2025/06/19
アドバンスド
※本記事は2025/5/29開催セミナー「TIBCO Spotfire活用セミナー 横持ち/縦持ちデータの理解と構造」で紹介した内容です。
このコンテンツでは、 ピボットやアンピボットを用いたウェハ不良分布の可視化をご紹介します。利用したバージョンは、Spotfire Analyst 14.0です。ご利用環境によって、一部画面構成が異なる場合がありますので、ご了承ください。
半導体製造において、ICチップの歩留まりを高めるには、不良の発生箇所を正確に把握し、原因を特定することが欠かせません。特にウェハー上の座標ごとに不良数を集計・可視化することで、「特定のエリアに不良が集中しているのか」「ランダムに発生しているのか」といった傾向を明らかにすることができます。
本記事では、ウェハー上のICチップ座標ごとに不良数を集計し、どの箇所に不良が多く発生しているかを可視化する方法を紹介します。Spotfireのピボットやアンピボットといったデータ変換機能を活用して、製造現場でもすぐに応用できる分析フローを紹介します。
ICチップの製造データに対してピボットとアンピボットを適用し、可視化を行います。
完成イメージは下記になります。ラベルの数字は不良チップ数を表します。
本記事で使用するデータはこちらからダウンロードください。
本データは、半導体ウェハー上の各ICチップに関する情報を1行ずつ記録したものです。
1行が1ICチップ分の情報を表しており、以下の項目で構成されています。
データをピボット変換し、ロット、ウェハー番号、座標ごとに不良チップの件数を集計します。以下の通り設定します。ウェハー上のどの位置で不良が多く発生しているかを可視化でき、空間的な傾向を把握することができます。
ピボット変換後のデータテーブルは以下になります。座標ごとに不良チップの件数を確認できます。
ピボットにより横持ちデータを、縦持ちデータに変換します。データ形式の変換により、不良種別ごとのフィルターを柔軟に行えるようになります。横持ちデータのままにしたいカラムを「移動するカラム」、縦持ちデータに変換するカラムを「変換するカラム」に設定します。
以下の項目はデフォルト設定のままにします。
カテゴリカラム名、数値列名、データ型、空の値を含める
縦持ちデータに変換し、ICチップ座標ごとに不良数を可視化できます。
散布図を作成し、X軸:Xカラム、Y軸:Yカラムに設定します。ビジュアライゼーションのプロパティから以下項目を設定し、見た目を整えます。
以上の手順により、ウェハー上の不良分布を視覚的に把握できるようになります。可視化を通じて、不良発生の傾向や偏りを把握し、工程改善や歩留まり向上に役立てることができます。
Spotfire活用セミナー
アーカイブ動画を配信中
前の記事
タグ機能を用いたデータの分類【アドバンスド】最新の記事