2025/03/24

アドバンスド

OVER関数の集計範囲を指定するノードナビゲーションの紹介

※本記事は1/30開催セミナー「TIBCO Spotfire活用セミナー OVER関数の使い方 vol.2」で紹介した内容です。

このコンテンツでは、セミナー内で取り上げたノードナビゲーションをご紹介します。利用したバージョンは、Spotfire Analyst 14.0です。ご利用環境によって、一部画面構成が異なる場合がありますので、ご了承ください。

はじめに

本コンテンツでは、OVER関数の集計範囲を指定する際に用いる「ノードナビゲーション」を紹介します。
ノードナビゲーションは、カスタム演算式内で使用でき、OVER関数を用いたグループごとの集計に活用されます。適切に使い分けることでSpotfireでの可視化の幅が広がります。

ノードナビゲーション

例として時間階層(年→四半期)を持つデータで説明します。
分割されたグループをノードと呼びます。

ALL

集計対象:

すべて(ALL)のノード

使用例:

全体に対する各ノードの割合を算出する
例)全期間売上に対する四半期売上比
式:Sum([売上額]) / Sum([売上額]) OVER All([Axis.X])

Next / Previous

集計対象:

現在のノードの次(Next)または前(Previous)のノード

使用例:

一つ前のノードとの差分を算出する
例)前四半期売上比
式:Sum([売上額]) / Sum([売上額]) OVER Previous([Axis.X])

Parent

集計対象:

現在のノードの親(Parent)ノード

使用例:

親ノードに対する差分を算出する
例)年度内四半期別の売上比
式:Sum([売上額]) / Sum([売上額]) OVER Parent([Axis.X])

AllNext / AllPrevious

集計対象:

現在のノードを含む、以後すべて(AllNext)または以前すべて(AllPrevious)のノード

使用例:

過去全てのノードの和を算出する
例)累計売上額
式:Sum([売上額]) OVER AllPrevious([Axis.X])

Intersect

集計対象:

複数の範囲指定の交差(Intersect)したノード

使用例:

年と四半期の交差したノードを用いて累計を算出する
例)年度ごとの累計売上額
式:Sum([売上額]) OVER (Intersect(AllPrevious([Axis.X]),Parent([Axis.X])))

LastPeriods

集計対象:

インデックスで指定した数の現在のノード以降(LastPeriods)のノード

使用例:

指定した過去ノードを対象に平均を算出する
例)過去4四半期の平均売上額
式:Sum([売上額]) OVER LastPeriods(4,[Axis.X]) / Count([売上額]) OVER LastPeriods(4,[Axis.X])

FirstNode / LastNode

集計対象:

先頭のノード(First Node)または
最終のノード(Last Node)

使用例:

先頭のノードに対する比を算出する
例)初年度Q1に対する売上比
式:Sum([売上額]) / Sum([売上額]) OVER FirstNode([Axis.X])

ParallelPeriod

集計対象:

1つ前の親ノードにおける同じ期間(ParallelPeriod)のノード

使用例:

1つ前の親ノードを用いて差分を算出する
例)前年同四半期比の売上差分
式:Sum([売上額]) - Sum([売上額]) OVER ParallelPeriod([Axis.X])

NavigatePeriod

集計対象:

引数を指定した独自(NavigatePeriod)のノード
式:NavigatePeriod(Arg1, Arg2, Arg3, Arg4)

Arg1:階層を指定
Arg2:前後に移動する階層の名前(”Year”, “Quarter”など)
   または、現階層から上へ移動するステップ数を指定。
Arg3:Arg2で指定した階層レベルで、前後に移動するステップを指定。
Arg4:集計対象となる階層の階層名、または下に移動するステップ数を指定。

使用例:

参照ノードを設定し、比を算出する
例)前年同四半期比の売上比率
式:Sum([売上額]) / Sum([売上額]) OVER (NavigatePeriod([Axis.X],1,-1,1))

NextPeriod / PreviousPeriod

一定の周期を持つ時間階層に従ったノードの計算ができます。例えば、2023年Q2ノードの次のノードである2023年Q3のデータがない場合、空値を返します。(Nextを使うと、2023年Q4が集計対象になる)。

集計対象:

現在のノードの次(Next)または前(Previous)のノード

使用例:

時系列データを用いて前のノードとの比を算出する
例)前月比の売上増減率
式:Avg([売上額]) / Avg([売上額]) OVER NextPeriod([Axis.X]) -1

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