2021/11/18

Webアンケート

アンケート集計方法は?Excelで出来るまとめ方のポイントを解説

アンケートのデータを生かすためには、目的や質問の内容に合った集計方法を選ぶ必要があります。膨大なデータを効果的に使えるかどうかは集計とまとめにかかっていると言っても過言ではありません。この記事では、代表的なアンケートの集計方法や、まとめに使えるグラフなどを紹介し、アンケートを適切に集計・分析する方法について解説していきます。

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代表的なアンケートの集計方法

以前は、アンケートと言えばハガキなど紙を使った手法が一般的でしたが、スマホやインターネットが普及し、ホームページやメール、SNSを使ったWebアンケート集計が容易になったことから、誰もが気軽に行えるものとなりました。Webアンケートは回答をデジタルデータで集めることができるため、集計にかかる手間やコストを大幅に削減することも可能です。今後ますますアンケートを活用して、消費者や利用者の声を製品づくりやサービスに反映させる企業が増えてくるでしょう。ここで重要なのが、アンケートのデータをどのように集計するかということです。ここからはアンケートの代表的な集計方法を紹介していきます。

単純集計

単純集計は最も基本的な集計方法です。1つ1つの設問ごとに、回答別の人数を集計し、パーセンテージを算出します。回答全体の大まかな傾向を把握することに適している一方で、回答者の属性などは考慮されません。結果は単純集計表(GT表)にまとめた後、グラフ化することが多いです。

単純集計の具体例

新しくリリース予定のAというサービスに対し、150人の回答者に「とても利用したい」「利用したい」「どちらとも言えない」「あまり利用したくない」「全く利用したくない」の5択から選択して回答してもらいます。「とても利用したい」21人、「利用したい」63人、「どちらとも言えない」45人、「あまり利用したくない」15人、「全く利用したくない」6人だった場合、この人数からパーセンテージを算出します。パーセンテージは、「とても利用したい」14%、「利用したい」42%、「どちらとも言えない」30%、「あまり利用したくない」10%、「全く利用したくない」4%です。単純集計表に、回答ごとの人数とパーセンテージを併記してまとめます。

このアンケート結果から、「とても利用したい」「利用したい」と前向きに答えた人は56%で過半数を超えており、「あまり利用したくない」「全く利用したくない」と答えた人は14%であることが分かりました。「利用に前向きな人が、利用に後ろ向きな人よりも多い」という全体像を掴むことが可能です。なお、150人のうち、男性が63人、女性が87人だった場合、パーセンテージは男性42%、女性58%となります。単純集計の場合、回答と属性を組み合わせて集計しないので、それぞれを独立した結果として集計します。

クロス集計

クロス集計とは、「とても利用したい」と答えた「女性」のように、2つ以上の条件をかけあわせて集計する方法です。男女別、年代別、居住地別など、組み合わせて集計することで、単純集計では把握することができない相関関係などを発見することができます。クロス集計には属性クロス集計と設問間クロス集計の2種類があります。属性クロス集計とは、回答者の性別、年代、居住地、職業といった属性をもとに分析する方法です。対して、設問間クロス集計では、異なる設問に対する回答をかけあわせて分析します。具体的に見ていきましょう。

属性クロス集計の具体例

単純集計の例として挙げたサービスAのアンケート結果を利用し、「とても利用したい」21人(男性6人、女性15人)、「利用したい」63人(男性18人、女性45人)、「どちらとも言えない」45人(男性30人、女性15人)、「あまり利用したくない」15人(男性9人、女性6人)、「全く利用したくない」6人(男性0人、女性6人)というように、性別の属性をかけあわせてみます。すると、「とても利用したい」男性9.5%、女性17.3%、「利用したい」男性28.6%、女性51.7%、「どちらとも言えない」男性47.6%、17.2%、「あまり利用したくない」男性14.3%、女性6.9%、「全く利用したくない」男性0%、女性6.9%という結果になります(端数を調整し、合計を100%にしています)。

この集計により、男性は「どちらとも言えない」、女性は「利用したい」と答えた人が最も多く、「全く利用したくない」と答えた男性はいなかったことが分かります。

設問間クロス集計の具体例

「サービスAを利用したいか」という設問に加え、「サービスAの価格について、どの程度良いと思いますか」という設問への回答「満足」51人(34%)「普通」87人(58%)「不満」12人(8%)をクロスさせて集計します。「とても利用したい」21人(価格に)満足20人、普通1人、不満0人)、「利用したい」63人(満足30人、普通33人、不満0人)、「どちらとも言えない」45人(満足1人、普通43人、不満1人)、「あまり利用したくない」15人(満足0人、普通10人、不満5人)、「全く利用したくない」6人(満足0人、普通0人、不満6人)と仮定します。

パーセンテージを出して集計した結果は「とても利用したい」(価格に)満足95.2%、普通4.8%、不満0%、「利用したい」満足47.7%、普通52.3%、不満0%、「どちらとも言えない」満足2.2%、普通95.6%、不満2.2%、「あまり利用したくない」満足0%、普通66.7%、不満33.3%、「全く利用したくない」満足0%、普通0%、不満100%です。この結果から、「とても利用したい」「利用したい」と答えた人で価格に不満があると答えた人はいないことなどが分かります。

アフターコーディング

記述回答など、自由に回答するアンケートを取った際に、内容や単語を抽出して選択肢に置き換える作業を「アフターコーディング」と言います。類似の回答をまとめることで、数字に表せない定性的なデータを、定量的に把握できるようになります。

テキストマイニング

記述回答など、自由に回答するアンケートを取った際に、文章を単語や文節に分けて、出現頻度や重要度などで分析する方法を「テキストマイニング」と言います。専用のツールを用いて行い、出現数の多い単語のランキング化などが容易にできます。アフターコーディングのように手間がかからず、SNSから抽出したような膨大な量のデータ分析も得意です。コールセンターに寄せられる問い合わせの分析などにも使われます。

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アンケートのまとめに使える8種類のグラフとは

アンケートの集計結果は、グラフにして視覚化することで、より分かりやすくなります。ここからはアンケートのまとめに使える主要なグラフと、どのようなアンケートに向いているかについて解説していきます。

①円グラフ

円グラフは、複数の選択肢から1つを選ぶ回答方式「単一回答」のアンケートを集計する際に向いているグラフです。円全体を100%として表すため、回答の合計が100%になるアンケートで使います。

②帯グラフ

帯グラフは、単一回答のアンケート結果をクロス集計する際に向いているグラフです。円グラフ同様に、帯全体を100%として内訳を表します。1つの帯グラフが1つの設問を表し、それを複数並べることでクロス集計を可視化することが可能になります。

③棒グラフ

棒グラフは、複数回答のアンケート結果を集計する際に向いているグラフです。複数回答とは、1つの設問に対して複数の回答を選んでもらう方式で、回答の合計が100%になるわけではありません。選択肢をグラフの左側に記載して棒を横向きに並べる「横棒グラフ」と、選択肢を下側に記載して、棒を立てて並べる「縦棒グラフ」があります。割合が多い順に並べて表示することで、一目で傾向を読み取ることが可能です。

④折れ線グラフ

折れ線グラフは、単一回答、複数回答のどちらのアンケートでも活用できるグラフです。ただし、線の傾きによって値が増減している様子を可視化できる点が特徴なので、時系列による値の変化を見たいときなど、ある程度の期間に繰り返して行った調査を集計する際に使いましょう。

⑤棒グラフ+折れ線グラフ

回答数や割合が多い順に並べることで一目で傾向を把握できる棒グラフに、折れ線グラフを組み合わせることで、クロス集計を分かりやすく表示することができます。複数回答のアンケートに向いている方法です。棒グラフで単純集計結果を表し、折れ線グラフでクロス集計したい比較対象のデータを表します。

⑥散布図

散布図は、データの分布を視覚的に把握するためのグラフです。縦軸と横軸の2つの項目で量を計測し、該当する場所に点を打っていきます。例えば、「気温と消費電力」「作業時間と生産量」といった風に、縦軸と横軸で表した2つのデータに相関関係があるのか、ないのかを見たいときに適した方法です。このグラフを用いることで、「気温が高いと消費電力が増える」というように、データに何が影響しているか、その要因を明確にすることができます。

⑦レーダーチャート

レーダーチャートとは、回答項目と同じ数の正多角形で表すグラフです。中心を0にし、値が大きくなるほど外に広がるように目盛りを打ち、正多角形の各頂点が各回答項目の最大値となるようにします。各項目の数値を線で結ぶことで、データのバランスや強弱を見ることが可能です。正多角形にするため、3つ以上の回答項目が必要です。

⑧ワードクラウド

ワードクラウドは出現頻度の多さに応じて文字の大きさや色、フォントなどを変えて表示することで、情報を可視化する方法です。テキストマイニングによって抽出した単語を集計する際に、多く使われます。記述などの自由回答ではデータを定量的に把握するのが難しいですが、ワードクラウドを使えば、どのような言葉が繰り返し使われているかを一目で把握することが可能です。

アンケートのまとめるときに気を付けたいポイント

せっかくアンケートを取っても、適切に集計してまとめられなければ効果的に活用することができません。アンケートをまとめる際に気を付けておきたいポイントについて説明します。

適切な集計方法とグラフを選択

アンケートの結果を効率的に役立てるための準備は、アンケートを設計する段階から始まっています。「どのような目的でアンケートを取るのか」「最終的にどのようなデータを得たいのか」を十分に検討し、その結果をもとに、アンケートの結果をどのようにまとめるかまで見越して、集計方法を含むアンケートの設計をしていく必要があるからです。「単一回答か、複数回答か」「単純集計かクロス集計か」を決めてから、調査方法、質問の内容、回答者の人数、男女比などを検討します。集計や分析のしやすさから、多くの人数にアンケートを行う際には単一回答が適していることも頭に入れておきましょう。アンケート実施後は、適切な集計方法とグラフを用いることが重要です。せっかくのデータを意味のないものにしないための鍵は、集計方法とグラフの選択にあると言っても過言ではありません。

平均値だけでなく中央値・最頻値も活用

アンケートを集計する際に、集団の中心的な傾向を把握するために平均値を出すことがあります。平均値とは、値の和を人数などの個数で割ったもので、テストの平均点などで身近に接する機会も多いでしょう。しかし、平均値は値のばらつきが大きい場合などに少数派の値の影響を大きく受けてしまうため、必ずしも集団の傾向を代表するとは限りません。分布によっては中央値や最頻値を用いたほうが分かりやすい場合もあります。

中央値とは、集団の分布の中央にある値のことで、最頻値とは、最も多い頻度の値のことです。5人の生徒のテストの点数が10点満点中、10点、9点、8点、5点、5点、3点だったとします。平均値は、(10+9+8+5+5+3)÷5=8なので、8点です。中央値は全体の個数が奇数の場合、中央の2つの平均を取るため、8点と5点の平均となり、6.5点となります。最頻値は最も頻度の多い数値なので、2人の得点である5点です。このように、同じ集計結果から得られる数値であっても、平均値、中央値、最頻値は全く異なるものだということが分かります。データの内容や、分析したい情報によって、どの値を選択するかを吟味する必要があるでしょう。

集計ミスは致命的!正確で信頼性の高いアンケート集計を

アンケートの集計・分析結果は商品の開発やサービスの改善などに使われることが多く、商品やサービスの売れ行きを通じて企業経営に大きく影響するものです。正確で信頼性の高いものでなければなりません。分析ツールやExcelなどを使って機械的に集計したとしても、入力段階などでミスが起きていないか、正確に集計できているかを複数人でチェックするようにしましょう。

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