーケティングにかかわっている人のみで把握しているだけでは物足りません。収集した情報や分析・解析したデータを社内やチームで共有することで企業・商品の現状の把握に役立つとともに、多くの人の発想や創造によい影響を与えることも期待できます。立場や役職を超えてコミュニケーションのきっかけとして活用できればイノベーションも起こりやすくなるでしょう。特にSNSの運用方法に関しては、若くポジティブな人の方が長けているケースも少なくありません。これからの時代を生き抜き企業価値を高めていくためには、日本企業に残りがちな古い慣習や文化を刷新していく必要もあるはずです。そうした企業改革などに活用するためにも、企業やチーム内の幅広い層でSNSの分析結果を共有することが求められるのです。

SNS分析は専用ツールを活用することで最大限の効果を発揮できる

企業や商品が世の中からどのように捉えられているのかを把握するために行われるSNS分析。多くの企業にとって必須のマーケティング方法となるでしょう。情報やデータをリアルタイムで収集・分析しソーシャルリスニングの効果を最大化するためには、SNS分析専用ツールの導入が欠かせません。そのうえで適切な活用や共有ができれば世の中のニーズを掴める商品を生み出すことができ、企業価値を高めることにもつながるはずです。

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