2016/01/28

【カスタマーロイヤルティxビジネス】

第9回 カスタマーエクスペリエンスに影響を与える組織について考える

NTTコム オンラインの屋代です。今回は、『カスタマーエクスペリエンス』に影響を与える企業内の組織について考えます。

『カスタマーエクスペリエンス』への注目が高まり、その改善に取り組む企業が増えています。そして、『カスタマーエクスペリエンス』への責任を負う組織としては、コールセンターや店舗といった、直接にお客様と向き合う組織がまず挙がることも多いようです。

しかし、『カスタマーエクスペリエンス』を、購買やサポートといった個々のタッチポイントではなく、認知から推奨までの『カスタマージャーニー』のコンテクストの中で捉えた場合、より多くの組織が『カスタマーエクスペリエンス』にかかわってくるのではないか、と考えられます。

調査ソリューションを提供するメダリア社のブログ "5 Non-Customer-Facing Roles That Impact Customer Experience" では、『直接にお客様との接点を持たない部署もカスタマーエクスペリエンスに大きな影響を持っているが、その影響は見過ごされがちである』とし、その例として以下の5つの組織を挙げています。

1. リクルーター

お客様との接点となる部署の従業員をリクルートする際に、お客様とともに働くことに喜びを見出す人材を見つけ出すことが重要ですが、お客様をサポートすることに喜びを見出すことと楽しい表情をつくることには大きな違いがある、と述べています。そして、お客様のフィードバックからすすんで学ぶ姿勢が大切であり、リクルーターは、建設的な批判に対して落ち込んだり憤ったりするのではなく、それらから学ぶことを楽しむような人を見出すべきである、としています。

2. プロダクトマネージャー

オファーされたものが自分たちのニーズに合っていないお客様を満足させることは、他のどんな経験が好いものであったとしても難しいことです。しかし、プロダクトマネージャーは、お客様のニーズに関する知見を得ることが出来ているでしょうか?

グループインタビュー、市場リサーチ、競合比較だけでなく、カスタマーエクスペリエンスに関するデータに直接にアクセスさせ、新製品の開発に当たって、顧客と対面する部署と協働させることも重要である、と述べています。

3. 財務分析担当

財務分析担当は、単に予算の確保や配分を決めるだけでなく、正しいツールを与えられることで、どの分野への投資が最も大きなベネフィットをもたらすかを予測することが出来る、と述べています。お客様の支出やリテンションに影響を与えるカスタマーエクスペリエンスの種類を理解するためには、いくつもの成果指標と、それらと財務的な指標との関連を理解する必要がある、としています。

4. IT部門

リンク切れや機能の乏しいWebサイトは、それだけでカスタマーエクスペリエンスにネガティブな影響を有しています。お客様とのデジタルタッチポイントのスムーズな動作と高い信頼性に責任を有するのはIT部門です。

一方で、IT部門は、社内各部署がカスタマーエクスペリエンスを届けるために必要なリソースや情報へのアクセスを保障しなければなりません。ITインフラを適切にデザインさせるために、他の部署と協働させる必要がある、と述べています。

5. 社内カルチャーを担当するマネージャー

従業者の幸福ややる気は、お客様に対面する従業者がより良いサービスを提供することを促すものです。しかし、社内カルチャーを担当するマネージャーは、ソーシャル活動やオフィスのデザインを通して知識の共有やコラボレーションを推進することも可能です。

大きな組織においては、カスタマーエクスペリエンスについてのベストプラクティスは組織の壁に阻まれがちです。マネージャーに、オフィススペースのデザインや、異なるチームからなる活動を通じて、自分たちが取り組んでいることについて語り合うことを奨励すべきである、と述べています。

この記事に挙げられた組織は一例で、ビジネス形態によっては、さらに多くの組織が、いろいろなアプローチでカスタマーエクスペリエンスにかかわっていると考えられます。

カスタマーエクスペリエンスの改善は、お客様に対面する組織のみに責任を丸投げするのではなく、あらゆる組織を横断した取り組みが求められる、といわれています。その実現には、トップを含めたリーダーシップのもと、カスタマーエクスペリエンスに関するデータを社内で共有し、改善すべき点を優先付けしたうえで責任部署(単一の組織ではなく、組織横断的なプロジェクトとなるケースもあるでしょう)を決め、その進捗を社内横断的に管理し、その改善に基づいた成果についてもデータに基づいて評価する、といった全社的な取り組みと、それを支えるシステムが求められるのではないでしょうか。

今回ご紹介した記事は以下にてお読みいただけます。(英語です。)
 5 Non-Customer-Facing Roles That Impact Customer Experience

* Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

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屋代 誠

屋代 誠

企業向けのソーシャルメディア活動支援ソリューション【Social Studio】のプロダクトマネージャー。
Net Promoter Certified Associate 取得。

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